「対馬からの手紙の続き」

対馬で働いち養蘭を楽しんどる。山や花で季節を知り、海を眺めち命の鼓動を感じ、そげな好き勝手な太公望な暮らしがしてぇ~。

どこから

2024年06月26日 | 対馬産の蘭
語ればよいか、
出会いは突然であった
例年通り寒蘭展示会に行き
一鉢一鉢、差異を脳裏に
記憶させるべく鑑賞していた
すると一角に
春蘭?チャボ寒蘭?と疑問符
まさか造花じゃね?と思った
入念に観察したが本物のようだ
あまりにも不自然で不思議すぎ
詳細を訊ねて話題にするのも
おこがましい佇まいであった。
それから頭から離れず
持ち主に聞くべきか、
聞いても相手にされないだろう
早く言わないと飛んでいくかも
聞いたところで手が出ない
聞くだけ聞くか
と問答の連続、暇をつくって
持ち主の蘭舎に通っては
チラ見するだけの日々、
ある日思い切って
「これの余剰苗は無いですよね?」
と聞くと考え込まれてしまった
次元が止まり時間だけが過ぎる
呼吸が出来ない程の空間が続き
あまりの息苦しさに負けて
発した言葉を撤回しかけたら
「芋吹かしの小さいのならあるよ」と、♥〜
食道に詰まった食べ物が
貫通したスッキリ爽快気分
分譲が叶った瞬間であった。
それから数年毎に秋に開花し
秋咲きの性質を持った春蘭だと
確認されたのである。
葉は樋深く中立ちで特徴的
秋に咲く花は少し抱えぎみの
どっしりとした三角咲き、
舌は硬く厚身の卷舌前面無点花
我が家にきて20年位経つ
春に1回開花したことがあるが
まだ秋に咲いたことはない。
昨年株を傷めて作り直し状態
だが不思議と
焦燥とか落胆とは無縁なんだ
きっといつか
秋の龍玉の花を見られるという
希望に満ち溢れてる
仮)龍玉
コメント
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