柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

独り住まいで病気になったら困ること

2021年06月15日 | 終活セミナー
65才以上の高齢者がいる所帯のうち
一人暮らしの所帯は28.8%。

夫婦だけの所帯なら
やがては独り住まいになります。
年々増えてくる独り住まいで
病気になったとき一体何が困るのか?
知っておきましょう。

病状の説明を医師がしてくれても
高齢者で冷静に、正確に聞き取れる人はそう多くはいません。

私の母は補聴器をつけていました。

医師の前では受け答えをして
「はい解りました」と返事をしていたのに
診察室を出ると
「先生、なんて言ってたの?」と付き添いの私達に聞いてきます。
「先生の声が小さくて何を言いてるのかわからない」
と、よく困惑していました。

これが手術前の説明だったり
がんの告知だったら
年齢を問わず理解することは難しいと思います。
その為、家族同伴での説明を病院側も求めます。

入院申込書には身元保証人欄がありますが
費用の保障問題だでなく
本人の判断力が低下したら
治療の意思決定をしてくれるキーパーソンが必要になるからです。

自分の気持ちを代弁してくれる身近な人がいた方が
患者も病院も安心ですね。
その人は家族でなくても構いません。

例え家族がいたとしても
遠方に住んでいたのなら、急変時に間に合わないかもしれません。
「もし家族が間に合わない時にはこの人と相談して」
と頼れる人を決めておきましょう。

今はアドバンス・ケア・プランニング(人生会議)といって
人生の最終段階を
前もって
病院関係者と、家族(親しい友人も)
と、本人で話し合いをして決めておくことができます。

たどる経過によって
一度選択したことでも、気持ちが変わることはよくあるので
その都度、話し合いは続けます。

もし治療の途中で本人の意識がなくなっても
キーパーソンがいれば意思決定を代わりにすることができます。
しかしこの決定は、非常にキーパソンの重圧になりかねませんね。
その時には医師や看護師やその他の関係者が一緒になって
相談しながらキーパーソンを支え最終決定をします。

それがアドバンス・ケア・プランニングです。

医師の決定で最終段階の治療や場所を決めたのは昔のことで
今はその人らしい生き方を最後まで尊重していくための準備ができるのです。

一人住いの人は
一人で悩まずに、相談でき一緒に考えてくれる友人を
見つけておくことがとても大事です。