本日・午前中の議会運営委員会を終えて、会派の控え室に戻りますと、
一通の ↓意見書↓が机の上に置かれていました。
まずは、こちらをご覧下さい。
西宮市長 山田 知 様
「西宮市市民等の参画と協働の推進に関する条例」(案)に関する意見書
平成20年6月16日
元市民参画条例策定委員会市民委員有志
~9名の住所・氏名と捺印
以下の事由により、「西宮市市民等の参画と協働の推進に関する条例」(案)
の内容の再検討が必要であることを意見として提出いたします。
記.
私たちは当該条例の提言書を作成する役割を担った市民委員です。
「西宮市市民等の参画と協働の推進に関する条例」(案)は、3月議会において
上程しなかったとの説明を3月11日に受けました。その折に、最終的に
上程となる前には、関わった委員全てに「このような条例を出しますよ」という旨の
説明だけはしていただきたいとお願いしておりました。そして、このたび条例が
上程されるということを聞いてはおります。
また、私たちは提言書を作成するまでが仕事であり、その後の条文化に
かかわれる立場にはありませんでしたが、時間を迫られ自信を持って
出せるまでに練り上げることができなかった、いわば中締めで終わったといっても
過言ではない提言書を思い、また、その提言書を基に作成された条例案が
私どもの思いとかけ離れたものになっているのを目にして、再度内容について
検討する機会はもてないものかと考えております。
いったん私たちの手を離れてしまった以上、参画できる立場には
ないのかもしれませんが、私たち委員の立場から見ると手順が抜けていると
感じられる条例が、これから将来、西宮市民が参画・協働していける体制作りの
基礎となるよりよい条例となることを望み、もう一度、何かの形で提言書及び
条例案の練り直しができないものかと、このたび、この意見書を提出することに
いたしました。
この意見書に関して、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
以上
・・・なんか、普通では、考えられないようなことになってますな。
西宮市は、これまで、「(仮称)市民参画条例」の制定に取り組んできました。
西宮市HPの「(仮称)市民参画条例の制定に向けて」によりますと。
西宮市は、「市民と手を携えて進めるまちづくり」を市政運営の基本としています。市民と共にまちづくりを進めるための取組をより一層充実し、今後の本市における参画と協働についての基本的事項を定めるため、「(仮称)市民参画条例」の制定に取り組んでいます。
のだそうです。で、その条例の制定に向けて、
「(仮称)市民参画条例」は、市民の皆様と共に進める市政運営の基本原則を定めるものですから、その策定作業は、この市民会議を含め様々な立場の人たちと市が議論しながら進めていきます。
としています。
公募市民委員の皆さんは、16回に及ぶ全体会議、各委員が4つのグループに
分かれて行ったグループ会議など、膨大な時間と多大な労力を費やして、
精力的な活動を行い、その結果、
「『市民参画と協働の推進に関する条例』の制定に向けた提言」が、(仮称)市民参画条例策定委員会から市長に提出されました。
で、この提言書の内容を受けて作成された(と役所側からは説明を受けていた)、
「西宮市市民等の参画と協働の推進に関する条例」(案)が、この6月議会に
上程されるということが、本日の議会運営委員会で明らかにされたのです。
ところが、この条例の元になった(とわれわれは聞かされていた)提案書を提出した
市民委員の方々から、この条例案について、「内容の再検討が必要である」という
意見書が、提出されてきたと。
いや、なんで、そんなことになるんやと。
しかし、肝心の提言書を提出した市民委員の多くが、
「私どもの思いとかけ離れたものになっている」
「私たち委員の立場から見ると手順が抜けていると感じられる」
と考え、「内容の再検討が必要である」ということを明確にした意見書を
挙げてこられるような条例(案)の制定を目指すことが、
「市民と共にまちづくりを進めるための取組をより一層充実し、今後の本市に
おける参画と協働についての基本的事項を定める」(←西宮市HPより引用)
ことになると、本気でお思いなのでしょうか。
市民の参画と協働は、推進するべきです。
しかしながら、必要なのは中身であり、ただただ流行に乗って、「市民参画条例」
的な名前の条例を成立させさえすれば、参画や共同やが推進されるというような
ものでは、断じてありません。
今回、提出されてくるであろう条例案は、
○「参画」するための手順や手続きが非常に明確化されているのに比べて
「協働」については、非常に曖昧なことしか定められていない。
○西宮に住んでいなくても、西宮市政に参画できる。
などなど、多くの問題点を抱えています。
この条例を可決・成立させることが市民の参画と協働を推進することになるとは、
私には、到底、思えないのです。
そもそも、西宮市が、本当に、市民の参画や協働を進めたいと考えているのなら、
この条例案制定の過程に大きく関わっている市民委員の、
「内容の再検討が必要である」という意思をこそ、重視するべきです
市民委員の方々は、非常に大きい労力を払って、しかも、ほとんど手弁当で
この問題に取り組んでこられました。
市が、本当に参画と協働を進めたいと考えているのであれば、こうした方々の
存在こそが、得がたい財産だと考えるべきではないのでしょうか。
ここまで明確な意思表示を無視するのであれば、
『なにが、「市民と手を携えて進めるまちづくり」やねん!』
と思われて、当然です。
いや、ほんま、この話について、なんか、おかしいと思わないんですかね。
繰り返しになりますが。
本当に、市民の参画や協働を進めたい、それが重要だと考えているのであれば。
大切なことは流行に乗って、形ばかり整えることなどでは、断じて、ありません。
前向きな思いで、西宮を、もっと良いまちにしたいと考えている方々。
そういった気持ちから、見返りを求めることもなく、地域における多くの問題に
取り組んでいる方々。
こうした方々の気持ちを尊重すること。
こうした方々の思いや活動を支援するための具体的な取り組みを考え、
実際に行うこと。
こうしたことをこそ、もっと真剣に考えるべきだと思うのです。