@「気の弱さが不幸を招く」とはこの「鵜」の短編小説の下りである。必要な時、重要な時に「その一言が言えない」で人生が変わってしまう。この小説では良き恋人を妻に出来なかったことが恋する人を死なしてしまう羽目になり後悔をすると言うものだ。人生「あの時のあの言葉、あの姿勢、あの行動」を後悔するのは当たり前だが、2度とないように出来ないのも人の様なのかもしれない。だが経験は決して同じようなことはしていないと思うべきかもしれない。
「鵜」
若くて蟄居させられた侍の男は、竿を持って川釣りに出かける毎日を送っていた。ある時その淵の陰から裸の女人が現れ親しくなる。ある夜食事に誘い楽しい時間を過ごし「ではまた明日淵で」と言って別れてから会えなくなった。その女は二十歳前の妻で夫は家老と三十以上も離れた若妻、実はその家老の息子が好きな女子だったが、父、家老の妻がなくなったことでその女を妻に勧めたことで女が苦労していた。ある日、女が出家すると言いだすと家先で暴れ馬に遭遇し亡くなってしまった。(待ち人はいつまでも待てど来ず・後悔先に立たず)
「女は同じ物語」
小さい時から女嫌いの若侍が親が決めた許嫁と祝言をあげることになっていた。ある時母がその「女嫌い」を無くすために侍女を入れた。するといつの間にか情がうつりその侍女が美しく妻にしたいと一心で思うようになり両親に昔から決められた許嫁とは縁を切りこの侍女を嫁にしたいと話したが町人の娘を妻にはできないと断られ、祝言の初夜を迎える。とその嫁が実は昔からの許嫁の娘で侍女として奉公していた娘だった。(親の思惑通り男と女の中は近いが縁となる)
「しゅるしゅる」
江戸から城下の娘たちへの教育するため赴任してきた女が男まさりの格好で娘たちに折檻する。それは娘たちの躾がだらしなく言葉以上に手には手を足には足を責めるという教育をしだすと親が城代に教育者に改めてほしいと嘆願してきた。城代はその女(城代の3つ年上)と話をすると「退屈だから退席したいと」言うので船で激流に出る。転覆する間際に着物等を脱ぎ捨てる等に言うと初めて女は「助けて」と救いを求め、男と女の違いを体で感じるようになる。(男と女は違う)