蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

魔女と過ごした7日間

2023年12月09日 | 本の感想
魔女と過ごした7日間(東野圭吾 角川書店)

ラプラスシリーズ第3弾。中3の月沢陸真は二人暮らしだった父(元刑事)を殺人事件で亡くす。事件の真相を親友の宮前純也と解き明かそうとしているうち、不思議な能力を持つ羽原円華としりあい・・という話。

これまでの2作が、ぐっとSFちっくだったのに対して、本作では殺人事件を捜査して犯人を探すというミステリになっていて、円華のエスパーのごとき能力も解決のためにはほとんど利用されない。

タイトルからするとジュブナイル風なのかな・・・という感じもあるが、テーマは社会派(警察によるDNAデータ収集の是非)。

SFかミステリか、犯人探しか社会派か、主役は中学生なのか円華なのか・・・いずれもどっちつかずだったかな・・・という気がしないでもない。
著者のような超売れっ子になれば、シリーズやキャラに頼った作品の連打になりそうなものだけど、ラプラスシリーズは、チャレンジングな設定に挑んでいる意欲作とも言えるだろう。

著者の作品を読み始めるとき、どうしても「秘密」とか「容疑者Xの・・・」といった超傑作を思い出して期待値が高まってしまうのが困りものだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヒトラーの馬を奪還せよ | トップ | 飛び立つ季節 »

コメントを投稿

本の感想」カテゴリの最新記事