lurking place

ニッポンのゆる~い日常

剛腕の威光 (3)(4)

2010-01-19 09:41:45 | 陸山会(小沢一郎)
【剛腕の威光】(3)「深沢銀行」カネの力で権勢伸ばす


http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100118/crm1001180127002-n1.htm


 「『深沢銀行』には10億円くらいの現金があるんだよな」

 逮捕された衆院議員、石川知裕(36)は、民主党幹事長の小沢一郎(67)の私設秘書当時の情景を、周囲にこう吹聴していたという。

 「深沢銀行」。それは小沢の自宅がある「世田谷区深沢」から名付けられた隠語で、小沢が個人的に管理しているといわれる巨額の資金を指す際、秘書らの間で用いられていた言葉だという。現金が必要な際に、必要な額がいつでも引き出せることから「銀行」と称され、政治資金収支報告書には記載されないカネを指すと指摘される。

 小沢の元秘書は産経新聞の取材にこう話す。

 「自宅の食堂の奥に、小沢先生と家族以外は誰も入れない『書斎』がある」

 「誰も見たことはないが、その書斎の中に隠し金庫があり、ガバッと現金があると聞いている」

 平成17年9月の郵政選挙の際、都内の事務所で不審な預金通帳を見たという旧自由党関係者もいる。

 「通帳には大手企業の名がずらりと並び、百万円単位の入金記録が残っていた。所どころに出金記録があり、その横に手書きで出金先が書いてあった。覚えているのは大物議員の名前。与野党問わず数百万円が出金されていた」

 その入出金の内容から「表に出せないカネ」であることが分かったという。

 自宅の金庫、不審な通帳…。小沢と一心同体といわれる秘書や同僚議員にさえ、その実体がつかめないという小沢の“ポケットマネー”。真偽は不明だ。

 

自宅で保管?

 現職国会議員の逮捕という事態を招いた世田谷区深沢の約3億4千万円の土地の購入にあたっても、石川は「小沢先生から4億円を借りた」と供述している。「小沢先生が父親から相続した財産で、バブル崩壊後に自宅に保管していたものだ」とも。

 「深沢銀行」からの出金とも受け取れる説明だが、小沢自身も16日、報道陣に次のように発言している。

「収支報告の計算間違いや記載間違いがあったとは思います。しかし、それは形式的なものです」「私は何も隠し立てをする資金じゃありませんので」

 しかし、東京地検特捜部はこの説明は虚偽で、小沢のおひざ元、岩手県奥州市の胆沢(いざわ)ダム工事の際に水谷建設から受注の謝礼として渡ったとされる5千万円などゼネコンからの“裏金”が土地代金に充てられたとの見方を強めている。

 小沢が公開した所得報告書などによると、小沢の年収は議員歳費や会社役員報酬などを合わせても、計3千万円前後。父の佐重喜(故人、昭和43年5月死去)から引き継いだ東京・湯島の邸宅も、深沢の自宅購入の際に売却し、多額の残金はないとみられている。

 小沢の周辺からは、入出金記録から8億円を超す収支報告書に記載のない現金が確認されているが、原資は不透明なままだ。

 

サイフの1つ

 民主党を強大な発言力とカリスマ性でとりまとめた小沢。その統率力の一部として「カネの力」を挙げる同党関係者もいる。

 小沢が実質管理する政治団体は陸山会のほか、「民主党岩手県第4区総支部」「改革フォーラム21」「改革国民会議」など計7団体に及ぶ。20年分の政治資金収支報告書によると、7団体の翌年への繰越額は約20億円で、資金力は首相の鳩山由紀夫を上回る。

 旧自由党解党前の14年には同党幹事長だった前財務相、藤井裕久(77)に支出されたとしていた同党の政党交付金約15億円が実際には改革フォーラム21に流れていた。さらに、旧新生、自由両党の解散時、党費計約23億円が改革フォーラム21と改革国民会議に渡っている。

 改革国民会議について、検察側は昨年12月の公設第1秘書、大久保隆規(48)の初公判で、ゼネコン業界が小沢側に寄付する際の窓口だったと指摘。「小沢議員のサイフの1つにすぎなかった」とする小沢事務所の元経理担当者の供述調書を読み上げている。

 今回の虚偽記載の取材の過程で、こうした複雑で不透明な資金の流れが明らかになり、小沢が「すべて公開している」と主張してきた開示情報の信頼性は大きく揺らいだ。

 元秘書はいう。「不審な点は多々あっても法律をクリアしてきたのは小沢さんだったのに、あの(土地代金の)4億円はまずかった」(敬称略)








【剛腕の威光】(4)秘書を接待漬け “実弾”攻勢


http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100119/crm1001190116002-n1.htm


 「自民党衆院議員の○○は業者と癒着している! 建設利権だ! 汚職だ!」

 平成15年、民主党幹事長、小沢一郎(67)の地元、岩手県奥州市で基礎工事が始まった胆沢(いさわ)ダム周辺で、こうがなり立てていたのは右翼の街宣車だった。

 右翼に街宣行動を依頼したのは重機土木大手「水谷建設」(三重県)の関係者だったという。水谷の別の関係者はその理由について「東北地方選出の自民党議員が、水谷と対立する業者を推していて、胆沢ダム工事の受注を目指していた水谷の邪魔になったからだ」と証言する。

 胆沢ダムとは、岩石や土砂を積み上げて造る国内最大級のロックフィルダムだ。発注者は国土交通省東北地方整備局で、総事業費は2440億円にも上る屈指の大型公共工事である。

 土木建設業界では有名な胆沢ダムも世間一般には知名度が低かったが、昨年3月に小沢の公設第1秘書、大久保隆規(48)=公判中=が逮捕、起訴された準大手ゼネコン「西松建設」(東京都)をめぐる違法献金事件で一躍注目を集めた。

 西松を含む多数のゼネコンの営業担当者が、東京地検特捜部に対し、小沢事務所が岩手・秋田両県を中心とした東北地方の公共工事に強い影響力を持っていたと証言。胆沢ダム工事でもゼネコン間の談合で受注業者が決められ、小沢事務所が受注に了解を与える「天の声」を出していた疑いが浮かんだからだ。

 冒頭の街宣攻撃は工事受注のためには「なりふり構わぬ」水谷の営業スタイルの一例にすぎない。水谷関係者は「水谷の手口は議員秘書を接待漬けにして実弾(裏金)攻撃することだ」と明かす。

 ■「イタリア旅行」

 「今日は大久保さんと一緒だから、○○ちゃんと生バンドの確保頼むよ」

 街宣攻撃と同じ15年、水谷の当時の幹部は東京・向島の高級料亭のコンパニオンに頻繁に連絡を入れていた。

 料亭関係者によると、「○○ちゃん」とは、大久保がお気に入りだった「半玉(はんぎょく)」と呼ばれる芸者見習いの若い女性。大久保はいつもこの女性の手を握り、女性が灰皿を交換しようとすると「○○殿はそんなことしなくていいんだよ」と語りかけていたという。

 生バンドの演奏が始まると、大久保と女性はチークダンスを踊った。女性は大久保のことを「おーさん」と呼び、周囲に「おーさんにイタリア旅行に誘われた。おーさんの言うイタリアは岩手県のことだけどね」と話していたという。

 1回の代金は30万円程度という水谷の料亭接待は10回以上に及び、大久保の部下だった民主党衆院議員の石川知裕(36)が同席することもあったという。

 ■風俗店と小遣い

 ゼネコン関係者によると、下請けが大型公共工事を受注しようとする際の営業活動は元請けのゼネコンに対してで、水谷もゼネコンへの営業を済ませ、胆沢ダム工事を受注できると見込んでいたという。

 しかし、談合を仕切っていた大手ゼネコン「鹿島」の東北支店元幹部から「小沢事務所に『違う業者にしろ』といわれるかもしれない。あいさつに行った方がいい」と言われ、小沢事務所を訪れたところ、大久保に「来るのが遅い」と言われたのだという。

 実は水谷と小沢事務所は以前から接点があり、水谷元会長の水谷功(64)が、古くから小沢の「金庫番」だった元秘書と知り合いで、胆沢ダムの受注を依頼していたとされる。ところが、12年に元秘書から大久保に引き継がれたため、小沢事務所とのパイプが途絶えていたのだった。

 「工事落札の時期に1億円持ってくるように」

 関係者によれば、功や元幹部らは特捜部の任意聴取に次のように供述した。

 接待を重ねるうち、当時の水谷幹部は大久保からこう言われ、16年10月に東京都内のホテルで石川に5千万円、17年4月にも大久保に5千万円を渡した-。

 特捜部は、この裏献金が陸山会の政治資金収支報告書に記載されていない土地代金の原資4億円の一部になった疑いがあるとみているのだ。

 「天の声」を期待した接待漬けと“実弾”攻撃。石川は小沢支援者である都内の水産業者からも風俗店での接待を受け、毎回10万円の小遣いをもらっていたという。関係者によると、水産業者は「取引会社を紹介してほしい思惑があったが、石川には見事にたかられた」と話しているという。

 元国会議員秘書は話す。「議員の威光で秘書が特定業者から派手に接待を受けるのは、目立つから絶対やってはいけないこと。大久保も石川も脇が甘すぎた」(敬称略)





この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 剛腕の威光 (1)(2) | トップ | 剛腕の威光 (5) »

陸山会(小沢一郎)」カテゴリの最新記事