中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

たき火

2012-01-21 14:42:07 | 身辺雑記

 

 http://www.youtube.com/watch?v=S9wgi2SlsJA

 

かきねの かきねの まがりかど
たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」
きたかぜぴいぷう ふいている

さざんか さざんか さいたみち
たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」
しもやけ おててが もうかゆい

こがらし こがらし さむいみち
たきびだ たきびだ おちばたき
「あたろうか」「あたろうよ」
そうだん しながら あるいてく

 

 

懐かしい童謡である。今では見られなくなった情景だけに、なおさら昔のことがしみじみと懐かしく思い出される。この歌を聴いていると、落ち葉のたき火の温かさまで感じるように思う。

 

 この童謡は、昭和16年(1941)の12月に東京放送局(現NHK)で12月9日と10日の「幼児の時間」で楽曲が流された。当初は3日間放送する予定だったが、8日に太平洋戦争が勃発したために、初日に放送されると軍当局から「焚き火は敵機の攻撃目標になる」、「落ち葉は風呂を焚く貴重な資源だからもったいない」という批判が出て11日の放送は戦時番組に切り替えられた。開戦早々から本土に敵機が襲来することを想定していたのか、風呂を焚く資源も枯渇すると予想していたのか。これも検閲の結果なのだろうが、軍部の言い分は、いかにも卑小な小者の言という感じがする。

 

 それに戦後になって昭和24年(1949)にNHKのラジオ番組の「うたのおばさん」で松田トシさんや安西愛子さんが歌って広まり、小学年生の音楽の教科書にも掲載されるようになったが消防庁から、平成19年(2007)には「町角の焚き火は危険」「防火教育にさしつかえないよう考えて欲しい」と批判があり、それを受けて、教科書に掲載する際には挿絵にたき火と人物だけでなく、火消し用の水が入ったバケツを描くようになったという。どうも官の言い分はもっともなようだがせせこましい。今では都会地では家庭や街中ではたき火は禁止されているから、この歌は今の子どもには意味が分からないだろう。子どもだけでなく、都会育ちの若い人たちにも経験がないのではないだろうか。第2節目の「しもやけおててがもうかゆい」の、しもやけ(霜焼け)などは今でもあるのだろうか。昔の子どもは赤くはれ上がった手になっていて、かゆくて掻くから傷ができて崩れたりした。 

 

 今に比べると万事が素朴で質素な時代だった。