(出石温泉にて、8/23・「愛宕の火祭り」案内ポスター)
お盆の休日・二日目、神鍋、湯村、浜坂、餘部、香住をぐるっとドライブした後、豊岡を通り過ぎ出石温泉・乙女の湯に到着です。
二日間の休日の締めくくりは、いつも利用するこの温泉で入浴と食事、明日からの鋭気を養います。
出掛ける直前、正午のニュースで見ました。64回目の終戦記念日、日本武道館での政府主催・全国戦没者追悼式です。
天皇皇后両陛下のご出席のもと、日本の礎(いしずえ)となって散っていった若き英霊に、心を込めて黙祷です。
64年前の今日、その時を生きた人たちはどんな思いで一日を過ごしたことでしょうか。
乙女の湯は、豊岡市出石町にあります。壁にはこの温泉の目と鼻の先、出石町中村にある伊福部神社の「愛宕の火祭り」のポスターです。
神社の前、道をはさんで斎藤隆夫記念館・静思堂(せいしどう)が建っています。
斎藤隆夫は出石町中村の出身、大戦中に軍部を徹底的に批判し、兵法「六韜三略(りくとう・さんりゃく)にならい、事件の責任者を処断せよと寺内陸相に詰め寄る、あの有名な粛軍演説をやってのけ、議員除名処分を受け後の世に憂国の大政治家として名高く、憲政史上その影響力は尾崎行雄、犬養毅に並ぶと言っても過言でない政治家なのです。
彼が除名処分の後、昭和17年の総選挙で軍部選挙妨害をはねのけ、翼賛選挙で非推薦でありながら最高点で当選、衆議院議員に返り咲きます。
その彼も終戦の8月15日を迎えるわけです。
斎藤隆夫遺稿集によりますと、彼はこの戦争をこう述べています。
「戦争はやらねばならなかったか、断じて左様なことはない。やるべからざる戦争をやって大敗を招いたのである。」、
「戦争は容易にやるべきものではない。孫子も言うて居る。兵は国の大事、死生の地存亡の途、察せざるべからず。彼を知り已れを知れは百戦殆うからず、彼を知らず己れを知らざれば戦う毎に必ず敗ると。今日は事既に過ぎたり。如何に悔悟するも及はぬことである」、
「最後に一言す。我々は戦争に敗けた。敗けたに相違ない。併し戦争に敗けて領土を失い軍備を撤廃し賠償を課せられ其の他雑多の制裁を加えらるるとも是が為に国家は亡ぶるものではない。人間の生命は短かいが国家の生命は其の長い間には叩くことあれば叩かるることもある。盛んなことあれば衰えることもある。衰えたからとて直ちに失望落胆すべきものではない。若し万一此の敗戦に依って国民が失望落胆して気力を喪失したる時は其の時こそ国家の亡ぶる時である。それ故に日本国民茲に留意し新たに勇気を取り直して旧日本に別れを告ぐるると同時に新日本の建設に向って邁進せねばらぬ。是が日本国民に課せられたる大使命であると共に、如何にして此の使命を果し得るかが今後に残されたる大問題である。」と。
今の政治家、あの怖い恐ろしい軍部を敵に回し、命を賭けて事に当たる勇気ありましょうか。
齋藤隆夫の生涯と名演説集、本当に凄いものです、郷土の誇りです。
お盆の休日・二日目、神鍋、湯村、浜坂、餘部、香住をぐるっとドライブした後、豊岡を通り過ぎ出石温泉・乙女の湯に到着です。
二日間の休日の締めくくりは、いつも利用するこの温泉で入浴と食事、明日からの鋭気を養います。
出掛ける直前、正午のニュースで見ました。64回目の終戦記念日、日本武道館での政府主催・全国戦没者追悼式です。
天皇皇后両陛下のご出席のもと、日本の礎(いしずえ)となって散っていった若き英霊に、心を込めて黙祷です。
64年前の今日、その時を生きた人たちはどんな思いで一日を過ごしたことでしょうか。
乙女の湯は、豊岡市出石町にあります。壁にはこの温泉の目と鼻の先、出石町中村にある伊福部神社の「愛宕の火祭り」のポスターです。
神社の前、道をはさんで斎藤隆夫記念館・静思堂(せいしどう)が建っています。
斎藤隆夫は出石町中村の出身、大戦中に軍部を徹底的に批判し、兵法「六韜三略(りくとう・さんりゃく)にならい、事件の責任者を処断せよと寺内陸相に詰め寄る、あの有名な粛軍演説をやってのけ、議員除名処分を受け後の世に憂国の大政治家として名高く、憲政史上その影響力は尾崎行雄、犬養毅に並ぶと言っても過言でない政治家なのです。
彼が除名処分の後、昭和17年の総選挙で軍部選挙妨害をはねのけ、翼賛選挙で非推薦でありながら最高点で当選、衆議院議員に返り咲きます。
その彼も終戦の8月15日を迎えるわけです。
斎藤隆夫遺稿集によりますと、彼はこの戦争をこう述べています。
「戦争はやらねばならなかったか、断じて左様なことはない。やるべからざる戦争をやって大敗を招いたのである。」、
「戦争は容易にやるべきものではない。孫子も言うて居る。兵は国の大事、死生の地存亡の途、察せざるべからず。彼を知り已れを知れは百戦殆うからず、彼を知らず己れを知らざれば戦う毎に必ず敗ると。今日は事既に過ぎたり。如何に悔悟するも及はぬことである」、
「最後に一言す。我々は戦争に敗けた。敗けたに相違ない。併し戦争に敗けて領土を失い軍備を撤廃し賠償を課せられ其の他雑多の制裁を加えらるるとも是が為に国家は亡ぶるものではない。人間の生命は短かいが国家の生命は其の長い間には叩くことあれば叩かるることもある。盛んなことあれば衰えることもある。衰えたからとて直ちに失望落胆すべきものではない。若し万一此の敗戦に依って国民が失望落胆して気力を喪失したる時は其の時こそ国家の亡ぶる時である。それ故に日本国民茲に留意し新たに勇気を取り直して旧日本に別れを告ぐるると同時に新日本の建設に向って邁進せねばらぬ。是が日本国民に課せられたる大使命であると共に、如何にして此の使命を果し得るかが今後に残されたる大問題である。」と。
今の政治家、あの怖い恐ろしい軍部を敵に回し、命を賭けて事に当たる勇気ありましょうか。
齋藤隆夫の生涯と名演説集、本当に凄いものです、郷土の誇りです。