二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

不妊症と鍼灸治療 ~当院の治療の流れと・妊娠報告~ つづき

2014年04月22日 | 不妊症

引き続き、天使に出逢うために当院に通院されていた患者様で、めでたくご妊娠された皆様のご報告をさせていただきます。

 当院では、一般不妊治療から生殖補助医療での治療を専門クリニックで受療されている不妊症の皆様がほとんどです。また、そこまで行っていないけれども、結婚後、なかなか天使との出逢いに恵まれない御夫婦など、多くのケースの皆様が御来院されています。

 また、確かに鍼灸治療は不妊症に対して効果があるという報告も学術大会等で発表があり、また、当院でも効果を感じることは多いです。当院の鍼灸治療については前回のブログで御紹介させていただきましたので説明いたしませんが、現在の状況を少しでも改善するべく全身の調整を行います。

 鍼灸治療は魔法の治療ではありませんので、定期的に通院していただき鍼治療を行う必要があります。治療回数や治療期間は人によって違う・・・としか言えません。でも、細胞やタンパク質の新陳代謝などを考慮し、当院の師匠である黒野先生が所長を務める東洋医学研究所の研究の観点から、まずは3周期(3ヶ月)の定期的な治療を行う事で、よりよい細胞の新陳代謝を行い、それが体細胞のみならず生殖細胞になんらかの影響があるのではと考え、治療をさせていただいております。

 不妊症の患者さまに限らず、通院されている患さまが「よくなった」「うまくいった」「お蔭さまで」と言っていただけることこそ、鍼灸師としての喜びであり、この仕事の存在意義であり、私がこの世にいる価値を見出していただいていると思っております。

 特に新たな命の誕生をサポートできた時、診療中にその報告をお聞きしたときなどは、その場で「ヨッシャー」と大声で叫びたいくらい嬉しく、感動してしまいます。
 平成25年4月から平成26年3月まで19名の方から嬉しいご報告をお聞きすることができました。その皆様のご報告の概要をお伝えしたいと思います

 Aさん 39歳 主婦  ~2013年4月ご来院~ 

タイミングを7カ月、人工授精を4回行い、不妊専門クリニックへ転院され2回の体外受精。自律神経系のアンバランスを示す症状も多くみられた。自分の身体にとってよいことはやっておきたい(悔いを残したくない)ということでホームページを検索されて来院。当院での治療間隔を狭め治療回数を週2回以上として1カ月後の移植予定を目指し、子宝の環境を整える。その移植が成功し、無事妊娠された。

 Uさん 31歳 主婦  ~2012年11月ご来院~ 

顕微受精を3回(ご主人さまにも原因があるため)、多嚢胞性卵巣(PCO)気味で、排卵からの黄体化が上手くいっていなない。採卵結果もあまり良くない。卵子の質や生理周期(ホルモンバランス)の改善を目的にご来院。ほぼ週2回の鍼治療を行い、2014年1月末の顕微受精による凍結卵の移植で妊娠。この方におススメしたのは「運動」。「治療の行き帰りの歩行してると、きっといいこと起きますよ!」と。

 Oさん 35歳 自営業  ~2012年5月ご来院~ 

タイミング、人工授精それぞれ4回、不妊専門クリニックに転院し人工授精5回、体外受精1回を行うがよい結果が得られず。週2回から1回の鍼灸治療を継続。その間に専門クリニックを転院。当院へ通院され1年後、内膜のポリープを摘出。その後、移植を行ったところご妊娠。ご主人さまと自営業をされているので忙しく、ストレス多かったよう。

 Hさん 29歳 会社員  ~2013年3月ご来院~ 

タイミングを8ヶ月、人工授精を1回行いなかなか良い結果が得られなかった。人工授精の翌月、生理不順が長引き、人工授精を見送ることにした。その時に体調万全にするためにも何か方法はないかと検索し当院HPと出逢いご来院。妊娠しやすい身体づくりのため鍼灸治療を週1・2回のペースで行う。約1カ月半後、自然妊娠。妊娠後もいろいろありましたが、元気な女の子を無事出産。

 Nさん 30歳 アルバイト  ~2013年4月ご来院~ 

不妊専門クリニックでタイミング、人工授精を7回行うも良い結果が出なかった。多嚢胞性卵胞(PCO)。次回、初めて体外受精を行うので、できることは何でもやっておきたいということでHPをみてご来院。これまでも鍼灸治療を受けていたが、より不妊症に詳しい鍼灸院を探していた。4回の治療後、初めての体外受精でご妊娠。鍼灸治療の効果があったかどうかは分からないが、患者の心身の支えにはなったのではないかと思う。

 Kさん 39歳 主婦  ~2012年11月ご来院~ 

人工授精を6回行うも、いい結果が得られず、不妊専門クリニックに転院。体外受精を2回行うが結果が得られず、9月は採卵もうまくいかず、本月、生理が来たら採卵から始める予定。その後、体外受精を行う予定であるが妊娠しやすい体質をつくっておきたい。また、生理不順、腰痛、肩こり、足の冷え等の身体症状も強いので、併せて改善していきたいということで、お友達より紹介されご来院。2013年2月の体外受精-胚移植にてご妊娠。

 Mさん 32歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

ご結婚1年後より、妊娠を望み基礎体温を測り臨むが、いい結果が得られなかった。結婚前の数年は生理不順のためピルを服用し月経の調整を行っていた。当院というより、不妊症に対して鍼灸治療が効果のある場合があることを、鍼灸マッサージ師会の体験イベントで知ることとなりご来院。週1回の治療でタイミングにて3ヶ月後にご妊娠。無事出産されたという報告も受ける。

 Kさん 39歳 主婦  ~2012年11月ご来院~ 

二つ上に書かれているkさんと同一人物。心拍も聞かれ数周経過した後、心音が停止。妊娠を維持することができなかった。術後、なかなか出血が治まらないため鍼灸治療も控えていた。出血もほとんどなくなり鍼灸治療を開始(週1回ほど)。クリニックを受診すると「生理は来てないけど排卵するよ」と言われる。流産後たまにそのような事が起こるということ。で、タイミングをとったところ、2013年6月に再びご妊娠。今回は順調に育んでおられるご報告を受けました。

 Aさん 34歳 主婦  ~2012年3月ご来院~ 

タイミングがうまくいかず、体外受精へステップアップ。2回はいい結果が得られなかった。当院へ来院前の移植にて着床したが、3ヶ月で流産。当院では、週2回の鍼灸治療を約1年続けて体外受精を数回行うも結果が得られなかった。その後、患者様周辺が慌ただしくなり、また、いろんなことが大きな転機があり、一時、不妊治療期間をあける。2013年になり不妊治療を開始。鍼灸治療も開始。「いろんなことが起こった分、きっといいことも起きますよ」などと治療中にお話もしていた。2013年7月に体外受精-胚移植にてご妊娠。

 I さん 33歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

3年前にご結婚後、なかなか子供が授からず、数か月前から卵胞チェックを行い、タイミングをはかるがいい結果が得られない。当院で自然妊娠されたご友人のご紹介でご来院。月3回ほどの鍼灸治療で体調が整い、7月にご妊娠。

 Kさん 39歳 団体職員  ~2011年10月ご来院~ 

ご結婚後、産婦人科医にて子宮内膜症の治療を開始。継続的にピルを服用しながら治療を行う。チョコレート嚢腫もあり。子宮内膜症の治療の合間にタイミング療法も行うがいい結果が得られなかった。それ以上の不妊に関する治療はご夫婦の話し合いでステップアップしないということであった。当院でも、子宮内膜症の改善と不妊症も視野に入れて治療方針を立てた。2013年6月に半年間ピルにて生理を止めた後の生理の状態を3ヶ月みて、再び生理痛等、内膜症症状が強ければ再び生理を止めるということであった。その初めの月で自然妊娠。患者様の職場に行く機会があり、その時に「妊娠してました~」の報告を受ける。当院通院歴も長かっただけに感動もひとしお。当院においては、ほぼ週1回の治療を定期的に行っていた。

 Nさん 32歳 自営業  ~2011年3月ご来院~ 

第1子は当院にも通院され凍結胚移植しご妊娠。無事ご出産。専門クリニックにて凍結胚を1個保存してあったので、その移植のため2013年8月より当院へ再びご来院。週1~2回の治療を行い、9月の移植にてご妊娠。「私は鍼治療の信者だわ(^o^) 」と嬉しい言葉をいただく。

 Sさん 35歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

6年前より不妊治療を開始。途中、中断したりしたが、タイミングを数年、人工授精を8回ほど行ったがいい結果が得られなかった。不妊専門クリニックへ転院。7月か8月に体外受精を行う予定。手足の冷えがあり、身体の代謝が悪いため体質を改善したいということで当院に来て効果があった友達から聞いて来院。週1回の治療を3周期継続し、8月に凍結胚移植にてご妊娠。

 Tさん 38歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

2010年頃より不妊治療開始。タイミングを行うがいい結果が得られず、2011年専門クリニックを転院。体外受精を6回行い何度か受精するも科学流産。2か月前心拍確認手前でいい結果が得られなかった。頭痛、ストレス時の胃の痛み、心因性難聴などの症状もあり、それらの気になる症状も治療しながら妊娠を維持しやすい体質に改善できたらということでご来院。ご来院から約3ヶ月、当院へおいでになり2回目の移植にてご妊娠。ついこの間、無事、御出産の報告を受ける。ちなみに逆子の治療も行った。

 Kさん 34歳 専門職  ~2013年8月ご来院~ 

タイミングを3回、人工授精を6回行うもいい結果が得られず、2013年に専門クリニックへ転院。体外受精2回行うがいい結果が得られなかった。途中、ひどい生理痛、肩こり、頭痛、疲れやすい、足が冷える等の症状改善のため漢方薬局で相談。その漢方薬局より、肩こり、頭痛等の症状がひどく、御本人も鍼灸治療を希望されご紹介で来院。職場より車で約40分、御自宅からは1時間ほどかかる道程を週2回ペースで通院。3ヶ月後、2回目の凍結胚移植でご妊娠。

 Kさん 40歳 専門職  ~2012年11月ご来院~ 

2011年より一般産婦人科にてタイミング6回行うがいい結果が得られなかった。2012年3月に専門クリニックへ転院。卵管狭窄もあるので、体外受精-胚移植を行う。2回行い、1回は科学流産。当院ご来院時は、病院の都合もあり採卵、移植はできず人工授精を試みる月であった。治療は週1~2回ペースで行った。何度か移植するがいい結果得られなかったが、2013年7月終わりの移植にてご妊娠。バタバタとされており、11月にその時の移植で妊娠されていたとご連絡があった。

 Mさん 40歳 パート  ~2013年1月ご来院~ 

2回、自然妊娠するも流産。その他、子宮筋腫の手術4回、卵巣のう腫の手術を1回、甲状腺乳頭癌、原発性アルドステロン症、大腸腺腫等の手術を15年間に経験し、2011年より一般産婦人科にてタイミング、人工授精を各6回行うがいい結果が得られず、2012年5月より専門クリニックに転院。4回移植を行うがいい結果は得られず。現在も、子宮筋腫、子宮腺筋症があり、体質改善が急務と考えご来院。不妊症の治療もさることながら、筋腫や腫瘍ができやすい体質を改善することを目的に週1回のペースで治療を行う。4月に子宮腺筋症を手術。その後も、血流改善、新陳代謝の促進するため治療を継続。10月の移植にて妊娠反応陽性をいただく。その後、2014年6月、メールにて帝王切開で元気な女の子を無事授かったと報告を受けた。

 I さん 33歳 会社員  ~2013年5月ご来院~ 

上記、7月にご妊娠した I さんだったが、維持できず流産。再び2ヵ月後の移植をを目指して、週1回の通院を開始。11月終わりの移植にてご妊娠。その後は順調であるご報告を受ける。

 F さん 30歳 会社員  ~2012年9月ご来院~ 

2010年より一般産婦人科にて、タイミングを行うがいい結果が得られなかった。2011年12月より専門クリニックへ転院。8月に3回目の体外受精-胚移植を行うがいい結果が得られず。手足の冷えや肩こり等、自分の体質を改善することと、血流を改善し質の良い卵子をつくるために週2回の治療を行った。1ヵ月半治療を行ってご来院されなくなったが、その月の移植にて妊娠された。2014年正月の年賀状にて、妊娠を飛び越し無事、出産されたというご報告を受けた。

 

以上、2013年に妊娠された皆様のご報告でした。

たいへん長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました

2014年は現在まで4名の皆様から嬉しいご報告を受けております。今後も進歩し続ける生殖医療の最前線も学びながら、まだ天使を授かることができないご夫婦の力となるべく診療技術を向上させていきたいと日々精進いたしております。

不妊症や逆子や悪阻など、周産期の身体症状でお悩み、お困りの方で鍼灸治療にご興味のある方や、御夫婦は一度、ご相談くださいませ。

  二葉鍼灸療院 田中良和

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平成26年度 県民公開講座を開催(公益社団法人石川県鍼灸マッサージ師会)

2014年04月14日 | 予告

 公益社団法人石川県鍼灸マッサージ師会では、平成26年度県民公開講座を下記のように開催させていただきます。本会は平成26年度より公益社団法人へ移行ということになり、それを記念して午前中は設立総会ならびに政治連盟総会、午後より県民公開講座(金沢市文化ホール)、その後は場所を金沢エクセルホテル東急に移し、公益社団法人設立記念式典(法人設立63周年)&祝賀会を開催するという素晴らしく慌ただしい日となります。
 以下に県民公開講座の詳細を掲載しますので、是非、御来場され聴講いただけることを願っております

名 称:平成26年度県民公開講座(公益社団法人設立記念)
主 催:公益社団法人 石川県鍼灸マッサージ師会

日 時:平成26年5月11日(日) 午後1時~3時
場 所:金沢市文化ホール 大集会室  金沢市高岡町15-1 076-223-1221

内容①:(前 座)「イキイキワクワクつぼ講座」 午後1時~1時30分
           担 当;本会 青年女性部

内容②:(講演会)
演 題;「超高齢社会を輝いて生きる~いかに生き、いかに旅立つか~」
講 師;社会福祉法人同和園 附属診療所 所長  中村仁一先生

定 員:350名
後 援:石川県・金沢市・(公社)石川県栄養士会・北國新聞社
協 賛:セイリン(株)・セネファ(株)
入場料:無 料
駐車場:周辺有料駐車場を御利用ください。
    できるだけ公共交通機関を御利用ください。

※事前申し込みも可能です(電話・メール)。
連絡先:鍼灸マッサージ師会事務所 076-233-0565(午前10時30分~午後2時まで受付)
                 ahaki-17@plum.plala.or.jp
    私にメッセージをいただいても結構です。

〈中村仁一先生プロフィール〉
1940年、長野県生まれ。内科医。高雄病院院長、理事長を歴任され、現在、社会福祉法人同和園附属診療所所長。著書に『大往生したければ医療とかかわるな』『老いと死から逃げない生き方』等多数。
中村先生は、長年の臨床経験や現代医療、医学の矛盾点から多くの問題点を指摘され、特に超高齢社会の現代だからこそクローズアップされる「死」という課題において、自然死を大切にされ、「逝き方」は「生き方」であるということを提唱されています。ご自身、1996年から市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰され、先生の思いや考えを実践され、また、現代医療の現実の一端を多くの著書やご講演などで広く伝えるべく精力的にご活躍されております。

~プロフィール終了~

youtubeなどを観るとたいへんお話の内容が面白く興味深いです。講演依頼のお願いを申しあげたところ、ちょうどご予定が空いており快く講師を引き受けていただきました。是非、中村仁一先生の御講演を直接お聞きくださいませ。人生に役立つ内容となっていることは保障させていただきます!!
石川県民の多くの皆様にご聴講いただけたらと考えております。富山県や福井県など近隣でご興味のある方も是非、せひ、ZEHI、お越しくださいませ!!

また、前座では本会のフレッシュな青年女性部の会員が(私もまだ青年女性部なんですが(^o^)/)御来場いただいた一般の皆様に、健康で元気にイキイキワクワク暮らすためのツボ刺激をレクチャーさせていただきます。若い会員の皆様には皆頑張っていただいています。是非、こちらも楽しみに御来場くださいませませ!!(*^_^*)

多くの皆様のご来場を心より、こころより、KOKOROよりお待ち申し上げております\(^o^)/

当日はきっといい天気になることでしょう 

2014 桜 金沢

 

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不妊症と鍼灸治療 ~当院の治療の流れと・妊娠報告~

2014年04月11日 | 不妊症

またまたまた、お久しぶりのブログ更新です まる2ヶ月ブログの神様が降臨しませんでした

現在も未だ天使(お子様)とめぐり合うことができずに悩まれ、一つの方法として鍼灸治療を選択された患者様が多く御来院されています。メールでもリクエストもありましたので  当院における不妊症に対する鍼灸治療 をもう一度掲載しま~す

≪当院の不妊症に対する治療方法≫

①問 診(医療面接)
 不妊治療歴や生活状態、月経周期や月経状態、旦那様の体調、不妊症以外の身体の状態など、お話をお聞きしていきます。

  ※不妊治療歴などを初診の際に患者様がお書きになって持ってきて頂くと問診がスムーズに進みます。

②診 察
 お腹の状態、脈の状態、舌の状態、皮膚の状態、姿勢など身体を総合的(東洋医学的・現代医学的)に診ていきます。

③問診と診察の状態や患者様の現状を加味して治療方針を決定
 目標は妊娠・挙児ですが、そこに至るまでのプロセスとしてどのような治療方法で進んでいくか御相談させて頂きます。

④治 療
(1)基本治療
  生体機構制御療法(療法)・・・黒野式全身調整基本穴(13穴)に対して筋膜に圧を加えるような浅い(6~7mm)刺激で鍼を行います。
(2)手足の要穴への補助治療
 骨盤内臓の循環やホルモンバランスの調整をより効果的に行うための補助治療として手足の要穴(脳など中枢へ刺激が伝わりやすいツボ)へ鍼を打ちます(必要な場合)。
(3)超音波の併用治療
 当院(グループ)では、師匠である黒野先生の鍼と超音波の併用治療における論文を基に、併用治療を行うことにより、鍼治療の効果をより一層高める方法を行っています。頸肩背腰部(基本穴相当部)の超音波治療により、細胞レベルでの活性化(新陳代謝)、深部微小循環改善を行います。
(4)冷えが強くみられる患者様を中心に電子温灸器のを併用治療
 仙骨部、腰部、臍から下腹部にかけて電子温灸器により、骨盤内、腹部の血流循環促進を行います。
(5)下腿へのパルス通電治療
 (1)の治療効果をさらに高めるため、足の要穴(ツボ)を選び鍼を行い、心地よいパルス通電を行います。下肢や骨盤内の循環を改善するだけではなく、リズムのある心地よい刺激で脳の循環やホルモンの機能を活性化を目的とします。
(6)円皮鍼による補助治療
 必要な場合、手足合わせて4か所ほどに円皮鍼を行います。0.6㎜ほどの小さく丸いテープについた鍼を貼付して、次回来院時まで貼りっぱなしにしていただきます。

⑤治療時間・治療間隔・治療期間の目安
 初診時は1時間から1時間20分ほど、次回からからは40分ほどの治療時間となります。(予約ではありませんので、少しお待ちいただく場合があります。ごめんなさい


◎上記のような治療方法を、患者様に適した方法を探りながら、週2回(最低でも週1回)の治療間隔で行います。
◎まず、3か月(3周期)はこの間隔で通院いただき、体質を改善していきます。身体を構築するタンパク質は3カ月で90%ほど入れ替わります。また、臨床的にも3カ月が一つの目安となります。
◎3か月が経過すると、鍼灸刺激により自然治癒力が回復された生体が体調の調整を行うようになります。その証拠に体調が良くなってきます。生理痛、頭痛、腰痛、イライラ、便秘、冷え、消化不良など胃腸の症状、など不妊症とは一見関係のない症状(不定愁訴など)が改善されます。これが実は大切なことでもあります。
◎当院の治療は、生体の統合的制御機構(身体に張り巡らされている恒常性維持や自然治癒力・修復力など、身体を正常な方向に維持する働き)を活性化する治療を基本(治療方法①です)に行います。


 受精-妊娠は卵巣と子宮で行われるわけですが、これらは多くのホルモンの作用を受けて働いているのはご存知だと思います。その指令を出すのが脳にある視床下部であり、視床下部は血液の中のホルモンの量を察知して、脳下垂体(前葉)にホルモンを出させるようにホルモンを放出します。脳下垂体からは、卵巣へホルモンを放出し、卵巣や子宮に刺激を与えます。こうして月経周期が成り立っています。
 月経周期や妊娠にしても必ず脳機能が関わってきます。脳は先端科学により様々なことがわかってきましたが、未だわからないことのほうが多いようです。視床下部より上位には大脳辺縁系の他の部分、大脳基底核、大脳新皮質と、生命維持機能に関わる脳幹など、さらに人間としての複雑な機能が搭載されています。


 鍼灸治療は必ず脳機能に影響を及ぼしています。視床下部-脳下垂体-卵巣・子宮さらには、大脳新皮質や大脳基底核、辺縁系などにある脳内モノアミン(セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミン・グルタミン酸・GABAなど)などの調整など、広い観点から身体を診て治療いたしております。骨盤腔内や腹部の血液循環改善や仙骨や腹部の副交感神経系などの活性化など、末梢レベルも視野に入れることはもちろんです。
 また、視床下部や脳下垂体というところは副腎とも内分泌としての繋がりがあります。副腎からは身体のミネラル分を調節したり、糖分を調節したりするステロイドホルモンや、興奮したときにアドレナリンを分泌する重要な器官です。ストレスが常にかかり慢性化すると、副腎皮質からコルチゾールという物質が放出され、身体が常に緊張状態(戦いの態勢)となります。鍼灸治療で副交感神経が優位になれば、ストレスが軽減され、視床下部や脳下垂体の働きも良くなるということです。
 故に、脳機能から身体の末梢まで考慮した治療方法は、身体の自律神経系、免疫系、内分泌系の自然治癒力を高め、身体に備わっている生体恒常性維持機能が適切に働き、身体をその環境に適応した元気な状態にしていきます。そのような状態にもっていくことが体質改善であり、赤ちゃんができやすい身体(脳、卵巣、子宮)づくりになると考えています。

⑥日常生活改善のススメ
 (1)適度に身体を動かしましょう。本来の人間の姿は太陽とともに活動します。運動の効果は多く証明されています。
 (2)食事はバランス良くとりましょう。基本は和食です。特に日本人が足りない、ビタミン・ミネラル・食物繊維を十分にとりましょう。緑黄色野菜、根野菜、海草、果物、大豆、イモ類・穀物(できれば胚芽米・玄米・全粒粉小麦・粟・ひえ など)、発酵食品など。よく噛んで食べましょう。冷たい食べ物は控えめに。
 (3)睡眠は十分にとりましょう。8時間眠ることができればベスト(充実した睡眠時間はそれぞれ違いますが)。
 (4)心を安らかに保ちましょう。感情的(怒など)になってもいいですができるだけ短めに。楽しいこと、感謝の気持ち、温かいこと、うれしくなるような心の状態を心がけかましょう。
 (5)身体を冷やさないようにしましょう。
 (6)大きな呼吸(深呼吸・腹式呼吸)を心がけて行いましょう。呼吸は鼻で行いましょう。のどの扁桃は重要な免疫器官です。口で呼吸をすると、ここが乾燥し免疫力が低下したり、内分泌系に悪影響を及ぼします。
 (7)今、自分が存在することに感謝しましょう。そこから始まります。


 鍼灸治療で子宮周辺の血流が改善されたり、脳(神経機能)に良好な影響を及ぼしたり、免疫機能や自律神経機能を改善したりという報告はありますが、鍼治療だけをしたから妊娠するかというとそのようなものでもありません。女性の年齢、生理の状態、旦那様の精子の状態等、専門医の治療が必要な場合が多いのも事実です。

 鍼灸治療は上記で御説明したように身体全体と局所の両方からアプローチすることにより、より良い身体(子宮・卵巣)をつくり、専門医の治療の補助となったり、身体を健康に保つことでエネルギーを生殖の方に仕向けたり、また、胃腸機能を向上させることにより、漢方薬や効果があると言われるサプリメントの効果を相乗的に高める機能もあるのではないかと考えております。

 未だお子様とめぐり逢うことのできない御夫婦のもとにできるだけ早く、出逢いを演出させるために微力ではありますが、鍼灸治療でその後押しのお手伝いをさせていただけたら有難いなと思っています。

 昨年4月にブログで御報告(6名)してから現在まで19名の皆様から妊娠という素晴らしい報告をいただきました。簡単にその御報告をさせていただきたいと思います。 が、 長くなりましたので、次のブログに書かせていただきます。


    二葉鍼灸療院 田中良和

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