ブクログより
う~ん、どうしたらこういう発想が生まれてくるのでしょう・・・小川洋子さん。
小川さんの作品はこれで3冊めか4冊目ですが今のところどれも外れはないですね。
今まで読んだ本はみんな、えっと驚くような内容ですが、実際あり得なくもない、こういう事が世間にはあるかもしれない、と思えるような出来事が題材になっています。
言葉も丁寧に丁寧に選び抜かれて綴られていて、作品に没頭するとすっとそのお話の中に入っていけます。
まるで自分もその場所にいて登場人物達の息づかいが聞こえるほどです。
特にこの話は「音」がひとつのキーワードになっているので、読んでいる間は静寂の世界にいるような錯覚を憶えるほどです。
そして今回発見したこと、小川さんの描く家族は完全ではないということ。何かが欠けている、誰かが欠けているのです。
何か意味があるのでしょうか、写真でお見受けする印象と作品のギャップが毎回楽しい小川洋子さんです。
琥珀のまたたき / 小川洋子
★★★★★