衛星劇場での<シネマセレクション田村正和出演作品>と言うプログラでOAされた
1966年製作の松竹の任侠映画
東映さんや日活さん、さらに大映さんと東映さんが発掘した任侠映画と言う金脈に
隙間風が興行界に吹き荒れているとこに松竹さんも乗っからなければ
っていわゆる松竹カラーからは実に対極の作品
製作体制が出来てないと言うことで、いわゆる買取作品として安藤昇の初主演映画「血と掟」がバカあたりしてしまい、次々と掟シリーズ4本に「男の顔は履歴書」とヒットしたことから買取ということだったので
松竹としては安藤と専属契約していなくて

なんと東映さんに安藤を取られてしまい
自前でヤクザ映画作ろうとするものの、日本人俳優でヤクザと刑事役は誰でもできるって言う格言がありますが
作風カラーの関係から竹脇無我さんしか役者さんがおらずに2、3本作ってはみたものの、やっぱ無我さんに任侠ヤクザは無理だったわけで
ってことっでなんとかヒーローとして持ってきたのがこの長門勇さん
こう言ったら失礼に当たるかもしれませんが演技力に問題も存在感にも問題ない役者さんではあるんですが
長門さんは月みたいな役者さんで、平幹二朗とか丹波哲郎という太陽のような役者さんとの共演によって月としては太陽の光を受けて輝く役者さんですからねぇ
一本立ちでの主演級になると急に輝けんしってことで
ある意味面白くない作品でしたねぇ

貫禄はあるんですがこのお方一本ではお客様を呼べないってことっでの
田村正和さんのがオファーだったのか
あまりに端正過ぎてこう言った作品には不釣り合いすぎる正和さん

この映画でなんと新東宝倒産で松竹大部屋に移籍したこのお方がかなり重要な役で出演されていました、もちろん悪役

松竹の上層部も見る目あったら彼を抜擢していったら松竹の任侠映画も代わり東映さんもあの名作は生まれなかったかも知れなかったんだよね
松竹でこれだけ爪跡残してもってことで東映に文太さんは東映に移籍してしまうんですね
全く人の運命なんてわかんないもんですよね
って映画に関して何もここまで書いてきませんですが
なんと脚本は高岩肇なのにねぇ、こう言った映画内容に関しない感想しか浮かばないような作品でして
見てても任侠映画好きな私でもこれはあかん作品だったなぁ
脇でいい役者さんまで使っていても面白さと共感っていうか自己投影できる作品ではなさすぎる
そんなこんなで松竹は自ら金鉱を閉めるしかなかったものの
稼業違いの神農道のテキヤの売人車寅次郎という金脈を掘り当てるからやっぱ興行って水もんなんですねぇ
1966年製作、日本映画、松竹作品
松野宏軌監督作品
出演:長門勇、田村正和、香山美子、菅原文太、月形龍之介、佐々木功、安部徹、高橋とよ
