@世の中の矛盾を如何に捉え考えるべきか。ネットの社会になればなるほど有能で才能ある人々が多数の意見を飛び交合すと矛盾も創出する。その中で自分としての考え(発想の転換)をしっかり持ち、伝え、教えれることになることは世の中をうまく生きていける術かもしれない。そんな転換をミステリー作家のチェスタントンが記述した項目は参考になる。特に政治家、権力を持つ人々に対するメッセージとしても面白い。 「未来の労働力は国の金儲けのための事業に利用される」
『求む、有能でない人』G・K・チェスタトン
逆説のモラリストが新聞、雑誌等に発表した痛烈時事エッセイをピックアップ。科学技術と宗教が支配する近代社会の迷妄を喝破する、現代日本にも通ずる警句に満ちた箴言集。
ー発想の転換を考える良書
「世の中の矛盾・不条理・不都合・理不尽」
「世の中の常識・非常識・認識相違」
「世の中の批判・逆説・発想転換」
ー「求む、有能でない人」世間の諸問題
「混沌状態は人間が最初に望んだことを押し並べて蔑ろにしているせいである。それぞれが手に入りそうなものだけを要求して、心底から望むものを求める人がいない」「大衆は人間が最初に望んだことをすぐ忘れる」
ー「近代の発端
「民主制」は現実には民衆の消滅を結果した。革命の初めに民衆がいて、その終いには民衆の姿は見えなくなった
ー監獄の進化
みんなが眠っている時に起こるのがエボルーション、みんなが目覚めている時に怒るのがレボルーション
ー労働の強制
資本の支配者の武器は昔は「首切り」と飢えさせること。
現代は減給に罰則、さらに体罰(身体的強制・教育と衛生)
未来の労働力は国の金儲けのための事業に利用される
ー官印・烙印・執行
政治は(強制)力そのもの 前提の正義は合意と観念である
政治に認められたものは力を行使すること、信念は政治家の唯一の支え
政治の種類:専制政治と民主政治 民主国家では集団が処罰を強制する
ー真摯さと絞首刑
公開処刑が廃止されるとその由々しき日に非公開処刑が復活する
ー現代の奴隷
男は一つのことをさせるにも難事、怠けるが、女は真面目によく働く 女の能率はそれこそ奴隷根性の証、仕事をサボりたがる男はならずもの、女はストやぶり 前例主義
ー悪いジャーナリズム
大衆の趣向でもなく、世論でもない、少数の金権支配者の陰謀によるジャーナリズム
少数のお上品な連中のせい、現代の生活が下品なのは高学歴の支配者側がそうさせている
ー理解しない精神
南北戦争、北軍は黒人奴隷のために多々かてはいない、南部人が自由のために戦ったのだ
黒人奴隷はむろん自由になるべきだが、彼らは民族を形成しなかった
ー知力の退行
社会退廃の原因はモラルの退廃ではなく知力の退行衰弱にある「自由な無思想」問題
ー幻想の社会
スケールの大きいことは大成功であるかの如く錯覚させる
増殖には隠蔽作用がある、繰り返しは間違いを見えなくする
ー国家の狂気
狂気の過程は恐ろしくノロノロダラダラとして退屈
狂気に至る過程は本人(政治・国家)がそれに気づいていない
杓子定規や字義へのこだわり、干からびた精神や生真面目などは病の兆候
ー狂人と法律
例外がルールを証明するは大衆には判らない(狂人と常人の違い)
政治的狂人は政界を認めたくないのである(常人との区別はつかない)
ー無神論者のスタイル
「戦争をする」とは言わないが「戦争の勃発」と言う
「共感」とは言わないが「連帯」と言う
「改良改善」とは言わないが「成長発展」と言う
ー「科学」と言う国家宗教
政治暴君は「科学」であると言う
ー信義と戦い
祖国を守るのが正義だとすれば祖国を破壊しようとする勢力を倒すも正義である
ーエゴイスト
タチの悪い人畜有害なタイプ:無口で用心深い ずる賢く抜け目がない
ー平和的侵略
陰謀自身が陰謀の存在を否定する
偽善者は人に対して「自由」を支持すると公言するが汚職や賄賂を要求する