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ニッポンのゆる~い日常

小沢氏が曲解した『山猫』の逸話

2011-01-31 18:52:10 | 正論より
1月31日付    産経新聞【正論】より



小沢氏が曲解した『山猫』の逸話    中国現代史研究家・鳥居民氏


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110131/stt11013102490001-n1.htm



 ≪胡氏に変われと「剛腕小沢」≫


 旧年中のことで恐縮だが、民主党元代表の小沢一郎氏がインターネット動画の12月23日の番組で、「(中国国家主席の)胡錦濤氏がこの間、日本に来たとき、『会いたい』と言うから、『儀礼的な社交辞令で会うのは嫌だ』と言ったのだが、結局は会うことにした」と語った。会談は15分から20分間続き、小沢氏は、ビスコンティ監督による1963年の伊仏合作映画、『山猫』の一節を引いて、「変わらずに残るためには変わらなければいけない。これが私の人生と政治の哲学だ」と述べ、中国共産党の一党独裁からの転換を促したのだという。


 これを見た人々は、小沢氏が前月の11月に横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議への出席で来日した胡氏と会談したのだ、と思った。翌24日付の日本の各紙も小沢氏が「先月、胡主席と会談」と報じた。

 相も変わらぬ小沢好きの人であれば、「剛腕小沢」はやはり違うと思っただろう。そのAPECの際に、菅直人首相は胡氏との会談にやっとこぎつけはしたものの、手元のメモに目を落として、それを読み上げただけで終わった。


 しかるに、小沢はどうだ。向こうが会いたいと言ってくる。会ったら、首相と同じ20分ほどの会談であっても、日中関係が悪化しているさなかであっても、臆することなく、中国が今やらねばならないことを胡氏に説いた。それなのに、とっくに解決済みの「政治とカネ」の問題を蒸し返し「剛腕小沢」の足を引っ張ろうとするばかどもが、と嘆いたことだろう。


 それから4日、前原誠司外相が記者会見で事実を明らかにした。それによると、小沢氏が言う「この間」とは2年半前、平成20年5月のことだった。来日した胡氏が与野党の指導者と相次いで会談、民主党代表だった小沢氏とも会ったのだという。『山猫』の話をしたことも、前原氏は確認した。

 小沢氏は『山猫』の中の、その話が大好きのようである。それより2年前、平成18年4月の民主党の代表選でも、小沢氏は「変わらずに残るためには、変わらなければいけない」と説き、「私自身がまず変わる」と訴えて新代表に選ばれた。「ニュー小沢」。新聞はそうもてはやしたものだった。





 ≪映画中の発言者を取り違え≫


 だが、私は腑に落ちないことがあったので、小沢氏の著書を調べてみた。氏は、前述の代表選よりも10年前に刊行した「語る」という談話録の冒頭で、『山猫』を取り上げていた。ただし、残念ながら、事実関係を間違えていた。

 映画のクライマックス場面で、イタリア統一運動に参加した青年が、自分を支援してくれる伯父の公爵に、「なぜ私を応援するのか」と問うたのに対して、「変わらずに…」と公爵は答えた。そのように、小沢氏は語っていた。

 実際には、問題の場面は映画の初めに現れており、しかも、小沢氏を感服させたその台詞(せりふ)は、公爵の口から出たものではない。若い甥(おい)の方が発したものだ。そればかりか、公爵はその台詞にはうなずかずに、聞き流したのである。

 当たり前だろう。社会的地位と家系を誇る名門貴族にとって代わろうとする新興勢力が台頭していく中で、徐々に没落していく公爵家の当主の人生の最後の輝きを描いたのが『山猫』なのである。

 その映画の主人公、シシリーの貴族であるサリーナ公爵家の紋章も『山猫』である、といいたいところだが、実は映画の中で大きなスープ鉢の蓋にまで付いている紋章は、そうではない。長い尾を振り回して辺りを睥睨(へいげい)しているのは豹の一種であり、原題は邦題と違い、紛れもない『豹』である。





 ≪正しくは変革ではなく退場≫


 「われわれは豹か獅子だった。だが、やがてはハイエナ、羊にとって代わられることになる」と、主人公の公爵が独白したのもそのためであり、それこそが3時間にも及ぶ大作の主題なのである。

 ところが、小沢氏は『山猫』について勝手に思い込み、自らは変わるのだと喋(しゃべ)ってみせながら、政界にとどまるため「政局」をつくり出すのに専念した。日本の今日の停滞は、そんな「小沢政治」にも、大きな責任があると思う。

 小沢氏が公爵の発言を正しく理解していたら、「ハイエナ、羊にとって代わられることになる」と言い残して、政治の舞台から去っていたかどうか。ともあれ、その氏も今、やっとそう言える状況になりつつあるのかもしれない。

 さて、胡氏にも触れよう。

 胡氏は小沢氏と違い、まだ2年の任期を残しているばかりか、江沢民前国家主席の先例に従えば、軍の最高ポストに座り続けることになる。その彼が解決しなければならない問題は山積しており、ゲーツ米国防長官がこの1月に東京で講演して指摘した、「中国軍に対する文民統制の弱さ」は、中でもすべてに絡む問題だろう。

 前に本欄で書いたが、江時代に登用された軍首脳の総入れ替えが肝要であることは、変わらなければと小沢氏から言われずとも、胡氏自身が重々承知していよう。(とりい たみ)
















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自己正当化のためなら平気で嘘をつくタイプの小沢氏 「神話」は枯れ尾花

2011-01-31 18:47:11 | 陸山会(小沢一郎)
【一筆多論】


自己正当化のためなら平気で嘘をつくタイプの小沢氏 「神話」は枯れ尾花



http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110131/stt11013109050002-n1.htm



時計の針が午前0時を過ぎ、中東の地で死闘を繰り広げていたサッカー日韓戦が延長戦に入ったころ。

 サッカーとは何の関係もなく居酒屋で酔っぱらい、終電に乗り遅れてタクシーを拾うと、「いやあ、本当にありがとうございます」と運転手さんから大仰に礼を言われた。

 他人(ひと)様から滅多に褒められたことがないので戸惑っていると、「家でサッカーを見るためみなさん早くお帰りになった。こんなときに乗ってくれるお客さまは神様です。それにしても政権交代してから余計にお客さんが減ってます。菅直人の野郎をぶん殴りたいですよ」と急に物騒なことをおっしゃる。

 じゃあ、自民党政権に戻った方がいいの?と聞くと、「まだ早い」と断じ、「やっぱり、小沢一郎しかいないじゃないですか」と同意を求められた。


 神様扱いされたので黙って聞いていると、小沢待望論の理由を次々と挙げてくれた。

 (1)菅は財界と米国の言いなりだが、小沢なら「国民の生活が第一。」を貫き、米国や中国とも対等にわたりあえる

 (2)「改革派」の小沢は、官僚や財界、マスコミの「旧体制」に袋叩(だた)きにされ、いわれなき罪を着せられている

 (3)小沢ほど決断力と洞察力に富んだ政治家はいない

 「小沢神話」いまだ健在なり。でも運転手さん、それは違いますよ、と言いかけたところで拙宅に着いてしまった。


 小沢氏ほど、虚飾に彩られている現役政治家は、ほかに見当たらない。その最も大きな理由は、彼が首相になったことがないために「もし小沢さんが首相だったら…」「彼ならこうやったはずだ」という妄説が成り立つ余地が残っていることだ。

 歴史にイフは許されないが、もし小沢氏が自民党時代に首相になっていたら、あるいは昨年の代表選に勝利していれば、「神話」はきれいさっぱり消えていたはずだ。

 なぜ、そう断言できるかといえば、彼は自己正当化のためなら平気で嘘をつくタイプの人間だからだ。

 最近も週刊文春に「(新聞に)公開討論会で大いに議論しようじゃないか、と呼びかけているんですが、出てきたためしがない」(2月3日号)と語っているが、まったくの嘘である。私は4年近く政治部長を務めているが、そんな呼びかけをしてもらったことは一度もない。逆にインタビューを何度も申し込んでいるが、受けてもらったためしもない。

 あげくの果てには「旧体制を変えようとしている者は、既得権を奪うけしからん敵だとなって、何をやっても叩かれてしまうんです」(同)と、「政治とカネ」の問題をメディア批判にすりかえている。真実を嘘でごまかし、国会の場で自らの疑惑を晴らそうとしない政治家が、大事をなせるはずがない。

 「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではないが、「小沢神話」は、枯れ尾花(ススキ)にすぎないのである。運転手さん、これで納得されましたか?(政治部長兼論説委員)

2011.1.31 09:01






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【小沢氏強制起訴】起訴内容の要旨

2011-01-31 18:42:53 | 陸山会(小沢一郎)
【小沢氏強制起訴】   起訴内容の要旨



http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110131/trl11013117390010-n1.htm



【第1】

 小沢一郎被告は、自己の資金管理団体である陸山会の会計責任者であった大久保隆規被告と、その職務を補佐する者であった石川知裕被告と共謀の上、平成17年3月31日ごろ、東京都新宿区の東京都選挙管理委員会において、

 (1)陸山会が16年10月12日ごろ、小沢被告から4億円の借り入れをしたにもかかわらず、これを16年の収入として計上しないことにより、同年分の政治資金収支報告書の「本年の収入額」欄に、これが5億8002万4645円であったとの虚偽の記入をし、

 (2)陸山会が16年10月5日と同月29日、土地取得費等として計3億5261万6788円を支払ったにもかかわらず、これを同年の支出として計上しないことにより、真実の「支出総額」が4億7381万9519円であったのに、収支報告書の「支出総額」欄に、3億5261万6788円過小の1億2120万2731円であったとの虚偽の記入をし、

 (3)陸山会が16年10月29日、東京都世田谷区深沢8丁目の土地2筆を取得したのに、これを収支報告書に資産として記載せず、収支報告書を都選管を経て総務大臣に提出し、もって収支報告書に虚偽の記入をし、記載すべき事項を記載しなかった。




【第2】

 小沢被告は、大久保被告と、その職務を補佐する者であった池田光智被告と共謀の上、18年3月28日ごろ、都選管において、

 (1)陸山会が17年中に土地取得費等として計3億5261万6788円を支払っていないにもかかわらず、これを同年の支出として計上することにより、真実の「支出総額」が3億2734万7401円であったのに、同年分の収支報告書の「支出総額」欄に、3億5261万6788円過大の6億7996万4189円であったとの虚偽の記入をし、

 (2)陸山会が前記土地2筆を取得したのは16年10月29日であるのに、収支報告書の「資産等の項目別内訳」の「年月日」欄に取得年月日が17年1月7日であるとの虚偽の記入をし、収支報告書を都選管を経て総務大臣に提出し、もって収支報告書に虚偽の記入をしたものである。



2011.1.31 17:38









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「何でもいいから制裁措置を考えろ」 防衛次官通達、当時副大臣の安住国対委員長が主導

2011-01-27 12:53:38 | 民主党
【民主党】「何でもいいから制裁措置を考えろ」 防衛次官通達、当時副大臣の安住国対委員長が主導 政務官再考促すも耳を貸さず


http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1296091555/



1 :春デブリφ ★:2011/01/27(木) 10:25:55 ID:???0

★【自由が危ない】防衛次官通達、安住氏が主導 政務官再考促すも耳を貸さず

 防衛省が昨年11月、自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる事務次官通達を
出した問題で、これを主導したのは当時防衛副大臣の安住淳民主党国対委員長だった
ことが26日、分かった。複数の防衛省筋が明らかにした。通達に関する会議で広田一
政務官は「この通達はやりすぎだ」と再考を求めたが、安住氏は振り切ったという。

 昨秋の臨時国会で自民党が「言論統制を強いる通達だ」として北沢俊美防衛相らを厳
しく追及したことを受け、安住氏が通達撤回を検討していたことも分かった。安住氏は
「撤回しても効力はものすごい。通達を1度出したことに意義がある」と周囲に語った
が、北沢氏は「撤回すると非を認めたことになり、さらに野党に追及される」と判断
し、撤回を見送った。

 通達は、11月3日の航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)の航空祭で、民間団体
「航友会」会長が「一刻も早く菅政権をぶっつぶしましょう」などと政権批判したのが
きっかけ。
 これに激怒した安住氏は「何でもいいから制裁措置を考えろ」と対応策を指示。内局
文書課が通達案を作成したところ、安住、広田両氏は担当幹部とともに防衛省内で会議
を開き、通達案を協議した。
 広田氏は通達への反発を憂慮し、「やり過ぎだ」と再考を促したが、安住氏は耳を貸
さなかったという。その後、北沢氏も通達を了承し、11月10日付で通達が発出された。
(続く)

■ソース(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110127/plc11012701310010-n1.htm


2 :春デブリφ ★:2011/01/27(木) 10:26:33 ID:???0
(>>1の続き)

 広田氏の懸念の通り、自衛隊やOB組織、後援会などで「思想信条の自由を定めた憲
法の精神に反する」と激しい反発が起き、自民党は国会で北沢氏らを追及。民主党から
も「後世に残る政権の汚点だ」(党幹部)との批判が上がった。

 これを受け、安住氏は通達撤回を検討した。この際に「撤回しても効力はものすご
い」などと語ったのは、一度通達を出せば自衛隊内で強く印象づけられ、民間人の政権
批判を控えさせる「自主規制」が働くと踏んだからだとされる。

 安住氏は産経新聞の取材に対して「コメントしない」と語った。
(以上)




3 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:28:18 ID:Gf32kRCc0
>安住氏は産経新聞の取材に対して「コメントしない」と語った。

開かれた民主党(笑)


4 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:28:34 ID:iL5Jjam10
軽率な権力者が国を滅ぼすね。


11 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:31:34 ID:LXHP8MEs0
国対委員長が


言論風圧かよ

話し合いできんがな


17 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:32:24 ID:9+rb8YA40
たかが民間人の発言に対して制裁措置って・・・
これだから左翼に権力を持たせるのは危険なんだよな。


23 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:34:35 ID:VeTimDvz0
国民の生活が第一、
オープンでクリーンな政党

我々は民主党です!


25 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:35:06 ID:1tfE3crp0
>何でもいいから制裁措置を考えろ

なんという恐ろしい言葉w


36 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:43:27 ID:0FzwpMUq0
サヨクが身の丈に合わない権力を持つと暴君になる。

これ、歴史のまめ知識な。


49 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 10:48:41 ID:SFyKRMPt0
>>1
なにこのファシスト


73 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:01:16 ID:nqSRJncd0
韓国や中国には優しいのに
どうして日本人にはこうも厳しいのか


75 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:02:12 ID:q/HzDnfo0
だって日本人の為の政党じゃないもの・・・
民主党は


77 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:03:12 ID:PpZe6f220
>>73
いや、元々特定アジア出身者が多いしwww


86 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:06:12 ID:itAJ4KQC0
> 安住氏は産経新聞の取材に対して「コメントしない」と語った。
朝鮮総連も似たような対応を産経にしてますねw




90 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:08:49 ID:PpZe6f220
>>86
新聞とってないけどさ、産経新聞が存在しなかったら
民主党の売国、、、つかキチガイ沙汰が表に出ないって事だよな

酷い世の中だぜ


94 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:11:29 ID:0FzwpMUq0
自民党が、どれだけ寛容だったかわかったか?
誰だったか忘れたが、
角栄を糾弾してるジャーナリストがいた。
角栄が、そのジャーナリストを排除せずに何かの会合に呼んだ。
「私はあなたの批判ばかりしてるのに、何で私まで呼んだのですか?」
角栄「ジャーナリストは、権力者を批判するのが仕事だよ」だってさ・・・



100 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:18:39 ID:DKKbuhAM0
完全な言論弾圧だろう。
自分たちは野党時代はあんなに政治批判してたくせに、与党になった途端
批判は許さないってどういう独裁国家だよ!
そのうち街で3人以上集まって立ち話すると逮捕されるような時代になるぞ。


101 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:20:59 ID:uPuP6mA2P
>>98
自民が同じことやったら
「軍靴の音が聞こえる」だの「戦前の全体主義・思想統制の復活」とか騒ぎまくるのが
ハッキリ目に浮かぶよな


140 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 11:57:28 ID:1tfE3crp0
実行しないマニフェストを見ると国民騙して政権取ったというのがピッタリだな
しかもマニフェストにないことを優先的に実行しようとしている
こんな詐欺集団のどこが民主的なんだか


198 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 12:44:31 ID:n8geDIxd0
ミンスの支持基盤の中にはスパイ防止法を通そうとしたら「プライバシーの侵害だー・思想の自由が侵されるー」とかガキの前で「戦前は言論弾圧されてた暗黒時代・軍靴の足音がー」とか宣ってる奴らが沢山居そうだがいざ権力を手にしたらこうなるんだね

そりゃ日本がダメになるわ


205 :名無しさん@十一周年:2011/01/27(木) 12:52:02 ID:JUowUjHq0
彼らが目指すのは
全ての国民を党の管理下におくこと
これが民意だ



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中国を踊らす北の「崩壊カード」

2011-01-27 09:17:26 | 正論より
1月27日付     産経新聞【正論】より


中国を踊らす北の「崩壊カード」    拓殖大学学長・渡辺利夫氏



http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110127/plc11012702510027-n1.htm




 ≪日本の脇腹に向けられた鉈≫


 朝鮮半島はユーラシア大陸から日本の脇腹に向けて突き付けられた1本の鉈(なた)である。モンゴル、ロシア、中国などユーラシアの大陸国家は、朝鮮半島を経由せずして海洋国家、日本への勢力伸長を図ることはできなかった。敵対勢力による朝鮮半島支配は日本には許容し難いことであった。

 日清戦争とは、清国に服属しその軍事的保護下にあった朝鮮を清国から切り離して、「独立自主の邦」とし、もって日本の安全を保障するための戦いであった。日露戦争もその淵源(えんげん)をたどれば、三国干渉という屈辱をのまされた日本を「恃(たの)むに足らず」とみた朝鮮が、南下政策を進めるロシアの保護下に入らんとした歴史的事実に行きつく。

 1950年に勃発した朝鮮戦争では、中ソの支援を受けた北朝鮮軍が韓国軍を半島南部の釜山郊外へと敗走させ、半島全域の共産化寸前にまで事態を立ち至らせた。国連軍による仁川上陸作戦が展開の時期を少しでも失したならば、日本は東西対立のフロントラインに位置づけられて塗炭の苦しみを嘗(な)めさせられたにちがいない。

 朝鮮半島はなお鬼門である。昨年3月には黄海の北方限界線近傍で北朝鮮軍が韓国哨戒艦を魚雷攻撃により撃沈、多数の兵士を死亡させた。11月には韓国西方沖の延坪(ヨンピョン)島とその周辺に砲弾を撃ち込んで兵士と民間人を殺傷した。延坪島砲撃は朝鮮戦争後初めての地上攻撃であった。韓国軍は延坪島に配備していた砲門により北朝鮮の砲台に対抗射撃し、戦闘機を同島に非常出撃させたものの、それ以上の反撃は「自制」した。





 ≪米韓が迫られた自制の禍根≫


 北朝鮮はソウルに照準を合わせた無数の砲門を38度線沿いに配備している。韓国軍が北朝鮮軍への反撃を開始するや、第一撃によってソウルは「火の海」となる。緒戦で自国民が被る「阿鼻(あび)叫喚」の事態を想定すれば、自制もやむなしだったのであろう。だが、まことに苦々しいことに、この自制は近い将来、韓国を一層手ひどい屈辱に貶(おとし)めざるをえない。

 絶望的貧困を解決できぬまま金正日氏の死期が迫りつつある。それゆえ金正恩氏への権力継承を急ぎ、継承された権力の基盤強化に勤(いそ)しまねばならない。残された時間はわずかである。2012年までに3度目の核実験を敢行し「強盛大国への大門」を開くことが金一族延命の至上命令だ。次の実験はミサイルに搭載可能な核弾頭の小型化をめざし、それが成功する可能性は高いと専門家はいう。

 半島の軍事統制権をもつ米軍も、哨戒艦撃沈と延坪島砲撃を半島有事と捉えることはなかった。アフガニスタン、イラクに展開している米軍が3正面作戦に打って出ることはあるまいとの観測が、これにより「実証」されたと北朝鮮がみなしている可能性がある。

 北朝鮮に強い影響力をもつはずの中国はどうしているのか。中国が供給する石油と食料なくして北朝鮮は成り立たない。党代表者会議に先立って金正恩氏をトップとする新指導体制をいち早く支持したのも中国ではなかったか、という声が聞こえる。

 そうだろうか。中国をしてそのような対応に向けさせざるをえない理由が何かあると考えるのが筋ではないか。北朝鮮の崩壊を恐怖しているのは、誰あろう中国である。崩壊によって朝鮮半島の全域が米韓の統治下に入ることは、中国には到底、受け入れ難い事態である。崩壊によって大量に発生する難民の流出先は、国境沿いの朝鮮族自治区である。そこでの混乱が独立を求めるいくつかの少数民族に与える影響は計り難い。





 ≪半島情勢が求める集団的自衛≫


 北朝鮮は中国の恐怖を知悉(ちしつ)し、「崩壊カード」で対中外交を操っている。中国が哨戒艦撃沈にも延坪島砲撃にも「微温的」な対応に終始した理由が、ここにある。

 中国が恐れるのは半島の現状維持であって、非核化ではない。中国は6カ国協議の議長国として半島の平和と安定のために「奔走」しているかのように振る舞っただけである。西側への巧妙な「偽装」である。この間に西側は北朝鮮への譲歩を何度も余儀なくされ、何より核開発への時間的余裕を彼の国に与えてしまった。さればこそ、北朝鮮の瀬戸際政策は韓国はもとより日本や在日米軍基地をも含む究極的なものとなる危険性がある。日本はどうする。

 南シナ海はみずからの「核心的利益」の範囲内だと中国は主張し、さらに尖閣諸島への強硬策をもって東シナ海の海洋覇権掌握への意欲を漲(みなぎ)らせている。幸いなことに、中国のこの強硬策は後半期オバマ政権の関心事をより深いアジア関与へと引き寄せた。日本の安全保障の懸案、集団的自衛権行使容認の千載一遇である。

 普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設は、沖縄世論の反転によって実現への道はもはや閉ざされてしまった。集団的自衛権行使容認は、民主党政権の愚策によって失われた日本への信頼を取りもどすための不可避の選択でもある。決断の秋(とき)である。(わたなべ としお)













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日米で南シナ航行の自由監視を

2011-01-27 09:13:05 | 正論より
1月26日付      産経新聞【正論】より



ヴァンダービルト大学 日米研究協力センター ジェームス・E・アワー氏



http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110126/plc11012603200027-n1.htm



 ■日米で南シナ航行の自由監視を



 最近、台湾の戦略専門家が以下のようなことを私に言った。

 一、歴史的に見て、日本は強大な中国を常に案じているが、米国はもっと中立的である。

 一、中国が台湾を占領するとなると、日本の戦略態勢は直接的な影響を受けるであろうが、米国にとってはそれほど劇的な影響はないであろう。

 一、日米両国とも中国の最大の貿易相手国のうちに入るが、根本的な違いが一つあり、それは日本が中国からカネを稼いでいるのに対し、米国は中国からカネを借りている点である。

 一、2009年時点で、日本の対中貿易黒字は米国の対中貿易赤字の約3分の1で、米国の対中貿易赤字は、対日貿易赤字の約6倍である。

 一、これらの数字ゆえに、米国は中国を怒らせることを日本よりもしたがらなくなってきており、日本は財政金融面での対中依存度が米国よりも低い。そして、最近の尖閣事件やそれに伴うレアアース(希土類)原料の禁輸措置が、台頭する中国は一体、何をやってくるのかという日本の不安を強めている。

 だから日本はじっとして中国のいじめを受けるわけにはいかないのだ、と台湾の友人は論じた。





 ≪日本は米国に比べ中国に甘い≫


 彼が言っていることは論理的に聞こえるが、行動は言葉よりも雄弁という。米国は中国の不透明な軍備増強を非常に懸念し、最近の中国による攻撃的な振る舞いに対処する措置を取った。一方の日本は依然、はるかに慎重であり、厳しい政策決定を避けている。

 例えば、中国が南シナ海を自らの「核心的利益」であると宣言して、それが日本経済に破滅的影響を与えかねないにもかかわらず、日本は強く抗議するでも、そうした中国の動きには反対することを行動で示そうとするでもない。

 だが、ヒラリー・クリントン米国務長官は2010年7月、ハノイで、南シナ海海域における主権の主張者が誰であれ武力で脅したりそれを行使したりすることを強く非難した。加えて米国は南シナ海、そして台湾海峡にも海軍艦船や航空機を派遣し続けている。

 2010年9月、中国漁船が尖閣諸島沖の日本領海を哨戒中の海上保安庁巡視船に故意に衝突してきたとき、日本政府は漁船船長を裁く前に釈放するよう命じた。対照的に米国は、尖閣諸島に対する中国の軍事侵攻は日本と共同の米国の対応を要するだろうと、紛れもなく明確に表明している。




 ≪日米共同で中国に断固対処を≫


 国際法とは相反する中国の声明や、尖閣諸島やその他での中国の攻撃的な行動を考えると、中国とはまるで異なる価値体系を持つ2つの民主主義国、日本と米国は、中国を相手にするに当たって断固たる態度で臨み、私見ながら最も効果あるものにするためには、共同で行動しなければならない。

 中国漁船の船長が釈放されたときに、3期目の長島昭久衆院議員(民主党)は、日本にとって、日清戦争の後の三国干渉により遼東半島の返還を余儀なくされて以来の最大の屈辱だと主張し、国会で菅直人首相に質問した。長島議員は、菅首相に対し、日本の国益を考えてほしいと懇請した。

 菅首相は答弁できなかったが、後に、長島議員が勇敢にも口にした真意を理解したことを示唆するような行動も全く取っていない。それどころか、菅首相は、武器輸出三原則を堅持すること、という社民党の福島瑞穂党首の要求に屈してしまった。三原則の見直しなくしては、ミサイル防衛に関する米国との協力は難しくなる。





 ≪東南アジアとも協調行動せよ≫


 日本が、米国とともに、そして南シナ海や、その中で領有権が争われている島々に対する中国の意図を同じように危惧している、東南アジアの諸国と協力し合って取り得る行動は、ほかにもある。

 それらは、国際法に照らして合法で、集団的自衛権の行使に対する日本の非現実的な制約の範囲内にも収まっている行動である。そして、南シナ海が、地域の、そして地球規模の通商に開かれている国際的な水路にして空域であるということを、世界に向けて鮮明にするであろう行動である。

 日本の海上自衛隊は今日、米海軍と交代で、頻繁に(私としては毎日、と勧めたいのだが)、南シナ海上空を航行の自由のために偵察飛行する能力を有している。インドネシアとベトナムは、自国領海の境界付近の安全を保障しようと2国間協力を話し合っている。ブルネイは、厳しい天候下でも南シナ海の全域で作戦可能な日本製US-2水陸両用救難機といった、長距離飛行艇の拠点とするには格好の位置にあるだろう。

 セオドア・ルーズベルト米大統領が、「言葉は穏やかに、手には棍棒(こんぼう)を持て」と言ったことはよく知られている。中国は大声で語り、無法に行動している。今や日本と米国が行動するときである。両国が確固たる政治的決意をもって志を同じくする東南アジア諸国の行動と協調しつつ実施すれば、中国はその行動を好まないかもしれないが、尊重はするだろう。












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「桃太郎の鬼の立場で」「北方領土はどこの国?」日教組教研集会、とんでも教育の報告相次ぐ

2011-01-25 09:30:07 | 日教組
「桃太郎の鬼の立場で」「北方領土はどこの国?」日教組教研集会、とんでも教育の報告相次ぐ


http://sankei.jp.msn.com/life/news/110125/edc11012501060002-n1.htm



 卒業式で「仰げば尊し」を歌わせないよう根回しし、平和教育で「桃太郎の鬼の立場に立ってみよう」と問いかける-。24日終了した日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会(教研集会)では、学習指導要領に基づいているとは思えない教育内容の報告が相次いだ。「北方領土はどこの国の領土か分からなくなった」と児童に問いかけた教師も。専門家からは「公教育で行うべきことか」と批判の声が上がる。


 「卒業式には『仰げば尊し』ではなく『○○』を歌って卒業させたかった」と報告したのは、広島県三原市の小学教師。年度初めから校長らに根回しし、子供たちにも「今年はこの曲を歌おうと思うんよ」と別の曲を聴かせていた。

 最終的に「仰げば尊し」を歌ったが、報告書では「『君が代』『仰げば尊し』の強制は子供たちのためになっているのか」と強調。個人の思想からの行為であることを隠さなかった。


 日本の“非”だけを強調する歴史観や、国際情勢を無視して単純に「戦争は恐い」というイメージを強調する「平和教育」の授業報告も多かった。


 千葉県木更津市の小学校では、戦争を考えさせるために、子供たちに「童話『桃太郎』で退治される鬼の立場になって考えてみよう」という筋違いな学習課題を提示していた。


 佐賀市の小学校では、このような平和教育を行った結果、将来の夢が「自衛隊に入り日本を守る」だった児童が、授業後、「自衛隊を含め一切の武力を放棄すべきだ」と考えを変えたという。

 ただ、沖縄県の中学校では、自衛隊の国際貢献を否定的に考えさせようとしたところ、子供から「他国の人々を助ける」などとプラスの評価が相次いだケースもあった。担当の教師は報告で「教科書や資料が政府の考えばかり。反論できる資料を持ち込まないと…」とぼやいた。


 北海道根室市の中学教師は北方領土を取り上げた社会の授業を報告。経緯を教える中で、「僕自身、北方領土がどこの国の領土か分からなくなった」と告白し、子供たちに「みんなはどう思う」と問いかけた。この教師によると、授業を受け、「どこの国か分からなくなった」という意見が子供たちから出たという。


 高崎経済大の八木秀次教授は「公教育を教員の私的な思想表現の場にしている。こうした日教組組合員の行為は以前から行われてきたが、支援してきた民主党が政権についたことで、勢いを増しているのではないか」と話している。

2011.1.25 01:04










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中国の核恫喝と拡大抑止の不備

2011-01-24 09:47:22 | 正論より
1月24日付     産経新聞【正論】より



中国の核恫喝と拡大抑止の不備    平和安全保障研究所理事長・西原正氏


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110124/plc11012403040023-n1.htm




 ◆核の先制不使用は名目だけ


 中国人民解放軍の内部文書で、核保有国(米国を想定)との戦争で危機的状況に置かれて有効な防衛策がない場合、核先制使用を検討するという立場をとっていることが判明した、と報道された。

 中国はこれまで、胡錦濤国家主席をはじめ、「中国はいかなる状況下でも核先制使用はしない」と公言してきた。報道通りなら、実情は全く異なることになり、中国がこれまで、「非核国には核攻撃は絶対にしない」と言ってきた立場も信用できなくなる。おそらく中国は、日本が非核国であっても米国の核の傘に入っていることを理由に、有事には日本を非核国として認めないのではないか。

 加えて北朝鮮も先制使用を否定したことはない。先制使用する国だと想定しておくべきである。

 このように東アジアの核環境は日本にとって一層、厳しくなっていることに注目すべきである。にもかかわらず、昨年12月に策定された新しい防衛大綱は、核問題をどう位置付けるのかという点には明確な方針を示さなかった。

 新しい防衛大綱によれば、日本の核政策は、(1)非核三原則を堅持する(2)核軍縮・不拡散のために積極的に取り組む(3)米国の拡大抑止能力を支持する(4)弾道ミサイル防衛などによる努力を進める-という4本柱から成っている。これは全体的には妥当な政策に見えるが、実際はそうではない。





 ◆米の核抑止力弱めるな


 たとえば、非核三原則(核を作らない、持たない、持ち込ませない)の3番目の原則は、岡田克也外相当時の密約解明作業で、「持ち込ませない」とは「陸上の配備は認めないが領海、領空の通過、立ち寄りは認める」という従来の「密約」を暴きながら、「今後はこれも認めない」となった。そのことで、米国の核に関する行動のオプションを狭めてしまった。

 そうした中で、今回の大綱は「核抑止力を中心とする米国の拡大抑止は不可欠であり、その信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していく」としている。非核三原則を以前より厳しいものにしておいて、米国の拡大抑止の「信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していく」とはどういうことをするのかとの疑問を抱かざるを得ない。米国に対し、一方で非核三原則を厳守せよと言い、他方では日本を核の脅威から守れと求めているからである。

 さらに、米国の核抑止力に依存するのであれば、核保有国に囲まれた日本としては、米国による核の先制使用の原則を支持することが、「核抑止の信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していく」方策である。岡田外相はしかし、米国は核の先制使用を断念すべきだとする立場を取って、米国や外務省を困らせた。核先制不使用の立場は核抑止力を弱めるだけである。菅直人政権は早急に、米国の核先制使用方針に対する支持を明確に表明すべきである。

 大綱はまた、米国の拡大抑止に関して、「核抑止力を中心とする米国の拡大抑止」という表現を用いている。米国の抑止力には、核以外の、通常兵力による抑止もあり得るという理解である。

 事実、米国は冷戦末期ごろから、核攻撃への報復として通常兵器を用いる利点を論じていた。精密誘導可能な通常兵器は精密に攻撃目標を狙うことで、核兵器のような大量破壊の衝撃を避けながら、同じ目的を達成できるとしていた。それにより、核兵器の非道徳性も避けられるとする。核兵器は実際には、「使用できない兵器」であるのに対し、通常兵器は使用し得る兵器である。北大西洋条約機構(NATO)の最近の防衛政策も、「核と通常能力の適切な混合に基づく抑止は全体的戦略の中核をなす」としている。

 通常抑止力の導入により、敵の核攻撃に対する米国の抑止力の信頼性は高まったといっていい。





 ◆脅威にさらされる米艦船


だが、もっと大きな問題は、西太平洋において中国が米軍事力への接近拒否能力を持った場合、米国は日本や韓国に対して効果的な拡大抑止を保持できるだろうかという点である。中国は中距離弾道ミサイル(DF21)を改造した対艦弾道ミサイル(ASBM)を間もなく完成させ配備するといわれている。これが実戦配備されると、中国沿岸から約2000キロの距離内にある米艦船は脅威にさらされてしまうという。

 西太平洋で米空母など米軍が自由に行動できなくなれば、日米同盟の機能が怪しくなる。そして、その軍事的空白を突いて、中国は日本に対し核による恫喝(どうかつ)ができるようになる。そうなれば、日本は予想以上に早い時期に米国の拡大抑止に依存することができなくなる事態が生じるかもしれない。

 大綱の予想を超えた米中軍事バランスの変化が生じるとなると、日本国内でも一方で独自核保有論が台頭し、他方では対中友好強化論(媚中(びちゅう)論)が勢力を持ってくるであろう。現在の日米同盟深化の議論は、こうした事態を克服するものでなければならない。(にしはら まさし)
















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国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」

2011-01-24 09:42:40 | 民主党
国会議員講演会に防諜部隊投入、自衛隊員監視、防衛相直轄部隊が「不当調査」


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110124/plc11012401310015-n1.htm



 北沢俊美防衛相直轄の防諜部隊「自衛隊情報保全隊」が、陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の講演に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していることが23日、分かった。複数の防衛省・自衛隊幹部が明らかにした。本来任務とは乖離(かいり)した不当調査の疑いがあり、憲法で保障された思想・信条の自由を侵害する監視活動との指摘も出ている。


 自民党は24日召集の通常国会で、自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる昨年11月の「事務次官通達」問題と合わせ、保全隊の監視活動についても政府を追及する方針。


 保全隊は佐藤、田母神両氏の講演のほか、田母神氏が会長を務める保守系民間団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」の集会にも隊員を派遣。また、陸上自衛隊唯一の特殊部隊「特殊作戦群」の初代群長を務めた陸自OBの会合なども監視対象にしている。


 監視目的は現職自衛官の参加の有無を確認し、参加している場合は氏名も特定する。佐藤、田母神両氏の発言内容もチェックし、報告書の形でまとめ、提出させている。

 陸自朝霞駐屯地(東京都など)に本部を置く東部情報保全隊の隊員が投入されるケースが多いとされる。保全隊は陸海空3自衛隊の統合部隊で、監視実態が発覚しないよう、空自隊員の参加が想定される田母神氏の講演には隊員同士の面識がない陸自の保全隊員を派遣することもあるという。



 保全隊は外国情報機関によるスパイ活動などから自衛隊の保有情報を防護するのが主任務。自民党政権時代には「日本赤軍」や「オウム真理教」のほか、「暴力革命の方針」(警察庁公表文書)を掲げた共産党が自衛隊を侵食するのを防ぐため、それらの監視活動も行っていた。ただ、保守系の議員や自衛隊OBを監視対象にしたことはない。

 防衛相経験者の石破茂自民党政調会長は「保全隊は自衛隊の安全を守る組織で在任中は恣(し)意(い)的に運用しないよう徹底させていた。何を目的にした監視活動か追及する」と話している。

 監視対象とされていた佐藤氏は「自衛隊への破壊活動とそれを目的とした浸透活動をはかる団体の情報収集は必要だが、対象を際限なく拡大するのは問題だ。自衛隊員は国家に忠誠を尽くすことは求められるが、政党や政治家の私兵ではない」と指摘している。
 
2011.1.24 01:30

                          ◇



 自衛隊情報保全隊 平成21年8月、陸海空3自衛隊の情報保全隊を統合し、大臣直轄部隊として新編。ネット上での情報流出やイージス艦情報漏(ろう)洩(えい)事件を受け、機密保全強化と自衛隊へのスパイ活動に関する情報収集の効率化のための措置。実動部隊は中央情報保全隊と北部、東北、東部、中部、西部の地域ごとの保全隊で構成する。駐屯地や基地ごとに派遣隊も置き、隊員は約1千人。






狙いは「反民主OBと現職遮断」政治主導で部隊利用の疑い、防諜部隊の不当調査


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110124/plc11012401300014-n1.htm



 自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる事務次官通達問題に続き、「自衛隊情報保全隊」の不当調査が明らかになった。調査の実態は、民主党政権に批判的な自衛隊OBの言動から現職自衛官を遮断するものだ。防衛相直轄の防諜部隊を政治主導で恣意(しい)的に利用している疑いもあり、民主党政権が進める「秘密国家」化は加速している。


 「自衛隊各種行事における国会議員の招待について」。そう題され、右上に「注意」「平成21年12月」「大臣官房文書課」と書かれた防衛省の内部文書がある。自衛隊の駐屯地や基地がある都道府県が選挙区だったり、議員事務所を置いていたりする国会議員以外は、行事への代理出席などを認めない「統一基準」を設けるためのものだ。


 文書は起案どまりで発出されることはなかったが、同年9月の政権交代直後から基準策定が検討された形跡を示している。自民党幹部は「比例選出の佐藤正久参院議員の関係者を自衛隊行事から締め出すことを狙ったのでは」と指摘する。政権に批判的な野党議員の主張に現職自衛官を触れさせない意図があるという。


 昨年11月に事務次官名で出された「隊員の政治的中立性の確保について」と題する通達にも、同じ意図がみえる。通達は民間人に自衛隊行事での「言論統制」を強いる一方、自衛官が部外の行事に参加することについても、政権批判が予想される場合は参加を控えるよう求めている。

 この規定は、現職自衛官が佐藤氏や田母神俊雄元航空幕僚長の講演会に参加することを監視する「根拠」とも位置づけられる。

 通達後、保全隊による監視も強化された。昨年12月、田母神氏が会長の保守系民間団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」が都内で開いた政府・民主党に対する抗議集会について「自衛官の参加を厳重に確認するよう改めて指示が出された」(防衛省幹部)という。自衛官の間にも保全隊が調査に入っているとの情報は拡散しつつある。


 通達は防衛省政務三役が主導したとされる。保全隊による監視も「官僚の判断で部隊を動かすとは考えにくい」(自衛隊幹部)との見方が大勢だ。


 田母神氏は「国家と国民のことを考えて発言し、行動しているのを監視するのは不当極まりない。通達と同様、民主党政権はひたすら自分たちへの批判を封じ込めようとしているだけだ」と話している。

2011.1.24 01:30










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「尖閣支配」にあぐらをかく日本 

2011-01-21 13:23:55 | 正論より
1月21日付     産経新聞【正論】より



「尖閣支配」にあぐらをかく日本    東京大学名誉教授・小堀桂一郎氏


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110121/plc11012102380014-n1.htm



 昨年9月7日に尖閣諸島海域で発生した、中国船による我(わ)が海上保安庁巡視船への攻撃的衝突事件の後始末について、外交交渉の上では日本側の惨めな敗北に終つた結末が、心ある国民全ての憤激と慨嘆の種となつたままで、年を越した。

 現在の内閣の外交政策の下では、我(わ)が国は固有の領土を外寇(がいこう)から守ることができず、領海の境界線近くで操業する漁民の生命の安全の保障さへ政府に期待することができない--。この様(やう)な危機感に駆られた民間の諸組織や地方自治体の有志が、尖閣諸島に係(かか)はる国家主権を守らうとの趣旨で、街頭署名・集会・行進等を含む意思表示行動を開始した。

 民主党政権諸公の鈍感さとは対照的に、国民の中に漲(みなぎ)る国家的危機への敏感さは、正常な主権意識の健在を示すものとして心強さを覚える。




 ◆石垣市は島開拓の日を制定


 かうした一連の行動の中でも、昨年10月20日に沖縄県石垣市議会が議決した「尖閣諸島上陸視察決議」の宣言、及びそれに続けて12月17日に「尖閣諸島開拓の日」を定める条例を制定した政治的行動は、国民輿論(よろん)の啓発のための貴重な意思表示だつた。

 その日とは1月14日で、これは明治28年のこの日に尖閣諸島の日本国領土としての領有が閣議決定されたことを記念しての日付であり、この条例は既に公布・施行されたから、先日その最初の記念式典が挙行されたことは既報の通りである。

 ところで、石垣市長と市議会による尖閣諸島への上陸、即(すなは)ち固定資産税課税・評価のための地積の実地調査、住民不在の間に生じた自然環境・動植物の生態系の変化についての現状視察を目的としての島への立ち入り申請は、年が明けての1月7日付で、政府の拒否回答に遭遇した。

政府回答は石垣市長と石垣市議会議長に宛ててのもので、上陸許可申請が提出されたのが昨年10月4日及び26日であつたから、七十余日を費やしての検討結果の回答といふことになる。

 上陸不許可の根拠を宣(の)べてゐる主文は、敢(あ)へて原文のまま引用すると、〈地方税法第408条に基づく固定資産税課税のための実地調査については、これまで上陸調査をせずに課税してきており、島の現況にも変化がないこと、徴税費用最小の原則、同条は強制的に立ち入つて調査を行う権限を与えているものではないこと、「平穏かつ安定的な維持及び管理」のためという政府の賃借の目的を総合的に勘案した結果、上陸を認めないとの結論となつた〉といふものである。




 ◆上陸不許可は船長釈放と同工


 以上、数へれば5点になる不許可の論拠の悉(ことごと)くが、極めて薄弱もしくは無稽であり、政府見解への全面的反駁(はんばく)は至つて容易である。実際に日本会議はこの回答を入念に検討した結果、明快な反論を提出してをり、且(か)つその結論は「国民運動通信」といふ機構を通じて広く弘報(こうほう)されてゐる。政府見解の決定的な誤りについては、その弘報を参考にしてゐようとゐまいと、国民の大多数が既に夫々(それぞれ)の知見を以(もつ)て判断を下してゐるであらう。

 それならば、筆者個人としての異議申し立てはもはや不用と言つてもよいのだが、それでも多少付け加へておきたいことはある。

 政府の回答は、「総務省自治税務局固定資産税課長」といふ職名が名義人となつてゐる。これは、昨年9月に一旦(いつたん)逮捕勾留した中国船の船長を、那覇地検の判断に基づいて、といふことで処分保留のまま釈放し、官房長官が〈沖縄地検の判断を了とする〉との宣言で決着を図らうとした手法と同工の問題の矮小(わいせう)化である。

 つまり、国政の高度の次元で判定すべき懸案を、下級の職位の者に責任を負はせることで、高位の者が自らの政治責任を回避してゐる構図をなす。分析を施せば縷々(るる)の非違を指摘できる低劣な手法なのだが、紙幅の制約上、唯(ただ)、現政府の只管(ひたすら)難問を避けたがる怯懦(きょうだ)な姿勢、そして、そこに看取できる政治的無能力は、所詮紛争相手国からの軽侮を招くだけである、とだけ言つておく。




 ◆法は権利の上に眠る者守らず


 次に、政府回答の前文は〈尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、我が国は現にこれを有効に支配している、したがつて尖閣諸島をめぐつて解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない〉といふものである。

 〈有効に支配している〉とは、国内の書類の上だけの話である。その有効性を脅かす、力による実効支配の危険が迫り、正に領有権の問題が生起してゐる事に敢へて目を閉じてゐる。これは文字通りの机上の空論である。

 「権利の上に眠る者」には法の庇護(ひご)が及ばない、とは古い法諺(ほうげん)で、1960年代には(丸山真男の用例から)一時、流行語になつてゐた。現内閣は紙に書かれた権利の上に安易な惰眠を貪(むさぼ)る卑怯者の名に甘んじる心算なのか。(こぼり けいいちろう)










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