政府無策の6日…緊急本部、具体案示せず
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110317-OYT1T00105.htm
東日本巨大地震の被災地に十分な食料や生活用品が届いていないことについて、政府の取り組みの不十分さを指摘する声が出ている。
菅首相らは東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応に忙殺され、十分な手だてがとれていないのが実情だ。
16日に開かれた政府の緊急災害対策本部で、首相は「食べ物、水、燃料に関して各地から不足の声が上がっている。全力を挙げてその原因を取り除く努力をしてもらっているが、一層の努力をお願いしたい」と述べた。首相は12日の国民へのメッセージで、「避難所に食事、水、毛布、暖房具を送り届ける態勢を進めている」としていた。しかし、実際には発生から6日目の16日になっても、物流が滞ったままであることを認めざるを得なかった形だ。
被災者対策の司令塔である同本部は11日の発足以来、計11回の会合を開いた。しかし、会合後の枝野官房長官の記者会見で、物流正常化に向けた具体策が発表されたことはない。
枝野氏はそのほかにも何度も記者会見に臨んでいるが、大半は原発事故の現状と政府の対応の説明に終始しているのが現状だ。与党内でも「首相も枝野氏も原発の事故に集中し過ぎて、被災者支援が手薄になっている」(民主党中堅議員)という声が出ている。
今回の巨大地震で鉄道がストップし、港湾施設も被害を受けたが、緊急輸送道路となる東北自動車道などは利用可能だ。各地のトラック協会などが物資輸送に協力すると申し出ても、政府が被災地から帰るための燃料の確保に策を講じようとしないため、断念するケースもあるという。「優先的に燃料を補給する措置を取ることなどで、輸送を増やす手だてはまだある。物資が足りていないわけではない」という指摘もあり、政府の対応が問われる状況となっている。
(2011年3月17日03時07分 読売新聞)
厳しい冷え込みの中、避難所の住民死亡
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110317-OYT1T00106.htm
東日本巨大地震で津波被害を受けた岩手県陸前高田市で、津波で被災して避難所に逃れていた住民が16日午前0時頃、亡くなっていたことがわかった。
避難中に死亡が明らかになったのは初めてで、地震後のショックやストレス、疲労による「災害関連死」と認定される可能性がある。
避難所関係者によると、住民は、地震で被災して同市立第一中学校に設けられた避難所に身を寄せていた。容体が悪化し、病院に搬送されたが、まもなく死亡したという。
◇
岩手県陸前高田市で避難所生活を送っていた被災者が16日、亡くなった。真冬並みの厳しい冷え込みの中、毛布にくるまって不安と戦う日々。
各地の避難所では心身の不調を訴えるお年寄りが相次いでおり、食料、燃料に加え、医師や医薬品の不足が深刻化している。
亡くなった被災者と同じ同市立第一中学校に避難している女性(78)は「寒いので、厚い布団をもう1枚下さい、とスタッフに言ったが余っていないと断られた」と話す。
この避難所には高齢者が多い。夜間は多くの住民が毛布にくるまって寝る。14日からは電気が通じ、食事はおにぎりやパンなど3食支給されているが、寒さなどから体力を消耗しやすい状況だった。避難所の関係者は「絶対あってはいけないことで、気をつけてみていたのだが」と肩を落とした。
(2011年3月17日03時04分 読売新聞)
東日本大震災:避難所の高齢者14人死亡 福島・いわき
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110317k0000e040006000c.html
福島県いわき市の避難所の一つ、県立いわき光洋高校(同市中央台)に避難していた高齢者14人が死亡していたことが、分かった。亡くなったのは男性6人、女性8人で、中には寝たきり状態の人もいた。
県いわき地方振興局や同校によると、亡くなった14人は、原発で避難指示圏や屋内退避圏となった同県双葉郡や南相馬市の病院や介護施設から一時的に避難。医療施設などに再避難するため、14日夜から一時的に滞在していたが、16日朝までに合わせて14人が亡くなった。14人のうち2人はバスで移動中に亡くなったという。
避難所は主に治療や介護を必要とする人を対象に受け入れ、最大250人が入所。体育館にシートを敷き、柔道用の畳を敷き詰めて、大型ジェットヒーター6基を使って暖を取っていたという。県内の病院から医療スタッフ4人が来てケアに当たり、多くは医療施設に移っており、現在は約30人が避難している。
毎日新聞 2011年3月17日 8時24分(最終更新 3月17日 8時55分)
原発20キロ圏、「避難できない」10件以上
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110317-OYT1T00313.htm
福島県の福島第一原発半径20キロ圏内の全住民の避難が15日に完了したとされた南相馬市で、寝たきりの高齢女性を抱えた家族が取り残されていたことが17日、分かった。
連絡を受けた県は同日未明、救助に向かうことを伝えた。地元の県警南相馬署には、他にも避難できないという連絡が10件以上あるという。
取り残されていたのは、同市小高区片草、会社員佐藤艶子さん(56)の一家。長男(26)と次男(25)、寝たきりの母ヨシノさん(86)の4人暮らし。
佐藤さんによると、長男が15日午前、同市役所を訪ね、「ガソリンがなく、祖母も寝たきりで動けない」と相談したが、応対した職員は「逃げないほうが悪い。こっちもガソリンがない」と突き放したという。
同市秘書課は「やり取りは確認できていないが、ガソリンがないなら、別の方法で行くべきだ」とし、連絡が取れ次第、救助に向かうとしていた。
一方、南相馬署の幹部によると、署の電話が復旧した15日昼以降、住民からの避難できないという連絡が「10件以上ある」という。
(2011年3月17日10時45分 読売新聞)
不満と恐怖地元限界 物資ストップ「見殺しに等しい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110317-00000005-khk-soci
「このままでは見殺しだ」。東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で続く空前の危機に16日、福島県内の不安は極限に近づいた。屋内退避の指示が出た原発から30キロ圏内の自治体は極端な物資不足に陥った。自治体関係者らは「物流が止まった」「まるでゴーストタウンだ」と支援態勢に不満と怒りをぶつける。巨大津波に続き、迫る恐怖。放射性物質から逃れようとする人は、列島を横断して日本海側などへと向かった。
(福島総局)
原町区、小高区などに屋内退避指示が出ている南相馬市。
桜井勝延市長は「退避指示の影響なのか、医薬品も油も何も入ってこなくなった」と陸の孤島と化した現状を説明する。
市内には、東日本大震災の津波で行方不明になった家族を捜すため、被ばくの恐怖におびえながら残る人もいる。火葬の油も調達できず、遺体は腐敗しつつあるという。
「住民に家にこもっていろというのは見殺しに等しい。国が命を守るというのは空文句だ」と桜井市長。「国や県は現地に足を踏み入れ、惨状を目の当たりにしたらどうか」と痛烈に批判した。
市の一部が30キロ圏内の田村市も16日、一気に食料などが入ってこなくなったという。ガソリンもなく、ボランティアらが歩いて高齢者の自宅を訪ね、世話をする状態だ。
冨塚市長は「国は原発が爆発したら何キロまでが危険かを明確に示し、危ないのなら受け入れ先を調整すべきだ。このままご飯がもらえないと、ここにいる人は死んでしまう」と訴える。
同じく市北部の一部が30キロ圏内に入るいわき市。市地域医療対策室の男性職員(48)は「実際はほぼ全市で屋内待避している。まるでゴーストタウンだ」と嘆いた。
南相馬市の北隣、相馬市に退避指示は出ていないが、既に脱出した市民も多い。市内の男性(39)は「逃げられるものなら逃げたいが、ガソリンが底を突きかけている。まして避難所にいる知人らは逃げろと言われても逃げるすべがない」と表情を曇らせた。
原発から少しでも離れようと、県北部の福島市や伊達市に避難する人も増えている。伊達市では、地震による市内の避難者約800人に避難所からいったん帰宅してもらい、原発事故の避難者受け入れに切り替えた。 .
最終更新:3月17日(木)6時13分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110317-OYT1T00105.htm
東日本巨大地震の被災地に十分な食料や生活用品が届いていないことについて、政府の取り組みの不十分さを指摘する声が出ている。
菅首相らは東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応に忙殺され、十分な手だてがとれていないのが実情だ。
16日に開かれた政府の緊急災害対策本部で、首相は「食べ物、水、燃料に関して各地から不足の声が上がっている。全力を挙げてその原因を取り除く努力をしてもらっているが、一層の努力をお願いしたい」と述べた。首相は12日の国民へのメッセージで、「避難所に食事、水、毛布、暖房具を送り届ける態勢を進めている」としていた。しかし、実際には発生から6日目の16日になっても、物流が滞ったままであることを認めざるを得なかった形だ。
被災者対策の司令塔である同本部は11日の発足以来、計11回の会合を開いた。しかし、会合後の枝野官房長官の記者会見で、物流正常化に向けた具体策が発表されたことはない。
枝野氏はそのほかにも何度も記者会見に臨んでいるが、大半は原発事故の現状と政府の対応の説明に終始しているのが現状だ。与党内でも「首相も枝野氏も原発の事故に集中し過ぎて、被災者支援が手薄になっている」(民主党中堅議員)という声が出ている。
今回の巨大地震で鉄道がストップし、港湾施設も被害を受けたが、緊急輸送道路となる東北自動車道などは利用可能だ。各地のトラック協会などが物資輸送に協力すると申し出ても、政府が被災地から帰るための燃料の確保に策を講じようとしないため、断念するケースもあるという。「優先的に燃料を補給する措置を取ることなどで、輸送を増やす手だてはまだある。物資が足りていないわけではない」という指摘もあり、政府の対応が問われる状況となっている。
(2011年3月17日03時07分 読売新聞)
厳しい冷え込みの中、避難所の住民死亡
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110317-OYT1T00106.htm
東日本巨大地震で津波被害を受けた岩手県陸前高田市で、津波で被災して避難所に逃れていた住民が16日午前0時頃、亡くなっていたことがわかった。
避難中に死亡が明らかになったのは初めてで、地震後のショックやストレス、疲労による「災害関連死」と認定される可能性がある。
避難所関係者によると、住民は、地震で被災して同市立第一中学校に設けられた避難所に身を寄せていた。容体が悪化し、病院に搬送されたが、まもなく死亡したという。
◇
岩手県陸前高田市で避難所生活を送っていた被災者が16日、亡くなった。真冬並みの厳しい冷え込みの中、毛布にくるまって不安と戦う日々。
各地の避難所では心身の不調を訴えるお年寄りが相次いでおり、食料、燃料に加え、医師や医薬品の不足が深刻化している。
亡くなった被災者と同じ同市立第一中学校に避難している女性(78)は「寒いので、厚い布団をもう1枚下さい、とスタッフに言ったが余っていないと断られた」と話す。
この避難所には高齢者が多い。夜間は多くの住民が毛布にくるまって寝る。14日からは電気が通じ、食事はおにぎりやパンなど3食支給されているが、寒さなどから体力を消耗しやすい状況だった。避難所の関係者は「絶対あってはいけないことで、気をつけてみていたのだが」と肩を落とした。
(2011年3月17日03時04分 読売新聞)
東日本大震災:避難所の高齢者14人死亡 福島・いわき
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110317k0000e040006000c.html
福島県いわき市の避難所の一つ、県立いわき光洋高校(同市中央台)に避難していた高齢者14人が死亡していたことが、分かった。亡くなったのは男性6人、女性8人で、中には寝たきり状態の人もいた。
県いわき地方振興局や同校によると、亡くなった14人は、原発で避難指示圏や屋内退避圏となった同県双葉郡や南相馬市の病院や介護施設から一時的に避難。医療施設などに再避難するため、14日夜から一時的に滞在していたが、16日朝までに合わせて14人が亡くなった。14人のうち2人はバスで移動中に亡くなったという。
避難所は主に治療や介護を必要とする人を対象に受け入れ、最大250人が入所。体育館にシートを敷き、柔道用の畳を敷き詰めて、大型ジェットヒーター6基を使って暖を取っていたという。県内の病院から医療スタッフ4人が来てケアに当たり、多くは医療施設に移っており、現在は約30人が避難している。
毎日新聞 2011年3月17日 8時24分(最終更新 3月17日 8時55分)
原発20キロ圏、「避難できない」10件以上
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110317-OYT1T00313.htm
福島県の福島第一原発半径20キロ圏内の全住民の避難が15日に完了したとされた南相馬市で、寝たきりの高齢女性を抱えた家族が取り残されていたことが17日、分かった。
連絡を受けた県は同日未明、救助に向かうことを伝えた。地元の県警南相馬署には、他にも避難できないという連絡が10件以上あるという。
取り残されていたのは、同市小高区片草、会社員佐藤艶子さん(56)の一家。長男(26)と次男(25)、寝たきりの母ヨシノさん(86)の4人暮らし。
佐藤さんによると、長男が15日午前、同市役所を訪ね、「ガソリンがなく、祖母も寝たきりで動けない」と相談したが、応対した職員は「逃げないほうが悪い。こっちもガソリンがない」と突き放したという。
同市秘書課は「やり取りは確認できていないが、ガソリンがないなら、別の方法で行くべきだ」とし、連絡が取れ次第、救助に向かうとしていた。
一方、南相馬署の幹部によると、署の電話が復旧した15日昼以降、住民からの避難できないという連絡が「10件以上ある」という。
(2011年3月17日10時45分 読売新聞)
不満と恐怖地元限界 物資ストップ「見殺しに等しい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110317-00000005-khk-soci
「このままでは見殺しだ」。東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で続く空前の危機に16日、福島県内の不安は極限に近づいた。屋内退避の指示が出た原発から30キロ圏内の自治体は極端な物資不足に陥った。自治体関係者らは「物流が止まった」「まるでゴーストタウンだ」と支援態勢に不満と怒りをぶつける。巨大津波に続き、迫る恐怖。放射性物質から逃れようとする人は、列島を横断して日本海側などへと向かった。
(福島総局)
原町区、小高区などに屋内退避指示が出ている南相馬市。
桜井勝延市長は「退避指示の影響なのか、医薬品も油も何も入ってこなくなった」と陸の孤島と化した現状を説明する。
市内には、東日本大震災の津波で行方不明になった家族を捜すため、被ばくの恐怖におびえながら残る人もいる。火葬の油も調達できず、遺体は腐敗しつつあるという。
「住民に家にこもっていろというのは見殺しに等しい。国が命を守るというのは空文句だ」と桜井市長。「国や県は現地に足を踏み入れ、惨状を目の当たりにしたらどうか」と痛烈に批判した。
市の一部が30キロ圏内の田村市も16日、一気に食料などが入ってこなくなったという。ガソリンもなく、ボランティアらが歩いて高齢者の自宅を訪ね、世話をする状態だ。
冨塚市長は「国は原発が爆発したら何キロまでが危険かを明確に示し、危ないのなら受け入れ先を調整すべきだ。このままご飯がもらえないと、ここにいる人は死んでしまう」と訴える。
同じく市北部の一部が30キロ圏内に入るいわき市。市地域医療対策室の男性職員(48)は「実際はほぼ全市で屋内待避している。まるでゴーストタウンだ」と嘆いた。
南相馬市の北隣、相馬市に退避指示は出ていないが、既に脱出した市民も多い。市内の男性(39)は「逃げられるものなら逃げたいが、ガソリンが底を突きかけている。まして避難所にいる知人らは逃げろと言われても逃げるすべがない」と表情を曇らせた。
原発から少しでも離れようと、県北部の福島市や伊達市に避難する人も増えている。伊達市では、地震による市内の避難者約800人に避難所からいったん帰宅してもらい、原発事故の避難者受け入れに切り替えた。 .
最終更新:3月17日(木)6時13分