今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

2016年04月05日 | 「本」のひきだし

ブクログより


1Q84を読んで以来、村上春樹はもういいかなぁと思って、新作が出ても心騒ぐこともなく、やり過ごしていたのですが、先日図書館で見つけてしまい、発刊されてまだ記憶に新しいこの本が、棚にあることがめずらしいと思い読むことにしました。

と、村上春樹を読むのにこんなに長々と理由がいるのか?いやいりません。

さて、もう皆さんさんざん感想を述べられているだろうし(読んではいませんが)今更私がどうこうと言うことはないのですが、一応感じたことを。

まずは読みやすかったです。
ストーリーを追うのを中断して、目の前の内容を理解する時間を作る、という事はほとんどありませんでした。非常にわかりやすいです。どんどん読めます。
非現実的なことも起こらないし、誰にでも起こりうる日常、出来事のなかでのつくる君のお話です。

う~ん、つくる君はかわいそうすぎる、大事な青春を返せ~~と普通なら叫ぶところでしょう。
しかしそこは村上作品の主人公であるつくる君、その非常な出来事を淡々と受け入れ、自殺まで考えながら見事立ち直っていくのです。

つくる君には幸せになってもらいたい、常にエールを送りながら、読み終えたのですが、やはり村上さんは最後は読者に結論をゆだねるのですね。

もう~、想像はします。しますけれどちょっとだけでも幸せそうなつくる君を見たかったです。
ハッピーエンドだと思いたいのですが、違うような気もするし・・・3日間も苦しませるなんて、最後の最後までかわいそうなつくる君・・・



色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年  / 村上春樹

☆☆☆☆





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