@恋愛関係のもつれと人の「欲」が2つの殺害事件へと繋がるのがこのミステリー小説である。この殺害事件の解決が実は最後の最後にことの熾りを作った「知能」犯人像が浮き上がる。それは癌の権威を盾に精神的苦痛を患者にすることで、人は精神的に脆弱な状態で癌「不治の病」だと言われるとどうなるのか、をこの小説では心理的な人間の行先行動までを読み、間接的な犯罪を実現する。 興味をそそるのは日本の伝統「武士の切腹」と「武士の妻の自害」の違いが事件の解決ヒントになる。
『日本庭園の秘密』エラリー・クイーン
「概要」流行作家カレン・リースのニューヨークの邸内に美しい日本庭園が造られた。だが、まもなく彼女はその庭をのぞむ一室で怪死を遂げる。窓には鉄格子、開かずの扉、事件現場に出入りした者は誰もいない……。この密室事件に、名探偵エラリイ・クイーンが超絶論理で挑む。
ー「知的操作過程」いわゆる知能犯と言われる殺害事件の仕組まれた犯罪がこのミステリー小説である。 この小説では2人のリース姉妹と2人のマクルーア兄弟が互いに恋した人を傷つけ、才能を利用したのだ。姉妹の姉は作家で美人で有能、兄弟の兄は医学博士で癌の権威を持った有能者。その弟が姉妹の姉と結婚、一児を授かる。だが、弟の趣味である拳銃が姉の誤操作で暴発、弟を亡くす。すると姉はその死を悩み一人の子供(女の子)を兄弟の兄の養子にする。それを仕組んだ妹は姉の暴発を犯罪だと罵り、遂には姉の作品を自分の作品として売り出し、兄との婚約をするまでになる。
ー妹殺害事件は密室でその第一発見者が実は養子にしていた娘で他に犯人に繋がる証拠もなかった。さらにその姉が隠れていた場所で妹の事件の前に発見されたがそれが自殺と断定される。なぜ姉妹が殺害されたのか、その背景等繋がり捜査をクイーンが開始する。