11月23日(月祝 勤労感謝の日)、昨日に続き、日本生殖医学会へ参加しました。
この生殖医学会に参加する前日(21日)土曜日、不妊症で不妊専門クリニックでの治療を受けながら、鍼灸治療は半年ほど継続されていた方から電話がありました。9月に治療を行った時に、お腹の状態や体調がすごく良かったので「今回はうまくいくかもしれませんね~」なんてお話していました。その後、なかなか治療におみえになる時間がなかったので、「どうしてるかな~」と思っていましたら、
「移植が成功し、妊娠しました」
というお電話がありました 本当に良かったと思います。今回は、不妊専門病院を転院して間もない成果ですので、その部分でうまくいったのかもしれません。でも、少しでも妊娠までのサポートをできて良かったと思います。また、出産まで腰が痛かったり、つわりがひどかったり、様々な妊娠期の経過症状が出ると思いますが、辛い時には鍼灸治療は副作用もなく効果があるのでサポートしていきたいと思います。患者様が幸せになる これが私たちの幸せです。本当に鍼灸治療に携わっていて良かったと思える瞬間です。ですから、気分よくこの学会に参加できたのでした~。
~受 付~
話を学会のほうに移しますと、この日はなんと、早朝からセミナーがありました。午前7時45分からモーニングセミナー「多嚢胞性卵巣症候群の診断とホルモン測定上の注意点」がありました。どれだけの会員が参加されているのかな、と思って会場に行きましたが、会場はびっしりとつまり、どうでしょう200人くらいは来場されていたんではないでしょうか。本当に皆さん勉強熱心です。私もなんですが
23日聴講した講演は…
◎一般口演
・不妊外来に通院するカップルにおけるGRISSによるセクシャリティの評価
・不妊治療施設における看護部のインシデントレポート
・「治療継続のサポートのあり方」~初診から半年以内~
・治療終結の意思決定に対する患者の心理~「治療終結を決意した元患者を囲む会」の
語りから~
・卵巣刺激を伴わない自然周期採卵胚移植後における黄体ホルモン・卵胞ホルモンの推移
・当院における40歳以上のART症例における臨床成績(東邦大学医療センター大森病院
産婦人科)
・当院における移植胚数と妊娠率および多胎率の検討(永遠幸レディースクリニック)
・胚移植治療が周産期医療に与える影響~愛知県における調査結果~
・ART反復不成功例に対するエストロゲンリバウンド法の有効性
・40歳以上のARTでの胚移植数の減少は妊娠率を低下させるか?
・40歳未満、月経周期3日目の胞状卵胞数別の排卵誘発法の選択について
この会場は石川県の音楽堂らしい感じが出てます
◎ポスター発表
・ヒト黄体化顆粒膜細胞においてTRAILはアポトーシスを誘発する
・難治性高プロラクチン血症、無月経を伴った不妊症に対して排卵誘発を施行し妊娠、
分娩に至った一症例
・卵巣機能の変化と血管新生因子の発現動態の検討
・凍結胚盤胞移植の成績から(金沢たまごクリニック)
・体外受精‐胚移植における着床とストレスとの関連について-唾液中コルチゾールは
着床と相関するか-
・不妊症例における抗リン脂質抗体の検討
・習慣流産に対する免疫療法の有効性に関する検討-特に年齢による有効性の差異に
関する検討-
・不妊外来における「やせ」と多嚢胞性卵巣症候群に関する検討
・肥満と非肥満PCOS不妊患者における臨床的特徴と治療成績の比較
・正所性子宮内膜における熱ショック転写因子HSF-1発現と月経周期の関連
・卵子ミトコンドリアDNA copy数が受精能・胚発生能へ与える影響
・当院でのタイミング指導・AIHにおける妊娠までの周期数について
・ヒト子宮内膜間質細胞の脱落膜化過程におけるMn-SODの発現機序
ANAクラウンプラザホテルのロビー。土曜日は結婚式がたくさん行われていました
◎モーニングセミナー
・多嚢胞性卵巣症候群の診断とホルモン測定上の注意点
◎教育講演
・多嚢胞卵巣の形態形成における内分泌調節
◎教育セミナー
・ゴナドトロピンの分泌と作用メカニズム
今回の学会は非常に勉強になりました。最新科学では、細胞、遺伝子レベルで様々なことが発見されてきています。これも大自然の営みの一つであり全体を把握して診療する東洋医学では理解しておくことが必要だと思います。また、現代の環境や生活習慣、それらの影響で刻々と生体内の調整機構が乱れ、染色体など遺伝子に異常が出たりして、多くの女性が(男性が)自然に妊娠、出産できないような環境になってきています。それらをどうにかしたいと婦人科や不妊専門クリニックの先生方は日々研究され臨床に生かされています。そのようなことを実感できました。
その中で鍼灸治療は不妊症患者様の何を診て、何を目的として、どのような方針で診療していったらいいのかなど、これからのより良い不妊症の鍼灸診療を築いていくうえでの考察のヒントがちりばめられていたと感じました。
また、看護師さんたちの不妊症患者様に対する、心のサポート、生活習慣のサポートなども勉強になりました。これは私たちにも治療とともに大切なことであり、この点を配慮することがさらに治療効果をあげるために重要なのではないかと思います。
いや~スケジュールびっしりで疲れましたが、それを上回る充実感が得られた学会でした。来年の日本生殖医学会は徳島県であるようです。ちと遠いですけど、日程次第では来年も参加したいなと思います。
学会が終わった後、少し時間があったので、すぐ近くのイオンシネマで渡辺 謙 主演『沈まぬ太陽』を観てきました。3時半と長い映画でした。フィクションですけど、綿密に取材をされ日航機墜落の遺族の心情が細かく描かれており、また、政治家、高級官僚、大企業、財界、影で動く人たちの繋がりが分かりやすいくらい、よ~く描かれた、いい映画だったと思いました。
そんな、こんなで、この3日間はいい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございます
二葉鍼灸療院 田中良和
この生殖医学会に参加する前日(21日)土曜日、不妊症で不妊専門クリニックでの治療を受けながら、鍼灸治療は半年ほど継続されていた方から電話がありました。9月に治療を行った時に、お腹の状態や体調がすごく良かったので「今回はうまくいくかもしれませんね~」なんてお話していました。その後、なかなか治療におみえになる時間がなかったので、「どうしてるかな~」と思っていましたら、
「移植が成功し、妊娠しました」
というお電話がありました 本当に良かったと思います。今回は、不妊専門病院を転院して間もない成果ですので、その部分でうまくいったのかもしれません。でも、少しでも妊娠までのサポートをできて良かったと思います。また、出産まで腰が痛かったり、つわりがひどかったり、様々な妊娠期の経過症状が出ると思いますが、辛い時には鍼灸治療は副作用もなく効果があるのでサポートしていきたいと思います。患者様が幸せになる これが私たちの幸せです。本当に鍼灸治療に携わっていて良かったと思える瞬間です。ですから、気分よくこの学会に参加できたのでした~。
~受 付~
話を学会のほうに移しますと、この日はなんと、早朝からセミナーがありました。午前7時45分からモーニングセミナー「多嚢胞性卵巣症候群の診断とホルモン測定上の注意点」がありました。どれだけの会員が参加されているのかな、と思って会場に行きましたが、会場はびっしりとつまり、どうでしょう200人くらいは来場されていたんではないでしょうか。本当に皆さん勉強熱心です。私もなんですが
23日聴講した講演は…
◎一般口演
・不妊外来に通院するカップルにおけるGRISSによるセクシャリティの評価
・不妊治療施設における看護部のインシデントレポート
・「治療継続のサポートのあり方」~初診から半年以内~
・治療終結の意思決定に対する患者の心理~「治療終結を決意した元患者を囲む会」の
語りから~
・卵巣刺激を伴わない自然周期採卵胚移植後における黄体ホルモン・卵胞ホルモンの推移
・当院における40歳以上のART症例における臨床成績(東邦大学医療センター大森病院
産婦人科)
・当院における移植胚数と妊娠率および多胎率の検討(永遠幸レディースクリニック)
・胚移植治療が周産期医療に与える影響~愛知県における調査結果~
・ART反復不成功例に対するエストロゲンリバウンド法の有効性
・40歳以上のARTでの胚移植数の減少は妊娠率を低下させるか?
・40歳未満、月経周期3日目の胞状卵胞数別の排卵誘発法の選択について
この会場は石川県の音楽堂らしい感じが出てます
◎ポスター発表
・ヒト黄体化顆粒膜細胞においてTRAILはアポトーシスを誘発する
・難治性高プロラクチン血症、無月経を伴った不妊症に対して排卵誘発を施行し妊娠、
分娩に至った一症例
・卵巣機能の変化と血管新生因子の発現動態の検討
・凍結胚盤胞移植の成績から(金沢たまごクリニック)
・体外受精‐胚移植における着床とストレスとの関連について-唾液中コルチゾールは
着床と相関するか-
・不妊症例における抗リン脂質抗体の検討
・習慣流産に対する免疫療法の有効性に関する検討-特に年齢による有効性の差異に
関する検討-
・不妊外来における「やせ」と多嚢胞性卵巣症候群に関する検討
・肥満と非肥満PCOS不妊患者における臨床的特徴と治療成績の比較
・正所性子宮内膜における熱ショック転写因子HSF-1発現と月経周期の関連
・卵子ミトコンドリアDNA copy数が受精能・胚発生能へ与える影響
・当院でのタイミング指導・AIHにおける妊娠までの周期数について
・ヒト子宮内膜間質細胞の脱落膜化過程におけるMn-SODの発現機序
ANAクラウンプラザホテルのロビー。土曜日は結婚式がたくさん行われていました
◎モーニングセミナー
・多嚢胞性卵巣症候群の診断とホルモン測定上の注意点
◎教育講演
・多嚢胞卵巣の形態形成における内分泌調節
◎教育セミナー
・ゴナドトロピンの分泌と作用メカニズム
今回の学会は非常に勉強になりました。最新科学では、細胞、遺伝子レベルで様々なことが発見されてきています。これも大自然の営みの一つであり全体を把握して診療する東洋医学では理解しておくことが必要だと思います。また、現代の環境や生活習慣、それらの影響で刻々と生体内の調整機構が乱れ、染色体など遺伝子に異常が出たりして、多くの女性が(男性が)自然に妊娠、出産できないような環境になってきています。それらをどうにかしたいと婦人科や不妊専門クリニックの先生方は日々研究され臨床に生かされています。そのようなことを実感できました。
その中で鍼灸治療は不妊症患者様の何を診て、何を目的として、どのような方針で診療していったらいいのかなど、これからのより良い不妊症の鍼灸診療を築いていくうえでの考察のヒントがちりばめられていたと感じました。
また、看護師さんたちの不妊症患者様に対する、心のサポート、生活習慣のサポートなども勉強になりました。これは私たちにも治療とともに大切なことであり、この点を配慮することがさらに治療効果をあげるために重要なのではないかと思います。
いや~スケジュールびっしりで疲れましたが、それを上回る充実感が得られた学会でした。来年の日本生殖医学会は徳島県であるようです。ちと遠いですけど、日程次第では来年も参加したいなと思います。
学会が終わった後、少し時間があったので、すぐ近くのイオンシネマで渡辺 謙 主演『沈まぬ太陽』を観てきました。3時半と長い映画でした。フィクションですけど、綿密に取材をされ日航機墜落の遺族の心情が細かく描かれており、また、政治家、高級官僚、大企業、財界、影で動く人たちの繋がりが分かりやすいくらい、よ~く描かれた、いい映画だったと思いました。
そんな、こんなで、この3日間はいい時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございます
二葉鍼灸療院 田中良和