ヒューマントラストシネマ渋谷の恒例企画興行<未体験ゾーンの映画たち2021>で上映された一本
2019年製作のデンマーク映画
実に重たいテーマを抱えた映画でした
もうちょっと明るいお話を期待していたんですがねぇ
でも十分に見応えのある作品でした
時は2025年のデンマークコペンハーゲン、ご多分に漏れずヨーロッパの国々はアラブとアフリカの難民を受け入れてきておりまして
それら移民とデンマーク人たちとの経済的とかいろんな意味で軋轢を産んでる近未来のお話
移民テロに悩む分断を解決するために国を変え移民を排斥せねばならないと声高に主張して党首マーティン・ノーデル率いる、移民排斥を訴える極右政党“国民英雄党"が台頭し支持率を増していた
それに対抗するかのように移民側も結束していかないと
ちょっと前のアメリカのトランプさんの政策のように分断を産んでいるのも事実
移民も黙っているわけもなくノーデルが首班指名されればデンマークから追い出され
再び難民となるし経済的にも困窮していくわけで
そんな中で移民も若者を集めて、ノーデル暗殺を企むわけで
デンマークの司法も黙っているわけもなく移民の中に潜入捜査官を紛らせて
って事でヒットマンに選ばれた一人の若者と潜入捜査官との人間的なつながりを描きつつ、双方が各人の目的に突き進む中で人間としての友情まで育んでいく過程を丁寧に描いていくいつどこの国でも起こりうる事なんでしょうが
難民移民を受け入れない東洋の島国の人間にはある意味他人事としてしか見ていませんが
ヨーロッパでは他人事ではなく見られている作品なんでしょうね
で結局、潜入捜査官の活躍っていうかヒットマンを騙す形で
ノーデルの暗殺を未然に防ぐことができるまでが実は映画の前半
実はここからが本筋だったようで
移民側も黙っておられずにさらなる過激になっていくものの潜入捜査官はノーデルから礼を云われて、潜入捜査から外れるものの
日常の中で何か違和感を感じでくるんですね
どうもノーデルは移民テロリストの隠れた一員として彼らを煽動していた証拠みたいなものも発見する元潜入捜査官
結局ノーデルは選挙に勝ち首班になる事で、ナチではないものの単一民族国家を作り上げるために移民テロ組織を動かして選挙に勝ったようなんですね
そしてこれ以上捜査されたら邪魔とノーデルは元潜入捜査官の息子を殺し妻にも重傷を負わせる
選挙に勝ち単一国民国家を謳う勝利宣言中のノーデルに復讐の銃口を向け
銃が火を吹く・・・
実に重たい内容な近未来サスペンスでしたが
ユーロの国では他人事では済まされない作品だったんではないんでしょうか
2019年製作、デンマーク映画
ウラー・サリム脚本・監督作品
出演:ザキ・ユーセフ、モハメド・イスマイル・モハメド、ラスムス・ビョーグ、イマド・アブル=フール
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