@当時若き作家の吉本ばななと往年作家の宮田輝の雑談書。中でも気になったのが「若い人が『名作に出会っていない』ことで精神的に大人になっていない」と言う。読書が減りネット情報が主の世界に大人になる為の精神的な感情などが欠けていると言う。子供の時に出会う著名な本は必ずや何かの時の礎になり心の支えにもなるはずだ、と言う。それには大人が教えてこそ出会いがあると思う。(その大人に名作との出会いがなければ、話が始まらない)
『人生の道しるべ』宮本輝
「概要」「幸せ」を見つける、知恵の対話。創作、家族と結婚、健康、死生観……
小説が問いかける「幸せ」のかたちとは。ふたりの作家の思索が詰まった珠玉の対話集。
世代も作風も異なるふたりの作家の共通点は、人間の「生」を力強く肯定する作品を書き続けていること。「ぼくは、小説の世界では、心根のきれいな人々を書きたい」(宮本輝)。「読んだ人に『自分と同じだ』と感じてもらえたら、ちょっとした治癒が起きるんじゃないか」(吉本ばなな)。創作の作法、家族、健康、死生観……。小説が問いかける「幸せ」のかたちとは? 知恵と思索が詰まった珠玉の対話集。
ー作家は他人の違った見えないものが見え、感じ、描くことができる職人。テーマは風景から人間から、動物からと様々。だが「物」を見る目が違う。優れた人は「物」の価値を理解するが、そうで無い人は粗末にするようになる。
ー宮本輝の3冊の愛読書「赤毛のアン」島崎藤村の「夜明けの前」と西行の歌集。「赤毛のアン」は心が幸せになる、と言う。
ー吉本ばななはカルロス・カスタネダの「ドン・ファンシリーズ」自分が旅した気持ちになる
ー人間関係で「子育て」では意識的に距離を持つように心がける、夫婦の間では必ず「お礼」を言うこと。相性が合わないのは破綻と同じ、別れた方が良い。
ー子供の質問「人間は何の為に生まれてきたのか」それは「自分と縁する人たちに歓びや幸福をもたらす為」と言う。
ー「死生観」「輪廻転生」生まれ変わるを考える
ー利休の言葉「当たり前のことがいつでもどこでもできるならば、あなたの弟子になります」
ー若い人が「名作に出会っていない」ことで精神的に大人になっていない
ー「好不調は常に繰り返す。浮き沈みはつきものだが、自分のやるべきことを放棄しなければ、思いよらなかった大きな褒美が突然やってくる」