華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

【お稽古】2006年12月26日(火)・27日(水)

2006年12月28日 | Flower
新春御題花 ”月” 

太陽に比べて地味なイメージがありますが、太陰暦は太陽暦よりも先に生まれ
古来から人々は月を崇めてきました。
伊勢神宮の内宮には天照大神の弟でもある月讀宮(つきよみのみや)が祭られています。
月の円満な輪を和と願い。
月を運が付くという言葉にかけて来年も”つき”ある一年である願いも込めます。

花材

寿松(三光松)・若松・葉牡丹・オンシジウム・千両・熊笹

松は歳神様が最初に訪れると言う縁起のいい木の王様です。
やや斜めに前にはり出し神様を向える姿勢で活けます。
若松は寿松と比べて未来に通じる若い力を現し
葉牡丹で雲を表現し、千両は夜空に輝く星です。
オンシジウムで作品全体を明るく華やかにし
縁起のいい熊笹(竹に通じる)でお正月らしい雰囲気を更に出します。
金銀の水引で月の輪(和)を作ったら松に掛けます。

和の文化の素晴らしさに見えないものを見る、見えるものを見ない
というのがあります。
作品が実際の器を超えた天空にみたてて活け上げ
それを観てくださった人にもその想いが通じたなら本望です。

お正月の慣わし・言われのお話しをしました。
(松竹梅・柳箸・お節料理・松の内 など、、、)

作品のアルバム