二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

AMH(卵巣予備能)と年齢で考える妊活スタートのベストタイミング~ZOOMセミナー聴講~

2020年10月27日 | 不妊症

 朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。皆様お元気にお過ごしでしょうか

 今年は、一瞬・刹那の思いが大切になる一年です。すご~~く時間の経過が速くめまぐるしく社会が変化していきます。

 生き残る種族は、自然の変化に適応して順応していきます。私もコロちゃんをチャンスだと感じて地道に歩んでいっております

 なんでこんな話をさせていただいたかというと、最近、ZOOMオンライン会議や研修会の多いこと多いこと。でも普段では繋がれない人たちや聴講することができない講師陣の話を聴くことができ、有り難いと思っております。

 目はショボショボですけど

 

 さて、24日の土曜日、患者さんの鍼灸施術前に、妊活に向かい始める皆様に対してのセミナーであると思いますが、浅田レディースクリニック院長の浅田 義正 先生のお話を聴講させていただきました。

 妊活を行うご夫婦には気にある「AMH」を説明しながら妊活についての時期や考え方を説明されてました。今回のこのブログはその覚え書きとして書かせていただきます。

 

 冒頭、早速に先生は、「ベストタイミングはいつか・・・それは、できるだけ早くです」という所から話が始まりました。これが真実なのだと思います。この後、いろんな話がありましたが、この冒頭が今回の最大の答えだと思います。

 

治療を始めるタイミング

 35歳以下=普通に開始、36歳~38歳=急いで開始、38歳以上=超急いで開始。

 最も妊娠しやすい年齢は22~23歳。その後、35歳で妊孕性(妊娠する力)は半分ほどになる。

 夫婦生活があるのに妊娠できない場合のクリニック受診の目安は、35歳以下=1年間、36歳~39歳=6ヶ月、40歳代=3ヶ月、基礎疾患を持っている場合=即相談。

 

AMH(アンチミューラリアンホルモンまたは抗ミューラー管ホルモンの略)

 原始卵胞から卵胞が成熟し、卵子として排卵されるまで約6ヶ月間かかる。

 AMHは原始卵胞から前(小)胞状卵胞に育った段階で放出されるホルモン。

 その数値をみることで、今あなたの卵巣に卵胞がどれだけあるのか推測できる。

 卵巣予備能であって妊娠の可能性を示すものではない。

 数値が低くても自然妊娠し出産する女性もたくさんいる。

 数値は月経周期で左右されずに検出できる。

 生理のあるなしに関わらず、一定数の卵胞は育っていく。

 数値は月経周期によって多少の波はある。

 若い頃に数値が高い人は年齢を経るにつれ早く数値が下がっていく傾向。

 若い頃に数値が低い人は年齢を経るにつれゆっくり数値が下がっていく傾向。

 AMH値と年齢を考慮して治療方針を立てる。

 数値の差は、年齢差ではなく個人差が大きい。

 AMH≧ 2=普通に治療開始、AMH< 2=急いで治療開始、AMH< 1=超急いで治療開始。

 

体外受精で妊娠率を高めるためには

 赤ちゃんまで育つ可能性のある受精卵をできる限り多く用意する。

 染色体異常の胚の確率を低くする

 見た目の良い受精卵を多くの中から選択する。

 全胚凍結など着床の条件を良くする

 

その他のお話

 卵子はお母さんのお腹の中にいる胎生期(6ヶ月)に約700万個作られ、初潮の段階で約30万個になっている。

 女性は生まれる前から大きなミッションを与えられ生まれてくる。お母さん、胎児、胎児の中の卵子と3世代が育む力。

 35歳では出生時の1~2%しか卵子が残っていない。

 卵子は胎生期に全てつくられ、年齢とともに減少していく、いわば体内に保存されている状態。

 精子は精細胞から毎日常につくられる。約3ヶ月間かけてつくられ射精を待つ。

 女性は閉経はあるが、男性は年齢に関係なく精子がつくられる。

 卵子は老化するが、精子の老化は卵子に比較すればわずか。

 浅田先生のところでは不妊治療で46歳で妊娠、47歳で出産が最高齢。

 卵巣の表面1mmの厚さの部分に卵胞が存在するので、卵巣の扱いには注意する。

 卵胞の成長は、良い卵子だから育つのではなく、良い卵子から育つということでもない。

 排卵に向けて多くの卵胞が育っていくが、体は単胎にするため減数していく。

 妊娠・出産・子育ては最も身体に負担のかかる時期。故に一定の年齢で出産ができない状態にする。

 体外受精は1回目でうまくいく夫婦が多いが、20歳代でも10回以上必要な場合がある。

 ご夫婦の相性によって妊娠率が変わってきて、全て年齢のせいだけでもない。

 現在は、採卵、培養、検査、多くの技術が進歩してきた。不妊の原因の男性と女性の割合が半分ずつとされているが、先生は女性因子(卵子)の影響が大きいと考えている。

 受精卵ができにくい状態をつくるようにしていくのが不妊治療。

 受精卵が育ちにくい状況をコントロールすることはできない。

 調整卵巣刺激法の妊娠率は年齢とともに低下する(流産率は増加する)。

 ほとんどの移植した胚は着床していると考えている(着床障害という考え方はあるが)。

 タイミングは排卵の2日前がベスト(3日前)。

 精子は3~5日子宮内で生きているとの報告もある。

 週に2~3日セックスがあれば精子が常に存在するので、あまり日にこだわる必要はない。

 体外受精の実施件数は日本は世界一。しかし出産率は世界最低レベル。

 生活習慣について様々な情報が流れているが、妊娠にそれほど大きな影響は与えない。それを証明するデータがない。

 

 このような感じでしょうか。

 最後の生活習慣の部分は「妊娠」という限定条件に限った場合は、確かにエビデンスとなるデータはあまりないのだと思います。しかし私達の身体に、生活習慣が全く関係ないことも言えませんので、ここの部分を示して行くときは、やはりデータを集積していかないと説得力がないのでしょうね。

 鍼灸についても妊娠の何に影響を及ぼしているのか、効果があるとしたらどこの部分に効果が出ているのか、しっかりとした確かなデータというのはないのが現状です。

 その答えと言いますか、ヒントが翌日の現代医療鍼灸臨床研究会の「不妊症に対する鍼灸最前線」の、これまたZOOM研究会で聴講できましたので、そのことを次回を書いていきたいと思っています。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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妊活と鍼灸~運動しましょう! 運動効果について~

2020年09月21日 | 不妊症

 皆様、こんにちわ。

 朝晩もめっきり肌寒さを感じるようになり秋の訪れを感じます。本日、これを書いているは敬老の日。金沢も清々しい天気となりレジャー日和です。
 金沢の観光地も県外の旅行客でいっぱいですが、感染症を注意しながら楽しんでいただきたいなと思います

 

 さて、当院では妊活のための身体作りの鍼灸に力を入れております。鍼灸に関しては妊娠しずらい体というものを改善するためのお手伝いをさせていただく施術方法であり、一番大切なのが、出来る範囲ですが極力、生活習慣の改善をしていくことです。

 心身に症状を発症する、あるいは病気になる場合は、そこに行き着くまで原因や理由など皆様の生活の歴史があります。それが病気や症状をつくっています。この状態を改善するのは悪しき生活習慣を変えていくこと、養生することが一番の早道です。

 その上の鍼灸施術です。ですから初診の時や施術しながら生活習慣などもお聞きし、それを改善していくアドバイスもさせていただきます。

 運動しましょうも、そのアドバイスの一環です。

 運動って継続できないとよく言われますが、何か目的を持って行うとできるものです。妊活のご夫婦で言えばやはり妊娠し、出産するためですよね。ですからモチベーションは高く保てるのではないでしょうか。

 そこに運動効果などが理解できれば、妊活のためだけではなく、天寿を全うするまで健康で長生きするための身体作りにも運動を継続できることになるのではないかなと考えています。

 あとは無理なく、自分の生活リズムと体力のペースを考えて計画し、継続していくことです。運動初心者の方はゆっくり、短い時間で始めて、慣れてくれば少しずつ時間や強度を上げていけばいいのです。

 

 さて、運動効果ということで今回はお話させていただきます。

 運動効果についての研究は多くされていますが、一つの事柄だけが真実や効果の全貌ではなく、身体の様々な機能が働き皆様自身を動かしており、健康で快適に生活するための全身の調整システムがそこに働いているのです。
 運動は身体全体の調整機能が働くことで部分的な機能も整ってくると理解すると良いかと思います。その逆もしかりであり、身体って不思議ちゃんですが精巧にできています

 運動を継続して行っている方は、何となくそれを実感されているのではないでしょうか

 今回は慢性疼痛に対する運動効果をみていきながら、妊活にもいいよね~と感じていただければと思っています。

 

 EIH(exercize-induced-hypoalgesia):運動の内因性疼痛調整

 腰痛や肩こりは、生涯に経験する疼痛等では常に1位、2位を占める症状であり(厚生労働省調査等)、慢性疼痛に陥りやすい症状です。その治療に関しては様々な方法があります。

 最新版 腰痛ガイドラインの中の治療方法の中でも、運動療法は推奨度が高い治療方法となっています。

 では、なぜ運動すると慢性腰痛や肩こりはじめ疼痛が改善されていくのか これだ という確定的なものが出ないのは、前の文章にも書きました通り運動効果は多くのシステムが関わっていると考えられるからなのです。
 そんな中、今回は運動の内因性疼痛調整システムの中の注目株をご紹介させていただきます。

 内因性疼痛調整システムとは、その名の通り、身体の中にある痛みを調整するシステムです。鍼灸の鎮痛効果もこのシステムが関与しています。このシステムには2通りあります。

オピオイドによるもの

・オピオイドとは麻薬用物質のことです。がん性疼痛などの治療薬としても開発されていますが、それが体内から放出されるわけです。
・その代表的な物質はβエンドルフィンと言われる物質です。
・皆さん、マラソンを経験されている人はランナーズハイを体験したことがあるのではないでしょうか。運動量が増し苦しい状況が継続しているときに、ある時期を越えると身体が軽くなり、逆に爽快感や気持ちよさを感じる時があります。この時働いているのがβエンドルフィンという物質です。

非オピオイドによるもの

(神経系)
・脳など中枢にある脳報酬系というシステムを活発にすることで疼痛などの不快状況を改善するための神経系が働きます。

・報酬系とはその名の通り、快の方向に脳内を調整する神経系です。

(筋肉系)
・筋肉自体が放出するマイオカインには抗炎症作用があり、運動することで筋肉が増加し活動が活発になれば炎症が治まってくるという働きです。

 

 βエンドルフィンが放出されるといいよね~と思うのですが、この物質が放出されるためにはランナーズハイではありませんが、長時間ランニングや負荷が大きいトレーニングを行う必要があります。ですから、定期的な軽い運動では放出されることは少ないわけです。

 でも、安心してください

 そんな強度の大きい、長時間の運動をしなくても、軽い運動で身体の調整を行うシステムも分かってきています。
 それがECS(内因性ガンナビノイド身体調整機能)です。

 

 ECS(endcannabinoids-system)内因性カンナビノイドによる身体調整機能

カンナビノイドとは

・脂肪酸からつくられる脂質メディエータという生理活性物質一つです。
・カンナビノイドは、神経細胞や免疫細胞の受容体に反応して様々な情報を伝えたり、調整したります。
・細胞と細胞あるいは細胞内外の情報を伝達して身体活動を調整します。
・調整の中でも大きな役割と考えられているのは、反応が過剰にならないように抑制性の働きを発揮します。
・強いストレスや老化などでカンナビノイドが減少すると調整システムが働かなくなり、様々な症状が出現します。
・これら脂質メディエーター情報を伝達したり、働いたあとはすぐに消失します。

ECSとは

 内因性カンナビノイドが行う、細胞同士のコミュニケーション能力、調整能力を発揮するシステムで、受容体、酵素、タンパク質からなるシグナル伝達系のことを言います。

カンナビノイドって身体の中だけにあるのか

・植物性と内因性(身体の中)があります。
・植物性カンナビノイドは、大麻を含む多数の生理活性物質の総称です。
・大麻はカンナビノイドを60種類以上含有しています。
・大麻は、時間・空間感覚の混濁、多幸感、記憶の障害、痛覚の麻痺、幻覚など多彩な精神神経反応を起こします。
・多発性硬化症やがん性疼痛、エイズの鎮痛作用に有効として一部の国では使用されています。

カンナビノイドの作用

 例えば神経細胞から次の神経細胞へ情報を伝える時に発生したカンナビノイドが、次の細胞の受容体(CB1,CB2等)に反応して、その細胞の働きを調整します。ECSは全身に存在し、現在はカンナビノイドと同様な働きをする物質や受容体が8種類ほど確認されており、今もなお研究されています。

 食欲、睡眠、痛みや炎症、免疫調整、感情制御、運動機能、体温調節、発達と老化、神経保護、認知と記憶などの機能を調整すするため働いていると現在のところ考えられています。 

カンナビノイドと生殖器

 卵巣の生殖腺、子宮筋層、精巣の生殖腺、ラディッヒ細胞、精細胞、前立腺の上皮細胞や平滑筋細胞にも確認されています。

 

 当院では妊活のために鍼灸に通院されているご夫婦で運動習慣のない方には運動をおススメします・・・運動を実施しているか何度も聞きます 
 その中で、運動を継続して行っていると身体の調子が良くなってきた、身体が軽くなってきたとの話をいただきます。鍼灸の効果とは相乗効果があるだろうと考えています。

 本日のまとめ 

慢性疼痛の運動効果としてEIHという身体の中のシステムが考えられている。

EIHの中では、内因性カンナビノイドが作用するECSという仕組みが現在注目されている。

通常の運動において効果を及ぼす可能性のある調整系としてECSがある。

ECSは全身に分布し、精巣や前立腺、卵巣や子宮にも存在しする。

運動を行うことで、この身体機能を調整するシステムが作動する。


 さて、皆さん、運動してみようと思いましたか

 妊活の身体作りを行っているご夫婦の皆さん、運動しないと と感じていただけましたか

 

 話は変わりますが、私はコロナの影響で、4月から筋トレエクササイズを始めました。
 その運動効果にビックリしています。
 な~んと78kgあった体重が74kgになっちゃいました

 皆で、健康で楽しく活発な人生を過ごすため、運動やっちゃいましょう

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢)

 

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妊活(不妊)と食生活 すこしだけ鍼灸~身体を見なおしてみましょう~

2020年05月09日 | 不妊症

 新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が5月6日以降も継続された石川県です。

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 不要不急の外出以外を自粛する生活が続き、皆さん生活様式も変わらざるを得なくなっている状況です。

 それぞれがこの生活に適応していこうと、様々な工夫を行い情報発信されています。

 

 さて、このような STAY at HOMEな状況ですので、ブログを見ていただける方も多くなっており、高校野球とともに妊活不妊症の記事のヒット数がかなり多くなっております。

 当院では、妊娠しやすい身体づくりをサポートする鍼灸施術を行っております。どのツボで効果があったというよりも、鍼や灸で生体を制御し恒常性維持機能を活性化するような全体的な施術を行い、身体のバランスを調整させていただいております。

 妊娠しやすい身体づくりには、鍼灸だ施術していればよいのではなく、あくまでも援護射撃であり、身体をつくっていくのは皆さま自身であることは理解されているかと思います。

 当院では、施術の中で食事や運動のアドバイスをさせていただいております。

 今回は食事について取り上げていき、妊娠しやすい食生活について考えていきたいと思います。

 妊娠することもそうですが、病気や不調全般に、食事、運動、睡眠、心の在り方などの日常生活を振り返り、その原因の一端を探り、それを改善していくこと(養生)は大切なことだと思います。生活習慣等を見なおし、ご自身が積極的に身体づくりを実施することで、妊娠するためのベースとなる基盤が出来上がります。
 健康や身体の真理はここにあり、それにプラスαの効果を及ぼすのが、不妊専門クリニックで行われる医療であり、我々が行う鍼灸を含めた東洋医学なのだと理解しております。

 

 今回は、『妊娠しやすい食生活~ハーバード大学調査に基づく妊娠に近づく自然な方法~』(ジョージ・E・チャヴァロ、ウォルター・C・ヴィレット、パトリック・J・スケレット著 日経新聞出版社)からご紹介していきたいと思います。

 まず確認しておきたいのは、食生活に関しても「これが正解」「これしか方法がない」ということはないということです。食生活も、それぞれ環境や生活状況も違いますので、「このような方法があるので、参考にしてください」というスタンスであることを念頭に読んでいただければ良いかと思います。

 それぞれが正しい情報を知って、その中で自分で継続できそうなこと、「これだ!」と直感したことを日々の食生活の中で実践していただき、すこしでも「妊娠」「出産」に行きつくための方法として取り入れていただければ有難いなと思います。

 

 この本の「ハーバード大学調査」という部分なのですが、これはハーバード大学公衆衛生大学院の研究者が約12万人の看護師(33歳~55歳 既婚女性 1976年開始)を対象に行った「看護師健康調査」の第2回目の健康調査がベースとなっています。
 この2回目の健康調査では、第1回の調査では検証できなかった妊娠および、その他の健康問題を改めて調査しました(約11万6000人 1989年実施)。
 この本のデータは、その中でも、食生活が妊娠にどう影響するかを正確に調べるため、隔年ごとの調査によって「妊娠を希望している」と回答した看護師の皆様 18555人を対象としています(8年間のデータ)。

 【このデータで伝えることのできる事実】

  ・排卵障害が原因の不妊状態を改善する食生活であること

  ・排卵障害以外の原因に関しては十分なデータはないが、何らかの効果はある可能性

  ・看護師のパートナーは調査に含まれておらず男性不妊に関しては未調査

 

 調査対象の女性からは、妊娠するまでの期間、流産の有無を含めた健康状態、食生活、運動の記録、喫煙やその他のついて情報提供してもらいました。
 その莫大のデータを解析した結果、以下にあげる7つのポイント(生活習慣)が、排卵に関する不妊症を劇的に改善することを確認できたということです。

 これは一つのデータの検討でありますし、多くが白人が対象であると思います。先述しましたように、国も食習慣も食材も日本とは全く違うので、全てが当てはまるわけではありません。
 しかし、皆さまの食生活をみてもどうでしょうか。イタリアンやフレンチなど西洋料理だけでなく、現代はインドやタイなどのアジア料理、中華料理など各国の料理を食べることができ、伝統な和食だけで生活している方は少ないのではないでしょうか。

 そんな意味では、自身の食生活を一考し振返り、自身の身体を見つめなおすことに役立つ情報である思います。特に、妊娠、出産という新しい生命を宿し、育み、誕生させるというエネルギーを使う女性には重要なことだと感じます。

 ここで7つのポイントを紹介します。

1.全粒粉など、精製度の低い穀類を選ぶこと。食後の血糖値を急激にあげるような精製された炭水化物は減らすこと。

2.オリーブオイルのような不飽和脂肪酸を多く摂り、加工食品やファストフードなどに含まれるトランス脂肪酸は避けること。

3.牛乳、あるいはヨーグルトやアイスクリームは無調整のものにすること。スキムミルクやカッテージチーズ、フローズンヨーグルトなどの低脂肪(無脂肪)乳製品の摂取は回数を減らすこと。

4.植物性タンパク質を多く摂り、動物性タンパク質を減らすこと。

5.葉酸やビタミンB群を含むマルチビタミンのサプリメントを摂取すること。

6.水を十分に飲むこと。コーヒー、紅茶はひかえめに。砂糖入りの清涼飲料水は飲まないこと。

7.体重をコントロールすること。太り過ぎているようであれば、排卵障害の改善のため体重の5~10%を減量すること。1日30分~60分、身体を動かすこと。何もしていない人は運動を始めること。

 なお、喫煙については、多くの研究結果から妊娠を遅らせ、流産のリスクを高めることが分かっているので、ここで取り上げる必要もないでしょう・・・と。喫煙の習慣があるなら、今すぐやめましょうと書かれています。
 調査に協力いただいた看護師の喫煙率が非常に少なく、妊娠に対する影響を調べることが難しかったこともあるようです。

 

 この7つのポイントの中から、食生活を中心に次回から話を展開していきたいと思います。

 江戸時代(1712年 正徳2年)の儒学者 貝原益軒が83歳の時に書かれた『養生訓』の中にも、食に関する養生については多く出てくるが、その中に、 古代、中国に食医という官があった。食事療法によって百病を治すという。今でも食事の養生がなくてよいはずがない。特に老人は脾胃が弱いので食養生がもっとも良いことになる。薬の使用はやむをえないときだけに限るがよい  と書かれています。

 食物を食べることによって栄養素を取り込んで身体をつくっている限り、今も昔も、洋の東西などを問わず食生活を大切にすることは、身体づくり、健康づくり、そして、この記事の主題である、妊娠し、健康に胎児を育み、元気に出産するためには必要不可欠なことは真実でしょう。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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妊活は夫婦の共同作業~環境改善で元気な精子を!の巻~

2017年12月24日 | 不妊症

 さて、このタイトルでは最後の記事を書きたいと思います

 元気な精子(運動率や数)をつくるには何に気をつけたらいいか ということです。

 以前の記事もご参考にしてみていただけると有難くおもいます

 第1弾 : 「妊活は夫婦の共同作業~鍼灸院臨床現場の巻」

 第2弾 : 「妊活は夫婦の共同作業~精子の生成から放出までの巻」

 第3弾 : 「妊活は夫婦の共同作業~精液とは、精子とは!?の巻」

 

 

 元気な精子をつくるために気をつけたいこと 

1.太りすぎを改善

 理解できない方はいないかと思います。上記、第3弾をご参考にしてください。

2.喫煙は良くないことは確かです

 なかなかやめられないのがタバコの難点でしょうか。仕事でのストレス等で吸ってしまうのは理解できないことはありませんが、奥様のため、授かる子どもためなら、まだ禁煙のモチベーションは違ったものになるかもしれませんね。

 以下は、リプロダクションクリニック大阪 松林秀彦先生の記事です。ご参考に

  https://ameblo.jp/matsubooon/entry-11363518427.html

3.睾丸の温めすぎにご注意

 これも上記、第3弾を参考にしてください。形態的に外に出ているという部分を考えてみてください。ただ、日常生活程度のお風呂へ入るなどの温めるは全く問題ありません。特別にサウナへ長時間入る習慣や岩盤欲を長時間行うことが習慣となっている方は注意が必要かもしれません。

4.飲み過ぎにご注意

 飲酒の過剰摂取は、精子の質、数に影響を及ぼします。全く飲むなということではありません。でも一杯がきっかけでたくさん飲んでしまう方は、妊活中に飲酒は控えた方がいいのかもしれませんね。

 以下は、ご参考記事です。

 http://www.mag2.com/p/news/13991

5.禁欲期間は短い方がいい

 禁欲期間は出来る限り短い方がよいようです。毎日精子はつくられますので、溜めておいてもいいことはありません。そのような研究結果も出ています。できれば3日以上は開けないようにした方がいいかと思います。

 以下、ご参考記事として両角レディースクリニックの両角和人先生のサイトです。

 http://morozumi.info/infertility/

6.睡眠不足・不眠を改善

 睡眠は一日の3分の1、ということは、人生の3分の1を締める大切な時間です。体を休息し、活動する朝から昼に向け、脳を含めた様々な身体機能をリセットするために重要な時間です。また、睡眠不足はストレスとも関連しています。

 以下、国立精神・神経医療センターの記事。ご参考に(ちょっと難しいですが)。

 http://www.ncnp.go.jp/press/press_release130214.html

7.過度なストレスを軽減

 これも何となく納得できるかと思います。それぞれのストレス解消法があると思いますが、鍼灸治療もストレス軽減、ストレスによる症状の改善に効果的です。

 以下、両角先生のブログからです。ご参考に。

 https://ameblo.jp/kazutom/entry-11007994370.html

 当院の修行した東洋医学研究所®HPの記事(不定愁訴に対する鍼治療)です。ご参考に

 http://www.touyouigaku.org/blog/2012/08/1-1-329391.html

8.ある種の育毛剤にご注意

 男性型脱毛症で悩む方に効果的な、フィナステリド(プロペシア・プロスカー)の作用は、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを抑制して効果を発揮します。その影響で精子や男性機能に影響することが報告されているそうです。

 以下、その記事です。ご参考ください。

 http://www.mamagohan.info/danseihunin/ikumouzai.html

9.偏った食事の改善

 食事は東洋医学では、後天の元気といって体の氣や血を養い、元気な身体をつくり、活動する上で重要な事項です。これは今も昔も、国籍も、人種もまったく関係なく当然のことだと思います。

 できるだけ自分の生活に見合ったもので良いかと思いますので、和食を中心としたバランスの良い食事を心がけることが大切だと思います。そこに少しタンパク質摂取を多くすることもポイントかなと思います。
 できることを一つでも多く行って、生活状況に応じて食事をとることが大事かなと考えます。

 以下、上記、松林先生のブログです。ご参考に。

 https://ameblo.jp/matsubooon/entry-12103488654.html

10.睾丸の締め付け、圧迫にご注意

 自転車を長時間乗る、締め付けの強いパンツを履く、長時間車の運転をする仕事に就いているなど、要は圧迫や締め付けにより血流が悪くなり、精巣での体温の発散が上手くできなくなることが問題です。また締め付けの強い下着により身体に睾丸が近づくと温度が上昇することになります。

 すこし頭に置いていただき改善していっていただきたいと思います。

 以下、こちらも松林先生のブログより。ご参考に

 https://ameblo.jp/matsubooon/entry-11366458733.html

 

 4回にわけて精子や精液についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。

 私も勉強させていただきながら、いろんな発見がありました。

 ここで言えることは旦那様においても、「人事を尽くして天命を待つです。 というのは、元気な精子であっても、排卵された卵子との関係でうまく受精しない場合もあります。また、精索静脈瘤や精細管に精祖細胞が無いなど、器質的原因は別問題ですが、生活習慣を改善したとしても、毎回、元気な精子が出てくるわけではありません。受精するわけでもありません。そのための顕微受精でもあります。

 ただ、より確率を増すために、奥様だけではなく、旦那様も人事を尽くす努力が必要なのだということのご参考になればいいかなと考えております。

 結局は、周囲の誰のためではなく、愛するあなたの子どもが欲しいキミの子どもが欲しいなのだと思います。

 そして、お互いがその努力や思いやりを尊敬しあい、感じ合うことは、脳や身体の変化にも繋がっていくのだろうと思います。ここにはエビデンス(科学的根拠)などというものは関係なく、まさしくの流れの世界になってくるのかなとも感じます
 よく頑張ったよね と思い合える関係が、結果的にどちらの道に進むにしても、ご夫婦の明るい次のステップに進み、成長していけるのではないでしょうか。

 

 当院でも、お時間のある時は出来る限りお話をお聞きするようにさせていただいております。鍼灸施術で、可愛い天使ちゃんを望むご夫婦の少しでも支えになれば、少しでも病院での治療の確率を上げることができれば、そんな想いで施術させていただいております。

 なにかご相談等がございましたら、いつでもご連絡くださいませ~

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

 

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妊活は夫婦の共同作業~精液とは、精子とは?!の巻~

2017年12月22日 | 不妊症

 妊活は夫婦の共同作業の第3弾を書いていきたいと思います

 第1弾 : 「妊活は夫婦の共同作業~鍼灸院臨床現場の巻」

 第2弾 : 「妊活は夫婦の共同作業~精子の生成から放出までの巻」

 をまだ見られていない方は、こちらもご参考ください。

 

 さて、今回は精液と精子をもう少し詳しくみていきたいと思います。

 この図をもう一度ご覧ください。

 

 精巣でつくられた精子は上記のような経路を通り、体外へ放出されます。

 精液についての内容をみていきます。

 精 液  ※個人差があります

  1回放出量 : 3~3.5ml

  含まれる精子の量 : 1億5000万~3億個(現在は、5000万~1億個ほど)

  精液(精漿)の構成 : 精嚢液…約60% 前立腺液…約30%、
                  精巣上体・精管などの分泌液&精子…約10%

     精嚢液  フルクトースなど精子の栄養となる物質
             プロスタグランディンなど子宮を収縮させる物質が存在

   前立腺液などを含めた精液成分は精子の栄養や生存を保護する存在なのです

 精液所見(基準値;日本産婦人科学会)

    精液量:2.0ml以上   pH:7.2以上   精子濃度:2000万/ml

    総精子数:4000万以上   精子運動率:50%   精子正常形態率:15%

    精子生存率:75%以上   白血球数:100万/ml

    ※これ以下になると不妊の可能性が出てきて、総精子数は2000万をきると
     不妊の確率が非常に高くなります。

 精 子 

 こちら、オタマジャクシのような精子です。

  形体…頭部;染色体(DNA)が詰まっている場所
            先体部分には卵子に到達したときに膜を破る酵素が詰まっている。

       中片部;ミトコンドリアが豊富にあり、いわゆる精子を推進するエネルギーをつくる。
             いわゆるエンジン部分です

       尾部;鞭毛があり、これを上手く使いながら子宮や卵管のなかを進んでいく。
           いわゆる車でいうとタイヤ、飛行機でゆうとプロペラでしょうか。

       長さ;約50マイクロメートル

  寿命;射精後数日(2~3日) ※目安です。

       射精後5~6時間で受精する能力を獲得します。
       最近、精液の中の成分が受精能力獲得のために働くことが分かってきました。

  老化;35歳を境に受精能力低下  ※個体・個人差があります

       奇形率も上昇、DNA損傷(フラグメーション)も増加する。 

  貯蔵;精巣上体

       ※1日3・4回放出すると枯渇すると言われているが、
        3日で満タンに補充されるようです。

 精子と精液にまつわるお話 

 精鋭の戦士が卵子に挑む

 放出時、億単位(最近は少ないようですが)存在した精子の戦士たちは、受精が行われる卵管膨大部へたどり着く頃には、60~200になっています。その精鋭たちが受精に向け卵子に向け突撃を開始します。

 最後の戦士が遺伝子を残す役目を果たす

 頭部の先体から酵素(ミサイル)を出しながら卵子のガラス膜を破ろうと努力します。最初にその役目を果たした戦士が、卵子の中に入ります。そうすると卵子は、残りの精子を中に入れないように防御します。そして受精が完了します。その時、精子の頭部以外は消化されます。 

 DNA損傷

 精子DNA断片化率(DNA損傷を持った精子がどれだけあるか調べる検査)が増加するほど、流産との関連が出てくるという報告がある。

 精液所見で大切なのは・・・

 運動精子濃度=精子濃度×運動率 が重要。

 職業や健康状態と精液所見の関係(2015 米国の報告)

 シフト制勤務、夜勤、振動、騒音、高温環境での作業、長時間座位と精液所見の間に相関は見られず、あまり関係はありませんでした。

 ・重労働では、精子濃度、総精子数ともに減少。
 ・高血圧では、奇形精子が増加。
 ・処方薬剤数が多いと、精子数が減少、少ないと精子数は増加。

 という結果でした。

 35歳以下のドナー卵子を使ってのICSI(顕微授精)の大規模研究(2014 スペイン)

 男性、5089名、女性5047名が参加。

 精液所見は加齢により、精液量と精子運動率は減少し、精子濃度は上昇したが、35歳以下の卵子を使ったこの研究では、妊娠率、生産率(出産)、流産率はとくに精子の加齢と関連がありませんでした。

 陰のう(精巣)はラジエター(付録)

 精巣で精子をつくる時の最適温度は32度と言われています。体温より低めです。陰のう表面はシワシワになっています。寒い時は収縮し体に近づけ、暑い時は、伸長し、体から離し、表面積を大きくし熱を発散するようにします。うまく出来てます。

 体の機能面からも男性は温めすぎてはいけないということです

 

 男性不妊や精液、精子などについてもいろんなことが研究され、分かってきています。

 こう見てくると、いくら毎日精子がつくられるとしても、男性側も早めに妊活(結婚)したほうが、負担なく自然に妊娠~出産に至ることができると言えるのではないでしょうか。

 そんなことも含めながら、では、生活の中でどのようなことに気をつけていった方が、より良い精子ができてくるのかということを、次の第4弾でみていきたいと思います

 最後までお読みいただき、ありがとうございました~

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

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妊活は夫婦の共同作業~精子の生育から放出までの巻~

2017年12月20日 | 不妊症

 毎日、HPを更新するのは難しいですが、ブログの神様が降臨している時にできるだけ更新しておきたいと思います

 前回は『妊活は夫婦の共同作業~鍼灸院臨床現場の巻~』ということでお話させていただきました。まだ見られてない方は、上記クリックされてご覧いただきたく思います。

 

 まずご存じの方が多いかと思いますが、精子は毎日作られます ここが女性とは違う部分です。ここは覚えておいていただきたいと思います。

 思春期、第二次性徴が起こりホルモンの働きが活発になる頃(異性のいろんなことに対して興味が湧いてきた覚えはありませんか)、精子も生成が始まります。思春期、私もビックリしましたが精通(はじめての射精)が起こる頃から、男性は生涯、精子をつくることになります。

 ホルモン(性)的に考えると「男は死ぬまで働け」ということなのかもしれません。笑

 まず大きな精子生成のプロセスについてみていきます。ホルモンの働きです。

 身体の中では血液の中の男性ホルモンの状況をつぶさに感知して、脳がその調整を行います。

 男性ホルモン(テストステロン)が必要な場合、脳の視床下部の性周期をコントロールする部分が働き、上図には書いてありませんが、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)や CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)下垂体へ放出します。
 下垂体からは、前者が働くとFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン女性)・ICSH(間質細胞刺激ホルモン男性)が放出されます。
 FSHは卵胞と銘打ってありますが、精巣精細管に働きかけると精子の生育を始めます。ICSHは、精細管にあるライデュッヒ細胞(間質細胞)に働きかけテストステロンの生成を促し、精子の成熟に貢献します。

 一方、ストレス反応など内外のストレスに対応するシステムが主な仕事となりますが、そこでも男性ホルモンをつくるシステムがあります。
 同じく視床下部よりCRHが放出されます。CRHが下垂体に働きかけるとACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を放出します。
 男性ホルモンという部分だけをみると、ACTHが副腎皮質へ働きかけると副腎性アンドロゲン(DHEAなどの男性ホルモン)が分泌されます。 

 95%の男性ホルモンは精細管で分泌され、残りの5%は副腎皮質から分泌されます。また精巣の働きが悪くなると、副腎皮質の男性ホルモンの働きが強まることが分かってしますので、少ないとは言えど、副腎皮質の働きも重要なのでしょう。
 先ほども申し上げたように副腎は内外のストレスにホルモンをもって対応する場所です。ステロイドホルモンなどもここで作られます。ですから、この働きだけみても、ストレスと精子の状態は関連があるのだと推測されます。

 身体全体の精子をつくるシステムをみてきたところで、次に精子が放出されるまでを見ていきたいと思います。

 精子が作られ始め、放出されるまでの日数は、74日ほどです。

  先ほども書きましたように、精子は精巣の中の精細管という場所でつくられます。

 精細管の中にある精祖細胞がホルモン等の刺激により精子をつくるために変化し始めます。そこから、精母細胞 → 精娘細胞 → 精子細胞 → 精子 へと成長していきます。

 成長したとは言え、この段階では未成熟な状態です。精細管でつくられた精子は、副睾丸とも言われている精巣上体へ入ります。
 精巣上体へ入ると(頭部)、精管近く(尾部)まで移動します。その期間は20日間です。この20日間の間に受精のための運動能力を身につけます精子として成熟するわけです。

 私の推測ではありますが、「精子の運動率が良くなる」ということは、精子自体もさることながら、この精巣上体の機能が改善するのではと思ってみたりしています。

 ここまで来れば精子はいつでも発進できる状態となります。

 ただ機会を逸した精子はどうなるのでしょうか
 人間の身体はうまいことできていて、この精巣上体で、使用されなかった精子は食細胞(免疫細胞による消化作用)により貪食され分解されていきます。
 免疫作用は体全体にあるので、免疫機能が低下した状態であると・・・予測はつくかと思います。

 ここで性的興奮がやってきました 体外へ旅立つ時がやってきました

 興奮すると、まず、交感神経の作用で精管の平滑筋収縮が起こり、精巣上体尾部から精管を伝って精管膨大部へ移動を始めます。この部分が男性の皆様は理解できるかもしれませんが、我慢できるかできないかという所で、交感神経のコントロールがポイントとなる部分ですね

 精巣上体や精管の分泌液とともに精子が精管膨大部に達すると、交感神経の作用で、内尿道括約筋が収縮して膀胱から尿が出ないように働きます。また、尿道球腺からアルカリ性の液カウパ-腺液=別名 がまん汁)が尿道に出て、精子が死なないように酸性の尿道内を中和します。

 ここで外尿道括約筋がまだ締まっているので内圧が高まってきています。

 これで発射準備オッケーです。

 そこに、さらに性的興奮が高まと、精嚢という部分から精嚢液が分泌されます。また、前立腺からも前立腺液が分泌され、さらに後部尿道の圧力が高まります。
 そして、性的興奮が頂点に達すると、脊髄内にある射精中枢が働き、脊髄反射が起こり、体性運動神経の働きで、外尿道括約筋が弛緩し、後部尿道に溜まっていた精子を含んだ精液が一気に放出されます

 射精には、尿道の球海綿体筋精嚢括約筋肛門括約筋なども働き、律動的に収縮を繰り返します。

 これが精子の生産開始から精液放出までの流れです。

 ポイントをまとめると・・・

  精子は毎日作られる

  精子をつくるためにホルモンや脳が働いている

  男性ホルモンは、精巣と副腎皮質でつくられる

  精子が放出可能になるまでは74日間かかる

  精子は精巣上体で20日間かけて成熟する

  射精の全段階には自律神経(交感神経)が関っている

  射精には、交感神経と脊髄反射からの体性運動神経とが連携プレーする

 このようなことでしょうか。

 少し長くなりましたので、次回は、この放出された「精液」について、また放出された後の物語を少しだけご紹介したいと思います。

 自分の身体の仕組みを知っておくと、自分の身体の視方が変わってきますし、その仕組みの絶妙さに自分の体が愛おしくなってきませんか そうすると自分の身体をいたわり、大切にするようになる=養生なのですね

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

    二葉鍼灸療院 田中良和

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妊活は夫婦の共同作業~鍼灸院臨床現場の巻~

2017年12月18日 | 不妊症

 毎日、ブログ更新しますと誓いながら、できていない私でした 

 さて、当院には子どもが欲しい妊活に励むご夫婦が来院されます。最初に来院するのはだいたい奥様のほうです。

 やはり病院での不妊治療で心身に大きく負担がかかるのは奥様の方です。これは確かです。しかし、本来の自然妊娠しかり、不妊治療にしても、卵子だけで子どもはできないわけです。そこには元気な精子が必要となります

 妊娠までは旦那様の協力が不可欠なわけです。

 考えてみると、旦那様は奥様が妊娠された以降、子どもを直接育むことはできません。では、何ができるでしょうか

 奥様の不便な行動をカバーしたり、マイナートラブルなどの症状などを気遣うことはできるでしょう。出産などの準備に向けてさらに元気に働くこともそうかもしれませんが、やはり直接は何もできなくなるわけです。

 その分、元気な天使ちゃんがご夫婦の前に現れるまで、奥様とお腹の赤ちゃんに優しさと愛を傾け、気遣いを実践してあげることが大切なのだと思います。こんなことは言わなくても分かっておられることだと思います。

 もう一つ大切なことがあります・・・

 その答えの前に、当院での鍼灸臨床現場でのある場面のをお話したいと思います。

 

 30歳前後の男性(旦那様)の患者さんの話です。

 この方の主訴は、「妊活」ではなく、関連しているかもしれませんが、泌尿器症状でご来院されました。その泌尿器症状に対しては、当院へ8月の中頃に来院され、約週1回の鍼治療でかなり改善されました。当初訴えていた症状はほとんど消失しています。

 さて、その患者さんとの臨床現場の話の中で、実は妊活に励んでおり、11月に人工授精も考えているとのことでした。奥様は来院されていませんが、年齢は旦那様と同じくらいです。

 奥様は、若いころにとある臓器の病気を患っており、今は寛解状態ですが妊娠したら奥様の身体は大丈夫だろうか・・・というところが心配なのだと話されています。また旅行へ行かれた話などお聞きしていると、かなり奥様への気遣い、心遣い・・・愛情がある方だなと感じております。

 旦那様は泌尿器系の症状を持っていることと、妊活中ということで、精液検査等も併せて実施しております。その結果は、精子数、精子運動率ともに少し低下気味とのことでした。病院からは当院へ来院する1ヵ月前に漢方薬(補中溢気湯)を処方され毎日服用されていました。

 鍼治療開始後3ヶ月(治療回数が14回)ほど経過したある日の精液検査で、精子運動率が40%から60%に改善されていました。11月の人工授精は残念ながら良い結果は得られませんでしたが、精液検査を行ってからこれまでにない運動率向上の結果でした。

 これをどう考えるかが大切です。ここで安易に「鍼治療の効果です!」と書いてしまってはいけないということなのです。よく不妊症を頑張っている鍼灸院のHPにあるのは、現在も併用している治療方法や今までの鍼灸治療を始める前の情報を無しにして「鍼灸をやったから良くなった!」というものです。

 本当にそうなの とビックリしてしまうものが多いような気がします。

 不妊症で悩まれているご夫婦に関しては勘違いしてしまう皆様が多いのではと、同業者として少し怒りを感じることもあります

 今回の男性の場合は、当院に来院する前に泌尿器科から漢方薬(補中溢気湯)を処方され服用し4ヵ月ということで、漢方薬の効果というものがまず考えられることです。

 補中溢気湯に関しては、エビデンスレベルは分かりませんが、精子運動率などの精液所見などが改善されたという報告(論文)はみられ、一定の効果はあるようです。ただ漢方薬ですので、薬に効果的な症状が現れていたとしても、その患者さんの体質(証)に合わなければ効果が出ない場合もあるということです。

  ちなみに補中溢気湯は、胃腸などの消化機能(中焦)を補い、気を溢れさせ、消化機能の衰え、四肢倦怠感、虚弱体質者の諸症状に使用される漢方薬です。ニンジン、オウギ、ビャクジュツ、サイコ、ショウマ、チンピ、タイソウ、ショウキョウ、カンゾウ、トウキなどが入っています。

  付け足しとして、柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)も精液所見の改善に効果があるという報告もあります。病院にて多く処方されるのは補中溢気湯のようです。

 鍼灸治療についての精液所見に関するデータに関してはほとんど出ていないと言ってもいいかなと思います。まだ調査不足かもしれませんが、これについて研究されている鍼灸師もおられますので、今後、少しデータが出てくるかなというところでしょうか。現在のところ各治療院レベルで鍼灸臨床の実感として精液所見が良好になっているなという状況かなと思います。

 そのように患者さんの話を聞いたり、論文や学会発表などを調べたりし、それを辿って自分の治療を客観的に判断すると、可能性として漢方薬と鍼の効果がコラボしたことは推測はできることは言えるかと思います。

 若干、話は逸れましたが、やはり妊活はご夫婦の共同作業です。卵子の状態が良くても、精子の状態が良くないと受精はしませんし、そこから進むことができません。顕微授精という方法もありますが、やはり精液所見が良好な方が確率も妊娠する確率も高くなるわけです。

 

 さて、冒頭お話した、もう一つの大切なこと・・・それは、旦那様は、出来る限り良好な精子ができるように生活習慣等を改善して、努力することです

 少し長くなりましたので、次回は、では、どうやって精子が出来るのか 精子所見について大切なこと 良好な精子をつくる上での注意点 などを書いていきたいと思います

 でも人間の身体の仕組みや、夫婦関係などもそうかもしれませんが、人生って絶妙に出来ているんだなとつくづく思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます 

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

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妊活と仕事とストレスと・・・鍼灸と♡

2017年12月05日 | 不妊症

 外は雨や霰(あられ)や時々、雪、冬本番を迎えつつあります

 この「寒い」もストレスなんですよね。

 ストレスと聞くと、悪者のように思いますが、「ストレス」という言葉を初めて使用し、その生理学的反応を唱えたのは、ハンス・セリエ氏(ハンガリー系カナダ人 生理学者)です

 彼の学説からストレスを簡単に言うと、ストレスとは生体が外部から寒冷、外傷、疾病、あるいは怒りや不安などの精神的緊張を受けたときに、その刺激に適応しようとして生体に一定の反応が起こること」、いわゆる刺激に対しての身体の「反応」のことをストレスと言います。

 ですから、逆に考えるとストレスがないと、身体の反応は起こらないので、ストレスは人間にとって必要なことであるとも言えます。

 大げさに言うと、水の中に生活していた生物が陸に上がり、空気という環境の中で、また猛毒の酸素というストレス物質に適応していったものが、陸で生活できる生物として進化していったと考えると、「ストレス」がなければ人類は生まれて来なかったとも考えられませんか

 ストレスは人間にとって必要不可欠なものでありますが、刺激が強すぎたり、長期にわたり曝し続けると、身体がそれに対応するように反応してしまいます。これが各症状や病気に大きく関ってくるわけで、それをどう調整するか、バランスをとっていくかということが、実はストレスと上手く付き合っていくポイントになるのですね

 

 さて、当院では不妊症(妊活)でお悩みのご夫婦も鍼灸治療に通院しております。

 お時間があれば施術をしながら、いろんなことをお話します。その中で出てくる言葉、キーワードの一つが「ストレス」です。上記にもありますように、この「ストレス」は、身体にとって過剰な刺激が加わることによる、身体の反応=症状のことです。

 人生を歩んでいると百人百様、様々な出来事を経験します。いいことばかりではありません。嫌なことも、ショックな出来事も、いろんなことが起きます。それが人生の醍醐味なのかもしれませんが、目の前の出来事に、すべて仙人のような対応はできないというところが、私も含め多くの人の現状かなと感じております。

 その中でも、学校を卒業して成人となり、人生を歩んで行く、生活して行くために必要になってくるのが働くということです。そして稼いで行かないと生活していくことはできません(特殊な場合は除く 笑)。

 そう「仕事」。

 会社や組織の中に身をおくと、いろんな人々との出逢いがあります。そして、その人々とともに同じ目的のために会社で働かなくてはいけません。

 会社で働くと、その環境や立場、能力で、いろんな対応が迫られるのではないでしょうか。そして、年数を重ねると会社での責任や仕事量も増えてくるでしょう。

 そう、不妊症(妊活)において高い割合で治療へ通院する年代は、この仕事に脂が乗ってきて、会社から期待される30~40代ということになります。そこに、精神的ストレスや身体的ストレスがかかってくる要因の一つがあるでしょう。

 「ファイン~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~」さんが5526名の男女に調査したアンケート結果によると、96%の人が「仕事と不妊治療の両立が困難」であるとの結果が出ました。
 当院でもお話をお聞きすると、直属の上司にだけ治療の話をしてあるとか、仕事を変わってもらって治療に行くのがストレスだとか、会社や仕事の中で様々な過度なストレスに曝されている現実があります。

 『不妊治療で「サプライズ退職」、辞めたくないのに、辞める気持ち』 https://otekomachi.yomiuri.co.jp/news/20171128-OKT8T50256/

 ファインHP http://www.j-fine.jp/infertility/about.html

 かと言って、体外受精や顕微授精の治療となると、段階や病院によって違うものの約50万円~80万円の治療代金がかかるため仕事は辞められないというジレンマもあります。仕事に対する責任もありますしね。

 会社だけではないのですが、多くの過剰なストレスが自律神経の乱れ、そこから免疫系やホルモンなどの内分泌系など、脳を始めからだの各器官に影響を及ぼし、生理周期や卵巣、子宮機能が低下します。現代学的な検査では捉えられないような機能的な形の負の連鎖を起こし、妊娠がなかなか実現しない身体と精神の状況になっているのではないかと思います。

 不妊(妊活)で鍼灸治療にご来院される皆さんは、本当に頑張っておられます

 なんとかサポートしてあげたいと心から思います

 過剰なストレスを緩和・・・これは鍼灸治療の得意分野であるところは、学会等の様々な場所で研究、発表されていますし、当院の師匠であります黒野保三先生(東洋医学研究所®)のところでも、名古屋市立大学との共同研究で結果を出し、その一部を証明しております。

 腹部の鍼刺激が心臓迷走神経を亢進http://www.touyouigaku.org/blog/2013/01/autonomic01-430624.html

 鍼灸院は、忙しい婦人科や専門クリニックとは違い、話をお聞きしながら比較的ゆったりと施術できるのも大きいかと思いますが、鍼灸治療は、この自律神経を調整することで、ストレスを緩和し、それをきっかけとして、ホルモン系や免疫系を調整、そして生殖機能にも影響を及ぼすであろうと考えることはできます。

過剰なストレスをやっつけるぞん

 

 当院へ通院している患者さん。30歳前半の奥様。

 当院へ通院されてもう少しで1年。最初はタイミングや人工授精を行っていたのですが、上手くいかずステップアップして3回の体外受精を行うも良い結果が得られませんでした。

 ここでお話したいのは、この方が働いている会社です。不妊治療のことを相談したところ治療期間中「休職」という形にして籍を残しておいてもらえることになり、不妊治療を頑張ってください、ということになったそうです。いつでも会社に戻れるということです。
 素晴らしい こんな会社の例をお聞きしたのは初めてでした   

 話は変わりますが、平成27年12月より、労働安全衛生法が一部改正され、50人以上の従業員が働く全ての企業に対して、「ストレスチェック制度」が義務づけられました。
 これは、従業員の心理的負担の程度を把握し、不調の未然防止を目的としたもので、増加している企業でのストレス性疾患を防止するための改正です。

 厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000050910.pdf

 労働者のメンタルヘルスケア・・・この制度があってかどうか分かりませんが、会社の決断に拍手を送りたい   と思います。

 それによって

   もし治療の結果が上手くいかなくても帰る場所がある ストレス軽減

   すれ違っていた旦那さんとの休日をともに過ごすことができた ストレス軽減

   時間に余裕ができ運動できるようになった(旦那さんとも) ストレス軽減

   時間に余裕が出来て、あまり怒らなくなった(旦那さんに言われた) ストレス軽減

   顔がたいへん穏やかになった(私が見た感じ) ストレス軽減

   肩コリや痛みがほとんどなくなった ストレス軽減

   結婚してからこのかた、一番旦那さんといる時間が長くなった 愛情増強

 などなど、心や体に、そして、子宮や卵巣に、より良い環境が整いました。

 第3回目の移植は会社を休職する周辺でしたが、妊娠までは至りませんでしたが、着床反応は出ておりました。第4回目は、この前周期に採卵を行い、その凍結卵を今月に移植予定ということで、楽しみでもあり、なんだか私もプレッシャーが少しあるような、そんな状況です。

 

 妊活(不妊症)を頑張っているご夫婦で、自律神経のバランスを整えることで、妊娠しやすい身体をつくりたい方は、どんな些細で、小さなことでもよろしいですので、いつでもご相談ください。

 当院は、天使ちゃんを待つご夫婦の身体の心を、より妊娠しやすい状況に近づけるお手伝いをさせていただきます。治療したからと言って全てのご夫婦が良い結果になることはありませんが、身体づくりの一つの方法として実践してみる価値はあると思います

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

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ご出産の嬉しいご報告 ー妊娠~出産までサポートする鍼灸治療ー

2017年07月19日 | 不妊症

 やはり、この瞬間が妊娠~出産のための鍼灸臨床をやっていて一番うれしいですね

 平成26年(2014)の夏ごろに当院へ、妊娠・出産を望まれご来院。

 治療間隔は、途中、人工授精にて妊娠するも流産などがあり、期間が開いたりしましたが、タイミング、人工授精などの治療中は週1回の間隔で鍼灸治療。

 年齢は35歳、ご結婚当初はお互い仕事が忙しく、特に子どもは意識しなかったのすが、欲しいと思うようになり、タイミングから治療を始めるも良い結果が得られませんでした。

 当院で治療を始めて約1年ほど経過した初夏に一度妊娠するも心拍確認がされた後、残念ながらもう一度、妊活を頑張らなくてはいけない状況になりました。

 少し期間を置き、治療を再開。

 平成28年春に、体外受精へステップアップして妊娠されました

 ここで当院の鍼灸治療がどれだけ効果があったかは、評価が難しいところですが、肩こり等の他の愁訴が軽減したことに加え、次のステップに関して、子宮内膜の循環改善など機能的面、あるいは自律神経を調整することによる精神的安定や脳(視床下部等)を含めた中枢レベルでの生殖系やストレス反応系(HPA軸)などからの関与は、効果の考察として推測できるかと思います。

 また、体外受精へのステップアップがゆっくりだったのですが、旦那様が単身赴任で遠くへ赴任しており、1か月に一度会えるかどうかという状況で、さらに、金沢へ戻って来れるのもさらに頻度が少ないという環境でした。

 不妊症の患者さんをみていると、旦那様の働き方なども不妊をつくる要因の一つとして大きく関係してくるのだろうと感じます。例えば、残業が多く帰宅が21時や22時を過ぎるや、シフト制で深夜勤務がある、また、看護師さんなどは男女関係なく、特に子どもがいないと夜勤が月に何度かあったりします。そこに結婚などが30代になってからという加齢的な要因、年齢が高くなるにつれて、管理職になったりして部署において責任を負う立場になると、ストレスが多くなり精神的にも疲労することになると・・・

 どうでしょう、夜帰ってきても、風呂入って、ご飯食べて、眠くなるとセックスすら邪魔くさくなり、早く寝たい という状況に陥ります。これも不妊をつくる要因になると感じます。

 仕事や社会を変えることは難しいです。当院では、どうしても奥様の治療がほとんどになりますが、やはり旦那様の体調を調整することも必要なのだと思います。
 精子は、だいたい2ヵ月半ほどで作られ、放出を待ちます そして、およげたい焼き君ではないですが、精子は毎日毎日作られます。放出されなかった精子は身体の機能により新陳代謝されるわけですが、過労があったり、年齢が増してくると、造精機能も低下しますし、精子の質も低下し、機能を失った精子が新陳代謝されずに溜まっていったりします。

 そんな意味では、旦那様の体調を整えておくことは、妊娠しやすい環境をつくる大きな要因だと思います。そして、現在、男性不妊の研究も急速に進んで来ています。

 いろいろありますが、妊娠のご報告、めでたくご出産のご報告 は本当に心から嬉しく思いますし、自分のさらなる仕事のスキルアップへの原動力となります。

 

 先日、3月にご出産され、バタバタして挨拶来れませんでした~ と、〇〇さんが、元気な、目鼻立ちがハッキリしたいい男子とともに、挨拶に来院いただきました

 本当に、おめでとう~ございます

 帰りぎわ、「もう一人、二人欲しいので、またお治療を願いします」と話されていたような・・・

 がんばりまっす

 妊娠しやすい身体づくりの一助として鍼灸治療をお考えの方は、いつでもご相談ください。お電話だと不在の場合がございますので、下記のHPから当院へメールにて連絡いただければ、できるだけ迅速に対応させていただきます

 一人でも多くのご夫婦が天使ちゃんと出逢えますように

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

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不育症と胎内記憶

2017年04月19日 | 不妊症

 やや涼しい4月と言う印象のある現在、皆様、元気に、明るく、楽しく生活していますでしょうか

 さて、本日は不育症と、臨床の中で流産の後にタイミング療法で妊娠し出産された健やかに成長している女の子とお母さんのコミュニケーションについて、「面白いな」と思ったので書きたいと思います。

 

 不育症=妊娠してもお腹の赤ちゃんが育たず流産、死産を繰り返してしまう状態です。

 初めて妊娠された女性の流産率は、10~15%と言われています。

 その半分以上が胎児の染色体異常であることは分かっていますので、流産されたからと言って決してご夫婦のせいではありません。
 でも、その確率を少しでも改善すべく生活習慣を変えたり、整えていくことは大切なのだと思います。

 妊娠を臨んでるご夫婦で、流産や科学流産を繰り返すのであれば、不育症の検査をまず行い、ご夫婦の身体の状態、免疫や精子、卵子の状態を把握しておくことが重要だと思います。

 

不育症となる危険因子

心理的ストレス:流産に強い不安感や罪悪感を持ってしまう。緊張状態の持続。

染色体異常:夫婦いずれかに染色体異常があれば、受精でも一定の確率で染色体異常が起こります。

子宮形態異常:双角子宮、単角子宮、中隔子宮や子宮筋腫など赤ちゃんに栄養がうまく送れない状態にあると妊娠維持ができなくなります。しかし、手術をしなくても、約60%は妊娠維持可能という報告もあります。

内分泌異常:黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能低下など。

凝固因子異常:身体を守るために必要な血を固める因子に異常が起こると、胎盤内に血栓ができやすくなり、胎児に栄養がいかなくなります。

拒絶免疫異常:受精卵や胎芽は、夫である男性側の遺伝子も含まれているため、本来なら女性の身体にとっては異物なので排除の方に働くのですが、それを「大丈夫よん」と受け入れる体制が整えられます。それを免疫寛容というのですが、その機能が上手く働かなくなっている状態です。

 今回、ブログを書くために参考にさせていただいた、名古屋で不育症・着床障害を専門として診療をされている、青木産婦人科クリニックの青木耕治先生(HP;http://www.dr-aoki.com/は、「100%の確率で流産を引き起こす因子はない」、「多くの因子が流産や死産に関っている」と言われ、「危険因子を除外していくことで妊娠を維持しやすい環境をつくっていく」とされています。

 

 また、妊娠初期に大切な時期というのは、10~16週であるそうです。

 妊娠10~16週の間に母体と赤ちゃんを繋ぐ胎盤内の血管内皮細胞が、母体の細胞から胎児の細胞に置き換わる時期だそうです。
 胎盤は妊娠7週からつくられ始め、16週ほで完成するようです。そこからも胎盤は成長するわけですが、それまでは胎児の栄養は子宮内膜が受け持つわけです。

 妊娠期に安定期はないという話もありますが、妊娠初期は、すこし控えめな、慎みのある生活を心がけた方がいいのかと思います。

 

 また、ある調査によると、流産の原因となる「心理社会的因子」として、

妊娠前・妊娠初期に抑うつ状態である場合

社会的支援への不満

不育症の危険因子に持続性があると考えられる場合

 などがあるそうです。全てをカバーしたり、改善できないまでも、抑うつ状態の改善、危険因子に対する不安感などは、医療機関を受診することで和らげられますし、鍼灸治療でも貢献できる部分があるかなと感じます。

  ちょっと話は変わりますが、総面積700万平方キロメートル、南米9カ国にまたがる世界最大の熱帯雨林、アマゾン川流域です。

 川の水は肥沃の大地により養われ、肥沃な大地はアマゾン川の豊富な水によって活力を得ます。ここにアンデス山脈や空などの天気も加わるのだと思いますが、絶妙な自然のバランスと繋がりにより、地上に生きる他の生物は恩恵を受けています。もちろん人間もです。

 4000以上の樹種、約6万種の植物、1000種以上の鳥類、約300種以上の哺乳類が生息しており、まさしく地球の宝箱や~とも言えます。

 これを子宮環境に私なりの解釈で置き換えて考えてみると・・・

 子宮には子宮動脈という大きな動脈が流れており、子宮内膜に120本以上のラセン動脈の支流が別れ子宮内膜を「妊娠」に向けて栄養しています。「妊娠」が成立しないと、ホルモンの作用により交感神経が緊張して血管が収縮し、血流が阻害されます。
 子宮内膜は血液がないので維持できなくなり、機能層が剥がれ落ちていきます。これが月経です。

 交感神経は過剰なストレスを感じたり、上記のような心理社会的因子の環境では緊張するように働き、それが持続することで末梢の血管が過度に収縮してしまいます。これは全身で起こるわけですが、子宮の中(内膜)でも例外はありません。

 子宮内膜をアマゾン川流域のように豊富な量の水と栄養分(血液)で満たしておくためには、交感神経過緊張状態(過剰なストレス環境・心)の持続は避けたいものです。

 鍼灸治療のバランスを調整する作用の一つに自律神経の調整があります。交感神経過緊張状態を和らげ、副交感神経が働きやすくするのが鍼灸治療のメリットでもあります。

 不育症を治すということは言えませんが、その因子を少しでも取り除くという点では、鍼灸治療は利用する価値のある治療ではないかと考えています。

 

 現在、世界各国の多くの医療機関や研究機関で、不妊や不育に関する研究が行われています。現在の社会システムの中で、妊娠を臨む夫婦の選択肢を増やすためであるのだと思います。
 受精から胚の成長までに関しては科学的に証明されつつある段階ですが、胚移植から妊娠確定までの期間は、その発育過程がほとんど分かっていないようです。

 前述した青木先生曰く「神の領域」だということです。

 

 そんな中、こちらはリプロダクションクリニック大阪 院長の松林秀彦先生(ブログ:https://ameblo.jp/matsubooon/のブログで勉強させていただきましたが、現在は、不育症の捉え方として「着床促進」という考え方が主流になっているということです。

 2012年、イギリスで論文として発表されたものなのですが、インビトロの研究であり、対象の数は少ないですが、反復流産の6名の女性と妊娠出産経験のある6名の女性の子宮内膜の間質細胞を取り出し培養して、良好胚(卵子)と異常胚(染色体異常のある卵子)を移植したところ、良好胚はどちらの内膜間質細胞も増殖していったのですが、異常胚においては、反復流産の女性のみ増殖していきました

 これは、妊娠出産経験のある女性の子宮内膜間質細胞は、正常な胚のみを受け入れる「選択的着床」を行い、胚を選別する能力があり、かたや、反復流産を繰り返す女性の子宮内膜間質細胞は、どのような胚でも受け入れてしまう「着床促進」の状態となり、胚を選別する能力がないのではないか、ということが分かってきています。

 

 医学や科学の発展により、多くの「神の領域」が解明され、不妊症や不育症に限らず多くの医学的選択ができるようになりました。
 おそらく宇宙の解明と同じくらい人間の全てを解明することは難しいとは思いますが、人が人であるために、人間らしくあるために「神の領域」はやはり尊重していく部分があってもいいのかなと思います。

 それは生命に対しても、自然や医学や科学に関しても、そうあって欲しいなと私は思っています。

 

 つい先日、治療院での施術中、以前は不妊症で来院されていて、現在は子宮内膜症や花粉症などの改善に来院されている患者様との話で「神の領域」「スピリチュアル」「魂」を感じ、ワクワクしましたので最後に書いておきたいと思います。

 この話は、私もよく著書を読ませていただきますが、産婦人科の医師である、池川クリニック 池川 明先生(HP:http://ikegawaclinic.net/の研究分野でもある「胎内記憶」という部分のお話です

 

 当院をご来院の患者さんでも、話してくれるお子さまと、あまり話してくれないお子さまがいるようですが、今回は、現在4歳の女の子で、2歳ごろから、胎内記憶の話をお母さんが聞くたび、繰り返し繰り返し話してくれる会話です その患者さんは流産を経験しての妊娠、出産でした。

 「〇〇ちゃん、お母さんのお腹の中でのこと覚えてる

 「〇〇ちゃんね、おしりのあなから おかあさんのなかにはいっていって、そこにフタをしたんだよ」

 「そうなんだ~。フタをしなかったらどうなるの

 「あかちゃんが おおきくなれないんだよ」

 と、話してくれるそうです。また患者さんは楽器もやっていて、

 「おかあさんが 〇〇(楽器)をひいているところ みていたよ」

 とも話してくれるとか。本当に不思議でワクワクして、何か温かいものを感じる会話でした。「このような世界はきっとあるんだな」とピュアな存在に気づきをもらえる瞬間です。

(このお話、ブログ掲載に関してはご本人に許可をいただきました)

 まさしくスピリチュアルの世界から、生まれてくる赤ちゃんの魂も「流産を防止」に励んでいるんだなと、私なりに感じたのでした。・・・蓋をしめる

 

 一組でも多くの妊娠を望むご夫婦のサポートが鍼灸治療でできるように、今後も技術と知識と人間性(感性)を磨き、精進していきたいと思います。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

 

 

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妊娠するために必要なこと~その土台~

2017年02月08日 | 不妊症

少し寒さが厳しくなっているこの頃です。また久しぶりのブログ更新です

当院では、妊娠しやすいカラダづくりのために、鍼灸治療で天使ちゃんをご希望されるご夫婦のカラダとココロをサポートさせていただいております。

さて、これまで多くのご夫婦を治療させていただいている中で、やはりこの土台が疎かになっているなと感じる場面と多く出くわします。

妊娠するために最も必要な土台・・・答えは、 愛  です。

そんなの当たり前やん

と思うかもしれませんが、その表現や確認が重要であり、それを心で体で精神で感じ合うことができること・・・それは、 セックス  なのだと思います。

結婚生活が長かったり、

お付き合い期間が長かったり、

旦那さんの仕事の帰りが遅かったり、

体外受精(人工授精)で、その治療に専念するあまりであったり、

お互いが日常生活の中で疲れていたり、

セックスが嫌いであったり、

いろんな状況下の中で夫婦に大切なコミュニケーション、愛情確認に重要な行為であるセックスの回数がほとんどなかったり、そのことさえ頭になかったりする場合もあります。

やはり重要なのは、「あなたの子どもが欲しいという愛に尽きると思います。

多くのご先祖様の繋がりの中で、男と女が出逢い、それも世界の人口約47億分の2の確率で出逢ったわけですから、結ばれるということは奇跡的なご縁なのだと思います。

だから、本能的に、理性的にも、「あなたと結ばれたい、子どもが欲しい」ということになるのだろうと私は思っています。そんなパターンばかりではないでしょうけど、違う場合でも、そこに大きな縁が働いているのだと思います。

今は、科学の発展とともに生殖医学、生殖技術が進み、金銭と努力は必要ですが、妊娠~出産に至るまでにいろんな選択肢をご夫婦が選べることができる時代になってきました。

しかし、そこに変わらないもの、変わってはいけないものもあるのだと思います。

生殖行動(子孫繁栄)だけであれば、それは他の動物と一緒となりますが、大脳や脳幹が発達し、いろんな想像と創造ができるようになったヒトだからこそ、愛を感じ、快楽を感じ、相手を想いやり、いたわり、温かいぬくもりを感じ、幸せを感じることができます。

その最たる愛情表現、夫婦の絆を繋ぐ大きな行動がセックスなのではないでしょうか。

        

子どもがなかなかできないご夫婦へ、病院での治療の前に(その状況により対応は違いますが)まずは1か月毎日セックスすること(そんな頑張りも必要ですよと)をアドバイスされている医師もおられます。それだけで妊娠される方も少なくないそうです。

そこには理由があり、

 セックスの回数が少なくなれば妊娠の機会が少なくなるのはご理解できるかと思います。2005年にイギリスで世界有数のコンドームメーカーDurex社が調査したデータによると、調査41カ国の年間セックス回数は、日本は45回で調査国中最低だったそうです。週1回もない計算になり、排卵日を狙って行うご夫婦は、その一点しか行わない傾向にあります(ちなみに第1位はギリシャで138回、クロアチアが134回で2位、以下、セルビア・モンテネグロ〈128〉、ブルガリア〈127〉、チェコ〈120〉フランス〈120〉と続きます)。

 タイミングの方法を間違っている方も多いようです。排卵日より排卵前日、前々日の妊娠の確率が高く(4倍)、排卵日しか狙ってない場合は失敗する確率が高くなります。

 基礎体温をつけていると、その体温の変化により排卵日が推測できます。分かりづらい方もおいでですが、基礎体温をつけることは目安になります。しかし、その月の排卵に選ばれし卵子は、その卵子によって成長度が違うようです。ということは、いくら予測しても排卵日は前後する可能性があるということです。生理不順の方も、閉経が近い方も、生理周期の長い方も、短い方も、通常であれば排卵は常にあります。その可能性のある卵子ちゃんを無駄にしないためにも、そこのポイントをおさえることが大切です。

 精子は毎日つくられます。精子は禁欲(ためる)しておいた方がいいという話もありますが、実は精子は毎日射精したほうが良好な精子がつくられるのです。また、精子数が少ない方は、禁欲期間を1日とした場合が精子運動率が良く、0~2日間とすると正常形態精子が最も多くなるそうです。老化して精巣に残っている精子は、若く元気な精子の活動スペースを妨害し、かつ、活性酸素を多く放出して精子形成細胞にダメージを与えると考えられています。

 排卵後のセックスは、受精には必要ありませんが、妊娠率を増加する可能性が示唆されています。妊娠するためには子宮内膜で「免疫寛容」という状態、いわゆる、「受精卵は排除の対象外ですよ」と認識される必要があります。排卵後のセックスで精子が子宮内膜に刺激を与えることにより調節性T細胞(Treg)が増加し免疫寛容という状態をつくり出し、着床が促進されるということが分かってきています。また、排卵期に限らずセックスしている夫婦の方が妊娠率が高いという報告もあるようで、人工授精や体外受精の途中であろうがセックスを行う意義はあるようです。

 子宮後屈のある方は、セックスで射精された後、うつ伏せで10~15分ほど横になっていることが大切なのだそうです。精子が子宮までたどり着くために必要な位置関係にあります。

 タイミングを取るときは「この日を狙い撃ち作戦」よりも排卵日は頭に入れつつ「あえて特定の日を狙わない作戦」で行く方が、男性も女性も精神的にリラックスして臨めるようです。「この日でお願いねセックス」や「人工授精」などもそうですが、精神的にプレッシャーになります。交感神経過緊張状態でしょうか。そうすると精子の状態も結構良くない状態になることも多いそうです。男性って、意外に・・・いや本来、プレッシャーに弱いのです。女性のほうもあまりこだわりが過ぎると、神経質になり、精神的に緊張した糸のようになってしまいますと、夫婦の関係にも影響してきますよね。

 夫婦の触れ合いやセックスは愛情ホルモンと言われる オキシトシン の分泌を促します。オキシトシンは幸福ホルモンと言われる、心の安定や調整にかかわるセロトニンとも密接に関係しています。オキシトシンの作用は出産の際の陣痛促進や赤ちゃんにおっぱいをあげる時の射乳に代表されますが、現在は、その他いろんな作用があることが分かっています。脳などの中枢レベルでは、信頼・絆の形成、子育て行動、生殖行動、自律神経系修飾、摂食抑制、ストレス緩和、自閉症症状改善、痛覚伝達修飾、アルコール摂取抑制などがあり、末梢レベルでは、陣痛促進、射乳、射精、精子輸送、ナトリウム利尿、骨形成、骨格筋維持、腸炎抑制、味蕾の修飾など全身に作用を及ぼしていることがわかっています。
 だから仕事などで疲れている時でも、セックスが最後まで至らなくても、肌と肌を触れ合うだけでもオキシトシンが分泌され、お互いの全身の細胞が愛情に溢れるのではないでしょうか。

は、ほぼ生殖医療専門医の松林秀彦先生のブログhttp://ameblo.jp/matsubooon/entry-11451322387.html を参考にさせていただきました。(ほとんどそのままかも

       

さて、妊娠するために必要なことで、その土台というか、原点となるべき事柄であるセックスについて述べてきました。

ある人曰く、セックスは人類に与えられたギフト(贈物)であると。

今から妊活をはじめるご夫婦も、不妊治療途中のご夫婦も、なかなか良い結果が得られないご夫婦も、「今さら・・・」なんて思わずに、そのあたりを見つめ直すと、妊活も、不妊治療の成果にも少し変化が出てくるかもしれません。

 

当院へご来院するご夫婦もすべて良い結果を得られ妊娠、出産されるわけではございません。少しでも確率を高めるために重要なことは今後もお知らせさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます 

 

そういえば、もうすぐバレンタインデーです

 素敵なバレンタインデーをご夫婦でお過ごしください

 

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

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妊娠しやすいカラダづくりのための鍼灸治療(不妊症・妊活)9月・10月の嬉しいご報告

2016年10月25日 | 不妊症

何か秋があったのか、なかったのか、ハッキリしないまま10月も終盤にさしかかっております

皆様、体調はいかがでしょうか

 

現代医療、科学においてその発展の勢いは凄まじく、この生殖医療の分野でも検査方法や治療方法、精子や卵子、受精卵それらの遺伝子的研究まで、多くのことが発見され臨床にも応用されてきています。ご夫婦が取り組む治療方法にも薬物の投与から移植方法まで少し前の時代に比べれば多くの選択肢が選べるようにもなってきました。一般不妊治療であるタイミング療法、人工授精から高度生殖医療(ART)である体外受精、顕微授精(ICSI)また、倫理的、社会的問題に関してはおいておきAID(非配偶者間人工授精)や無精子症の夫の父親から精子を提供して移植する方法まで様々な方法が生み出されてきました。受精卵や胎児の遺伝子異常もみつけることができ、卵子ミトコンドリアの移植まで実現可能になってきいるのが現代医療・科学です。

それぞれ百人百様、それぞれのご夫婦の身体状況や社会環境によって、それぞれの治療の形があります。そのような科学や医療が発展する中でも、晩婚化、ライフサイクルの変化、妊娠を望む夫婦の高齢化の影響もあってか、生殖医療における妊娠や生産(出産)の確率はここ数年横ばいであるのが現状であるということです。

各不妊専門クリニックによって妊娠率や生産率(出産)、流産率の差はあるのですが、統計をとると全体的にはそのような生殖医療の現状があります。

この状況を改善し、一組でも多くのご夫婦に天使ちゃんと出逢って欲しいという願いを込めて、男性不妊も含めた不妊専門医や研究者は鋭意努力しているわけです。

さて、当院においては比較的多くの子宝に恵まれないご夫婦がご来院しております。ほとんどが奥様の治療ですが、不妊症の原因の約4割を占めるご夫(男性)にもできれば一緒に治療していただき、身体内部環境を改善(精子力のアップ:正常な精巣機能であれば74日の短いスパンで毎日精子は生成されますので、より身体内部環境の影響が顕著に出やすいのではないかと考えております)していって欲しいと私は考えております。

鍼灸治療は生理周期や不妊治療期間のどの部分にどのような効果があるのか、未知の部分が多いのですが、古来より経穴(ツボ)という部分を鍼や灸で刺激を行い症状を除去することはもちろん、全身を調整し、病気にならない、病気に強い身体づくりを行ってきた歴史があります。また、身体に症状や病気として現れる前に治療する(未病を治す)ということも行われてきいます。
私が所属する東洋医学研究所®グループの研究や全国で行われる鍼灸の研究において、鍼灸刺激の効果や、その刺激の経路など多くの発見が報告されている事実はあります。

当院の治療方法は、鍼刺激により、全身の統合的制御機構の活性化を行うことにより、免疫系、自律神経系、ホルモン系を含めたホメオスターシスや自然修復能力等を調整し、身体の反応性としての調整能力を高めて、健康な状態へ向かうためのベースとしての適応力を上げていくことを目的として行います。

いわゆる妊娠しやすいカラダをつくるためのベースづくりと、その底上げです。

 

2016年は8月までに4名の皆様が妊娠されました。

そして、9月・10月には6の皆様が妊娠され、それすら飛び越して、2名の方の出産報告をお聞きすることができました ほんと嬉しいです
9月は5名の方が体外受精-胚移植を行い2名の方が妊娠、順調に育っております。1名の方は着床まではいったのですが科学流産でした

10月は3名の方が体外受精-胚移植を行い2名の方が妊娠され、順調に育っております。その他に1名の方が久しぶりにご来院され、人工授精を行い「妊娠5カ月です」と元気にご報告いただきました。また月末に1名の方がタイミング療法で妊娠されたとのご報告をいただきました。

これが臨床家冥利というのでしょうか、この仕事をやっていて良かったなと思う瞬間です

     9月の嬉しいご報告     

 41歳 女性  会社員  二人目妊娠のため再来院  夫;47歳

 平成25年から当院へ通院しながら、体外受精-胚移植を行いお一人目の天使ちゃんを授かりました。治療開始から約1年後のことでした。出産後は子育てに専念されていました。去年の暮れか今年の初めか忘れましたが、エムザ(金沢にあるデパート)の地下でお子様ずれのご夫婦とバッタリ出会い、また近々もう一人考えているというお話がありました。年齢のことも考え、お子様も大きくなってきたので、保存してある凍結胚(胚盤胞)の移植を行いたいということで今春くらいから治療を再開。凍結してある1個は移植しましたが残念な結果でした。その後、再び採卵から行い、9月の移植で着床-妊娠されました。

 今春から始めた1回目の移植では、仕事も忙しく、頻繁に通院できなかったこととストレスも相当に多かったようです。9月の移植前は約2ヵ月くらいは週1回くらいのペースで通院いただけました。その結果かは分からないところではありますが、脈も落ち着き、身体の疲労も前回よりは軽減されていたと思います。それが良い結果に結びついた結果の推測の一つです。

 

37歳 女性  専門職  体外受精4回目の成功のためご来院  夫;37歳

 ご結婚は昨年ですが、少しお付き合いの期間も長かったということで、結婚を期に不妊専門クリニックを受診しご夫婦で検査を行う。卵管等には異常はないが、内膜症がありAMHも少し低め、旦那様の精子の運動率もあまり良くないということで昨年7月に「顕微授精」を行い、3個が胚盤胞となり凍結の後9月に移植するが結果は良くありませんでした。11月に内膜ポリープを切除し、その後、今年の1月に胚移植、3月に採卵し5月に胚移植と3回行うが良い結果が得られませんでした。

4回目を成功するためには・・・以前から興味はあった鍼灸治療を取り入れようということでHPをみてご来院されました。

 当院へは8月中旬が初診で、その際、当院の治療方針を説明し、その治療間隔(週2回)とともに胚移植前後も治療に来院いただき、ほぼ計画通りの治療間隔でした。9月中旬の移植で嬉しい報告をいただくことができました。
 短い期間ではありますが、生活指導としては運動を行うこと、治療間隔もほぼその通り通院いただいたこと、そして何より明るいこと、前向きな姿勢、その他もろもろ重なり、ベースが出来上がっていったのかな?とも思いました。仕事もストレスの多いものですしね。

 

     10月の嬉しいご報告     

35歳 女性  主婦  二人目妊娠のため再来院  夫;32歳 

 平成24年に来院され、鍼灸治療期間約3ヶ月、男性不妊の影響もありましたが体外受精-胚移植で妊娠し出産されました。その後は子育てに専念され、平成27年より再び二人目妊娠のために来院されました。9カ月の鍼灸治療期間の後に同じく体外受精-胚移植にて妊娠するも残念ながら流産されました。再び、移植を行うため9月より週1回のペースで通院されました。

 10月はじめに体外受精-胚移植を行い妊娠されました。 

いくら前向きの人間でも流産という体験は悲しく、むなしく、無力感に襲われる出来事です。ですと断言してますが、私たち男性には理解できないほどの身体的、精神的ダメージの大きさは計り知れないものだと頭では理解しています。お一人お子様がいらっしゃるということも幸いしたのだろうと思いますが、もともとの明るい性格と真面目に定期的に通院いただいたことが良い結果につながるアシストとなったかなと感じます。

 

36歳 女性  専門職  二人目妊娠のため再来院  夫;36歳  

 平成25年夏ごろより当院へ通院され、治療期間約3カ月、体外受精-胚移植にて妊娠、出産されました。やや遠方ではありますが、この時は週2回の治療を定期的に来院されての良い結果でした。その後は育児に専念され、お子様も大きくなってきたことと、育児休暇の関係もあり、昨年秋より二人目妊娠のために再来院され治療を開始しました。

 2回目の治療期間は約1年ほどかかりました。仕事の復帰等もあり、治療期間があいた時期もありましたが、基本週1回ペースでご来院。そこまで3回は良い結果は得られませんでしたが、10月初旬の体外受精-胚移植にて妊娠されました。

 二人目はやはり心に余裕があるのだと思います。移植の判定が良いものでなかったとしても、その気持ちの切り替えが早かったことや、育児や仕事など不妊だけに意識を向けていられない環境があったことも幸いしてか、前向きに根気強く治療に臨んでいただけたことも大きい気持ちの部分の要因だったかなと思います。あとはやはり定期的に鍼灸治療に通院できたことも要因の一つかと思います。

 

37歳 女性  会社員  人工授精にて妊娠  夫;36歳

 当院への初診は平成26年夏でした。平成25年2月より婦人科での不妊治療をはじめ、タイミング療法、そして専門クリニックへ転院してのタイミング療法、人工授精を7回行うも良い結果が得られませんでした。鍼灸治療開始から3カ月後の周期の人工授精にて妊娠が確認されました。その後は地元へ帰って出産するという準備をされていた矢先の流産でした。

 この方、夫が単身赴任でなかなかお家に戻ってこれないという事情もありタイミングではなかなか難しいのかなとの思いもありましたが、遠く離れているとやはり不妊治療が全体的に制約されてくるのだと思います。

 その後、鍼灸治療は期間は開くことはありましたが定期的に通院いただけました。タイミングと人工授精を行っていましたが良い結果が得られず。今年から夫が金沢に勤務地が移るということで単身赴任生活にもピリオドがうたれました。ご夫婦としても、そしてお子様を望むにしても良い環境が揃ったなと思いました。
 今年の4月まできっちり通院いただき、その後、まったく来院がありませんでした。「治療はやめられたのかな」「もう少しバックアップできたら」と思っていたところ10月に少しふくよかになられてご来院。髪型を変えたせいもあり、はじめは「どなたかな?」と思いました。
 開口一番、「妊娠5カ月に入りました」と嬉しい報告がありました。転院し、4月の診察の結果、内膜の状態もホルモンの状態も良いので人工授精を一回しましょうということで、その治療でめでたく妊娠そして維持されたとのことでした。

 これから出産までお世話になりますということで、妊娠期の鍼灸治療に移行して出産までケアさせていただく予定です。

 

35歳 女性  専門職  二人目妊娠のため再来院  夫;34歳

  平成25年初夏より当院へ来院されました。出会いは石川県鍼灸マッサージ師会の地域貢献活動である金沢健康づくりフェアの鍼灸マッサージ体験ブースでのことでした。当院へ来院して3周期目でのタイミング療法でのご妊娠でした。

 子供も大きくなってきて少し落ち着いたということで、もう一人欲しいなとお考えになり、7月にご来院。私の高校野球部トレーナー活動での甲子園、北信越大会帯同等による休診もあり、少し治療期間も開いた時期もありましたが、約週1回ペースでご来院。今回も卵胞チェックのみのタイミング療法で、10月の周期でめでたくご妊娠されました。

 お一人目のお子様ができる前は生理不順があったということでしたが、出産後は生理不順もなく順調であったということでしたので、もしかしたら鍼灸治療を行わずとも今回は妊娠できたかもしれません。出産で良い方向に生理のリズムが整ったということでしょうか。
 しかし、仕事にはだいぶ前から復帰されており、治療後、仕事の疲れはとれ楽になるとのことでした。また、育児もやはり疲れます。そんな疲労の除去にも鍼灸治療は有効なのですよ 
 
当院の妊娠のための治療方法は40分ほど必要となります。その間、夢の世界へ入られるかたもおいでになりますそんなことも疲労がとれる一つの要素かもしれません。

 余分な活性酸素を除去しやすいカラダということでしょうか

 

     出産のご報告     

 今月、お二人の出産報告がありました。お二人とも途中までのご来院でしたので、鍼灸治療でどれだけサポート、カラダづくりができたかは分かりませんが、こんなサプライズは大歓迎です

 本当に嬉しく思います

平成24年秋~平成26年春まで当院に通院されていた41歳の女性(当院初診時)が、今年出産を迎えられたという報告がありました。どこまで鍼灸治療がお役にたったかは分かりませんが、長くの不妊治療ご苦労さまでした。

 そして、おめでとうございます

 45歳という高齢出産だったと思いますので、何か不調があればご来院いただきたいなと思っております。

 

平成25年春~平成26年初夏まで当院に通院されていた30歳の女性(当院初診時)が、同じく今年出産を迎えられたという報告がありました。一度流産があったのですが、それを乗り越えての妊娠、出産でした。「鍼灸治療は効果があったと思いますよ」という嬉しい言葉をいただきましたが、客観的にはどうかなという思いはあります。しかし、精神的、心理的にはバックアップできたのではないかという思いを私自身持つことができた会話でした。

 産後の腰痛でご来院されましたが、痛みは1回の治療でほぼ消失しました
 よかったです。

 そして、おめでとうございます

 ちょっと迷信的な話ですが、この上記お二人に共通していたことは何か・・・それはお家を新築されたということでした。

 皆さんに家を新築したり、引っ越しした方がいいというのではなく、環境が変わること、不妊や妊活に関係ないことに意識を向けること、セックスとは違った夫婦のコミュニケーション(家を建てるための話し合いや協力)を持てることなど、そんな精神的なところで身体や脳に変化が起きるのかなとも考えられました

 もう一つ、30代の出産報告された女性は、流産の時も、その後の妊娠時も「コウモリ」が家に訪れたとのこと(コウノトリではなく)。和むお話でした。

 

 しかし、妊娠のために活動されているご夫婦にはいろんな形があります。同じく当院に1年ほど通院されていた40代の女性が先日、足首の痛みのため来院されました。しばらく通院されていなかったわけですが、その際には「妊活はやめました」というお話でした。
 40代でも自然妊娠することもありますし、子どものいない人生もあります。養子縁組もあります。そのような人生が悪いとか、価値がないかというと、そんなことはありません。人には、夫婦には、それぞれの人生があります。そこに子どもという存在があるのか、ないのかというだけであり、子どもいる人生も、いない人生も、人生の価値は皆、同じだけ光り輝いているものです。

 人生は選択、決断の連続です。どのような人生が待ちうけようが、自分が(ご夫婦が)真剣に考え、熟慮し決断した選択、そこで生まれた結果に間違いはないと思っています。

 

 何やら人生論めいたことを書きましたが、天使ちゃんに逢いたい、そして、少しでも妊娠しやすいカラダづくりを行って、不妊治療から卒業したいご夫婦がおられましたら、鍼灸治療も一つの選択肢だと思います。

 私も皆様の要望や期待に応えることができるように日々精進したいと思います。

 

当院のご近所にある児安神社です(石川県神社庁HPより)
 伊邪奈美神を祀り子安観音と呼ばれ、子宝を望む産婦、無事成長を願う親が多く訪れるそうです

長文お読みいただき、ありがとうございます

 

    二葉鍼灸療院 田中良和

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妊活と鍼灸治療 5 ~運動しましょう! 3(2) -ミトコンドリアを元気にする運動- ~

2016年05月28日 | 不妊症

またまた不妊症(妊活)ブログでは久しぶりの更新です

さっそく、本日のお題は「ミトコンドリアを元気にする運動」です。

ミトコンドリアは様々な細胞のエネルギー発電所でした。ということは筋肉や目や子宮や卵巣や精巣などすべての身体を動かす原動力だということをご説明しました。

エネルギーを発電するということは、そこには廃棄物も出てきます。これは活性酸素であり、この活性酸素を除去するシステムが身体の中にあるということもお話しました。

また出来るだけ効率よくエネルギーを産生するために、脱共役タンパク質というものが働き、熱(体温)に変換するシステムがあることもお話しました。

人間の身体は上手くできているのです

冒頭の写真はどちらがミトコンドリアが活発に働いているでしょう
それにしても駕籠を持ってる人は引き締まったいい身体しているな~。今のように飽食ではなかったからでしょうか

ミトコンドリアは、元気に、活発に、そして、妊娠しやすい身体をつくるための大切なパートナーというわけです。

さて、そのミトコンドリアを活性化させる(増加、新陳代謝を活発)ためにはどのような条件が必要かということです。

「エネルギーが足りません  「ATP(エネルギー通貨)が足りません

という状態をつくることです。

それは、「空腹」「運動」です。

「空腹」に関しては、これまた機会があったらお話したいと思いますが、今回はこれに関しては書きません。

しかし、言えることは、「食べ過ぎない(腹八分目~六分目)」 (ときどき、いっぱい食べても、ええじゃないか

              「余分な間食はとらない」(たまに、味噌饅頭、きんつば食べても、ええじゃないか

              「空腹を感じること」

などでしょうか。特に〇〇制限とか〇〇断食とか身体に悪いことはないと思いますが、溢れる情報の中には行き過ぎた情報もありますので、各人が自己の身体に心に責任をもって取り入れていただきたいなと思います。

「運動」もそうなのですが・・・

さて、今回の「ミトコンドリアを元気」にして「妊活に役立つ」運動ということでご紹介させていただくのは、不妊治療では有名なIVFなんばクリニック(http://www.ivfnamba.com/)などの理事長やIVF JAPAN CEOを務めておられる森本義晴先生『「卵子力」をアップさせるライフスタイルBOOK』より、ミトコンウォークを紹介させていただきます。
先生のところのクリニックでは、患者一人一人の体質等も考え、運動や鍼灸、栄養指導、ヨーガ、音楽療法など必要に応じて施術をコーディネートされています。不妊治療の中で統合医療を実践されている先生なのです。

そのミトコンウォークの説明に、私の解説というか意見も少しだけ入れさせていただきました。私の意見のところには語尾に(YT)を入れます。

人の活動はすべてエネルギーが必要であり、運動では多くのエネルギーを消費します。そして、運動においては活性酸素が少し出ます。活性酸素は小量であれば運動もさることながら、身体に必要な物質です。これがミトコンドリアの機能が低下したりすると活性酸素が大量につくられてしまうのです。

さて、運動法

 ミトコンウォークのメリット 

 激しい運動ではないので、活性酸素の発生をほどよく調整できる。
 ヨガなど呼吸法を重視するトレーニングとの相性がいい。
 1日30分を1ヵ月続けると、卵巣機能が実年齢より3年若返るという嬉しい結果もある。

   ※しかし、通勤中、買物中、仕事中、犬の散歩中など「ながらウォーキング」は効果が薄まる。
   ※物を持って歩くとバランスが悪く腰痛、膝痛の原因になる。

 活性酸素は就寝中はメラトニンという物質で抑えられているので、朝、起床時の運動がベスト。

   ※朝日の太陽エネルギーを浴びながら歩く
   ※地球は太陽の周りをまわっている太陽系にあり、太陽光は生命の根源エネルギーでもある(YT)。

 スポーツジムや家庭用のウォーキングマシーンを使用しても効果に変わりはない。

   ※歩行スピードをコントロールできる。
   ※平坦なので安定したウォーキングが可能。
   ※歩いた距離が分かるのでモチベーションが上がる。

 ()運動不足の方、運動があまり得意でない方、そのような方は徐々にステップアップ
      無理をしな~い

さあ、卵子力アップのため、妊娠しやすい身体づくりのため、一歩踏み出しましょう

 

     さあ、出発だ 

 事前準備(服装と靴)

 通気性の良いトレーニングウエアーなど専用着を持つとモチベーションが上がる。
 適度なクッション性があり、ジョギングに適したものがいい。

   ※ダイエットではありませんので動きやすいウエアーがよいと思います(YT)
   ※足の横幅に余裕のあるもので、フィット感のあるシューズがいいと思います(YT)

 深呼吸+ストレッチ 

  深呼吸・・・エネルギーをつくる時に必要な酸素を取り入れる。(身体の隅々に YT)

   ①楽な姿勢で立ち、鼻から大きく吸って、口から大きく吐く(5回ほど繰り返す)。
   ②息をしっかり吐き切ることを意識して行う。

  ストレッチ・・・運動で急に血管が広がると活性酸素が多く発生する。
            柔軟性をアップすることで、ケガを予防、歩行をスムーズにする。

   ①脇 : 足を大きく開いて立ち、左手は左ひざに置き、右手をまっすぐ上げ、左側に倒す。
         左右行い、深呼吸を行いながらやると効果的(各5回ほど)。

   ②背筋 : 足を肩幅に開いて立ち、ゆっくりと息を吐きながら上体を反らす(3回くらい)。

   ③屈伸 : 両足をそろえて立ち、両手のひらを両膝に当て、軽く押して膝の裏を伸ばします。
          そのままゆっくりと腰を落としながら、膝を曲げ、5秒ほど停止して足を伸ばし
          体勢をもどします。10回が目安です。

 メ モ  

ストレッチングは、上記のとおり運動に対して筋肉や関節の柔軟性を高め、ケガなどを予防するために行われますが、近年、競技前のストレッチング(静的=スタティック)は、運動パフォーマンスを低下させたり、ケガの温床をつくるのではないかということも言われています。

アスリートと一般の運動を楽しむ人、また競技をしている人とレクリエーションとして楽しんでいる人では、同じストレッチングでも、そのシーンにより性格や効果は異なってきます。

基礎科学としてあるいは実際に人を使っての研究や調査などが行われていますが、今のところ競技前のストレッチングに関して、やり過ぎなければパフォーマンス低下や傷害助長にはならないという見解のようです。

ゆっくりストレッチングした後に準備運動を行うと筋出力が増強し関節可動範囲が大きくなったという報告もあります。

やり過ぎってどれくらい ・・・ 一般の運動を楽しむ人であるなら30秒以内のストレッチングなら問題ないかと思います。関節が反対側に曲がるような柔らかい人は準備体操程度でストレッチする必要はないかもしれません。

ストレッチングを行った後、少し足踏みやラジオ体操のような反動をつけて行う身体の動きを組み合わせた方が、ケガのない、また、動きやすい身体を準備できるかもしれませんね(YT)

 メ モ 終了 

 心拍数を上げるための早歩き 

【目 安】 だいたい心拍数が1分間に100~120回ぐらいになる程度の早歩き

      15分を目標に歩く

 なぜ早歩きをするのか

   心拍数を上げると活性酸素が適量発生。ミトコンドリアの働きを活発にする。

   脂肪を利用してエネルギーを出すミトコンドリア系、糖分を利用してエネルギーを出す解糖系
    両方のエネルギー系を利用することで、ミトコンドリアが活発に働く。(YT)

【歩き方】  腰を少し高い位置に保つようなイメージで、腕を振って、やや大股で、視線はまっすぐに。
        だらだら歩きや、ながら歩きでは、せっかくの効果が出ません。

        人間の背骨は横からみるとS状のカーブを描いています。
        猫背にならず、なおかつ胸を張り過ぎないような姿勢を心がけてください。
        誰かに横からいい姿勢かどうか見てもらうのもいいかもしれません。

        考え事しながらの歩行は活性酸素を多く発生させるので控えましょう。
        音楽を聴きながらの歩行はリラックスでき、飽きないのでおススメです。

        足が横隔膜の下(肋骨下部の下)から出ているつもりで歩行すうると
        腰に負担のかからない腸腰筋を刺激するような歩行になりますよ(YT)

   このペースの歩行を15分間以上続けると今度は活性酸素が出過ぎる傾向となります(注意)。

 スローダウン 

【目 安】 15分間しっかり歩いた後は、徐々に速度をゆるめて上がった心拍数を10分間かけて戻します。

   早歩きを急にやめると血管が拡張して、活性酸素が大発生して、運動効果が減少します。

   車は急に止まれない・・・ミトコンドリアの反応も急に止まれない・・・
    運動を急にやめるとエネルギーをつくろうとする反応はまだ続いているのに、
    ミトコンドリアの機能自体(筋肉運動)は減少していきます。
    エネルギーをつくる物質はどんどん入ってきますが、働きは低下していることで、
    活性酸素が大量に発生してしまうのです。競技スポーツでのクールダウンの大切さでもあります(YT)。

【歩き方】  息をととのえながら深呼吸なども入れ歩行。

        腕はおろして、ゆっくり反動で振る程度の動きがいい。

        10分かけて徐々に歩調をゆるめていく。

 ミトコンウォークは、コツさえつかめば簡単に気軽にできる運動エクササイズなので、ぜひ、すぐに実践してみてください

この後、はじめの時と同じように、少しストレッチングや体操を長めに行いクールダウンしておくことも大切です(YT)

 目に見えない小さな細胞の中のミトコンドリアたちが、一生懸命に働いてくれているおかげで(それだけではありませんが〈YT〉)、私たちは毎日の生活を当たり前のように送ることができます。

 ですから、ミトコンドリアがいきいきと働いてくれるように、なるべく活性酸素を増やさないように心がけましょう。それは運動においても言えることです。

 

森本義晴先生の「ミトコンウォーク」を紹介させていただきました。
なかなか簡単で、そして体に、ミトコンドリアに優しい運動だと思いますし、実践しやすい運動だと思います。

 メ モ 2 

 活性酸素が大発生するということは酸化ストレスにさらされるということ=細胞等が攻撃されるということです。

一番の被害者はミトコンドリアとなります。加齢もそうですが不健康な生活はミトコンドリアにダメージを与え機能を低下させることになります。そこで大切なのはエネルギー通貨であるATPを消費する(運動・空腹)ということです。

細胞には「もうこのまま生きとったら体に迷惑やろ。会社(器官)から引退するわ~」というオートファジーという機能、またミトコンドリアにも「この状態じゃ~再生は難しいな~会社(細胞)から引退するわ~」というマイトファジーという機能が備わってます。

有酸素運動の研究が多いのですが、運動することはATPを消費することであり、滞っているミトコンドリアの機能を調整することができます。しかし、どうしようもない細胞やミトコンドリアは先ほど申し上げました通り、身体機能から引退します。しかし、その引き継ぎのための記録は残してあり、運動する環境下では新鮮な高性能の細胞やミトコンドリアに再生されます。

 メ モ 3

 デューク大学 ジェイムズ・ブレメンタールが1992年に行った研究

中年女性(閉経前)23名を2グループに分け、有酸素運動か筋トレをさせてPMS(月経前症候群)への影響を比較

 ・どちらのグループも週に3回、1時間ずつトレーニング
 ・有酸素運動12名 → 15分のウォームアップの後、最大有酸素運動能の70~85%の強度で
                30分間ランニング。その後15分のクールダウン。
 ・筋トレ11名 → 指導者の指導を受けながら筋トレを行った。

結果、両群ともに症状は軽減されたが、精神面で目覚ましい改善を見せたのはランニングをしたグループでした。何が改善したかというと、抑うつ感、イライラ、集中力に低下目立って軽減し、最も際立った違いは、物事に対して悲観的な見方をしなくなり、世の中への関心が高まったことでした。

【理由の考察】

 ・運動すると血中トリプトファンのレベルが上がり、運動により脳神経への取り込みが改善され、セロトニン濃度が上がることが考えられます。

 ・運動には、ドーパミン、ノルアドレナリン、それからBDNF(脳由来神経栄養因子)のよううなシナプス伝達を調整する物質のバランスを整える効果があるので、ホルモン変化がもたらす過剰な反応を抑制していると考えられます。

 ・エストロゲンプロゲステロンはホルモン誘導体に変化された後、脳の中で神経伝達物質である、興奮性のグルタミン酸と抑制性のガンマアミノ酪酸(GABA)の調整に関っていることが分かっており、運動はこの二つの物質のバランスを調整することが可能である。ということは→有酸素運動は性ホルモン調整にも影響するということですね

 ・上記の神経伝達物質は、視床下部-脳下垂体-副腎系(HPA軸)の機能も調整するため
  →この系は身体内外のストレスに対処するシステムです。また副腎はステロイドホルモンや
   性ホルモンやその元となるDHEAなどをつくる場所でもあります。

 メ モ 終了

ここまで妊娠しやすい身体をつくるための、「ミトコンドリアを元気にする運動」についてみてきました。

しかし、患者さんと話をしていると、「いいことは分かっているのですが、なかなか時間が取れなくて・・・」、「ただ歩くだけだとつまらな~いし、続かない」と言われる方が多いのかなと感じます。

看護師や介護の仕事などをしていると休みも不定期で夜勤もありなど生活を調えるのが難しいです。この仕事以外でも残業が多く帰りが遅かったり、深夜に仕事があったりと、夫婦関係という点を考えても社会構造自体が「不妊症」の問題となっている部分もあるので、運動の時間をとることは難しかったりします。

その点も考慮に入れて、対策としては・・・

 ・はじめは散歩程度でも「運動」する習慣をつけていく

 ・やらなければならないではなく、すこしいい加減な気持ちで運動する

 ・でも、その中に「赤ちゃんが欲しい」「卵巣や子宮の環境を改善したい」という意志と自覚を忘れない

 ・できればご夫婦か、お友達など連れ合いがいるといいかもしれません

 こんな感じでしょうか

参勤交代のようにたくさんの人では歩けませんけどね

 それとも、こんな感じでしょうか

懐かし~(知らない人の方が多いでしょうけど)

 

まずは1歩を踏み出さないと、何も前へ進みません

ミトコンドリアを元気に、子宮や卵巣を元気に、身体を元気に、人生を楽しく、そして願いを実現しましょう

たいへん長い説明になりました。最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

    二葉鍼灸療院 田中良和

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妊活と鍼灸治療 5 ~ 運動しましょう! 3 - ミトコンドリア(1)‐ ~

2015年12月10日 | 不妊症

このブログで、不妊症関連の記事は1年以上書いてなかったんですね。反省です

標題ですが、今まで「不妊症と鍼灸治療」ということで書いていましたが、今回からは話は続きですが、題名は「妊活と鍼灸治療」に変えて、記事を書いていきたいと思います

前回からの続きということで、当院では妊娠希望で来院されている皆様には、例外なく「運動しましょう」とアドバイスさせていただいております。その時に使用するワードがミトコンドリアです。

私は野球を中心にスポーツトレーナーもさせていただいておりますので、筋肉や関節などから身体の動き等についても勉強するわけですが、解剖学だけではなく運動生理学なども一緒に勉強しないといけません。

そこで、運動、いわゆる身体を動かすために必要なものは何かと調べると・・・その大きな働きを担うのが、運動ためのエネルギーを産生する場所であるミトコンドリアというわけです。ということでちょっとご説明。 

~ ミトコンドリア は細胞の中にある小器官の一つです~

  

昔、この図を見ると、学校の生物学で勉強したな~などと思い出す方もいるかと思いますが、ミトコンドリアは楕円の丸の中に螺旋のような模様を描いたものです。「あ~あれね」と思ってもらえるかなと思います。

 

 ミトコンドリアはどこにある

ミトコンドリアは、人体の総細胞数を約60兆個とすると、その細胞すべてに存在します。そして、筋肉や神経、脳神経、心臓、肝臓のように新陳代謝や機能の活発な細胞に多く存在して、個数は約数100個~3000個などの開きがあるようです。使う細胞ほどエネルギーが必要だということです。

もちろん卵子にも精子にも存在しますので、卵胞が育ち排卵し受精する、精子が育ち、卵子のもとまで突っ走る、それらのエネルギー源のほとんどはミトコンドリアからの供給となります。

ミトコンドリアは筋肉などでは酸素を多く利用する遅筋繊維(赤筋繊維)で利用されますので、その部分に多く存在します。

 

 大きな仕事は身体(細胞)を活動させるエネルギーをつくること

細かいことを解説していると難しくなってしまいますので、簡単に説明します。

ミトコンドリアでの機能で一番重要な仕事は、「エネルギー」をつくることです。社会生活でも火力や水力などのエネルギーがない生活を考えてみてください。人類が終わることはありませんが、現在の社会活動はほどんど出来なくなってしまいます。それを支えているのがエネルギーです。

身体の中のエネルギーの原料はATP(アデノシン三リン酸)と言われるもので、ここからリン酸が一つ外れることによりエネルギーが発生します。原子力エネルギーが発生する機序と似ています。ということは、どれだけATPをたくさんつくり貯蓄しているかということがエネルギーがたくさん出ている目安(活力ある身体)となるわけです。

エネルギーは、運動の強さや速さによって3段階のシステムにより産生されています。

・筋肉内に蓄えてあるATPとクレアチンリン酸を使って行う運動(10秒程度の瞬発的な運動)
 限りがあり、すぐに供給しておく必要があります。

・細胞質内で糖質を利用する運動(3分程度の酸素がいらない運動)
 細胞の中に取り込める(使える)糖にも限界があり、使いすぎるとばてる。
 糖から産生されるATPは2分子

・ミトコンドリア内で主に脂肪と酸素を利用する運動(長距離走などの持久的運動)
 脂肪は、酸素の供給があればほぼ無尽蔵に使用することができる。
 脂肪から産生されるATPは36分子

ここからここまでが、ここでの運動ということではなく、これらは一つの身体運動の中で適したエネルギー供給システムを選んで働いているのです。少し強い短い運動の時は糖分を多く利用し、その後の持久運動では酸素と脂肪を利用していくという具合です

では、自分でコントロールをしてエネルギー量を増大させることができるとすると、「運動しよう」ということになると思いますが、それには何が必要かというと筋肉だということは分かりますよね。基礎代謝の産生量も、人体では筋肉量が多いほど活発に行われます。それに熱を溜めっぱなしでは熱が身体の中に滞って、これも命に関ってしまうので、発汗システムなど熱を逃がす循環も整ってきて、汗もかきやすくなります。

筋肉を動かし大きくなったり、数が増えてくると、ミトコンドリアの数も増量しエネルギー産生システムが整ってくるということになります。元気で、活力ある生活ができるということです。

人の身体というのは、細かく僅かな機能異常や低下は自然に修正するシステム(自然治癒力)が存在します。ですから一つの身体という大きな器が母船となり、あとはそれぞれが機能的に動くことで、快適に、勢いよく動かすことができます。
そういう意味で考えると、生殖細胞でのエネルギー循環システムというものは全体の状態が反映し、その逆もまたしかりかもしれませんが、全体のエネルギー循環システムが上手くいっていれば、生殖機能にもエネルギーが上手く循環出来たり、補うこともできるのだと私は考えます。

運動により、まず全身のエネルギー量を増やし、エネルギー循環システムを円滑にしておけば、不妊症や妊娠だけでなくすべての不調や病に効果的なのではないでしょうか

 

 もうひとつのミトコンドリア機能で重要なこと

ミトコンドリア内で起こるエネルギーへの変換率は約40%と言われています。残り60%はいずこへ ということになるのですが、それはミトコンドリア内に存在する脱共役タンパク質の働きで   に変換され体温をつくるということです。

カイロやお灸を行うような表面から温めるきっかけを与えてあげるというものではなく、根本の身体の熱産生能をあげるということを考えると、運動するということが、一番の冷え予防、冷え改善に繋がるのではないでしょうか

地道なことではあると思いますが、自分の将来のために「今」何をするかですね

 蛇足 

ちなみに、ミトコンドリアにも核に比べれば少量ですが独自の遺伝子が存在します。
精子は、尻尾の根っこについているミトコンドリアエネルギーをモーターとして卵子に辿りつき、見事選ばれた精子が卵子と受精します。核では23対の精子(男性)と卵子(女性)の遺伝子が遺伝されますが、ミトコンドリアの遺伝子は100%女性の遺伝子が残される母性遺伝です。精子の損傷激しい遺伝子を次世代に受け継がせないためのマイトファジーなる機能が関連していると言われています。

      

 

 活性酸素が発生する場所でもある

上記の糖でエネルギーが生成された後は、一部は乳酸となり、肝臓や脳、筋肉で再利用されたり、一部はミトコンドリアの中でエネルギー産生に使われます。脂肪は何度か物質が変化し、ミトコンドリア内に入った後もβ酸化などの変化が起こり、糖と同じエネルギーシステム(TCA回路)で使用されます。
また、そこで発生した電子を、ミトコンドリアの膜を上手く利用して、さらにたくさんのエネルギー(ATP)を増産するためのエネルギーシステム(電子伝達系)に入ります。ここで酸素を利用するので呼吸鎖とも言われます。

この電子伝達系では多くの水素イオンを生むので、酸素と結び付き最終的産物として水と、そして二酸化炭素が出現し排出されます。

酸素を使い電子をエネルギーとして利用される際に、ロスが若干生まれるわけですが、この反応として産生されるのが活性酸素です。運動にしても食事にしても、すべての身体活動において活性酸素は必ず出来ています。

しかし、そこは人間の身体は上手くできていますので、許容範囲であれば、活性酸素を殺菌作用などの生体防御機能として利用したり血管の機能を調整(血圧など)したりと、身体に必要なものとして利用するわけです。

また、エネルギーシステムの停滞や多くの電子の流入により、多量の活性酸素が産生された場合には、スカベンジャー機能(お掃除屋さん機能)を有したSODなどの物質が存在し、活性酸素をキレイに排除してくれます。

しかし、それでも追いつかない場合、例えば、ミトコンドリア内の機能は、運動不足でミトコンドリアを有効利用していない、動かしていない人は停滞しやすいと言われています。またその機能は、過剰なあらゆるストレスにも左右されますので、活性酸素が多量に存在する場合は細胞膜や遺伝子を傷つけてガン等のさまざまな病気の原因になるわけです。

この段階で、過剰な活性酸素除去に役立つのは、抗酸化物質であるビタミンCやビタミンEなのです。

 

 多様で重要な機能を持つミトコンドリア

生殖細胞づくりについては上記で述べました。

私がこのまま生き続けると体に害を及ぼすな~と核の遺伝子レベル判断されるとミトコンドリアにシグナルが送られ、ミトコンドリアからは、自分自身の細胞をアポトーシス(自然死)させるため核を切り刻むための酵素が放出されアポトーシスがスタートします。この機能が癌化等の細胞の発生、増殖を防ぎます。

ミトコンドリアの行なうエネルギー代謝には、グルコース・必須アミノ酸・必須脂肪酸・ミネラル・ビタミン・酵素・補酵素が不可欠です。これらの物質を血液によって細胞に運び、これら養分の量を制御するのは内分泌腺ホルモンでですが、このホルモンをミトコンドリア自身が産生して、血中に分泌しています。

   ・呼吸を促進、血圧を調整、酸素濃度を加減したり、
    
血糖値とミネラル濃度(カルシウムや鉄など)を制御

   ・脂肪細胞(褐色脂肪細胞など)で体温を産生

   ・筋肉細胞、脳神経細胞、骨芽細胞・造血細胞、内分泌腺細胞などの機能は、
    全てミトコンドリアのエネルギー代謝とホルモン等の特徴物質の産生に依存

   ・ホルモン以外の機能物質も、ミトコンドリア内で産出。
    脳においては、神経細胞のミトコンドリアで、ドーパー、
    ドパミン、メラニン、アドレナリン、ノルアドレナリン、セロトニン、
    アセチルコリンが産生され、代謝

   ・ステロイドホルモン30種も、副腎・性腺のミトコンドリアで産生

 

 ミトコンドリアに対する研究や考え

ミトコンドリアにおいては様々な研究が各国でされていますが、運動が卵子や精子のミトコンドリアにどう影響しているかという論文等に関しては、まだ調査不足、勉強不足で調べておりません。

しかし、活発な高齢者、不活発な高齢者と若者を比較した研究では、上記にも出てきましたSODの機能が不活発な高齢者では著しくその機能が低下していたことや、運動するとミトコンドリアにおいても新陳代謝が活発化され、機能が低下して老化したミトコンドリアは排除されて、新しいミトコンドリアが出来てくるということも分かってきています。

生殖細胞と体細胞はおおざっぱに分けて機能が違いますが、成長と新陳代謝の観点から考察すると、生殖細胞でもミトコンドリアは新生または良いものに変化するのかもしれません。それは卵子・精子の生成、成長を考えると、精子のもののほうが影響が大きいのかなと考えています。

また、元気なミトコンドリアは病気のミトコンドリアに必要な物資を調達して機能を正常にするというミトコンドリア連携説を説く研究者も存在します。

 

 まとめ

身体のあらゆる機能をエネルギーやホルモンを産生するという形でコントロールするミトコンドリア

元気なミトコンドリアを保つには運動により、そのシステムを動かすこと

ミトコンドリアではエネルギーばかりか、熱(体温)も産生されること

機能的なミトコンドリアは過剰な活性酸素を除去する能力が高いこと

運動によりミトコンドリアが活性化されると、機能が低下したミトコンドリアを助ける
 または、排除して新しいミトコンドリアを産生する

ミトコンドリアの量を増加させるためには、筋肉量を増やすことが近道

などを考えると、細胞レベルから自分の身体の健康を保つ、または、元気な身体をつくり、妊娠しやすい身体をつくるためには運動は欠かせません。運動は生活の中の一部としていくべきだと私は考えております。

そして、そのようにアドバイスさせていただいております。

 

ミトコンドリアについてみてきました。 長くなりましたので、次回は、「では、元気なミトコンドリアで、活力ある身体をつくるためには、どんな運動をしたらいいのか」ということをお話していきたいと思います。

鍼灸治療でも、疲れがとれ、身体が元気になることが多々あります。

治療後すぐに疲労感がとれる場合もありますし、継続していくことで疲労が取れやすかったり、疲労をあまり感じなくなることもあります。

鍼灸治療で身体を軽くして、運動に臨む、運動を始めるということも、運動を継続して運動効果を出すための一つの方法であるとも考えておりますので、疲れやすい、疲れがとれない身体の状態の場合は、一度、鍼灸治療を受けていただくと良いのかもしれません。

何かご質問等がございましたら、下記、治療院名をクリックしていただければ当院HPに飛びますので、いつでもどんな些細なことでもご連絡くださいませ~

長文をお読みいただき、ありがとうございました

 

    二葉鍼灸療院 田中良和

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不妊症と鍼灸治療 ~当院の治療の流れと・妊娠報告~ つづき

2014年04月22日 | 不妊症

引き続き、天使に出逢うために当院に通院されていた患者様で、めでたくご妊娠された皆様のご報告をさせていただきます。

 当院では、一般不妊治療から生殖補助医療での治療を専門クリニックで受療されている不妊症の皆様がほとんどです。また、そこまで行っていないけれども、結婚後、なかなか天使との出逢いに恵まれない御夫婦など、多くのケースの皆様が御来院されています。

 また、確かに鍼灸治療は不妊症に対して効果があるという報告も学術大会等で発表があり、また、当院でも効果を感じることは多いです。当院の鍼灸治療については前回のブログで御紹介させていただきましたので説明いたしませんが、現在の状況を少しでも改善するべく全身の調整を行います。

 鍼灸治療は魔法の治療ではありませんので、定期的に通院していただき鍼治療を行う必要があります。治療回数や治療期間は人によって違う・・・としか言えません。でも、細胞やタンパク質の新陳代謝などを考慮し、当院の師匠である黒野先生が所長を務める東洋医学研究所の研究の観点から、まずは3周期(3ヶ月)の定期的な治療を行う事で、よりよい細胞の新陳代謝を行い、それが体細胞のみならず生殖細胞になんらかの影響があるのではと考え、治療をさせていただいております。

 不妊症の患者さまに限らず、通院されている患さまが「よくなった」「うまくいった」「お蔭さまで」と言っていただけることこそ、鍼灸師としての喜びであり、この仕事の存在意義であり、私がこの世にいる価値を見出していただいていると思っております。

 特に新たな命の誕生をサポートできた時、診療中にその報告をお聞きしたときなどは、その場で「ヨッシャー」と大声で叫びたいくらい嬉しく、感動してしまいます。
 平成25年4月から平成26年3月まで19名の方から嬉しいご報告をお聞きすることができました。その皆様のご報告の概要をお伝えしたいと思います

 Aさん 39歳 主婦  ~2013年4月ご来院~ 

タイミングを7カ月、人工授精を4回行い、不妊専門クリニックへ転院され2回の体外受精。自律神経系のアンバランスを示す症状も多くみられた。自分の身体にとってよいことはやっておきたい(悔いを残したくない)ということでホームページを検索されて来院。当院での治療間隔を狭め治療回数を週2回以上として1カ月後の移植予定を目指し、子宝の環境を整える。その移植が成功し、無事妊娠された。

 Uさん 31歳 主婦  ~2012年11月ご来院~ 

顕微受精を3回(ご主人さまにも原因があるため)、多嚢胞性卵巣(PCO)気味で、排卵からの黄体化が上手くいっていなない。採卵結果もあまり良くない。卵子の質や生理周期(ホルモンバランス)の改善を目的にご来院。ほぼ週2回の鍼治療を行い、2014年1月末の顕微受精による凍結卵の移植で妊娠。この方におススメしたのは「運動」。「治療の行き帰りの歩行してると、きっといいこと起きますよ!」と。

 Oさん 35歳 自営業  ~2012年5月ご来院~ 

タイミング、人工授精それぞれ4回、不妊専門クリニックに転院し人工授精5回、体外受精1回を行うがよい結果が得られず。週2回から1回の鍼灸治療を継続。その間に専門クリニックを転院。当院へ通院され1年後、内膜のポリープを摘出。その後、移植を行ったところご妊娠。ご主人さまと自営業をされているので忙しく、ストレス多かったよう。

 Hさん 29歳 会社員  ~2013年3月ご来院~ 

タイミングを8ヶ月、人工授精を1回行いなかなか良い結果が得られなかった。人工授精の翌月、生理不順が長引き、人工授精を見送ることにした。その時に体調万全にするためにも何か方法はないかと検索し当院HPと出逢いご来院。妊娠しやすい身体づくりのため鍼灸治療を週1・2回のペースで行う。約1カ月半後、自然妊娠。妊娠後もいろいろありましたが、元気な女の子を無事出産。

 Nさん 30歳 アルバイト  ~2013年4月ご来院~ 

不妊専門クリニックでタイミング、人工授精を7回行うも良い結果が出なかった。多嚢胞性卵胞(PCO)。次回、初めて体外受精を行うので、できることは何でもやっておきたいということでHPをみてご来院。これまでも鍼灸治療を受けていたが、より不妊症に詳しい鍼灸院を探していた。4回の治療後、初めての体外受精でご妊娠。鍼灸治療の効果があったかどうかは分からないが、患者の心身の支えにはなったのではないかと思う。

 Kさん 39歳 主婦  ~2012年11月ご来院~ 

人工授精を6回行うも、いい結果が得られず、不妊専門クリニックに転院。体外受精を2回行うが結果が得られず、9月は採卵もうまくいかず、本月、生理が来たら採卵から始める予定。その後、体外受精を行う予定であるが妊娠しやすい体質をつくっておきたい。また、生理不順、腰痛、肩こり、足の冷え等の身体症状も強いので、併せて改善していきたいということで、お友達より紹介されご来院。2013年2月の体外受精-胚移植にてご妊娠。

 Mさん 32歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

ご結婚1年後より、妊娠を望み基礎体温を測り臨むが、いい結果が得られなかった。結婚前の数年は生理不順のためピルを服用し月経の調整を行っていた。当院というより、不妊症に対して鍼灸治療が効果のある場合があることを、鍼灸マッサージ師会の体験イベントで知ることとなりご来院。週1回の治療でタイミングにて3ヶ月後にご妊娠。無事出産されたという報告も受ける。

 Kさん 39歳 主婦  ~2012年11月ご来院~ 

二つ上に書かれているkさんと同一人物。心拍も聞かれ数周経過した後、心音が停止。妊娠を維持することができなかった。術後、なかなか出血が治まらないため鍼灸治療も控えていた。出血もほとんどなくなり鍼灸治療を開始(週1回ほど)。クリニックを受診すると「生理は来てないけど排卵するよ」と言われる。流産後たまにそのような事が起こるということ。で、タイミングをとったところ、2013年6月に再びご妊娠。今回は順調に育んでおられるご報告を受けました。

 Aさん 34歳 主婦  ~2012年3月ご来院~ 

タイミングがうまくいかず、体外受精へステップアップ。2回はいい結果が得られなかった。当院へ来院前の移植にて着床したが、3ヶ月で流産。当院では、週2回の鍼灸治療を約1年続けて体外受精を数回行うも結果が得られなかった。その後、患者様周辺が慌ただしくなり、また、いろんなことが大きな転機があり、一時、不妊治療期間をあける。2013年になり不妊治療を開始。鍼灸治療も開始。「いろんなことが起こった分、きっといいことも起きますよ」などと治療中にお話もしていた。2013年7月に体外受精-胚移植にてご妊娠。

 I さん 33歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

3年前にご結婚後、なかなか子供が授からず、数か月前から卵胞チェックを行い、タイミングをはかるがいい結果が得られない。当院で自然妊娠されたご友人のご紹介でご来院。月3回ほどの鍼灸治療で体調が整い、7月にご妊娠。

 Kさん 39歳 団体職員  ~2011年10月ご来院~ 

ご結婚後、産婦人科医にて子宮内膜症の治療を開始。継続的にピルを服用しながら治療を行う。チョコレート嚢腫もあり。子宮内膜症の治療の合間にタイミング療法も行うがいい結果が得られなかった。それ以上の不妊に関する治療はご夫婦の話し合いでステップアップしないということであった。当院でも、子宮内膜症の改善と不妊症も視野に入れて治療方針を立てた。2013年6月に半年間ピルにて生理を止めた後の生理の状態を3ヶ月みて、再び生理痛等、内膜症症状が強ければ再び生理を止めるということであった。その初めの月で自然妊娠。患者様の職場に行く機会があり、その時に「妊娠してました~」の報告を受ける。当院通院歴も長かっただけに感動もひとしお。当院においては、ほぼ週1回の治療を定期的に行っていた。

 Nさん 32歳 自営業  ~2011年3月ご来院~ 

第1子は当院にも通院され凍結胚移植しご妊娠。無事ご出産。専門クリニックにて凍結胚を1個保存してあったので、その移植のため2013年8月より当院へ再びご来院。週1~2回の治療を行い、9月の移植にてご妊娠。「私は鍼治療の信者だわ(^o^) 」と嬉しい言葉をいただく。

 Sさん 35歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

6年前より不妊治療を開始。途中、中断したりしたが、タイミングを数年、人工授精を8回ほど行ったがいい結果が得られなかった。不妊専門クリニックへ転院。7月か8月に体外受精を行う予定。手足の冷えがあり、身体の代謝が悪いため体質を改善したいということで当院に来て効果があった友達から聞いて来院。週1回の治療を3周期継続し、8月に凍結胚移植にてご妊娠。

 Tさん 38歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

2010年頃より不妊治療開始。タイミングを行うがいい結果が得られず、2011年専門クリニックを転院。体外受精を6回行い何度か受精するも科学流産。2か月前心拍確認手前でいい結果が得られなかった。頭痛、ストレス時の胃の痛み、心因性難聴などの症状もあり、それらの気になる症状も治療しながら妊娠を維持しやすい体質に改善できたらということでご来院。ご来院から約3ヶ月、当院へおいでになり2回目の移植にてご妊娠。ついこの間、無事、御出産の報告を受ける。ちなみに逆子の治療も行った。

 Kさん 34歳 専門職  ~2013年8月ご来院~ 

タイミングを3回、人工授精を6回行うもいい結果が得られず、2013年に専門クリニックへ転院。体外受精2回行うがいい結果が得られなかった。途中、ひどい生理痛、肩こり、頭痛、疲れやすい、足が冷える等の症状改善のため漢方薬局で相談。その漢方薬局より、肩こり、頭痛等の症状がひどく、御本人も鍼灸治療を希望されご紹介で来院。職場より車で約40分、御自宅からは1時間ほどかかる道程を週2回ペースで通院。3ヶ月後、2回目の凍結胚移植でご妊娠。

 Kさん 40歳 専門職  ~2012年11月ご来院~ 

2011年より一般産婦人科にてタイミング6回行うがいい結果が得られなかった。2012年3月に専門クリニックへ転院。卵管狭窄もあるので、体外受精-胚移植を行う。2回行い、1回は科学流産。当院ご来院時は、病院の都合もあり採卵、移植はできず人工授精を試みる月であった。治療は週1~2回ペースで行った。何度か移植するがいい結果得られなかったが、2013年7月終わりの移植にてご妊娠。バタバタとされており、11月にその時の移植で妊娠されていたとご連絡があった。

 Mさん 40歳 パート  ~2013年1月ご来院~ 

2回、自然妊娠するも流産。その他、子宮筋腫の手術4回、卵巣のう腫の手術を1回、甲状腺乳頭癌、原発性アルドステロン症、大腸腺腫等の手術を15年間に経験し、2011年より一般産婦人科にてタイミング、人工授精を各6回行うがいい結果が得られず、2012年5月より専門クリニックに転院。4回移植を行うがいい結果は得られず。現在も、子宮筋腫、子宮腺筋症があり、体質改善が急務と考えご来院。不妊症の治療もさることながら、筋腫や腫瘍ができやすい体質を改善することを目的に週1回のペースで治療を行う。4月に子宮腺筋症を手術。その後も、血流改善、新陳代謝の促進するため治療を継続。10月の移植にて妊娠反応陽性をいただく。その後、2014年6月、メールにて帝王切開で元気な女の子を無事授かったと報告を受けた。

 I さん 33歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

上記、7月にご妊娠した I さんだったが、維持できず流産。再び2ヵ月後の移植をを目指して、週1回の通院を開始。11月終わりの移植にてご妊娠。その後は順調であるご報告を受ける。

 F さん 30歳 会社員  ~2012年9月ご来院~ 

2010年より一般産婦人科にて、タイミングを行うがいい結果が得られなかった。2011年12月より専門クリニックへ転院。8月に3回目の体外受精-胚移植を行うがいい結果が得られず。手足の冷えや肩こり等、自分の体質を改善することと、血流を改善し質の良い卵子をつくるために週2回の治療を行った。1ヵ月半治療を行ってご来院されなくなったが、その月の移植にて妊娠された。2014年正月の年賀状にて、妊娠を飛び越し無事、出産されたというご報告を受けた。

 

以上、2013年に妊娠された皆様のご報告でした。

たいへん長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました

2014年は現在まで4名の皆様から嬉しいご報告を受けております。今後も進歩し続ける生殖医療の最前線も学びながら、まだ天使を授かることができないご夫婦の力となるべく診療技術を向上させていきたいと日々精進いたしております。

不妊症や逆子や悪阻など、周産期の身体症状でお悩み、お困りの方で鍼灸治療にご興味のある方や、御夫婦は一度、ご相談くださいませ。

  二葉鍼灸療院 田中良和

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