11月3日
○沖縄でまた米兵が不祥事を起こした。先月2人の米兵が浮上暴行事件を起こしたばかりで、外出禁止令が出ているのに、2日の午前1時頃空軍所属の兵士が、飲酒して暴れ、ビル3階にある民家に侵入して寝ていた中学生の男の子の顔を殴って、テレビを壊した。米兵は民家の窓から侵入して転落、負傷したので、米軍基地内の病院に収容された。
たび重なる米兵の暴挙に沖縄県民は激しく怒っている。日米両政府は再発防止策を講じると言っているが、まったく役に立たず、県民にとっては「絵空事」という思いがある。事件のあった読谷村(よみたにそん)の61歳の元教員の男性は「こうした事件が繰り返される根底には米軍の占領意識から来る差別構造がある。戦後67年経過しても、そうした構図を引きずっているのが沖縄の現状で、絶対に許せない」と言ったそうだが(『毎日』2日付夕刊)、その通りだと思う。最近の米軍の質が悪いということもあるだろうが、何よりも、いまだに占領軍意識があり、沖縄を領土くらいに思って、沖縄人を見下しているのではないか。
11月4日
○コーヒーチェーン大手のスターバックスコーヒージャパンが来春、山陰地方で初めて松江市に出店するそうだ。日本でスターバックスの店舗がない県は、鳥取県だけになるという。テレビ局から感想を求められた鳥取県の平井伸治知事はこう切り返した。「うちには大きなスナバ(砂場)がありますから」(『東京』4日付けコラム「点滴」)。
スタバ(スターバックス)などなくてもスナバ(砂丘)があるという気概を示したのだろうが、つまらない質問をするテレビ局に対して気のきいた回答だ。だいたい日本の政治家や首長などの発言は味気ないものが多いが、この知事のようなウイットのある発言は愉快だ。
○田中文科相がまた話題になるようなことをした。既に文科省の指導を受けて建物の増設や教員の採用などの基準をクリアし、大学設置・学校法人審議会からも開設許可の答申を受けていた、札幌保健医療大学(札幌市)、愛知・岡崎女子大学(岡崎市)、秋田公立美術大学(秋田市)の3校の新設を不認可にした。「大学が多過ぎるし質も低下している。今後の大学設置認可のありようについて、将来のために全体的に抜本的に見直しをするということを決めた」と言っているようだが、不許可にされた大学は寝耳に水で、入学希望の学生や採用予定の教職員に混乱が広がっている。もちろん地元の県市では憤慨している。
きちんと手続きを踏んで新設の方向に向かっていたのに、これを文科相の一存で覆すということなどできるものだろうか。権力の乱用という気がする。田中氏は小泉内閣の外務大臣の時にも外務官僚と衝突して騒ぎになったことがある。唯我独尊、独善の性向がある人物なのか。これでまた野党は追及し、場合によっては辞任も要求するのではないか。野田末期内閣はまた紛糾の火種を抱え込んだことになる。
11月5日
○2時頃に昼寝をして、4時近くまでぐっすり眠った。醒め際に階下で何か人の気配がしたと思ったら妻がそばに来て、「おとうさん」と呼びかけた。ああ、いるのだなと思ったとたんに目が醒め、やはり夢だったのかと寂しくなってしまった。「おとうさん」と呼んだその声は確かに妻の声だったし、柔らかいその声音が懐かしく、しばらくぼんやりしていた。何か物悲しかった。
人によっては、きっと奥さんが訪ねて来たのだと言うだろう。そんなことはとても信じられないが、それでも、もしそうだったらと思ったりもする。