いわき・うぶすな広場だより

セカンドライフの生き方を書いています。

いわき・菅波の「面獅子かくし舞」

2010-09-14 06:15:29 | なるほど歴史塾

面獅子かくし舞です。
力強く闘争する姿が舞われています。

面獅子かくし舞
大國魂神社で、九月十二日午後三時くらいより約1時間
「面獅子かくし舞」が十年ぶりに奉納されました。

ここ菅波の獅子舞は「神楽獅子舞」で、
さかのぼること約三百年前といわれています。

「罪・ケガレ」を祓うことが目的で
同時に獅子頭の頂に親獅子は太陽をかたどったものを、
中獅子は月をかたどったものをつけていますので、
日光と月光。
それによって私達は守られていると・・・・
すなわち日(陽)と月(陰)のめぐりのもとで、
陸(おか)では五穀が豊かに実り、
浜では大漁を祈って、
村では青人草(人間社会)が営まれていることを願っています。

「面獅子かくし舞」は
雄獅子・中獅子・雌獅子の三つの獅子が踊ります。
雄・中が牡である。
この二頭が牝と戯れたり牝をめぐって激しく闘い、
力強さを競い、子孫繁栄を訴える舞いとなっています。

そもそも、「しし」とは、
イノシシの四肢の事をいい、力強さを表すもので、
村の青年たちの肉体を誇る行事ともいえるのではないか?

「面獅子かくし舞」は舞いだけでなく、
面獅子かくし歌があります。
笛と舞いに合わせて
悠長・荘厳・幽玄(ゆったりと心の奥から)に長老が渋い声で歌う。

一.(めんじし始まり) 
   天竺より朝霧おりて そこでめじし(めんじし)が 隠されたよな もう一度

二.(めんじし現わる)  
   風に霞を吹き拂ふてそこでめじし(めんじし)が やれ嬉よな もう一度

三.(最初のチラシ)・・・現在では意味がわからなくなっているとのこと。   
  松にからまるぶた  松にからまるぶたと ゑんが切れれば」はらりとなる 
    もう一度

四.(二番目のチラシ)・・・「ししまい」を別名「ささら」といい
     子孫繁栄を訴えています。
     四倉地区での獅子舞では、
     木の「男根」を使って竹でさすることが続いているようです。  
    太鼓の胴をきりりとしめて ささらをさっと すりこめたよな もう一度

獅子腰下歌

    ・・・三頭の面獅子が腰にぶら下げています短冊に書かれている歌です。

上(雄獅子)、神代ヨリ傳へ 神代ヨリ傳へし神楽獅子舞ふてふ民ノ御祓ナルラン

中(中獅子)、阿加津見ン秋ノ白穂ノ糸竹ノ入日ヲ返セ舞ノ衣デ

下(雌獅子)、幾千代ヲ寿キマツル笛太鼓 萬ノ罪を拂ふ獅子舞

内藤露沾公の和歌といわれています。

罪・ケガレを払うことはいいことなのか?

正直になる(嘘がつけなくなる)ということです。
正直ものに神宿るといわれてきたことからも・・・・・

獅子舞は3つありまして、
草獅子・弓獅子・面獅子かくしがあり、
それを全部奉納するためには、最低でも九人の青年が必要といわれます。

面獅子かくし舞は二十二年前と十年前に奉納されたきりでしたが、
今回、「菅波伝統文化継承会」ができ、
明治安田クオリティオブライフ財団からの助成金をいただいて(五十五万円)、
大字会で五十万円をいただいて、
昭和初年時代の衣装や道具の修理などができ
今回の十年ぶりの奉納になったとのことです。

いわきには、
獅子舞が十年前には四十くらいあっそうですが、
現在では半減し二十くらいとのことです。
少子化もあり、若い方が、青年団に入らなくなったのが原因のようです。
三百~四百年前、
古いものでは七百年前といわれていますが、
今、絶滅状態のようです。

このような伝統芸能をどうして続けていくのか?
たやすいことではないでしょうが続けられるようにしたいですね。

今回菅波の獅子舞に触れまして、
三〇〇年以上も続けてきた事に当事者に感謝したいです。
今後とも続けていってください。

コメント (1)
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