昨日の新聞に、残念なニュースが掲載されていた。2014年9月8日~10日に2泊3日で歩いたことのある「北根室ランチウェイ」が閉鎖されるという。
ランチは大牧場の意味で、大規模酪農地帯、根釧原野を貫く道をイメージして名付けられたロングトレイルである。コースは、中標津バスセンター~開陽台~レストラン牧舎~養老牛温泉~西別岳山小屋~摩周湖第一展望台~JR美留和駅の71.4kmの道のりである。宿泊はシュラフ持参だが、1泊目は佐伯農場(レストラン牧舎)、2泊目は西別岳山小屋に泊ることができた。
これまでに歩いたフットパスは、既存の車道を利用したものが多かった。しかし、ここは、舗装車道はごく一部で、農道、林道、牧場や牧草地の作業道、このために開削した道など、徹底した自然道にこだわった変化に富んだルートで実に楽しかった。山中の道は丁寧な刈り払い整備が行き届いているのにも感動した。
1・2日目は、牧場や牧草地の中や、それらを見ながらの歩きが多く、3日目は西別岳~摩周岳(カムイヌプリ)の登山道や摩周湖畔からの森林管理歩道や林道の歩きだった。
当初は、道内より道外で有名で、登山家の田部井淳子さんや旅行作家のシェルパ斎藤さんなどが歩いて、雑誌等に投稿して知られるようになった。閉鎖はメンバーの高齢化のためにルート維持が困難になったことが理由だという。わずか10年で閉鎖というのは残念だが、心から労いと感謝の意を表したい。
最近は、このようなフットパスだけでなく、登山道もメンバーの高齢化が理由で整備ができなくなっているところや、国や自治体が予算の関係で維持できなくなって、廃道になっているところが多くなっているのが残念である。
その2泊3日の歩き旅の詳しい記録は、下記に掲載しているが、その中から、印象的な写真だけでも紹介しておきたい。
http://sakag.web.fc2.com/kiraway1.htm
スタート地点の中標津市街地から開陽台へ向かう道の案内標識。
林の中を抜ける道
開陽台から下の牧場へ下る道。
いろいろな案内標識
牧柵を通過する箇所には「マンパス」という設備がいろいろ工夫されていて面白かった。
1泊目に泊った佐伯牧場の牧草運搬車を改造したバンガロー。夕食は敷地内になるレストラン牧舎で。
広大な牧草地の中の道を行く
林の中に開かれた道~「ランニングOK」の標識もある。
車道のそばに開削した道~自然道を歩かせたいとのこだわりを感じる
牧場の中を行く
「牛」と刈り払われている、エアーズロックのようなモアン山
2泊目は、道内で最も豪華で快適な山小屋と評判の高い西別岳山小屋。食事は、簡単な自炊。
西別山山頂にて
摩周湖展望台
林の中の管理歩道へ
最後は農道を歩いて、ゴールを目指す
ゴールの美留和駅。ここからバスに乗ってスタート地点の中標津バスセンターまで戻った。
北根室ランチウェイには特別な思い入れがあります。主宰者である佐伯さんたち少人数でのランチウェイの維持は難しかったのでしょうね。
全国的にみても素晴らしいトレッキングコースをなんとか残すために行政などからの支援がなかったのでしょうかねぇ。きっと佐伯さんはそのことをヨシとしなかったかもしれませんが…。それにしても惜しいです。
素晴らしいトレイルだっただけに、あそこを維持するには、佐伯さんならでは無理でしょうね。