柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

遺体の状況は、どっちがいいのでしょうか?

2011年03月23日 | ご遺体のケア
父の葬儀写真を整理しています
当日はカメラマンが沢山いたので、手元に多くの写真が集まっています。

写真の中に、葬式の時に気付かずにいた会葬者を見つけて
「あら、来ていただいたのに知らなかった、ご挨拶したかった・・・」なんて思い返してます。

父の遺体写真も沢山ありました
葬式写真では遺体をリアルに写さなよう、気をつけていましたが
今回はどの方が撮った写真にも父の顔や体がはっきり映っています。
顔のアップ写真も数多くありました。

エンバーミングをしていただいたので、まるで寝ているようで
写真を撮る方に、抵抗感が無かったのでしょう。


エンバーミングの効果には「遺族への癒し」があります
遺体が口をあけていたり、目がひらていると
安らかさは感じませんし、少し怖いような
情けないような、複雑な気持ちがします。

そう言えば過去に
「花入れが嫌、遺体の顔が怖くて見れない」と言ってた人もいます。

長年の痴呆状態は顔つきが変わりますし
癌での死亡は骨の形状が解るほど、異常に痩せています。

「こんなに変わってしまって・・・」と感じるのは遺族にも参列者にも辛いものがありますよね

特に事故などで傷ついた場合は、私は絶対にエンバーミングをおすすめします。


一方、
現実には、死ぬ時は体が衰えて行くものです。
また死んでからも体は腐敗が進み、その変化を目の当たりに見るから
死を受容できる、という意見もありますよね。

どちらも正しいと、今回の父の葬儀で実感しました。

父は脳死状態が25日間ありました。
ベットで管だらけになった顔や体はとても苦しそうなのに
表情のない父を無機質に感じましたし
死を感じさせる顔だったような気がします。

死後に、背中の床擦れのひどさを知り
それでも痛がらない父は、すでに体が死んでいたに違い無いと思いました。

しかし
死後に行ったエンバーミングの効果で、父は数年前の元気な頃に戻りました。

ここ数年「ずいぶんと死を取ったね、骨と皮だけになっちゃって・・・」
と、会うたびに父の衰えを見て愕然としていましたが
棺の中の父は綺麗で威厳がありました。
最後のお別れに来て下さった方には
そんな父と会ってもらえて良かったと思っています


今回の父の葬儀で
衰えて死を感じさせる遺体と
エンバーミングで綺麗になった遺体と
どちらも体験する事が出来ましたが
最後はどうなるべきか?と尋ねられれば
・・・私は、やっぱりエンバーミングをすすめると思います。



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