柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

お年寄りの話相手にロボット

2010年11月09日 | 悲しみのケア
今、私の両親と義母の介護に携わっています。
でも気にかかる年寄りは、身内だけではありません。

近所に住むご夫妻も気になります。
ご主人が目が悪く、人工透析を受けています。
先日部屋の中で転倒して、起きれなくなりました。
奥さんに呼ばれて救助に行きベッドまで連れていきました。

そのご主人が話し相手が欲しい!と話題にでました。
透析以外の外出が難しく普段は奥さん以外の会話がないのだそうです。
町内の元気なお年寄りが、ボランティアで話相手をしてくれるといいのに
と、言っていました。

確かに内閣府の高齢者の調査でも、1人暮らしの高齢者は2~3日に1回以下の会話の人が
男性は41.2%、女性は32.4%もいるのだそうです。

そう言えば、NECでは高齢者の話し相手のロボットを作ったとか。
高齢者に呼びかけたり、相手の返事から内容を理解しているか見分けたり
移動や顔の認識もできるそうです。
形は孫みたいに作ってあるようです。

老人ホームで試してみたら痴呆の症状が改善された人もいるそうです。
高齢者はこのロボットと会話をすると笑顔が増えたり
表情が豊かになる人もいたそうです。

なんだか、想像するだけで寂しいような気持ちにもなりますが
下手に人の心を裏切ったり、傷付けたりは無いでしょうし
話し相手をしてくれる人の都合を考える事もないですね。
現実には話さないより、話ができた方がいいに決まってますし。

葬儀後のご家庭は、1人住まいになる人がたくさんいます。
葬儀の仕事をしていた時から、その様子を見てきているのでとても気になります。
そんな微妙な立場に居られる葬儀社だから、もっと遺族のフォローをすべきじゃないかと。

例え、家族が病で臥せっていても、家にいないで病院にいたとしても
「居る」という存在感は大きなものです。
それだけに亡くなった後に来る悲嘆と、話す相手が居ない寂しさはどうしようもないでしょうね。

葬儀のご相談のなかでご家族の思いを知り
ご一緒に見送らせていただくと、1人残った方が気になり
少しでも話し相手になれないか。
時々でも楽しい時間が持てないか。とずっと考えてきました。

最近ではご近所の助け合いが話題になってきましたが
すぐにいい環境が作れるわけはないので
それなら、ロボットを利用する事も考慮した方がいいのでしょうね。

私の亡くなった叔母も1人住まいでした。
クリスマスに、撫でると尻尾を振ったり、鳴く猫のおもちゃをプレゼントしたら
名前を付けて、いつも布団のそばに置いてありましたっけ。

今は母が叔母の形見として家に置いてあります。