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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

反逆の報酬

2023-07-20 20:08:49 | 邦画
と東宝映画のロゴの直後に石原プロ、東宝提携作品と出てくるものの
石原プロダクション製作、東宝配給作品であることは間違いのない事実で
日活と大映が屋台骨ガ折れて日活はロマンポルノに移行してスター級の俳優さんたちは散り散りに活躍の場を求めて去り、大映は勝新太郎さんとのお付き合いで撮影所をTV等の時代劇撮影に活路を見出していた時代でして、それぞれの俳優さんが自社プロダクションで作った作品を東宝さんがこれらの方々の受け入れ先になて自社の番線に乗せて東宝自体も映画製作会社から
配給会社への転換を図っていた方針と合致していくんですよねぇ・・・
そんな時代につくられた石原プロダクション作品、まだ裕次郎さんも病魔日本犯される前でしたしTVで稼いで映画を作っていた時代でもあったんですねぇ

ってことで裕次郎さんの日活ムードアクションと、日活末期の日活ニューアクションを一手に引き受けていた渡哲也、この二人の個性がお互いの特徴を活かして作った娯楽大作のアクション映画。
これに日活ニューアクションの産みの親の一人でもある澤田幸弘が監督を務めているが、多少社員監督だった頃と違い彼としては裕次郎っていうムードアクションから抜け切れない存在感に戸惑った感があるのか
慣れ親しんだ渡哲也さんに比して裕次郎さんが使いきれて無かったように見えたかなぁ

したがって作品全体としてはこの時代を反映したような劇画のような雰囲気で綴られていく作品の中では役柄もあるのでしょうが軽快に女は抱くし金になることならなんでもクビ遠突っ込むフットワークの軽い渡哲也さんの描き方は実に手慣れたもんですが
渡哲也と自分を罠に落とした組織に復讐しようとする石原裕次郎が後半出てきて殴り合いの末に手を組んで組織に歯向かうという展開になるとどうにも澤田幸弘節が薄れて裕次郎さんに飲まれてしまった感が強くかんじられていたのが惜しいものの
渡哲也が小池朝雄を車に拉致して一般道を暴走運転する件は澤田節全開と小池朝雄ここにありの演技で楽しいシーンでありましたねぇ

そんな小池朝雄さんを筆頭に深江章喜、武藤章生、藤岡重慶と言った日活中堅役者に混じって大映からたった一人で悪の総本山成田三樹夫さんが裕次郎さんと互角に対峙されていたのには
さすがだなぁって思わされたが
澤田幸弘監督は女優さんの扱いがあまりうまい人ではなくて鰐淵晴子さん自体の立ち位置からして曖昧すぎたし夏純子さんは事実誰がやられてもいいような役でしかなかったし
ムードなシーンにも高峰三枝子さんって似合わねぇ

1973年製作、日本映画、石原プロダクション作品、東宝配給
澤田幸弘監督作品
出演:石原裕次郎、渡哲也、鰐淵晴子、夏純子、藤岡重慶、武藤章生、チコ・ローランド、ロルフ・ジェサー、深江章喜、小泉郁之助、小池朝雄、成田三樹夫、高峰三枝子
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ヴィーガンズ・ハム

2023-07-20 05:04:36 | 洋画
毎年恒例の企画興行<シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2022>で上映された
とってもヤバい映画
全編を流れる一貫した主張は”カニバリズム“それも知らずに普通の人々がイラン豚って信じて毎日美味しい美味しいって今にも潰れそうだったお肉屋さんに連日長蛇の列
 
この明るいノリのポスター同様内容はブラックコメディ
ちょっと気になったのは原題の「BARBECUE」どう読んでも(フランス語でも)バーベキューですよね
我々が休日川原とかでみんな集まってやるヤツ
絶対ハムじゃないですよね
ってコンマイことなど吹き飛ばしてくれるぶっ飛び映画でしたねぇ
 
まったく陰湿感もなんもなく人肉をハムとして売りまくるお話
先ほど書いた廃業寸前のお肉屋さん、悪いことに過激派ヴィーガンにお店襲われてもはや万事休す
友人の肉屋チェーン店から散々儲け話を聞かされての帰り道
偶然店を襲ったヴィーガンを見つけて怒り心頭の旦那がそいつを轢き殺してしまい
死体の始末に困ったから持ち帰って
日ごろのお肉の処理と同じように解体処理したいたらそいつの大事なのがポロリ
なんとワンちゃんペロリってもうコメディでしょ
 
ってかそんな処理した肉を奥さんがスライスして売ってしまったら美味しかったってまた買いに来て・・・
お肉が足りんきゃ仕入れりゃいいわけで、お金持ちのはお肉屋さんから散弾銃もらっていたから夫婦でモンストのキャッチコピーよろしく“一(人)狩りいこうぜ”って夫婦で
ニックきヴィーガンを始末して需要に応える、死体処理できる、おかね儲かる、お店繁盛、っていう一石何鳥なんだろう
もうワックワク感で映画も明るい明るい
 
人殺しに快感遠を覚えた奥さんは冷え切ってた夫婦仲も良くなってくる
全くいいことだらけ
知らぬはお客さんばかりなりってことでの預かり知らぬうちのカニバリズム
もう不道徳極まりない映画でして
極めつきは娘の旦那が究極のヴィーガンでして奥さんそいつまで殺そうって・・・
さらに女は殺さないっていう不文律を破ろうとしたり子供の肉、とか黒人の肉、の味はまでは言ったらもう完全にサイコパス
 
まぁグロシーンは多少あるもののお話自体が寓話的であるようなないようなってことで
このまま行ったらどうなるって言ういうところで映画はあっけなく終わる
オチで一捻りほしかった気もしないでもないけれどブラックユーモア作品としては秀逸な出来の作品と言える
こういうセンスオブワンダーな映画を作れる人がいるんですね
 
2021年製作、フランス映画
ファブリス・エブエ脚本・監督作品
出演:マリナ・フォイス、ファブリス・エブエ、ジャン=フランソワ・キ エレイ、リサ・ド・クート・テイシェイラ
コメント (2)
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