
(若草の芽萌ゆる国府駅で、大阪行きの特急コウノトリ号を待つ1両電車)
今日3月5日は、二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。
外の暖かさに誘われて、冬ごもりしていた地中の虫さんが、ゴソゴソ地上に出てくると云われる啓蟄ですね。
一室に謹慎させ、外出させないことを蟄居(ちっきょ)、その言葉の蟄(ちつ)って字は、虫の上に執をかぶせて虫をとらえる、取り押さえるという意味になります。
辞書には、蟄は虫さんが地中に篭(こも)ることと出ています。その篭っていました虫さんを、「ひらく」「未知のものを明らかにする」の意の、「啓(けい)」で地上に出させるということで、「啓蟄(けいちつ)」と書いて、虫さんがゴソゴソと出る言葉になりました。
二十四節気の、それぞれの季節の節目を表す言葉って、実際の季節感とピッタリ合うものって案外少ないですね。
2月4日の「立春」と言われても、雪は降ります寒くって、なんで春やねんとしっくり来ない、
5月5日の立夏だって、まあまあ、汗をかくほどの好天ならば、夏がすぐそこって感じるでしょうが、
8月7日の立秋なんて、ふるさと但馬は最高気温の毎日ですし、
11月7日の立冬は、時雨(しぐれ)模様で寒けりゃそうだろかいな、暦の季節と空の天気は、中々季節と合いません。
立春から半月経って雨水になって、それから半月経ちます啓蟄ですね。
毎年3月5日か6日は全国的ですね、いやいや必ず全国統一当たり前、二十四節気の啓蟄ですね。
神戸・大阪・名古屋の辺の太平洋側では、啓蟄の当日あたりは季節どうりにポカポカ陽気、暦の季節と空の天気がピッタリしっくりいたします。
ところがところが、日本海側のふるさと但馬はそうはいきません。普通の年なら啓蟄は、たいがい寒いよ雪も降る、17日の出石の初午大祭でも雪が降る、暦と空の天気はピッタリしっくりなんぞはいたしませんね。
今日の今年の啓蟄は、ふるさと但馬はどえらい天気になりました。
春真っ盛りのような、ポカポカ陽気の天気です。ふるさと但馬はウソのよう、太平洋側の都会と同んなじ啓蟄日和の天気です。
雪国但馬の土の中、篭っていました虫さんは、出石の初午過ぎてから、それから地上に出るのはユックリと、思っていたのにこの天気です。高生平野の田んぼの草も、無人の駅舎の国府駅、若草の芽萌ゆる感じです。地上に出てきた虫さんも、1両電車と一緒になって、特急列車のコウノトリ、白い車体を見送りますね。
《ふるさとの 暖ったか啓蟄 汽車は行く》