華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

一期一会

2006年03月02日 | Flower
私の生け花の師・卜部佳月先生が永眠されました。
晩年はお体を悪くされてずっと病院に入院されていていました。
ご自分のお稽古は長いことお休みされていましたが
また元気になられて再会される日が来ると信じていました。
先生には母・姉がお茶を習い、従姉妹の姉妹もお花を習っていました。

気を使わせないようにという故人の遺志だと
私に連絡が来たのは亡くなられてもうずいぶん経ってからでした。
生前からそういうお心遣いのする方でした。
生涯独身でお母様が亡くなられてからはずっとお一人で住んでらっしゃいました。

一期一会という言葉がお好きで
一回一回の稽古を本当に大事されていました。
自分の知識を惜しみなく私達に伝えてくださいました。
熱心で稽古が12時近くにまで及ぶこともありました。納得が行くまで妥協をしない方でした。
先生から教えていただいたことは数え切れず私に中に残っています。
一期一会、、、毎回出会う花卉たちに感謝をして大事に扱うことを教えてくれました。

いつも自分のお稽古をしながら
心の中でこんなとき先生ならこういうだろうとか?とか先生に恥じないようにお稽古しよう
と思っていました。

電話くださっても留守ばかりの我が家、、留守番電話のテープが切れるまで
延々、励ましのメッセージを入れてくださった先生。(機械は苦手でした。)
いつも暖かい思いやりを沢山くださいました。

先生の教え意志は私がしっかり引き継ぎます。そしてそれを伝えて行きます。
どうか見守っていてくださいね。
きっと天国で大好きな猫ちゃん達に囲まれて暮らしてられると思います。

心からご冥福をお祈り致します。