院長のひとりごと

私、竹村院長が食べ物から健康まで基本的にノンジャンルでかきつづります。

「聖護院大根。」

2008年02月07日 06時59分49秒 | 
今日は久しぶりの料理ブログです。


患者さんから見たことも無いような巨大な大根を頂きました。

「聖護院(しょうごいん)大根」というその大根は京野菜のひとつで

今がシーズン。

苦味が少なくとても甘い大根なので煮物に最適。

そのへんにはあまり売ってない高級品だそうです。


以前から何回か紹介してきましたが、院長は煮物の中でもとりわけ

大根を炊くのが得意なのです。

料理全般、だいたい何でもこなしますが、大根を美味しく炊くのは科学の領域でもあり、

理詰めで料理をする院長が自信を持って誇れるものが「大根炊き」です。


聖護院大根は煮物に向いた美味しい大根ですが、柔らかく火の通りが良いため

長時間煮込むのは禁物です。煮崩れちゃうからね。

だから今回は圧力鍋を使わずにあえて普通の雪平鍋を使って作りました。


長時間煮込むのはあまり良くないが、味が染みないのも困る・・

そう思うかもしれませんが、煮物で野菜に味が染み込むのは「長く煮込んだとき」

ではなく、「火を止めて、煮汁が冷める過程で」味が染み込むのです。


だから、だし汁が煮立って、数分したらもう火を止めて冷ましちゃう。

その点、今の時期はいいですね~

鍋ごと外のベランダに出しておけばすぐ冷めます。

まぁ蓋ぐらいは一応しましょう。


冷めたらまた火にかけて、煮立ったら外に出して・・を2、3回繰り返せばいいんじゃない?

煮崩れずに味の染みた大根が炊けます。


もちろん大根はちゃんと下茹でするのよ。

皮むいて、面取りした大根を米のとぎ汁で20分ほどしっかり煮込む。

柔らかくなったらざるに取り出して、一個一個丁寧に流水でこすり洗ったら

大根の下処理は完了。


鶏の手羽元を今回は使ったけども、これも全体に軽く塩を振ってしばらく置いて

湯立ったお湯にさっとくぐらせたら冷水でよく洗い流す。

これで鶏も下処理完了。


昆布のだし汁(今回は1ℓくらいか)と醤油、みりん、日本酒を40ccづつ。

これらがしっかり煮立ったら←(これ大事!)大根と鶏を入れて10分くらい煮込む。


外で冷まして、また火を入れて・・・


いつまでやるんだ?ってのを見極めるのは味見。

で、何を見るかっていうと、塩気もそうなんだけど、煮汁に大根のうまみが

移り始めてきたな・・というところを見つける。


今すごく大事なこと言ってんのよ!


煮汁に大根のうまみが溶け出しているのが、大根に煮汁の味が染みてきているサイン。


院長はここでもう完成にしちゃいます。

これが本来の「大根を炊く」ということだからです。


たまには真っ黒くらいに醤油が染みに染みまくった大根の煮物もいいですが

あくまでも主役は大根なわけで、大根のうまみを醤油ごときで消してはいけません。


美味しい大根は美味しく炊いてあげてくださいな。