9月議会で子どものスポーツ活動について取り上げましたので、遅くなりましたが要旨をお知らせします。
スポーツは、子どもの大事な権利の一つ。子どもの心を育て、体を育てる上で、大きな役割を果たすもの。社会体育としてスポーツ少年団の活動:スポ少活動は大きな役割を果たしている。鶴岡は、スポ少の先進地、スポ少本部、指導者の方々の長年のご苦労に心から敬意を申し上げたい。
一方、過度な活動で生活リズムの乱れ、障害などの問題も一部に生じている。
「きつすぎる練習や、朝練習などで疲れて、授業中寝てしまう」とか、
「無理な練習で腰痛となり長期間加療、日常生活にも不便を来す」とか、
「膝を痛めても練習を休まないため、だんだん悪化して手術にいたり、結局その競技ができない状態になってしまう」とか、
健康のために行うはずのスポーツで健康を損ない、果ては運動が出来なくなってしまう、学校生活にも支障が出るということでは本末転倒。少年期のケガが一生の障害となる可能性も少なくない。
これは、勝つことや厳しく鍛えることのみにスポーツの意義を求めてしまうような誤った考え方、本来の趣旨がよく理解されていないために起こっている事態。
学校、スポ少関係者、保護者にとって残念な事態であり、何よりも子どもたちのために克服していかなければならない課題。
そこで伺う。
第一に、過度なスポーツ活動によって生じている、子どもの健康面での弊害についてどう認識しているか。
第二に、スポーツ活動における事故の発生状況は。
第三に、事故の予防を考える際、一つは重症度が高い事故、二つ目は発生頻度が高い事故、三つ目は増加している事故、四つ目は具体的な解決方法がある事故、こういう問題について優先的に取り組むべきとされている。そういう点で優先的に取り組むべき問題として、熱中症の問題がある。そこで、熱中症の発生実態と予防策についてどうなっているか。
教育長答弁
鶴岡市スポーツ少年団本部に団員が3500名、指導者8百余名、団にして151団によって構成され、県内最大の組織。市は子どもたちの健全育成の推進という観点から、スポーツ少年団活動に、財政面の助成、スポーツ少年団本部の組織運営の協力など、一定の支援をおこなっている。
団運営については、指導者の面と、育成母集団の運営面があるが、教育委員会としても、本部と連携をとりながら、どうしたら好ましいスポーツ少年団活動、充実したスポーツ少年団活動ができるか、定期的に協議している。
団活動が子ども、保護者が期待するようなものになっているかどうか、絶えず育成母集団と、指導者の連絡会で話し合いをしながら進めている。
しかしながらご指摘の通り、やや勝負にこだわりすぎというようなこともあって、過度の練習から、若干疲労が見えるようだという学校の指摘もあるので、その都度、団に情報を出して対応をして頂いている。
事故の発生状況は、それぞれの団が任意の保険に加入して事故への対応をしている関係上数字が無い。今後対応していきたい。
なお、学校関係では、部活動中に起きた事故というのが、17年度は207件、18年度が214件。これは部活だけの数字だが、年間60時間から80時間の体育の時間でも17年度は144件、18年度が174件。部活動は十分に配慮しているので、ある程度の数字にとどまっている。
安全確保が第一なので、配慮が十分にさなれるように、関係機関にも要請をしていきたいし、指導もしていきたい。
熱中症関係は、平成14年に日体協から「夏のトレーニングのガイドブック」が出された。そこでは先ほど議員さんご指摘あったが、かなり詳細に渡って述べている。非常に貴重な指摘ですので、今後とも継続活用をして事故防止に努めていきたい。
熱中症予防の原則として、特に予防8ヶ条について、各学校・スポーツ少年団関係者にも再度提起していきたい。
学校関係の事故防止については、文部科学省から平成12年に保健体育審議会等での指導等も出ているので、注意を喚起していきたい。
関
私自身も子どものスポーツ活動で、バレーボール、ソフトボール、サッカーと大変お世話になって、素晴らしい活動だということを実感して、一層発展させるために伺っている。
当局も、スポ少本部・関係者の方々も、何よりも人づくりだということで、質の向上に努力をされているということを最近お話しを伺う機会があって、非常に心強く思った。
弊害が起こるということは、保護者、指導者、社会全体として、スポーツをどう認識するかという社会背景があり、簡単に良くなるものではない。例えば世界陸上では、「暑い中大変頑張った」という見方もある一方、マラソンや競歩の競技など大変危険な環境下でおこなわれたということに対する責任ということも本当は問題にされなければならなかった。
いずれにしても粘り強い話し合いを重ねていく他ないと思うので、答弁の「連絡を密にしていく」ということは本当に大事。
その際に、団体の保護者の代表と学校との連絡協議というのはよくおこなわれているが、保護者全体と学校と指導者と、じっくり話し合うという機会は希。そういう機会を是非積極的に設けて頂きたいし、話し合いの内容も、担当の先生、校長先生で、スポーツに対する考えの違いと言うこともあるので、市の教育委員会としての統一した考え方で、しっかり全市的な議論が進められていくことが大事。
二つ目に、実態の把握はされているということ、校外の活動、社会体育の活動も含めて把握に努めていきたいということでしたので、それは是非お願いしたい。
熱中症対策は、日体協のガイドブックの中には例えば、「乾球温度35度、湿球温度27度以上の時は、運動は原則中止なのだ」と、はっきりした提言もされている。
「折々注意を喚起」してることも承知しているが、全国的に文科省の指導のもとに一定の注意喚起もおこなわれているが、事故が絶えない。市として独自の確固とした立場で、科学的な予防の指針、運動のあり方というものを提起をしてもらいたい。
具体的に言うと、運動の際の基準とかの一層深い知識を、通知したり、体育施設に張り出したり、各種大会の時にも運営を見直したり。
「乾球温度・湿球温度は何度だ」ということも問題になるが、そういうものが無い体育館も沢山ある。施設的な見直しも含めて、さらに具体的な予防の基準を検討してはどうか。
教育長
鶴岡市スポーツ少年団本部では、認定指導者制度を持っている。
その種目に対する専門性、子どもたちの成長・発達に対する対応、集団経営の問題等々について、研修を積んで指導にあたっているが、たまには保護者との間の風通しが良くないということも側聞することもあるので、なお連携のいい活動になるように努めて参りたい。
保護者と指導者の関わりは、団運営の柱だと思うので、時期に応じて、団運営に対する見直しや、評価をしていただけるようにしたい。
学校とスポーツ関係者の連絡協議会がほとんどの学校にあるので、その中から、「子どもたちの体力が増進して精神面でも強くなった」「あいさつがきちんとできるようになったし礼儀正しくなった」「人との関わり方を学べた」「学校では得られない違った長所を発揮してくれた」「地域と学校のパイプ役になってくれている」等々の色んな面で評価を学校側は評価している。
関 熱中症の件についてもお願いします。
教育長 熱中症は数字的には抑えていないが、最近多発している状況が全国的にあるので、関係者は非常に神経質になって対応している。事故防止については先ほど申し上げたように科学的な資料が出ているので、情報を提供しながら意識を喚起していく。