華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

不道徳教育講座 

2011年07月15日 | BOOK
1958年に「週刊明星」に連載された三島由紀夫の随筆
「教師を内心バカにすべし」
「知らない男とでも酒場に行くべし」
「大いにウソをつくべし」などのタイトルで
当時の世の中の流行や常識がうかがえて面白かった。
映画化・TVドラマ化もされたとあるから当時はかなり話題だったのかも。


私の知ってる三島由紀夫は、
純文学作家。 その後右翼的な思想を持ち、切腹で最期を遂げた事くらい。

それが意外!この文章を読んでると実にイケテル男性って気がした。
俗な事も派手な遊びも好きそうだし華やかな交友関係をお持ちだし
もちろん女性が好きで、ボディービルで体を鍛えて、TVに真っ赤なシャツで登場して読者から抗議の手紙を頂くような人
お洒落にも世間の流行にも敏感だ。銀座の夜遊びが好きそう。
もし私がこの時代に毎週この連載読んでたら、、女子会とかの会話で
『最近 三島いいよね~~あんな男近くにいないかな~~』『私も!好き好き!』
『銀座のどこのBARに行ったら三島に会えるんだろう?』『一度一緒に飲んでみたいわ~~』
とか言ってそう(笑)

ここに書かれてるのが昭和40年代の事とはびっくり事も沢山出てきます。
昔の時代の方が粋な人間が多く、遊びやお洒落も恋愛も面白い。
この時代に既に恋愛はここまで自由だったんだ~~
それに今時の若者は・・と嘆かわしい様な事も書かれていて、
それはいつの世も同じなんだな~
不道徳教育講座 と言いながら 終わりあたりは道徳的になったり
当時の世の中の批判する内容になったりして
まじめな三島由紀夫が垣間見れたりする。

本書の中に何か自殺する人の事が出てくる 嗜めたり 批判したり
ここでは自分は自殺をするたぐいの人間ではないと言ってる
その三年後にあの切腹。

今更ですが三島由紀夫という人物に興味津々。
KATSUMIさん本書オススメありがとう!!面白かったです。
自らでは絶対出会わなかった一冊です。