@昔、不甲斐な男を愛した女が、その若さと美貌から富豪と結婚することになる。女はその不甲斐な男を警察に密告、刑務所に追いやった。だが、刑期を終え出所した男は、女を探そうと必死に動き出したことで、過去を消したいが為に殺害を企てる。女の過去を知る者、女の弱みを知っている周りの人物をも消していくと言うのがこのミステリー小説だ。折角富を得た生活を破壊したくないと言う動機が人を変えていく様だ。過去の恋愛に再び夢見て戻ることは禁物だ。
『さよなら、愛しい人』レイモンド・チャンドラー
「概要」刑務所から出所したばかりの大男のマロイは、八年前に別れた恋人ヴェルマを探して黒人街にやってきた。しかし女は見つからず激情に駆られたマロイは酒場で殺人を犯してしまう。現場に偶然居合わせた私立探偵フィリップ・マーロウは、行方をくらました大男を追って、ロサンジェルスの街を彷徨うが…。
ー別件の事件に巻き込まれる、それは奪われた翡翠のネックレスを強盗から金で買い戻すという場に立ち会いボディーガードとして雇われたことだったが、誘った男が殺害され誰かに殴られた後金も無くなっていた。だが、死体にはタバコケースが2つ見つかり、一つがロシアンタバコ(麻薬)だった。
ーマーロウは宝石泥棒集団等を操っている組織を捜査すると麻薬売買の中心人物に辿り着き気がつくと麻薬中毒患者として病院の独房に拿捕されていた。それは所轄警察以外の警官に連れられた事だった。そこで知ったのは警官も上司の命令で嫌な事も悪事もする、ましてや大金が積まれ、将来が保証されれば尚更だ。
ーマーロウはボディーガードとして雇って殺害された捜査から、ある富豪の夫人とあうと事件の意外性を知ることになる。「美しい女であることをやめ、100年前なら危険な女、20年前なら向こうみずな女、しかし今ではハリウッドの安物女優」 実はマロイが愛した女が、マロイを警察に売り、美貌を利用して富豪者と結婚、ウインザー公夫人となっていた。
ーマーロウ、私立探偵はとてもユニークな人物で冗談をよく使う。だが直訳からではそのユニークさが読み取れなく、多くが理解できない。 また、この小説は様々な事、モノ、人、場所の形容・飾り言葉(地場の比喩)が多く、さらに場所が転々と変えることで主旨がボケて読みづらい。