蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

クジラアタマの王様

2022年07月12日 | 本の感想
クジラアタマの王様(伊坂幸太郎 新潮文庫)

岸は製菓会社の苦情処理の担当。人気ダンスグループの小沢ヒジリが好みだと発言してくれたおかげでヒットしたお菓子に異物が混入していたというクレーム対応がうまくいかず、窮地に陥るが、クレーマーの夫で都議会儀委員の池野内が妻の狂言であったことを申し出てくれた
て助かる。3人はかつて宿泊していたホテルで火事にあうという経験を共有していた・・・という話。

ハードカバーで出版された時、読み逃していたので文庫で読んだ。

途中に絵本風イラストが何箇所が挿入され、3人が夢?の中でRPGの勇者風に闘う場面が描かれているのが新基軸。

うーん、
夢と現実の融合という、ありがちなアイディアが、伊坂さんの手にかかるとこんなにも素敵な作品に・・・という結末を楽しみに読み進んだのだけど、いつまでたっても融合しないというか、夢パートと現実パートが並行したまま終わったという感じだった。

ちなみに、あとがきによると岸とヒジリという登場人物の名前はプロ野球の楽天の選手名にちなむものだそう。確かに、聖澤はまだまだ活躍できそうな感じだったのになあ。

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