今日、岡島百貨店の「京都 高台寺展」に行ってきました。
お目当ては加藤清正が12歳のときに描いたと伝わる「三面大黒天」です。清運寺も清正公をお祀りしていますから、ぜひリサーチに行かなければと思い、出かけたわけです。
会場には高台寺・円徳院の展示があり、「三面大黒天」さんは特別のコーナーが設けられていて、係の方に促されて祭壇にお参りをしている方も見受けられました。
ここでは、15日から18日までの期間中、午前11時から午後5時までの間、一時間ごとに「開運祈願祭」法要が行われるということなので、法要の時間に合わせて再び訪れてみると、そこには長い行列が。「三面大黒天」にお参りをするための行列です。こんなにもたくさんお参り来てくださる方がいるとは、正直感動いたしました。
般若心経が読まれる中、皆祭壇に手を合わせ、お賽銭を入れ、熱心にお参りをしています。しかし、よく見るとあるはずの「三面大黒天」さんのご尊像がありません。掛け軸のはずですから、遠くからでも見逃すはずはありません。
そこで、係の方に訊ねてみると、ご尊像は到着が遅れていて今日の夜には届くとのこと。4日間の会期中、2日も肝心のご尊像がないとは、どんな事情があったとしても、異常なことです。
そもそも、出開帳とは、お寺にいかないと、拝見出来ないご尊像がわざわざこちらに出向いてくださるというのが売りですから、そのご尊像がなければ話になりません。
ましてや、ご尊像のない祭壇では、お参りするということ自体が意味をなさなくなってしまいます。厳密にいうと、勧請をしていれば目に見えるご尊像がなくてもよいという考え方もあるのですが、この場合、案内チラシに「三面大黒天」を掲げることが書かれているのですから、当てはまらないでしょう。
お参りをしてくださった、たくさんの方の想い・願いはどうなるのでしょう。ご尊像がないことに気がついているのでしょうか。
ご尊像が届くまでは法要を中止するのが妥当だと思いますが、主催者の方はどのように考えているのでしょう。わからなければいいのでしょうか。