日本映画界が6社で映画を作っていた昭和30年前後
なんと新東宝がオールスターで佐分利信監督で“二・二六事件を真面目に撮った作品
この”二・二六事件“自体はいつの時代でも映画の素材として結構扱われてきており
東映の「動乱」や松竹の「226」とか私も結構いろんな媒体で見てきてますが
時代的に娯楽作品として描かれていますが
この映画はある意味ドキュメンタリー風に撮られていてなんと2時間に5分足りない尺なのに結構見いらされた作品となっていましたねぇ
一応立野信之さんが原作としてクレジットされており、それを菊島隆三が脚色してるのも今考えればすごいことですよね
”二・二六事件“に至るまでの陸軍内部の葛藤相克を回想形式で刻明に描いている
まさに佐分利信さんの性格が映画にも反映されていたような気がする
さらに1954年製作ですから、関係者の中に一部生存者がおられたようで
そこいらは実際の名前ではなく表現されていたような気がする
面白いのはこの映画で”二・二六事件“を決起する皇道派グループを演じてる若手将校を細川俊夫、
安倍徹

山形勲は磯部中尉

丹波哲郎

近藤宏

たちが演じていたこと、皆さんお若いお若い
このあと彼らは悪役として活躍していくんですよね
あ、叛乱将校ではありませんが、松竹専従のままこの人も

そう戦後を引きずって生きてきた鶴田浩二さんまで
そんな皇道派の若手将校をサポートする西田税を演じるのが佐々木孝丸
二・二六事件の主要人物である北一輝が出てきてなかったなぁ
二・二六事件のきっかけとなった永田鉄山惨殺事件が描かれているが、その永田少将を暗殺した相沢中佐を辰巳柳太郎が演じていて、そして銃殺されるとき、”目隠しなんか要らない“と目を向いたまま銃殺される絵が凄まじい
っていうか東映の「日本暗殺秘録 」ではこの相沢中佐を健さんが、そして若手将校の磯部中尉には鶴田浩二さんだったなぁ
歴史のお勉強としては最適な映画だと言えるんじゃないだろうか
1954年製作、日本映画、新東宝作品
菊島隆三脚本、佐分利信監督作品(応援監督阿部豊)
出演:藤田進、菅佐原英一、細川俊夫、山形勲、安部徹、清水将夫、沼田曜一、丹波哲郎、近藤宏、津島恵子、香川京子、小暮実千代、鶴田浩二、島田正吾、辰巳柳太郎、佐々木孝丸、野村清一郎、石山健二郎、清水彰、外崎恵美子
