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ニッポンのゆる~い日常

駐日大使は靖国神社に行ってほしい

2017-01-16 12:46:36 | 国際時事
【話の肖像画】


駐日サンマリノ大使、マンリオ・カデロ(1) 駐日大使は靖国神社に行ってほしい


http://www.sankei.com/politics/news/170116/plt1701160011-n1.html


〈2011(平成23)年に日本に駐在する外国大使全体の代表である「駐日外交団長」に就任した〉

 現在154カ国の大使館が日本にありますが、大使の中で私が一番の古株であることから、各国の大使で構成する外交団の団長を務めています。もし私が大使をやめたら、次はエリトリアの大使が団長になります。



 各国の新しい大使が着任すると、たいてい私のところに挨拶に来るのですが、彼らから「日本にいる間、日本人を喜ばせるためにはどうすればいいか」などとアドバイスを求められたら、こんなふうに答えています。「できるだけ日本人と仲良くして友達をたくさんつくってください。できれば、靖国神社を1回でいいから見てください」と。


 私は骨董(こっとう)が好きなので、靖国神社の境内で開かれる青空骨董市によく出かけていました。よく理解していない人が多いのが残念ですが、靖国神社は国のために戦って死んだ軍人のためのメモリアル神社です。靖国神社は、実は世界中にあるんですよ。アメリカの靖国神社は、ワシントン近郊のアーリントン国立墓地、フランスはパリの凱旋(がいせん)門、イタリアはローマのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂。中国にだってあるでしょう。



 中国の人が、靖国神社のことを戦争の犯罪人の神社と言っているのはとんでもない。戦争のとき、勝った国も負けた国も、いい人、悪い人、どこでもいたんですよ。おかしいと思いませんか。それなのに、靖国神社が、悪魔みたい、行っちゃいけないといわれるのは、とんでもない。どこの国も国のために亡くなった人のための施設があるんですよ。なんで靖国神社だけこんな差別と区別している? 非常にナンセンスだと思いますね。





〈昨年10月にベルギー国王が国賓として来日された際、宮中晩餐(ばんさん)会に招かれた〉


 ベルギー国王やオランダ国王をはじめ、国賓の来日時には、天皇陛下が宮中晩餐会を催されますね。そのとき、全ての大使を招くことはできませんので、代表として外交団長の私が呼ばれるのです。また、天皇陛下が外国にお出かけになる際は、駐日大使の代表として、空港にお見送りとお出迎えに行きます。天皇陛下のお誕生日にお祝いのスピーチをするのも外交団長の仕事なのですが、すごく緊張します。外交団長は名誉ある地位ですが、仕事は大変デリケートなんです。でも、そのおかげで、何度も陛下にお目にかかることができました。


 これまで数え切れないほど日本人と会ってきましたが、一番威張っていないのが天皇陛下なんです。すごく謙虚な方。すばらしい。本当に哲学者みたいです。でも、誰とは言いませんが、ときどきすごく威張っている人がいますね。そんなときは、「失礼ですけど、天皇陛下が威張っていないのに、なんであなたが威張っているのですか?」と言いたいぐらいです。けんかになっちゃうかもしれないから、実際には言いませんけどね(笑)。(聞き手 原川貴郎)



                  ◇



【プロフィル】マンリオ・カデロ

 イタリア・シエナ生まれ。イタリアで高校卒業後、パリのソルボンヌ大学に留学。1975(昭和50)年に来日し、東京に移住。ジャーナリストを経て、89(平成元)年、駐日サンマリノ共和国領事、2002年、同特命全権大使。11年5月、駐日大使全体の代表である「駐日外交団長」に就任。著書に「世界で一番他人にやさしい国・日本」(共著、祥伝社新書)、「だから日本は世界から尊敬される」(小学館新書)など。






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