長万部町の国道37号の直線道路から眺めると、左手に端整な山頂部をもたげる写万部山(498.8m)で、その南端の丘のような山がオタモイ山(272.3m)である。この2山は尾根で繋がっている。
写万部山は登山道があり、夏には何度も登っているが、オタモイ山は登山道はないので、4年前にスキーで登っただけである。そのときに、次の機会は、まだ冬に登っていない写万部山とセットで循環縦走をしてみたいと思っていた。
スキーで登るには、オタモイ山から写万部山までの尾根にアップダウンがあり、緩やかなので、反時計回りをした方が有利と考えていた。
千歳の道の駅を5時に出て、長万部まで来たら、天気も良く、両山が見えていたので、決行することにした。写万部山登山口への道とオタモイ山へ取り付く道の間に深いオタモイ川が流れていて、渡渉が難しい。そこで、「幌内原野縦貫線」のわずか50mしか離れていない両方の道への入口付近に車を停める場所を探していた。そこへ除雪車がやって来たので、聞いてみたら、すぐそばの農家の裏の除雪してある所へ停めたらいいと言ってくれた。
オタモイ山と写万部山の山頂部を眺めながら準備をする。8:10スタート。
高速道路の下を潜り、すぐ先でオタモイ山の南西尾根に取り付いた。
人工林の中はササが起きているので、避けるようにして登って行く。
振り返ると、眼下に静狩原野が広がる。
9:10、ちょうど1時間で、山頂標識の設置されたオタモイ山に到着。北側に目指す写万部山が見える。
オタモイ山から右奥の329ポコを目指す。
9:50、329ポコに到着。静狩市街地と礼文華海岸を眺める
329ポコから写万部山までの尾根は黒松内町と長万部町の境界線である。方向を西へ変えて進む。
なぜか長万部側は若いダケカンバ林が続き、黒松内側は人工林とその先も自然林だった。
森林限界を抜けて、写万部山の東隣のピークを目指して進む。
正面は雪庇が発達しているので、少し右側から巻いて登った。
頂上直下に全層雪崩の割れ目を抱く写万部山への最後の登り。
頂上へは急なので右から巻くようにして登った。
11:05、2時間55分で、頂上標識も天側点も雪の中に隠れてしまっている写万部山に到着。後ろは幌内山地。
南側に広がる静狩原野から長万部市街ち方向を眺める
11:40、下山開始。下りの雪庇が発達した尾根を見下ろす。滑りを楽しめる斜面ではない。
雪庇の割れ目があちこちに走っている。怖いので慎重に横滑りで下るだけ。
登山道のある尾根は急で、雪庇も出ているので、とても下りれる感じではない。
1本西側の尾根が「冬尾根」と呼ばれている尾根で、重い雪だが快適なターンを楽しむことができた。
林の中の下りは、雪が重くなっていて思うようにターンができない。ただ安全に下るだけ。
夏道の尾根との間に深い沢があるので、そのまま下って、直接下の車道へ出るつもりだった。
しかし、林道へぶつかった。それを辿って東へ進んだら夏道に合流した。
12:10、頂上から30分で写万部山登山口に到着。
緩やかな牧場の除雪されていない管理道路を下る。緩いなりに下りで、スキーが滑るので助かる。
高速道路の上を渡る橋の手前が除雪終点だった。写万部山だけなら、ここまで車で入ることはできる。
12:35、重たい雪で手こずったが、頂上から1時間弱で、幌内原野縦貫線へ出てゴール。
トータルで、4時間25分の4年間温めてきた念願の循環縦走が叶った。長万部温泉ホテルで疲れを癒して帰路に就いた。
幸い、帰路の天候の良さに惹かれて、回ることができました。
雪が多いのも幸いしたようで、快適な縦走でした。
今回は奥の民家までは入らないで、手前から尾根に取り付きました。
3/9、たくさん集めていただき、非常に楽しみです。よろしくお願いいたします。