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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

叛乱

2022-09-07 23:13:38 | 邦画
日本映画界が6社で映画を作っていた昭和30年前後
なんと新東宝がオールスターで佐分利信監督で“二・二六事件を真面目に撮った作品
この”二・二六事件“自体はいつの時代でも映画の素材として結構扱われてきており
東映の「動乱」や松竹の「226」とか私も結構いろんな媒体で見てきてますが
時代的に娯楽作品として描かれていますが
 
この映画はある意味ドキュメンタリー風に撮られていてなんと2時間に5分足りない尺なのに結構見いらされた作品となっていましたねぇ
一応立野信之さんが原作としてクレジットされており、それを菊島隆三が脚色してるのも今考えればすごいことですよね
”二・二六事件“に至るまでの陸軍内部の葛藤相克を回想形式で刻明に描いている
まさに佐分利信さんの性格が映画にも反映されていたような気がする
さらに1954年製作ですから、関係者の中に一部生存者がおられたようで
そこいらは実際の名前ではなく表現されていたような気がする

面白いのはこの映画で”二・二六事件“を決起する皇道派グループを演じてる若手将校を細川俊夫、
安倍徹
 
山形勲は磯部中尉
丹波哲郎
近藤宏
たちが演じていたこと、皆さんお若いお若い
このあと彼らは悪役として活躍していくんですよね
 
あ、叛乱将校ではありませんが、松竹専従のままこの人も
そう戦後を引きずって生きてきた鶴田浩二さんまで
 
そんな皇道派の若手将校をサポートする西田税を演じるのが佐々木孝丸
二・二六事件の主要人物である北一輝が出てきてなかったなぁ
 
二・二六事件のきっかけとなった永田鉄山惨殺事件が描かれているが、その永田少将を暗殺した相沢中佐を辰巳柳太郎が演じていて、そして銃殺されるとき、”目隠しなんか要らない“と目を向いたまま銃殺される絵が凄まじい
っていうか東映の「日本暗殺秘録 」ではこの相沢中佐を健さんが、そして若手将校の磯部中尉には鶴田浩二さんだったなぁ
 
歴史のお勉強としては最適な映画だと言えるんじゃないだろうか
 
1954年製作、日本映画、新東宝作品
菊島隆三脚本、佐分利信監督作品(応援監督阿部豊)
出演:藤田進、菅佐原英一、細川俊夫、山形勲、安部徹、清水将夫、沼田曜一、丹波哲郎、近藤宏、津島恵子、香川京子、小暮実千代、鶴田浩二、島田正吾、辰巳柳太郎、佐々木孝丸、野村清一郎、石山健二郎、清水彰、外崎恵美子
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トジコメ

2022-09-07 17:14:01 | 洋画
2022年のシネマカリテの恒例企画興行<カリコレ2022>で上映された一本
ワンシュチュの密室トジコメ映画でしたが見終わったら
なんだこれってSDGs映画だったのねって言うオチの映画だった
 
ヤク中からカウンセリングでなんとか立ち直り実母の家で4、5歳の娘とまだ立てない赤ん坊を抱えてシングルマザーのジェシカ
このままここにいるといまだにヤクから手を切れないでいる別れた夫の問題と
経済的な問題で生活できないから実母は亡くなってしまっているから
この家からも夫からも
そして麻薬からも離れるために引っ越しの準備をしていた。
 
娘のレイニーはおばあちゃんっこだったようで常に木から落ちて半分腐ったリンゴを拾ってくる
それをちょっと疎ましく思うジェシカですから、レイニーが拾ってくる落ちて腐ったリンゴを引越し前にみんな捨ててしまう
これがまさかの伏線だったとはねぇ
 
引っ越し準備で全てを車に入れて最終点検で倉庫にしてる小部屋のものを確認に入ったジェシカでしたが
抑えが外れて中に閉じ込められてしまう
このまま部屋は外からでないと開けられない
ってことでここからは映画は全てトジコメられたジェシカの視点で語られる
扉の下部にちょっとした隙間があって
まだ4、5歳のレイニーに工具とか色々もって来いと指示を出すのだけど
レイニーが何をどうしてるかまるっきりジェシカには見えない
赤ん坊は泣くしで指示出すんだけど、お腹空かしたりとかおむつとかの問題が発生するもののみんなレイニー任せ
ここいらの演出は上手い
 
そんなときにヤク中の元夫が小児性愛者の友人連れてきて
これで助かったって思ったら
この町去ることに怒った元夫になんと今度は本格的に閉じ込められ
わずかの金と車のキー入りのハンドバッグを持っていかれてしまう
そしてしばらくしたら小児性愛者がなんと一人で戻ってきて・・・
この小児性愛者を演じてるのがなんとヴィンセント・ギャロ
頭フル回転させてクスリで釣って身動き取れなくさせるジェシカでしたが
そういや最近マッチ全く見なくなりましたねぇ
 
身動き取れぬジェシカはこの小児性愛者と密室で対峙せねばならなくなり
ここいらと、どうこの密室から抜け出したのかは本編観てもらうとして
掌品の密室ワンシュチュ映画としては合格点な作品
 
抜け出せたら一難去ってまた一難、なんと拳銃持った元夫が戻ってきて・・・
サスペンススリラーではあるんですが
密室に閉じ込められてる時に実母の自分に対しての便りを見つけ
なんとレイニーが腐ったリンゴを拾ってきてたのはおばあちゃんから育てられたことで
腐った部分は破棄して使える部分を煮込んだアップルバターを作って
これが地元じゃ評判の・・・
まぁそれで引っ越すのやめるって言うことに
 
そう腐った男二人は排除して、食べられる部分である母子三人が生き残って新たな生活の糧も手にしてって
そこを私はSDGs映画って言ったんですがねぇ
 
2022年製作、アメリカ映画
D・J・カルーソー監督作品
出演:レイニー・クアリー、ジェイク・ホロヴィッツ、ヴィンセント・ギャロ
コメント (2)
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