勢いで書き始めた割には、ものすごく濃密な内容となりつつある、
このお題。
まだまだ続きそうなうえ、正直、自分でもだんだん
着地点が見えなくなってきている気さえしますが、
気長にお付き合いいただければ、幸いです。
どうぞ、大目に見てやってください。
それでは、続きをば。
先日の日記で、私は、
『子育て支援は、家庭の形や働き方といった、
個別の事情によって制約されるべきではない。
むしろ、「子育て」という人生の一大事業に対する対価として、
全ての世帯に平等に経済的支援を行うのが望ましい。』
と考えていること。そして、
『「行政が認可した子育て支援施設だけを対象とした手厚い補助や、
公立の施設に極端に手厚い補助」
は、むしろ控えていくべきだと考えている』
ことを書きました。
それでは、こうした思いを実現するための具体的な施策としては、
どんなことが考えられるのでしょうか?
で、その話をする前に、まずは前段をば。
そもそも、私が、こういうことを考えている背景には、
「行政からの経済的支援を受けている」という意味では、
公立保育所>>私立保育所>公立幼稚園>>>私立幼稚園
>>在宅児童・無認可保育等
ぐらいの差があり(上は、主観入りまくりのイメージです)、
それぞれの世帯が、受けている行政サービスの形
(それは、すなわち、「家庭の形や働き方」に大きく関わってきます)
によって、あまりにも支援を受けている量が違いすぎる、
という事実があります。
そして、それは、ある意味、非常に不公平なのではないか???
と私は、考えています。
上に書いたことだけでは、あまりに???かと思いますので、
具体的な例を挙げていきたいと思います。
やや古い資料ではありますが、
国立社会保障・人口問題研究所作成の資料@2002年度によると、
0歳児を保育所が預かるために必要な費用は
公営 415万2千円/年・人
民間 267万6千円/年・人
となっています。
これ、見方を変えると、0歳児を保育所に預けて働いている家庭では、
「上に掲げた費用から、実際に支払っている保育料を除いた金額を、
行政サービスとして受け取っている」
ということになります。
少し言い方を変えますと。
これは、同じ行政サービスを受けており、
保育料も同じであるにも関わらず、
私立保育所に子供を預けているか、公立に預けているかで、
行政からの経済的な支援額が大きく異なってくる
ということを意味しています。
それに加えて、保育所については、
○どうしても認可保育所に入れない
○だから、行政からの支援がほぼない認可外保育所に子供を預けた
○結果、非常に多額の保育料の支払いを余儀なくされている
というケースも多々耳にします。
この場合は、行政からの経済的支援は、ほぼ、まったくなし。
同じサービスを受けながら、個人の負担がこれほど異なるのは、
非常に不公平だと言えるのではないでしょうか。
実は、幼稚園についても、同じような構図があります。
西宮市の幼稚園の保育料は、
市立の方が、私立より遥かに安くなっています。
(市立平均・115,200円/年、私立平均257,460円/年)
その結果だと思うのですが、議員として活動している中でも、
「できれば公立幼稚園に入りたい!」
「早いこと、公立幼稚園でも三年保育をやって欲しい。」
といった声を聞く機会が多くあります。
けれども、なぜ、公立幼稚園の保育料は、
私立幼稚園の保育料に比べて大幅に安いのでしょうか?
その理由はたった一つ。
市立幼稚園には、多額の市税が投入されているから、
ということにつきます。
実際にかかっている費用ベースで考えますと。
市立幼稚園で、子供一人あたり必要な費用は年額約70万円。
私立幼稚園で、子供一人あたり必要な費用は年額約30万円。
その差は歴然としています。
ところが、上にも書いたとおり、
実際には、市立幼稚園の平均保育料は115,200円/年、
対して、私立幼稚園の平均保育料は257,460円/年。
つまり、
○市立幼稚園の方が、私立幼稚園より、
園の運営にかかっている費用は大幅に高いにも関わらず、
○保護者が納めなければならない保育料は、
市立幼稚園の方が、私立幼稚園より大幅に安い
のです。
繰り返しになりますが、その理由は、
市立幼稚園には、多額の市税が投入されているから、です。
これって、どこか、おかしくありませんかね???
(ちなみに西宮市の場合、就園児童の80%以上は
私立幼稚園に通わざるをえない、という定員構成になっています。
この点を考えると、なおのこと、公私間の保護者負担の格差について
真剣に考えねばならない!と思っています。)
上に書いたのは、
認可・認可外に関わらず、
○保育所的な機能を持った施設に子供を預けている方同士の比較と、
○幼稚園に子供を通わせている方同士の比較
ですが、
「子育て支援は、家庭の形や働き方といった、
個別の事情によって制約されるべきではない。」
と考えるなら、当然、この両者は比較されるべきです。
かつ、これに加えて、「家庭で育児に専念する世帯」も存在します。
(ここには認可外の施設に子供が通っている世帯も含まれます。)
こうした世帯は、
「上で述べたような子育てに関する行政サービスは、
ほとんどなにも受け取っていない世帯」ということになります。
これらの世帯から見ると、現在、国が力を入れて進めている
保育所整備を中心とした子育て支援策は、
「働く保護者のいる家庭に対してだけ多額の費用をかけて
行政サービス(=保育所)を提供し、
自分達、家庭で育児に専念する家庭に対しては何もしないという
不公平な政策」
に見える面もあるのではないでしょうか。
と、ここまで書いてきましたが、すいません、やはり、まだまだ続きそうです。
てゆうか、自分で書いておいてなんですが、長いな、この日記。
申し訳ないのですが、今しばらく、お付き合いくださいませ。
どうぞ、よろしくお願いします。
>にーの様
>日本全体でこれだけ少子化が進む中、
>子供の数を増やし続ける西宮市は、
>子育ての街の見本となるべきだと思います。
同感です。
そうできないなら、「子育てするなら西宮」などという
キャッチコピーは、早々に取り下げるべきだとさえ思います。
>日本の少子高齢化が
>世界に類を見ないスピードで進んでいるのと同様、
>西宮市南部の子供の人口も「通常では予測不可能なスピード」で
>増え続けているのでしょう。
本市が、こうなった背景には、震災後、市がとりつづけてきた
人口増加策があります。
人口が増大することは喜ばしいことではありますが、
一面では、行政需要が増大することでもあります。
実際、子育て支援系施設や学校教育施設の不足は、
ずいぶん前から予測されていた話であり、
私達としても、こうした指摘は継続して行ってきました。
が、市から返ってくる返事は、
「人口が増え、まちに活気と賑わいが増えています」
という市長お得意の言葉に集約される答えに基づいたものばかり。
そこには、この事態に対する切迫感も見えず、
当然、効果的な対応など望むべくもありませんでした。
そして、こうした姿勢は依然として、続いています。
それだけに、市の責任は非常に大きいと私は考えています。
だからこそ、できる限り早期に方向転換し、
きちんと責任を持った対策を進めていくべきである。
そう考えています。
今後とも、子育て支援策に、しっかりと取り組んでまいります。
コメントいただき、ありがとうございました。