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ブクログより
常磐線や東北本線に乗って、東北から出稼ぎや集団就職にやってくる人たちの発着駅は上野駅だ。
そういうわけだからか上野恩賜公園のホームレスには東北出身者が多いらしい。
主人公の男も東京オリンピックの前年に福島から出稼ぎにやってきた。
両親と妻、兄弟を残して、帰郷するのは盆と正月だけ。
高度経済成長期に沸く東京に仕事はいくらでもあっただろう。
昭和8年生まれの男の後に生まれた、4人の妹と3人の弟を学校にやり、自分の子供も2人、一人前にした。
華やかな東京で脇目もふらず家族のために働いた。
働きかけた長男を21歳で突然亡くし、両親もなくなり、やっと帰郷して妻と二人ゆっくり過ごそうとしている矢先の妻の死。
独り暮らしを案じて同居を申し出てくれた孫娘との毎日だが、言いようのないむなしさはどうしようもない。
男はまた東京に戻り、自らホームレスとなりその日暮らしを選択する。
長男の死から男の心は少しづつ壊れて行ったのかな。
たまにしか合わないのであまり懐かなかった子供たち。
学校の参観日も、運動会も、行ったことがなく、ましてや家族旅行など・・・
一緒に過ごした思い出などほんのわずかだけれど、それでもそれでも、今まで支えにして頑張っていたものが無くなってしまったその喪失感。
楽しい思い出など無かっただろう東京にまた男を呼び寄せたものは何だったのだろう。
2020年全米図書賞受賞作
JR上野駅 公園口 / 柳美里
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山のはもう終わってしまったのかな。
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一つにつきイチゴが五個入っています。
次はメロンです。