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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

ある恐喝

2021-06-02 23:26:49 | 邦画
株式会社ディメンションから今日6月2日にDVD発売された1960年製作の日活作品
一応昨日OP映画と一緒に購入してきたんですが
尺が66分しかないのと、主演が金子信雄に西村晃という布陣なので
完全にシスタームービーですねぇ
でもシスタームービーでこんな面白い作品を作ってしまうのは金子信雄と西村晃のお二人の演技とコロコロ変わる主客転倒のプロットが実にいい
っていうか、原作は私は60年という事で、全く知りませんが、ミステリー小説の多岐川恭の直木賞受賞作の短編の一本だったんですね
ってことでお二人の演技合戦もですが脚色した川瀬治の勝利だと思ったら、なんとこのお方映画監督の瀬川昌治さんのペンネームだったようですね
そして監督が蔵原惟繕というシスタームービーには実に勿体ない布陣
面白くないわけがない
日活全盛期だからできた作品と言えるんだろうな
 
舞台は新潟直江津、蒸気機関車が直江津駅に入ってくる
改札をでた黒メガネの草薙幸二郎
まずは銀行に行き、裏口が空いていたと用務員の浜村純を脅す
次長の金子信雄を脅しにきたんだったが、なんと彼は栄転が決まり送別会に出席していた
この時代長距離列車は蒸気機関車だったんだ
それにシンメトリーになってるエンディングでの列車では二等車に乗る次長夫婦
三等車に乗ってるヒラ銀行員とか
さらに長距離だと一等車ってランキングだったんですよね
今では普通車にグリーンだけですけど

そんな送別会、幼なじみの友達でありながら、片や政略結婚ではあるものの銀行の出世コースを歩むエリート金子信雄と、片や一向にうだつのあがらないヒラの銀行員西村晃
そんな二人の間で逆転劇が繰り広げられるプロットと金子信雄の銀行強盗のシーンでの無言劇での緊張感
金子信雄の演技の汗がこっちにも伝わって汗が噴き出てくるような緊張感はさすがです
 
さすがといえば拳銃型ライターで脅されながらも、目で犯人の行動を逐一適切に観察して
犯人が誰で、いくら盗ったかちゃんと計算していた西村晃もうだつこそ上がらないものの根っからの銀行マン
ほとんど主役は張らないものの脇で主役を支えつつ作品の中で主役を食ってきたお二人ですから
金子信雄と西村晃の演技と存在感でこの映画は持ってるようなものだし
 
原作が原作だけにオチが素晴らしい
っていうか見事逆転ホームランを打った西村だったものの
さらにもう一段彼も落とされるオチが秀逸なんですが
この時の西村の顔アップで映画は終わるのが定石なんでしょうが
蔵原監督は敢えて引き絵でエンドマークをつけてしまうのも計算か・・・
ピカンテサーカスの作品何本か見ないであったまってるなぁ
 
1960年製作、日本映画、日活作品
藏原惟繕監督作品
出演:金子信雄、白木マリ、西村晃、草薙幸二郎、山田禅二、浜村純、小園蓉子、河上信夫、新井麗子、清水千代子
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エスケイプ・フロム・シリア

2021-06-02 18:27:03 | 洋画未公開
良かった良かった、TSUTAYAさんが時短営業ながら再開したものの
昨日から営業再開という事で、やっぱ昨日くるべきだったかなぁ
めぼしいものはレンタル済みだったし・・・
っていうことっで、一応ガーリーアクションなのかしらってことでこの作品をレンタルしてきました
 
第二次大戦後最大の過激テロ組織ISISを舞台にした
なんとそのISISに被害を受けているモロッコ製作の映画
ISISに参加した一人息子を追いかけてこっちの世界に戻そうと、愛する息子を追う母の姿を通して、過激テロ組織イスラム国の現実を見せてくれる116分も尺のある作品

戦地の経験もなければ、徒手空拳で極限のイスラム国の跋扈する戦場に
記者証を闇で手に入れて無謀に入っていく母親
女は弱しけど母は強しっていう戦場サバイバル映画だった
 
旦那のDVに耐えて一人息子イスマエルを育てている母バトゥール
ある日父の横暴に耐えられなくなってゲーマーの友人を頼って母を一人残してトルコからシリアに入り過激派テロ組織というか自称国家のISIS日本友人を頼って入隊してしまうイスマエルだったが、銃でヒトを撃ったこともなく
シューティングゲームでしか戦場を知らない、まだ17歳の少年イスマエル
頼りになるのはISISで十分に活躍していた友人でして
彼について戦場で右往左往するイスマエルだった
 
銃撃を受ければ身を潜め耳を覆いただ喚くだけで友人が撃ち返せドニー言っても一発も撃てないイスマエル
そんな意気地なしのイスマエルがイスラム国に兵士として自ら加わったことを知り、狂乱するバトゥールだったが、
“母として愛する息子ともう一度一緒に暮らしたい”その思いだけで
闇でPRESS証を購入して単身偽記者として、イスラム国ので支配地域に入り我が子救出に向かうんですが、彼女の自身は銃も撃たなければ
ジャケットのような盤刀を持ってなく
ただただ市街戦の街を彷徨い、多国軍の兵士に守られ緊張の戦場で息子を見つけこのシリアからあ脱出できるのか・・・

最近ではISISの勢いもコロナ禍で全く我々に伝わってきなせんけども
この作品はISIS全盛期のお話になっていまして
映画の中では”無差別殺戮“”公開処刑“”大量破壊“を描きつつ世界を震撼させた勢いのあったISISの実態をリアルに映像化してるのはいいのですが
この作品はフィクションですから、お母さんは救出というよりは、ただただ戦場を動いてるだけだし
危機は周りの人間や兵士が犠牲になって助けてくれたり
息子を都合よく見つけたりと、ご都合主義ではありますが
息子も銃の練習以外は銃を撃ちませんし、お母ちゃんも徒手空拳で逃げ回るだけという映画
 
個人的にはこの母子ISISに追い詰められていくんですね
最終的には・・・ですが
見てるうちに、こっちはオチはこの母子ISISに殺されるとインパクトあるんだけどなぁ
って言う思っていて、ほうそうきたかって思いきや・・・
だったのはやっぱそうしないと観客は納得しないんだろうな
 

2021年製作、モロッコ映画
ブラヒム・シュクリ脚本・監督作品
出演:ヌーフィッサ・ベンチェヒダ、アジィズ・デュエ、カリラ・ブネラ、ミシェル・キッシ、ハフィド・スティトウ、アブドゥスラム・ブシニ

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