Netflix配信のミュージカル映画。現在、劇場で限定公開されています。
tick, tick... BOOM!:チック、チック...ブーン! (tick, tick... BOOM!)
「ハミルトン」「イン・ザ・ハイツ」のリン=マニュエル・ミランダが監督したミュージカル映画。Twitterで「今年見た映画で一番よかった」という声をいくつも目にして気になっていました。劇場で限定公開されると知って見に行ってきました。
本作は、1996年にブロードウェイで大ヒットしたミュージカル「レント」を作ったジョナサン・ラーソンの半生を描いた伝記ミュージカル。ジョナサンが「レント」の前に作った自伝的ミュージカル「チック、チック...ブーン!」がオリジナルとなっています。
ジョナサンを演じるのは、アンドリュー・ガーフィールド。30歳を目前にして何者でもない自分に苦悩する若者を、ナチュラルに演じていました。
「レント」はバージニアに住んでいた頃、ナショナルツアーの舞台で見たことがあります。それまでミュージカルといえば、きれいなドレスを着て歌い踊るきらきらしたイメージを抱いていたので、ドラッグ、同性愛、貧困といった社会性のあるテーマが衝撃的でした。
それが見る人々の心をとらえ、大ヒットにつながったのだろうと思います。本作もジョナサンの苦悩と挫折が等身大に描かれていて、私も彼の気持ちが理解できなくはなかったのですが、一方でまだまだこれからいくらでもチャンスがあるのに...と思ってしまいました。
でも、映画の中で、ジョナサンは「レント」の公演初日を目前にして、36歳の若さで病気で亡くなったと知りました。人生はいつ何があるかわからない、今を大切に生きなければと改めて思いました。
ところで映画に登場して懐かしかったのは、ソーホーの伝説のダイナー Moondance Diner です。ジョナサンは実際に、このダイナーでウェイターとして働いていたのだそうです。
Moondance Diner は「スパイダーマン」でキルスティン・ダンスト演じるメリージェーンがウェイトレスとして働いていたダイナーで、私は中には入ったことがないのですが、前は何度も通ってよく知っていました。
Wikipedia によると、ニューヨークのソーホーにあった Moondance Diner は2007年に閉店し、その後ロードアイランド、ワイオミングと移築され、2012年に再びクローズしたそうです。本作では。映画用にセットを作ったのかもしれませんね。