私が死んだあとであなたが読む物語

基本的には「過食症患者の闘病記」、と言っていいでしょう。

「春を嫌いになった理由」 誉田哲也

2013年07月16日 23時34分00秒 | 読書感想
この本は図書館から借りたわけではなく、知人が貸してくれました。

自分で選んだわけではない本を読むのは初めてかもしれません。

聞いたことのないタイトルです。

著者の方は知っています。

「ストロベリーナイト」などが有名ですね。

いずれ読んでみようとは思っていましたが、まだこの人の作品は一冊も読んでいません。

なのでこれが私にとって初の誉田哲也作品になります。

まず、読みやすい文を書く人だなと思いました。

相性はよさそうです。

図書館の本と違い新品同様な綺麗な本で読めたこともあって気分がよかったです。

内容の方はミステリ小説としては物足りない感じもしますが、滞りなく読める文章力に他の作品も是非読んでみたいと思いました。

「臨場」 横山秀夫

2013年07月07日 00時59分48秒 | 読書感想
検視官が主人公の短編小説です。

検視官とは、死体を調べて自殺か他殺かなどを明らかにする警察官のことです。

一応ミステリ小説なんでしょうけど、事件性とかトリックとかが斬新だったり良くできていたりするわけでもないんで、「餞」みたいな人情が絡む話が8話の中では一番良かったかもしれません。

「ジョーカー・ゲーム」 柳広司

2013年07月02日 22時57分53秒 | 読書感想
スパイのお話です。

日本陸軍にスパイ養成学校を設立した結城中佐を軸に、そこで結城のスパイ論を学んだスパイらが、世界各地で活躍する様を短編として描いています。

自分としてはあまり楽しめた感じはありません。

スパイという存在そのものに馴れていないからでしょうか。

どうもこの小説で描かれている「スパイとはこうあるべき」みたいな考え方を、かっこいいと思うかどうかで、楽しんで読めるかどうかが決まるのかもしれません。

「ガリレオの苦悩」 東野圭吾

2013年06月26日 22時38分15秒 | 読書感想
最近あまり読書に集中できないな、なんて思っていましたが、そんなこともなかったです。

この本はガシガシ読み進めることができました。

やっぱ東野圭吾好きなんだなって改めて思いました。


湯川教授シリーズの第四弾です。

今回から草薙刑事の他に内海薫なる女デカが新たに登場します。

これ、ドラマで生まれた登場人物だそうで、それが原作である小説にも入り込んでいるわけです。


この本は短編集ですが、収録されている5話の中だと、意外と「落下る」が好きだったりします。

実際には使われていないトリックを実験する。

その映像で犯人が観念するってのが好きです。

「十角館の殺人」 綾辻行人

2013年06月23日 00時48分02秒 | 読書感想
思いのほか読むのに時間がかかりました。

そんなに退屈な本でもないと思うのですが、どうも読書の歩みが遅い。

最近、バイトをしたり創価学会の会合に参加したりで時間がなかったってこともありますが、どうも心が本の世界に入っていかない。

今の自分の心理状況があまり読書に向いてないのかしら。


本の内容としては、古典的な本格ミステリって感じです。

でもこれといって切れ味がいいとも思えないのは、「十角館の殺人」よりも後発の作品も含め私がそれなりに色んな推理小説を読んできたからでしょうか。

「毒猿 新宿鮫II」 大沢在昌

2013年06月15日 22時55分25秒 | 読書感想
前作を読んでから2年以上経っています。

なので、主人公の鮫島について、詳細は忘れています。

それでもまあ、今回の事件については読めるのですが、なんかこうガチッとこないというか、ハードボイルド系は個人的に合わないのかな。

退屈ってことはないのですが、夢中になりきれない。

台湾人の殺し屋が日本にやって来て、同じく台湾人の警官が単独で追跡する。

Vシネマの小説版みたいな感じです。

「モダンタイムス」 伊坂幸太郎

2013年06月12日 00時18分02秒 | 読書感想
主人公が大きな組織、というか「大きなシステム」に立ち向かっていくお話。

「そういうことになってるからそうなる」っていう思想が、全編に覆いかぶさっているような小説、といいましょうか。

とにかく、思想がかってる。

その点は前作の「魔王」もそうでした。

小説の根本となる思想のせいなのか、正直、読んでいて響くものはこれといってなかったのですが、超能力という点でいうと「新世界より」が、学校の教室での殺戮という点でいうと「悪の教典」が思い出され、そういえばあれらはおもしろかったよな、とか考えながら読んでました。

まだ読んでいない貴志祐介の作品、近いうちに読んでみようと思います。

「レイクサイド」 東野圭吾

2013年06月08日 22時51分20秒 | 読書感想
東野作品のなかではあまり有名ではないかもしれませんが、個人的には結構好きです。

本格派というか、正統派な感じがします。

この小説は広い意味で「クローズド・サークル」になるだろうと思います。

クローズド・サークルもののミステリーはそこまで好きでもないんですが、この小説は良かったです。

おもしろい事件のトリックなどではなく、おもしろい事件の裏側、事件の真相みたいなものを考えさせたら、この人の右に出る者はいないんじゃないかな、って思えます。

「密室殺人ゲーム王手飛車取り」 歌野晶午

2013年06月08日 00時41分48秒 | 読書感想
この本は2007年の1月に出版されています。

筆者がこの本を書いてる時って、スカイプみたいなビデオチャットってどのくらい世間に浸透してたんだろう。

なんて思ったりします。


ウェブカメラを使用したビデオチャットでのやり取りが主軸になっているので、当然会話が多い。

会話劇といっていいかもしれません。

最初のミッシングリンクの事件(というか問題)は、正直あまりおもしくありませんでした。

なんせ長い。

無駄に次々、淡々と、殺されていってるだけって感じでした。

読者として一緒に問題に挑戦しようって気にもならないし、答えがわかったところでこれといった驚きもない。

こんなんがこのあとも続くのか。

それなら。

私は心のどっかで、この殺人ゲームを楽しむ5人が警察に追われ、ギリギリのところで上手く逃れるか、あるいは捕まってしまうか、結末はどちらにせよ、とにかく「5人対警察」というふうに話が展開されることを期待していました。

結局最後までそういった展開はありませんでした。

しかし、中にはおもしろい事件(というか問題)もありました。

「求道者の密室」や、なにしろ「密室でなく、アリバイでもなく」です。

「密室でなく、アリバイでもなく」は、このビデオチャット上での殺人ゲームという設定だからこそ楽しめるお話です。

「麒麟の翼」 東野圭吾

2013年06月04日 22時39分00秒 | 読書感想
一つの殺人事件が起きて、実はその裏にはもう一つ別の事件が存在する、ってパターンです。

二つの事件は、時も場所も犯人さえも違っているってやつです。

一つの事件を追っていると、その裏にある別の事件の存在を見つける。

裏の事件を解決することで表の事件も真実が見えてくる。

今回の場合、裏の事件に当たる水難事故の真相の方がだいぶ興味深かったですね。

それに、加賀刑事が糸川教師に渇をいれるところなんかは好きです。