株式会社ディメンションから今日6月2日にDVD発売された1960年製作の日活作品
一応昨日OP映画と一緒に購入してきたんですが
尺が66分しかないのと、主演が金子信雄に西村晃という布陣なので
完全にシスタームービーですねぇ
でもシスタームービーでこんな面白い作品を作ってしまうのは金子信雄と西村晃のお二人の演技とコロコロ変わる主客転倒のプロットが実にいい
っていうか、原作は私は60年という事で、全く知りませんが、ミステリー小説の多岐川恭の直木賞受賞作の短編の一本だったんですね
ってことでお二人の演技合戦もですが脚色した川瀬治の勝利だと思ったら、なんとこのお方映画監督の瀬川昌治さんのペンネームだったようですね
そして監督が蔵原惟繕というシスタームービーには実に勿体ない布陣
面白くないわけがない
日活全盛期だからできた作品と言えるんだろうな
舞台は新潟直江津、蒸気機関車が直江津駅に入ってくる
改札をでた黒メガネの草薙幸二郎
まずは銀行に行き、裏口が空いていたと用務員の浜村純を脅す
次長の金子信雄を脅しにきたんだったが、なんと彼は栄転が決まり送別会に出席していた
この時代長距離列車は蒸気機関車だったんだ
それにシンメトリーになってるエンディングでの列車では二等車に乗る次長夫婦
三等車に乗ってるヒラ銀行員とか
さらに長距離だと一等車ってランキングだったんですよね
今では普通車にグリーンだけですけど
そんな送別会、幼なじみの友達でありながら、片や政略結婚ではあるものの銀行の出世コースを歩むエリート金子信雄と、片や一向にうだつのあがらないヒラの銀行員西村晃
そんな二人の間で逆転劇が繰り広げられるプロットと金子信雄の銀行強盗のシーンでの無言劇での緊張感
金子信雄の演技の汗がこっちにも伝わって汗が噴き出てくるような緊張感はさすがです
さすがといえば拳銃型ライターで脅されながらも、目で犯人の行動を逐一適切に観察して
犯人が誰で、いくら盗ったかちゃんと計算していた西村晃もうだつこそ上がらないものの根っからの銀行マン
ほとんど主役は張らないものの脇で主役を支えつつ作品の中で主役を食ってきたお二人ですから
金子信雄と西村晃の演技と存在感でこの映画は持ってるようなものだし
原作が原作だけにオチが素晴らしい
っていうか見事逆転ホームランを打った西村だったものの
さらにもう一段彼も落とされるオチが秀逸なんですが
この時の西村の顔アップで映画は終わるのが定石なんでしょうが
蔵原監督は敢えて引き絵でエンドマークをつけてしまうのも計算か・・・
ピカンテサーカスの作品何本か見ないであったまってるなぁ
1960年製作、日本映画、日活作品
藏原惟繕監督作品
出演:金子信雄、白木マリ、西村晃、草薙幸二郎、山田禅二、浜村純、小園蓉子、河上信夫、新井麗子、清水千代子
藏原惟繕監督作品
出演:金子信雄、白木マリ、西村晃、草薙幸二郎、山田禅二、浜村純、小園蓉子、河上信夫、新井麗子、清水千代子