日曜日
東京大学病院の15階から見た
スカイツリーです。
お天気は曇りでした。
ファイナンス研究会120回目の講座になります。
私の実践経済学
・・・・高橋亀吉著を読む・4回目。
講師は
安達 正紀先生(福島県金融広報委員会アドバイザー)でした。
経済学・学者の診断は
当たらないことで有名なのですが、
高橋亀吉さんは
大正から戦後まで
よく当たる経済評論家・学者として名をはせた人で、
他の方の説から論文を書くのではなく
現実の社会から自分の頭で書くのが高橋流。
当然引用はほとんどない。
今回は4回目。
8講:金融問題吟味のポイントと着眼点
③現象の背景・原因の異動を常に吟味せよ
④経済基盤変革期に陥りやすい重大誤謬
同じ金融緩和という政策でもそれを実施する経済基盤が異なれば
その機能は全く違うものとなると。
国際収支が赤字になって緊縮政策を急に実施したという点において両者は共通。
なぜに
国際収支が赤字になったか、なぜに緊縮政策が必要になったか、
当時の内外情勢の基盤はどうであったかという点になると
両者の間にはほとんど相似点がない。
☆国際収支に大きな赤字をもたらした原因が両者の間に異なっておる。
デフレ政策によって生ずる経済的反応も両者の間に大きく異なっている。
☆経済の根本的地位が両者の間に大きく異なっている。
であるから
金融から来た国内の思惑による一時的な物価高ではなく
世界の原産品の供給不足から生じた世界的な価格革命による物価高であり
これを国内的な財政金融政策では何ら根本的な解決にはならない。
10講:昭和46年の
ニクソン・ショックの体験から何を学びとるか
①円高独高とドル安からの円高とを峻別せよ
②昭和五年金解禁後の大不況に史的類似性を求めた重大誤診
③日本経済の路線転換へのショック療法的効果
④ニクソン・ショック後の経済反発力の所在点
なぜニクソン・ショックの時は、
景気があれほど急速に回復したのだろうか。
それまで
1ドル360円が280円台になったのはもちろん円の切り上げもあったが、
大部分はドルが相当程度下がったからだ。
これの重大さを見落としていた。
全て、円切り上げと混同していた。
ニクソン・ショックを過大に悲観した原因はこのように
円為替レートの変更の本質を見誤ったことにあった。
11講:昭和49~50年の経済変革から何をどう学びとるか
①現象のとらえ方いかんで診断はこうも違う
②物価の原点的性格変化の重大意味はこうしてつかむ
③豊富経済から不足経済への世界的急転換への重大性に着眼
④偽相と真相との早期鑑別
⑤高成長から低成長への変革と過渡的な摩擦の重大性
と時代は違うが
統計や政府の政策を見るだけではなく、
自分の目で現実を見ることの大事さが書かれているのには驚かされる。
高橋さんの本を読んでいますと
4月以降の消費税UP後の日本経済情勢は
読めてくる。
安達先生
丁寧なレジメありがとうございました。