先に見た新東宝の1954年製作の「叛乱」と一緒に購入してきてた新東宝の作品
あちらは2.26事件に焦点を当てて青年将校たちの悲劇を描いた群像劇でしたが
なんとコチラはタイトルに”海軍“を入れてきてるってことっで
1928年6月4日、中華民国奉天市近郊で、関東軍が奉天軍閥の指導者張作霖を機関車ごと爆殺し、関東軍はこの事件を国民革命軍の仕業に見せかけ、それを口実に南満洲に進行し占領しようと実行に移したものの
参謀長斎藤少将に妨げられた。また張作霖爆死事件で内外の反感を受けた田中内閣は政権を放棄、代って内閣を組織した浜口雄幸は、中国との友好外交、軍縮政策を強行したため急進将校、右翼思想家の反感を買い、愛国社社員の佐郷屋留雄に東京駅で銃撃された、1930年のことである。
ところが、この機に乗じ橋本欣五郎中佐と右翼思想家・大川周明は、満州占領と軍政府樹立を計り、陸軍次官杉山元を通じ陸相宇垣一成へその具体案を提示、決起を要望した。が、宇垣陸相はこれを退け橋本中佐以下を満州や地方師団に転属させた。満州に転属を命ぜられた橋本中佐は、所期の目的完遂のため河本参謀に関東軍の協力を要請かくて関東軍は1931年9月のこと、政府の不拡大方針を無視して柳条溝事変が起きる
中国軍と戦火を交え、戦いは満州全土に拡がった。橋本中佐は、さらに内地へ戻り、今度は国内改造を目ざして海軍の青年将校と結び荒木中将の担ぎ出しにかかった。しかし計画の中止を命ぜられ、彼自らも憲兵隊に逮捕された。これが世に言うにいう十月事件、未遂に終ったが、関東軍は満州の占領を終え、
戦火は上海へと移った。しかし満州の確保で解決されるべき不況はさらに深刻化し農村は疲弊、一方では財閥、政治家が満州へと利権を求めて行った。こうした情勢に憤激した海軍青年将校は1932年五月一五日、牧野内大臣、犬養首相らを襲撃したいわゆる5.15事件である
この海軍側の決起は陸軍の若手将校を刺激し、相沢中佐が永田軍務局長を襲撃するという事件が起った。そしてこれを契機に1936年二月二六日、安藤大尉ら陸軍若手将校による決起部隊が陸軍兵を動かして、岡田首相、高橋蔵相、鈴木侍従長、渡辺教育総監、斎藤内府襲撃事件を起こす。これが2.26事件である。
5.15と違い2.26 事件の首謀者である青年将校は銃殺刑に処せられた
これらの流血事件・事変を経て強力な実権を握った軍首脳部は、日中戦争を誘発、太平洋戦争へとつき進んで行ったのである
79分の尺で張作霖爆死から2.26事件までの流血史をダイジェストにしておさらいした映画
相変わらずのオールスター出演の群像劇映画ではあるが
相沢中佐を演じた沼田曜一の狂気の演技がピカイチの作品だったかな
1958年製作、日本映画、新東宝作品
土井通芳監督作品
出演:宇津井健、細川俊夫、中山昭二、丹波哲郎、中村竜三郎、御木本伸介、沼田曜一、坂東好太郎、竜崎一郎、高田稔、松本朝夫、三村俊夫、伊達正三郎、浅見比呂志、菊川大二郎、杉山幸太郎、三ツ矢歌子、高倉みゆき
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