二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

2009 秋 北信越石川県大会 ~三位決定戦~

2009年09月30日 | 高校野球
9月28日(月)、決勝戦の前に、第三代表決定戦がありました。北信越大会開催県である石川県は4校が出場できるのですが、抽選などの関係で他の地区同様、第三代表決定戦が行われます。

私はもちろん治療院での仕事がありますので、結果を気にしながら仕事に精を出していたのでした。選手を信じて。

秋季 北信越高校野球石川大会 ~第三代表決定戦~

 9月28日(月) 石川県立野球場

  星稜金沢

   星 稜 12521 11
   金 沢 00000 0 (5回コールド)


結果を聞いた時はと思いましたが、投手と打線が結びつけば、今年のチームはこれだけ爆発力のある攻撃をみせることができるということでしょうね。

打線は13安打と好調で、下位からも上位からもチャンスがつくれるのが今年のチームの良いところでもあります。

投手は西川-冨田-金戸と継投し、金沢打線を3安打に抑え込みました。これで登録している全ての投手が公式戦で投げることができ、北信越大会への大きな弾みになったと思います。

北信越本大会では、自信を持って一戦一戦に臨み、自分たちの野球をやってほしいと思います。陰ながら私も全力でサポートしますよ

二葉鍼灸療院 田中良和
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2009 秋 北信越石川県大会 ~準決勝~

2009年09月30日 | 高校野球
9月27日(日)、秋季 北信越高校野球石川大会が行われました。夏のような素晴らしい天気でした。私も太陽の恵みをいっぱい浴びて健康的な色に日焼けさせてもらいました。

選手の体調も士気も上がっており、いい感じで準決勝に臨めたと思います。

秋季 北信越高校野球石川大会 ~準決勝~
  9月27日(日) 石川県立野球場

  星稜遊学館

   星 稜 100010000000 2
   遊 学 000001001001 3 (延長12回)



試合前のシートノックも動き良く、気合が入ってました。

序盤から星稜のペースで試合が運びました。しかし、あと一本が出ずに追加点を取れない状態が続きました。星稜は10安打6つの死四球、遊学館は6安打4つの死四球、星稜は12残塁ともったいない責めをしていました。全体的なチームとしての打線は上がってきています。相手の術中にはまったわけでもなく、チャンスでの打席の立ち方を少し改善すれば全く問題ないと感じました。




攻撃力はこれからも破壊力を増すでしょう。


投手陣は、(先発)西川、(9回途中から)高田、(10回から)川口と継投しました。西川は5回まで遊学打線をノーヒットにおさえていました。6回に初ヒットが出てから1点を取られたわけですが、この5回終了後グランド整備が行われての6回はゲームが動きやすい回でもありますので、この辺りの心の状態をチェックして細心の注意を払いながら大胆にいくようにすれば、こちらも問題なしです。西川は今、日に日に成長しています。北信越大会が楽しみです。高田も球のキレは良かったし、川口も万全ではありませんでしたが、それなりの投球ができていますので心配ないでしょう。川口は4番でもありますので、股関節の使い方や意識を改善すれば、さらにいい投球ができるようになり、それに伴いバッティングも本来の調子が戻ってくるでしょう。



試合に負けたことは負けたのですが、選手の表情や話を聞いていると負けた感じがしませんでした。逆に気づきがたくさんあったように思います。

確かに相手の遊学館は爆発的な力はないものの、粘り強い気持ちがあり、最後の最後まであきらめない、気を抜かないという感じは伝わってきました。この辺りは相手から学ぶべき点だと思います。しかし、今年のチーム星稜には何かはわかりませんが、まだ秘めた力があるように感じるのです。皆の調子が万全になることはないかもしれませんが、今回の石川大会で活躍できなかった選手が台頭してきたときに、どんなチーム力になるか楽しみでもあるのです。

この試合の後も何人かの選手のケアを行いました。私のケアがどれだけ選手の力の発揮に役だっているかという確証はありませんが、早めに疲労や炎症をとることにより、必ず翌日の試合に再びベターなコンディションで臨むことができると自信をもって治療を行っています。選手一人一人、体力や能力もちがうし、試合がいつかによっても刺激の強さが微妙に違うので、選手のコンディショニングを行うのは難しいです。が、難しいからやり甲斐もあるというものですね

とにかく体を任せられたら、自分の能力をフルに発揮して全力を尽くすのみです。そんな点は選手と同じなんでしょうね。

さてさて、28日(月)は北信越大会出場の第三代表決定戦です。相手は金沢高校です。一試合一試合、心をこめて高い所を目指し戦ってほしいと思います 


バックネット裏から星稜応援席を観ると満員です。遊学館側も同様。両校を応援するファンや、高校野球ファンで溢れていました

二葉鍼灸療院 田中良和
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2009 秋 北信越石川県大会 ~準々決勝~

2009年09月29日 | 高校野球
8月26日(土)、秋季 北信越高校野球石川大会の準々決勝が行われました。残念ながら仕事で観戦はできませんでした。

秋季 北信越高校野球石川大会 ~準々決勝~
 9月26日(土) 石川県立野球場

  星稜金沢市立工業

   金市工 000000010 1
   星 稜 21010020X 6
    (星稜 2季ぶり47回目の北信越大会出場)


今年は北信越大会が石川県開催のため、石川県からは4校出場します。星稜とともに石川県からは、金沢、遊学館、日本航空石川がそれぞれ出場を決めました。

27日(日)は準決勝で遊学館高校と対決します。一戦一戦、自分たちの力を出すのみです。今年の星稜野球をやれば必ず北信越大会で頂点に立てると感じています

がんばれ星稜

二葉鍼灸療院 田中良和
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人の能力・可能性

2009年09月29日 | 言葉のちから 心のちから
人間は父と母の遺伝子を半分ずつもらい、ほんの少しの遺伝子の違いが個性を表現することになるようです。身体の約60兆の細胞に秘めるほんの少しの遺伝子の違いが個性(能力)であるなら、99%以上を占める大部分の共通する部分はどう考えるのでしょうか。

≪人間の心に何かの観念が出ると、その観念の型とおりに宇宙根元から微妙な力が働き出し、その観念の型が良ければ良いように、悪ければ悪いように-わかりやすく言えば-思い方や考え方が積極的であれば、積極的なものができ、消極的なら消極的なものができる。そのように真理ができている。人間の境遇だとか、その人の現在に同情するということはないのである。峻厳侵すべからずである。≫

『中村天風 一日一話』  中村天風財団 編

≪自信を喪失してはいけません。人間には皆、同じ能力が備わっています。「私は価値のない人間だ」と考えるのは、間違っています。全くの誤りです。自己を欺いているのです。私たちは、誰でも考える力が備わっています。これ以上、何が欠けているというのでしょうか。意志の力があれば、何でもできるのです。しかし、自信を失い、「私のような者に一体何ができるのか」と思うなら、成功への道は閉ざされてしまいます。≫

『ゆるす言葉』  ダライ・ラマ14世 著


人には、個人のおかれている環境や立場に関係なく、人生は、常に自分の能力を活かせる場なのだと思います。自分にとって、いいことがたくさん起きている時であっても、苦しい立場、辛い状況など逆境におかれている時にでも、少し視点を変えたり、いい出会いがあったりすることで、自分の眠っている能力が湧いてきて、今の状況をよりいい方向へ向ける力が、人の内側には無限に存在するのだと思います。

その無限の能力(パワー)を引き出す「扉」が心の在り方なのでしょう。心が消極的であれば「扉」は閉まった状態で、前へ進むパワーが遮断されてしまいます。心が積極的であれば「扉」常に開いた状態となり、内なるパワーが湧きだしてきて、人生において多くの可能性が展開されるのだと思います。

心とはどこにあるのか分かりませんが、”自分にある”ことは確かです。その心の在り方しだいで、人生はどうとでもなるということですね

家や家族など境遇や、体やお金や形あり与えられるものは、それぞれ皆ちがっていて平等ではありませんが、心は皆、自由であり平等なものであると思います。人と同じだけの能力や可能性をそれぞれが持っているということなのだと思いますね

では、今日も半日、楽しくいきましょう 

二葉鍼灸療院 田中良和
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2009 秋 北信越石川県大会 ~3回戦~

2009年09月26日 | 高校野球
8月23日(日)、秋季北信越高校野球大会石川大会の3回戦が行われました。私は試合前の星稜野球場での練習時から帯同し、選手の動きを観させて頂きました。

秋季 北信越大会 石川県大会 ~3回戦~
 
 星稜桜丘  石川県立野球場

  桜 丘 0000010 1
  星 稜 051020X 8 (7回コールド)


今年は何と言っても投手が揃っています。この試合は西川(6回)-川口(1回)の継投でした。西川は、まだまだ荒削りなところはありますが球威、変化球のキレともに上々の出来でした。試合前から体調がよく体が軽いと言っていましたので期待していた通りとなりました。川口はバッティングの調子そのままで、やや体に力が入っていますが、慣れてくれば何も心配することはないでしょう。


好調、西川投手


個性的な投手陣をリードする村田捕手

打撃はまだまだ細かいところや、チャンスでのもう一本など課題が残りますが、積極的に甘い球を強くはたいています。打球の音がいい音なんですよね。これはボールをしっかりつぶしているということなんでしょう。打順や状況によりそれぞれがしっかりその場の仕事をこなしています。打席に入る姿が実物より大きく見える選手が多いと観ていて感じます。調子がいい証拠ですね。



もうすぐ絶好調 打撃陣


応援もなかなかいい声が出ていましたね

皆の力で一歩一歩、一所懸命に山を登っていきましょう

体調管理はしっかりやらせて頂きますから、全力を出し切ってよ

二葉鍼灸療院 田中良和
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2009 秋 北信越石川県大会&練習

2009年09月26日 | 高校野球
シルバーウィーク真っただ中、21日、22日と星稜の練習を観に行きました。

今年の春の選抜甲子園大会の選考となる北信越大会の石川県大会が18日から開幕しました。星稜はシードでしたので2回戦から登場し、20日(日)に2回戦が行われました。

秋季北信越大会 石川県大会 ~2回戦~

 星稜加賀  弁慶スタジアム(小松末広野球場)

  加 賀 00000 0
  星 稜 5104X 10 (5回コールド)


上記試合は観にいけませんでしたが、試合は5回コールドでした。が、それぞれ課題が多かった試合だったようです。今年のチームは各人が目的意識が高いので試合を経るにつれ強くなっていくのではないかと思います。

練習も声が出ており、たいへん活気があり盛り上がっていると感じました。体調の面でも大きい障害のある選手なく大会に入ることができました。

投手も調子よし 打撃もここ数年ではないくらいバットがよく振れていると思います。練習でも本当に意識してライナー、速い打球を心がけてバッティングしている姿は頼もしく思いますし、今年はこれが一人二人ではなくすべての選手が同じ価値観で練習に取り組んでいると感じるのです。


心を一つに頂点を目指して


星稜野球は全員野球チームの中でひょうきんな空気を醸し出すヤス

レギュラーの周囲を固める選手たちもよく動きます。声も出します。この心の結束を日々強めていければ今のチームであれば、どんな相手でも怖くないのではないかと思いますね。

練習終了後は21日、22日両日ともレギュラーの選手を数名、治療院にてケアを行いました。心と体の両面を考慮して治療しましたよ23日の試合には力を発揮してくれることを願い、自信をもって治療院から送り出したのでした

甲子園だ 星稜の選手たち 

二葉鍼灸療院 田中良和
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二葉清友会 創立48周年記念祝賀会 参加

2009年09月25日 | 日常
8月20日(日)、名古屋の東洋医学研究所において、二葉清友会 創立48周年記念祝賀会が開催されましたので参加しました。

名古屋はまだ夏のように暑かった

二葉清友会は黒野先生が中心になって行われている会です。鍼灸医学とは別に、鍼灸師に必要な人間性(心)を勉強する会です。心身一如と言うように、鍼をうつのもお灸をすえるのも人間が行うものであり、心が動かし行うものである。その心の動きは鍼灸診療を行う際にも必要不可欠な要素であり、鍼灸診療とは一体となるものであるということで、その勉強を48年も継続して行っています。

黒野先生のお話も聴け、仲間ともいろいろな情報交換や楽しい話ができ、有意義な時間を過ごさせて頂きました。今回は祝賀会がメインでしたから私も少~し、はじけさせて頂いたのでした~

また毎月、東洋医学研究所では囲碁の会があり、A・B・Cと3クラスに分かれて行われるのですが、今回はそれにも参加しました。私はBクラスで、最近はなかなか囲碁を行う機会もなかったので、気分をリフレッシュ、脳をリフレッシュさせる意味でも楽しんできました。

囲碁は本当に奥が深いです。白と黒の碁石で陣地の取り合いを限られた盤面上で行うのですが、その打ち方もいろいろな方法があり、白と黒(陽と陰)しかない中で本当に生き物のように状況によって変化するんですよね。
”囲碁は人生の縮図”と言われているのも納得できるというものです。その場その場の心の状態や、打つ人の考え方や視点、思考などが盤面上に反映される感じです。全体を眺め局所を考える、まるで鍼灸診療のようですよね~

B・Cクラスは、Aクラスとは違う部屋で行います。本日は、黒野先生が懇意にされている日本棋院中部支部総本部に所属されているプロの棋士、酒井義允七段がお見えになっていました(二葉清友会の参与でもあり、お忙しい中、祝賀会にも参加されました)。私たちの囲碁を打っている部屋までお見えになりました。そして、な・な・な・なんと、ひょんなことから私が一局ご指導いただけることになりました。

いや~緊張しましたね 以前からお顔は拝見したり、お話はしたことはありましたが囲碁のご指導は初めてでしたからね~。プロですからね、緊張しないほうがおかしいですよね 脳をフル回転させ全力を尽くした結果、さらに囲碁の楽しさを理解できた感じでした。ありがとうございます

祝賀会は午後5時から7時まで行われ、そして、慌ただしく8時の最終”特急しらさぎ”に乗って帰ってきたのでした。発車してスイマ~がやってきて気づいたら金沢でしたね
朝から慌ただしかったですが素敵な時間を過ごさせて頂きました~

二葉鍼灸療院 田中良和
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石川県鍼灸師会 月例勉強会 参加

2009年09月25日 | 鍼灸
8月19日(土)、午後8時半から11時過ぎまで、石川県鍼灸師会の月例勉強会に参加しました。今回が初参加です。翌20日には始発で名古屋に行かなければいけないので「間に合うように起きれるかな~」と心配でしたが…

なかなか土曜日の午後はスケジュールが詰まっていて時間がとれなかったのです。本日、勉強会で発表される中村先生は若手で活動的な先生です。その先生が日本鍼灸師会の全国大会で発表されるということなので、時間的に(睡眠的に)きつかったのですが参加したしだいなので~す。

◎内 容
 症例報告;鍼治療と生活指導により奏効した
          上腕二頭筋長頭腱炎の症例 
                中村智彦 先生

55歳の女性。初診日の3か月前くらいから右肩関節前面の痛みが発症。ちょうどその頃から介護の仕事を始めた。肩を横に挙げる、衣服の着脱時の痛み、結帯・結髪動作での痛み、寝返りをうつと痛くて目が覚めるなどの症状を訴えて来院した。徒手検査、局所の熱感、腫脹、発赤、症状と除外診察を行い、上腕二頭筋長頭腱炎と推測し治療を行った。仕事の都合で月2回ほどしか治療はできなかったが(鍼治療以外は何もしていない)、その場面に応じた生活指導も効を奏したのか3か月後にはほぼ痛みは消失した。という症例報告でした。

上腕二頭筋長頭腱炎などは広義には五十肩(診断名、病名ではありません)に含まれ、それら肩の痛みに悩まされている一般の人は多く存在します。その意味でもありふれた症候を勉強しておくことも大切です。

今回の発表に関しては、本当に鍼治療が効いたのか、生活指導では場面に応じて対応しなければいけないのでは、など多量に質問させて頂きました。厳しい言い方をすれば、全国大会で今のままで発表するには、まだまだだと思いました。これでいいというなら日本鍼灸師会の全国大会自体のレベルが心配されるというものです(私は参加したことありませんが…)。視点を変え、書き方を変え、誰が見ても分かりやすいように、何をどうしてどうなったらこうなって、私はこう考えるというようなストーリーで症例を把握していかなければいけないんじゃないかなと思ったのでした。そんなことを自分の臨床に照らし合わせ、きっちりやっていかんとな~と心を引き締めるいい機会にもなったと感じましたね。


どんなところでも日々勉強ですよね
自分に何かを吸収しようと思えば、そのチャンスはどこにでも転がっているんだと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年9月 酔耀会(勉強会)

2009年09月22日 | 酔耀会(すいようかい)
9月16日(水)午後8時半より、今月も石川県の若手の鍼灸マッサージ師が集まる勉強会(酔耀会)が開催されましたので参加し、勉強してきました。

やはり終了は時計の針が午前1時近くを指していました。 本当に皆さん情熱あふれる臨床家、治療家だと思います。治療方法や治療に対する考え方は違うけど、患者様が元気で笑顔に健康な人生を歩んでほしいという強い意思がある仲間が近くにいて集まり勉強できるということは本当に幸せだと思いますね。

≪内 容≫

◎鍼通電とトリガーポイント療法が有効だった
 腰下肢痛の症例
 ~豊島先生~ 
29歳 男性の患者。腰部痛と右下肢痛としびれ感を主訴に来院されました。この患者に対し下行性疼痛抑制系の賦活と腰臀部を中心として形成されたトリガーポイントの不活性化を目的に治療を行ったところ3か月ほどで痛みがほとんど軽減されたという症例報告でした。また治療方針の参考として”線維筋痛症に対する鍼灸治療”という文献も参考にしたということで”線維筋痛症”についても発表がありました。患者が神経質であり睡眠障害や自律神経症状、不定愁訴などを有していたためこの疾患も念頭においていたということでした。鍼灸の臨床現場に意外に潜んでいるのではないかと思われる線維筋痛症を再度勉強できて参考になりました。

◎湯本求眞 記念学術講演会 参加報告
 ~宮川先生~
平成21年9月13日(日)に兼六園広阪休憩館で開催された上記講演会の参加報告をして頂きました。教育講演は漢方のものであり、その内容についての報告。鍼灸に関しては、森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科の山下 仁 先生が『国際的視野から見た鍼の臨床と研究の現状』ということで特別講演が行われた報告でした。これは、私の報告と類似性があったのですが、世界の鍼灸を含めた統合医療の動きは大きな流れで動いており、日本はそれに対応していかなければならないというものだったと思います。世界に広がる鍼灸診療は中医学が主ですが、そんな中やはり統合医療を束ねていく機関が日本にも必要であるということでした。鍼灸師はこの流れを知って、自覚して行動しないと何もやらない人は必ず時代の流れに置いていかれるなと感じました。

◎(社)生体調整機構制御学会 学術集会 報告
 ~田中良和~
私のブログにて紹介してある、上記、学術集会の参加報告をさせて頂きました。「鍼灸師はこれでいいのか」「鍼灸マッサージの未来はどうあるべきか」「鍼灸の業団のスタンス、学術団体や教育機関のスタンスはこれでいいのか」など、宮川先生の報告と相俟って様々な議論がされました。仲間でこのような議論ができることは嬉しいことであり、皆の意識も高まるというものです。鍼灸業界が早く”おらが大将”をやめて自分の立場や状況に気づいて行動していけるようにしないとね。


ベーコンの言葉に「知識は、ものを売って金もうけするための店舗ではなく、人間を救済するための豊かな倉庫である」というものがあります。

私たちの仕事はいつまでも勉強です。そして、知識を得ることは患者様が豊かになり病気が治るために必要なものであり、患者様が健康になればそれが即ち自分の喜びであり、自分の心を豊かにします。お金はその後についてくるものであり、それはまた自分を高めるために道具として使われるのです(お金は目的ではなく道具なのです)。
世の中すべて循環しているんですよね

本当に、勉強できる場があるということは有り難いことなんです~。

二葉鍼灸療院 田中良和
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星稜 練習試合(対 美方高校)

2009年09月22日 | 高校野球
9月13日(日)、日曜祭日でも予定が目白押しのためなかなか観にいけなかったのですが、久しぶりに練習試合を観戦してきました。

来春の選抜甲子園大会につながる北信越大会石川県予選を今週金曜日に控えての最後の練習試合でした。

練習試合(星稜高校野球場)

 星稜美方高校(福井)


今年のチームのいいところは、「今日は何を目標に試合に臨むか」と質問するとパッと返ってくるところですかね。それだけ選手がしっかりと目標を持ち、モチベーションを高めて野球に取り組んでいるということです。

本当にいいことです。



また、今年はホームランを常に打つような大砲がいません。野手の間を抜くバッティングで繋げていくのが今年のチームカラーでしょう。相手としては何かジワジワ~とプレッシャーがかかっていくといった感じですから、こんなチームの方が戦いにくいのかもしれません。

そして投手が充実しています。ここ最近のチームにはみられないほど計算できる投手、様々な場面に対応できる投手が多いのも特徴でしょう。



今日の試合も投打がしっかり絡み合い、集中力のあるいい試合でした。でも課題も多くあります。細かな所をしっかりチェックし、本大会までに練習を積んでいけば非常にいいチームが出来上がるんではないかと思っています。


最後は野球をさせて頂けるグランドに感謝して整備します

私の治療院ではスポーツ障害に限らず様々な患者様にご来院いただいています。本当に忙しくさせて頂いております。その中で、星稜の選手のケアも選手に負けないくらいに集中して全力でサポートして行こう と、気合が入っているのでした。

日々課題を持って、私も診療能力向上に向け自己研鑽していかないと、選手はじめ患者様に申し訳ないなと思う今日この頃です。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第27回 (社)生体調整機構制御学会へ参加 ③‐2

2009年09月22日 | 鍼灸
(社)生体調整機構制御学会学術集会、シンポジウム報告の続きです

わが国の統合医療に関する取り組みについての紹介がありました。
文部科学省が行っている、世界最高水準の国際競争力ある大学づくりを目指す取り組みとして、国公立大学の優れた研究教育拠点に重点支援を行うという”21世紀COEプログラム”という私は恥ずかしながら初めて聞く言葉でした。その274拠点の中の統合医療に関するプログラムの情報を教えて頂き、数億、数千万単位で漢方を中心とした東洋医学の研究に資金が援助されているということを知りました。
また、厚生労働省でも、統合医療の安全性、がん治療と統合医療、循環器疾患に対する根拠に基ずく鍼治療、進行胃癌や頭頸部癌に対する漢方治療、高齢者に対する取り組みなどの大学での研究に対して数億単位で資金が拠出されていることを知りました。
そして、東北大学などが中心となり、西洋医学と同じ評価法では判定しづらい東洋医学に関する評価法の研究や、東洋医学的診断法である「証」についても研究されているということも知りました。

このことは、「へ~そんな取り組みがあるんだ~」で終わってしまえばそれまでの話ですが、国あるいは医師や科学者は鍼灸、漢方を統合医療の一つとして研究し評価しようとしているということです。そこには鍼灸医学は関係ありますが、鍼灸師は関係ないということです。私たちが仕事ができないということではなしに、チーム医療としての一員として鍼灸師が入っていけないということになる恐れが十分にあるということを感じました。いや、そのような大きな流れがあるということでしょう。私たちは自覚し、日々研鑽していかないと行政に対して鍼灸師に関する要求をするにしても、何を言っても相手にされなくなるんではないかなと思いました。鍼灸師全体が自覚し行動していないのですから…

このような緒言の後に各研究班からの報告があり、日々の臨床の変化や現象をつぶさに観察し記録し、自分のやれるところから法則性を見出していくことが大切であるということを感じました。


司会の黒野先生からは、結びとして以下のようなことでまとめがありました。

☆一般社団法人 生体調整機構制御学会
 ~鍼灸診療の定義~
 人の体を伝統的診断及び近代医学的診察をし、鍼及び灸を用いて行う医術により、人の健康維持と病める患者を治すことを鍼灸診療という。

☆臨床鍼灸の理念
 ・鍼灸診療の現場で得られる現象に気づくこと
 ・鍼灸診療の現場の現象を詳細に観察すること
 ・観察に際して科学の目で法則性を見つけること
 ・全ての現象を統計学により整理すること

☆鍼灸診療を行う心得(以下のスライド)



鍼灸師や鍼灸業界の医療の中でおかれている立場や状況は厳しいものだと把握できただけでも、明日からの診療や勉強に役立つお話でした。鍼灸業界や自分の仕事について広い視野でものごとを見つめることが必要だと思いました。

そういう自覚を持ち、自分が「今」何をしていかなければいけないか、それぞれ鍼灸師自身、環境や状況、立場が違いますので一概には言えませんが、視野と志だけは広く高く持って日々の臨床に、あるいは人生設計に励んでいきたいなと、さらに情熱が湧いてくるお話であったと思います。

暑い、暑い名古屋での一日でしたが、たいへん貴重な勉強になったと思いました。また、本学会代表理事であり、師匠である黒野先生が80歳を迎えこのような学会を設立された姿に感動し、”鍼灸医学(患者)に対し継続し探究し続ける情熱と信念”が道を貫く時には必要欠くべからざる条件だ ということも心から思いました。本当にいい学会だったと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第27回 (社)生体調整機構制御学会へ参加 ③‐1

2009年09月15日 | 鍼灸
今回のシンポジウムは「医療の水際での鍼灸診療-鍼灸院来院患者に対する実態調査-」ということで、(社)生体調整機構制御学会の8研究班の中の、不定愁訴班・情報評価班・生体防御免疫疾患班・生活習慣病班の各班に鍼灸院における実態調査についてお話がありました。

冒頭、司会を務める本会代表理事である黒野保三 先生がこのシンポジウムを設けた理由を話されました。この話を聴けただけでも、交通費と参加費を払って参加したかいがあったと感じました。先生は緒言と結びをされたわけですが、これだけでも教育講演に匹敵するくらいの内容だったと思います。

私が題名をつけるなら「鍼灸師がおかれている立場、それをとりまく環境」ですかね。

わが国の先端医療、ゲノムの解明など遺伝子レベルで、生体防御機構免疫学、脳科学、再生医科学、医療工学など目覚ましい進歩をとげ発展し続けており、ゆるぎない方向へ進んでいます。しかし、医療行政や水際医療では先端医療と比例するようにはなっておらず、医師不足等の問題により閉鎖を余儀なくなれている医療機関が増加しています。

この問題に対し医療行政は、医師とともに、看護師、歯科医師、獣医師などともに協力して医療を行おうという機運が高まってきており、新たに診療看護師という立場をつくるような動きもあります。

鍼灸師は、国が医療教育機関として認めた鍼灸大学または専門学校で3・4年間、医学教育、専門教育を受け、国家試験を行い、合格者には開業権が与えられ、保険診療も認められています。このような立場にある鍼灸師こそ、水際医療や地域医療においてチーム医療として協力していくべきであると提言されていました。

しかし日本の医学・医学会の実情では鍼灸師は軽視され、チーム医療に入れない方向に進んでいます。日本心療内科学会の職種分類が示され、鍼灸師は分類にも入っていないということでした。また、日本統合医療学会(IMJ)の認定対象者というものも示され、鍼灸師は認定師としての対象となっていますが、”ただし”(社)全日本鍼灸学会の認定鍼灸師であるこという条件が付されているということです(ちなみに、あん摩・マッサージ・指圧師の条件は(財)東洋療法研修試験財団の生涯研修終了証を受けたもの)。同じ認定師でも鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師にだけ条件が付されているというところを皆様考えてほしいとのことでした。一定の研修を受け常に向上心を持ち自己研鑽を行っているということを形で表していかないと医療としては認められないということでしょう。

また、統合医療学会は、医師や医学者が中心となって西洋医学が中心となって、かつ、伝統医療などの代替医療の利点を生かし、評価方法を検討し、科学的根拠を見出して「国民のための医療の道」、テーラーメード医療を構築しようと2000年の創設から活動している学会です。もし、統合医療がある程度かたちになり、鍼灸師が医療に入れる条件として様々な要求がなされた場合、それに対応できる学問、技術を兼ね揃えた鍼灸師が何人いるのでしょうか。自分の胸にも手を当て考えると、先の先のことを考えれば「今」からやっておかないと遅いなと危機感を感じたのでした。

東洋医学教育に関しては、欧米やオーストラリアや中国、韓国では鍼灸治療はすべて医師あるいはそれに準ずるレベルのものが行うことになっています。中国や韓国では、中医学専門の大学で学び、難関な試験に合格してはじめて資格が与えられます。この資格の社会での信頼は高く、尊敬される職業の一つとなっているということでした。
日本ではWHOより東洋医学教育のレベル向上を要求されていましたが、大学医学部で2単位以上の東洋医学教育を組み込むことを法制化したことにより、厚生労働省、文部科学省ともに一応の結論付けをしようとしています。しかし、鍼灸師養成教育機関での教育、あるいは卒後教育の高度化は行おうとしていません。というお話もありました。
また、1998年に厚生労働省が、経営の不安定化や質の低下を懸念して、新設の専門学校の申請を認めなかった問題の裁判が福岡地裁で行われ、その厚生労働省の対応を取り消す判決が出てから14校であった学校が96校(2009年4月調べ)に増設され、教師の質の低下、卒業後の鍼灸師の格差が問題となっているとのことでした。

鍼灸診療は本来、中医学がうたっている全科の症状に対する能力があるにもかかわらず、多くは五十肩や腰痛など整形外科領域の範疇にとどまっているのが鍼灸界の現状であるということも話がありました。全世界に拡がりつつある鍼灸診療において日本の行政、日本の鍼灸師は遅れをとっていることを認識すべきであることも強調されていました。自分さえよければそれでいい、という考えは捨てないと鍼灸師が行う鍼灸診療の未来は…なんでしょうね。これは患者様を診るときにも繋がってくる考え方だと思います。一人一人が鍼灸診療の未来をつくっていく原動力であり、逆に言うと厳しい言い方かもしれませんが足手まといになるのかもしれません。それだけ世の中(医療、経済、社会)大きな流れで常に変化しているということですね。

東北大学医学部や他の大学の医学部でも東洋医学教育が組み込まれています。漢方中心ですが鍼灸も入っています。統合医療の一部として鍼灸が医療に組み込まれた時に、鍼灸医療は統合医学の中で活きていくが、鍼灸師がその中でチーム医療を担って活きていくことができるか考えておくことも必要でしょう。あり得ない話でもないと思います。

統合医療に関して世界で起こっていることということで、①伝統医学や鍼灸、マッサージなど患者中心の医療である統合医療が注目されてる ②統合医療を利用する市民が世界に拡がっている ③各国政府が統合医療を推進している ④治療から予防・健康の医療へ変換している ⑤新しい健康産業を育成している ということでした。
各国政府が行っていることとして、①大学や病院に統合医療学科や部門を開設し、教育、研修、臨床を支援している ②国立および州立の統合医療センターを開設している ③統合医療を軸とした健康産業を育成し、健康都市を開発している ということでした。
それを受け、わが国が行うべきこととして、①統合医療の実態を調査する調査委員会の設立 ②調査研究費の支援 ③統合医療センターを開設 ④大学、病院に統合医療学科、あるいは部門の開設 などでした。

このような状況では、やはりおのおの鍼灸師としてのレベルを高め、常に向上心を持ち臨床に(患者様に)向かわなければいけないな~と心が引き締まる思いでした。


司会の黒野保三 先生


シンポジストの先生方

内容が豊富でもう少し書いておきたいのですが、長文になりましたので、さらにさらに、その4へ続くので、お付き合いお願いしま~す。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第27回 (社)生体調整機構制御学会へ参加 ②

2009年09月14日 | 鍼灸
特別講演では、青木先生が「生活習慣の変化と疾病構造-明治・大正・昭和の軌跡」ということで、時代における国民生活ことに食生活と栄養摂取の変化を中心に話して頂き、”今、なぜ生活習慣病なるものが世の中に蔓延しているのか”という事柄に関して、事実と疫学的一考察から論じて頂きました。

また、江戸時代に関して最近、様々なことが分かってきており、鎖国をしていた関係上、日本本来の生活を色濃く残した文化であったようです。そこまで戻れとは言いませんが(無理でしょうね)、循環型社会であった江戸時代をもう一度見つめる時代に来ているのかもしれません。

要は、政治、経済、社会、産業組織が大きく変わり、労働形態、生活水準も変化、人口なども急増すれば、生活様式や習慣が激変していくことも当然であろうと思われます。さらに、黒船襲来から明治維新により、西洋文明が雪崩のように入ってきて、日清・日露戦争、大東亜戦争を経験することで大きな流れとしては国民生活を大きく激変せざるを得なかったとお話の中で感じました。

☆生活習慣病になる図式は(先生の話を聴き私なりに)…
過去→現代(食)
 伝統食(低蛋白・低脂肪・穀物野菜中心食 素食 粗食)
  ↓     
 現代食(高蛋白・高脂肪食 加工食品〈大量の添加物〉 大量消費〈満腹〉)

過去→現代(運動)
 交通手段の限定(ほとんど歩行での生活 たまに公共交通機関使用 生活の中に運動があり 労働量、運動量は自然に増加) 
  ↓
 交通網、インフラの整備、交通手段の増加・普及(自家用車などでほとんど移動 日常生活でも電化製品の普及・機能向上、生活の中で体を動かす機会がほとんどなくなる 体を使う労働量、運動量の大幅減少)

大東亜戦争前:低蛋白・低脂肪食中心+それに比較し運動量が多い
       =感染症や栄養失調になることが多く、体をつくる
        原料である蛋白質摂取が少なかったため短命。
戦後:高蛋白・高脂肪食中心+それに比較し運動量が大幅に少ない。
       =脂肪が蓄積されやすく、血液の中の糖分が上手く
        利用されず、血液に脂肪や糖質が多く存在するよ
        うになり、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活
        習慣病が多くなる。蛋白質は十分とれているので
        バランスを取れた生活をしてきた人は長命。

いろんなお話を聴けましたが、簡単~に私が要約するとこんなところでしょうか。運動、栄養、休養(睡眠)、心の在り方(ストレス)など生活習慣を改善するだけで病気というものは少なくなってくるのですよ~
戦前の食生活や運動を見習いつつ、現代の食や生活の利点を加えて、日本人の生活習慣を見直すことこそ病気にならない体をつくることであり、それは人任せではなく、各個人が意識して行わなければ解決できないということでした。



特別講演の青木國雄 先生

教育講演では、野口先生の「鍼灸をめぐるエビデンス」ということでお話をして頂きました。

EBMとは、創始者Sackettによると「入手困難な範囲で最も信頼できる根拠を把握したうえで、個々の患者に特有の臨床状況と患者の価値観を考慮した医療を行うための一連の行動指針」と定義されています。わかりやすく言葉を補うと「臨床研究などで科学的に効果が確認された治療法を、医師の経験や技量、利用可能な設備や時間などの制限を鑑みて、さらには患者さん固有の事情や意思も尊重して、総合的に判断して選択しよう」という意味の動きです。

巷の医療はもとより民間療法には「この病気はすべて治る!」「必ず治る!」「この治療法でこんなに良くなる!」と言ったような宣伝文句を出しているものがたくさん見られます。このようなもので効果が非常に高いものは少なく、どこどこ大学の誰々の研究により…あたかもエビデンスがあるように似非理論武装したものが巷に溢れているということでした。これは”認識力の歪み”が及ぼすものだというお話でした。

”人は経験から法則性を見出す能力がある”のは紛れもない事実であり、人の観察力や認識力には計り知れない可能性があると同時に、今の自分の能力としては観察力や認識力の限界があるのも事実です。そのような時に限りなく客観的に、科学的効果が確認された、信頼できるデータを基準とするEBMという考え方は、観察を重ねて法則性を見出すという患者診療本来の考え方と本質的に同じであるということです。鍼灸師がこれを取り入れ診療を行うということは効果を自己判断しがちな鍼灸師にとって大切なことでもあるでしょう。

治療効果に関しての判断に際しては、上記のような触れ込みを見てもわかるように、治療者が陥りやすい歪みのワナがあるとのことです。治療に来院されたら”何もしないよりは何かしたほうがよいと感じる使命感、患者のためになるとの思いから発する治療への期待感などなど、認知を歪める心的機制となりやすい要素が多くあるようです。
このような治療者が陥りやすい認知の歪みを先生の奥様が体験した腰痛を題材にわかりやすく説明して頂きました。そこに出てきたのが、”認知を歪ませるもの”として①バイアス②非特異的効果③偶然④インチキがあるとのことでした。④のインチキは現代の市場経済主義や利益追求など金銭欲が生み出す医療ではあってはならないものですから問題外ですが(理解しておかなければいけないことでもありますが…意外に多いのですよ世の中…)、私は特に②非特異的効果が勉強になりました。
②としては●プラセボ効果●ホーソン効果(ヒトは見られていると意識すると行動が変化する)●同時治療を行っている場合●自然経過として治っている●偶然、などがあり、どれも気をつけて患者さんに対応しないといけないと思いましたが、特に「自然経過」に関しては”本当に鍼治療の効果なのか”客観的にみる姿勢が常に必要だと認識させて頂きました。

その他、メモし忘れましたが、心理学の分野だったと思いますが”PECO”という考え方があり、それぞれ英語の頭文字をとっているのでしたが…P:どんな患者に E:何をすると C:何と比較して O:どうなるのか という当たり前と言えば当たり前なことを言っているのですが、鍼灸治療の効果を考える時はいろんな視点からみないといかんな~と思いました。
教育講演も有意義な時間でございました~



教育講演の野口善令 先生

一般口演でも、アレルギー性鼻炎、花粉症、腰痛、最新の心拍変動解析を用いて鍼治療を行い自律神経反応の評価を行う(数式がたくさん出てきて、イマイチ理解できませんでしたということは勉強不足ですね)など4題の発表があり、どれも治療と指標があり、効果が云々もさることながら、明確に理解しやすい発表であったと思いました。
私も3題に対して質問させて頂きました~って金沢から3時間かけてきたわけですから収穫して、患者さんに還元していかないといけませんしね

こちらも有意義な時間でした

すごく長くなったので、本学会で一番収穫のあったシンポジウムについては、その③でご紹介しますね。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第27回 (社)生体調整機構制御学会へ参加 ①

2009年09月12日 | 鍼灸
9月6日(日)に開催された、(社)生体調整機構制御学会へ参加しました。金沢5時発のしらさぎ→新幹線ひかり、にて名古屋に行ってきたのでした。実は、12時半までバタバタ雑務をして寝ましたので、ギリギリに目が覚めたのでした…遅れるところだった

☆(社)生体調整機構制御学会 第27回学術大会
日 時:平成21年9月6日(日) 午前9時30分~午後5時
場 所:名古屋市立大学医学部講堂
主 催:(社)生体調整機構制御学会
内 容:
 特別講演 「生活習慣の変化と疾病構造」
      青木國雄 先生  名古屋大学名誉教授
               愛知県がんセンター名誉総長

 教育講演 「鍼灸をめぐるエビデンス」
      野口善令 先生  名古屋第二赤十字病院
                   救急・総合内科部長

 シンポジウム 「医療の水際での鍼灸診療」
      (社)生体調整機構制御学会 各研究班による
        不定愁訴班・情報評価班・生活習慣病班
        生体防御免疫疾患班

 一般口演 「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の一症例」
      「アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の検討(第4報)
      -スギ花粉飛散時期における鍼治療効果の検討-」
      「腰痛に対する鍼治療の検討(10)
       -RDQを指標とした多施設での検討-」
      「心拍変動解析による鍼治療に対する自律神経反応
       の評価」



本日の名古屋は暑い暑い。夏真っ盛りといった天気でした。看板をみつけ会場に入ると熱気ムンムン、会場も参加者が多いためか冷房があまり効いていないような~そんな感じでした。


開会式での実行委員の先生と司会の皆川先生の様子でございま~す。


学術集会は内容も、大会の在り方も、これくらいでなくてはいけないでしょうね。単なる研修会、勉強会であってはいけないのでしょう。ただただ予算を削ればいいというものではないのだと、そういう面でも勉強になりました。んん~やはりさすがという言葉しか出てきません。


開会式にてご挨拶される、本学会の代表理事であります黒野保三 先生です。この学会が創設された経緯、私たち鍼灸師が医療界に置かれている立場などに言及され、この学会を資質向上のために活かし、意識を持って日々の臨床研究に取り組んで頂きたいというお話でした。


学会開会前の様子です。始まった頃にはこの席がだいたい埋まっていましたから、どうでしょう正確な数字は分かりませんが、一般会員、学生を合わせ500名くらいの参加があったのだろうと思います。本当に暑かったですからね~

運営でもう一つ勉強になったのは、実行委員の先生方の準備が万端であり、トラブルにすぐに対応できる体制が整っているということです。また、事前の打ち合わせがしっかり出来ているということもあるのでしょう、各部署それぞれが役割を果たし、さらに部署ごとに協力して運営しているところです。さらにさらに開会式から講演、休憩から講演といった準備の速くスムーズなことに驚かされます。これも代表理事であり、東洋医学研究所所長の黒野先生の人間性を重視した教育方針にあるんでしょう。例外なく全て終始一貫、正しいことは正しいと正直に貫きとおす根本んが実行委員に先生方に浸透しているだと感じました。本当にどこでも勉強です

内容は、その2&その3に続く~

二葉鍼灸療院 田中良和
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すずらん画伯

2009年09月10日 | 日常
いつも定期的に通院して頂いている患者様のお伴で、ときどき当院へ来院されるお嬢様の作品をご紹介しちゃいます。

キュートで、女の子らしい6歳の彼女です
そんな『すずらん画伯』の作品で~す



なかなか上手ですよね。ポイントは時計が逆ということですかね
でも、すごく可愛らしい、彼女の心の優しさや豊かさが出てると思いますね



これは、すずらん画伯と私を描いてもらったもので~す
彼女は足が長く、可愛く描かれています
私の方は、素敵な笑顔で描かれています…が、
足が短く、少し心配している髪の毛も、私の心を読んでいるかのように上手に 描かれています(キャー)。

すずらん画伯の作品は、当院にて展示中ですので気になった方は観ていってくださいね

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (6)
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