二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 試合編~vs 智辯和歌山高校(和歌山)~

2021年07月23日 | 高校野球

 第103回全国高校野球選手権大会の地方大会が、この灼熱の夏の中で開催され、すでに県代表が何県か決まっています。

 

 そんな中、悲しいお知らせが舞い込んできました。

 我が母校、星稜高校野球部にコロナ陽性者が出たとのこと。

 コロナ陽性者の事実を石川県高野連へ届け出て、その結果を学校で協議し、7月22日開催予定であった準々決勝(対 遊学館)の前日に、本大会の出場辞退が決定されたということでした。

 コロナ感染に関しては、いろいろ思うところはありますが、本当に残念で残念で、選手たち(特に3年生)や保護者、ご家族の皆様にはかける言葉が見つからないと言うのが、この記事を書いている現段階の心情でもあります。

 最後は、試合に勝つにせよ、負けるにせよ、自分たちが2年半の間で積み上げてきてパフォーマンスやチーム力、あらゆるものを試合で出し切って終わって欲しかったと心から思います。

 

 今回の事態は、誰も悪くないし、誰の責任でもない。

 その事を心において、3年生の選手の皆さん(1・2年生も)なかなか心の整理はつかないと思いますが、ゆっくりでいいので前へ進んで欲しいなとOBとして心から思います。

 

 コロナに翻弄されない世の中が早く到来し、大観衆のもと、何も考えず野球に集中してプレーできる日が早く来ることを願います。

 

 そんな中ではありますが、第101回全国高校野球選手権大会のトレーナー活動記を書かせていただき記憶に留めておきたいと思います。

    

 この智辯和歌山高校との試合は、おそらく球史に残る名勝負の一つとなったでしょう。

 この試合は何が良い悪いではなく、一球一打に意味があり、すべてが緊張感で張り詰めており、両校がこれまで練習で磨き上げてき技術や試合運びなどのパフォーマンスやメンタル、すべてが表出されて激突した試合となりました。

 

 両校の応援も素晴らしかった
 星稜応援曲『星稜コンバット』 智辯和歌山応援曲『ジョック・ロック』これも心に響きました。

 

 そして、最終14回の試合が決まった時の、会場の空気が渦を巻くような歓声・悲鳴。規模の大きさは違えど、第96回大会の石川大会決勝で味わって以来の空気でした。鳴り止まない拍手も同様です。

2014 第96回全国高校野球選手権石川大会~決勝~

 素晴らしい試合に居合わせ幸せを感じました。

 両校の磨き上げられたプレーの一つ一つが輝いて見えました。

 

遠くて分かりずらいですが、解説は、智辯和歌山 前 監督 高島先生・星稜 名誉監督 山下先生

第101回全国高校野球選手権大会 ~3回戦~ 8月17日(大会第11日目)第2試合 

 

 星 稜  智辯和歌山高校(和歌山)

 智 辯 000 001 000 000 00  1

 星 稜 000 100 000 000 03  4(タイブレーク)

 

投手:(星稜)奥川 14回完投 投球数165 被安打3 四球1・死球2 奪三振23 自責点0

   (智辯)小林 3回2/3 投球数70 被安打4 四死球2 奪三振3 自責点1
       矢田 1回1/3 投球数18 被安打1 四死球0 奪三振2 自責点0
       池田 8回1/3 投球数88 被安打5 四死球1 奪三振5 自責点1

 

攻撃:星稜 10安打(本塁打1)残塁11 併殺1

   智辯  3安打 残塁9 併殺2

 

守備:星稜に失策1 暴投 :智辯1

 

試合時間:2時間51分 観衆:約45000人

 

 星稜高校は、なんと言っても、奥川投手23奪三振、この内容が凄まじかったです。

 足が攣った時にはヒヤッとしましたが、その後も気持ちをしっかり持って、150kmのストレートを連発し連続三振をとったところなどは圧巻でした。延長に入っても、あの気力と体力は素晴らしかったです。

 この試合はまず彼がいなければ実現しない試合でした。

 浅い回に1アウトランナー1塁で三振ゲッツーをとった時は、低めの変化球で空振りをとりました。その時、ワンバウンドしたボールを送球するという難しい場面でしたが、山瀬捕手の素晴らしいキャッチング・スローイング・強肩が合致し、ショートの内山選手がベース上でランナーを待つほどの速球ストライクボールの送球をしたところは鳥肌が立ちました。

 サード知田選手もいいプレーで試合を引き締め、春からの成長がみられました。

 セカンド途中出場のセカンド山本選手もいい守備をみせました。

 レフト有松選手、彼も嫌なヒットになりそうな当たりを好捕しました。

 攻撃では、10安打を放ちながら、なかなか得点できなかった所は、智辯和歌山投手陣のレベルの高さを感じました。

 しかし、星稜打線が打線として機能しているのは、下位打線を打つ、福本選手、岡田選手、大高選手が好調を維持して、下位に来ても気が抜けない状況をつくった所にもあるのだと思います。

 そして、最後に福本選手が、昨夏の悪夢を打つ消すかのようなサヨナラ3ランホームランを放ってくれました。

 この試合は目立ちませんでしたが、点の欲しい所でキッチリ犠牲フライを打った山瀬選手も良かった。

 4番の内山選手は、この試合、いいスイングでヒットを放っていましたし、彼の中で何かがつかめた試合だったのではないかと見ていました。

      

 すべて選手のプレーや集中力が一つの線に繋がり、この素晴らしい試合が創られたと感じました。

 

 智辯和歌山高校も、三人の投手を継投し星稜打線を抑えました。先にも書きましたがレベルの高い投手リレーでした。

 最後、マウンドで崩れ落ち泣いておりましたが、池田投手のピッチングを見たとき、もし14回終了して決着がつかない場合の、それ以降の試合展開が心配になったほどでした。

 打線も3安打ではありましたが、気は抜けないのは当たり前ですが、スイングの鋭さは怖いものがありました。

 打席に立ったバッターの中で唯一、奥川投手から三振を喫することが無かった西川選手。6回にはジョック・ロックが鳴り響く中、鋭い打球をライトにはじき返し打点を挙げます。

 奥川投手の出来が素晴らしかったというのが智辯打線を抑えることが出来た理由ですが、全てのバッターが打つ雰囲気漂う素晴らしいバッターでした。

 

 そう智辯和歌山というチームは”スキ”を見つけることができないほどの、こちらも星稜とガップリ四つの集中力を持って試合を展開していました。

 

 最後の幕切れは、打球が放たれた刹那は無音になるほど、その1球に球場全体が集中していたかのような空気でした。

 忘れろと言われても忘れることができない試合となり、試合終了後も脊髄の中の方がゾワゾワする感じが少し続いた事を覚えています。

 

 決勝戦も素晴らしかったですが、この試合は今大会のベストゲームだと私は思っています。

 

 実は、夏の選手権大会を見ると、石川県  和歌山県の対戦は、これまで石川県の6連敗中でした

 第9回大会(1923・大正12) 和歌山中 9ー2 金沢商

 第45回大会(1963・昭和38)  南  部 2ー0 金沢泉丘

 第61回大会(1979・昭和54)  箕  島 4xー3 星 稜(延長18回)

 第63回大会(1981・昭和56) 和歌山工 4-0 星 稜

 第88回大会(2006・平成18) 智辯和歌山 5-2 金 沢

 第98回大会(2016・平成28) 市和歌山 8-2 星 稜

[完全版] 延長18回 1979年夏 [箕島 対 星稜] [ああ甲子園の高校球児]

YouTube「ああ甲子園の高校球児さん」の動画より

 

 そう、あの伝説の試合、『神様がつくった試合』称され語り継がれる、星稜  箕島 との一戦も延長戦での決着でした。

 当時、私は小学校5年生。

 この時、私は「星稜高校で野球をしよう」と心に決めた記憶があります。星稜高校野球部グランドは当時の私の自宅からも近かったこともあり、よく練習や試合を見にいってました。

 

 この日、大会第11日目は、もう一つ面白い現象がありました。

 第1試合 高岡商業(富山) 4-9 履正社(大阪)

 第2試合 星  稜(石川) 4-1 智辯和歌山(和歌山)

 第3試合 敦賀気比(福井) 3-4 仙台育英(宮城)

 第4試合 鶴  岡  東(山形) 6-7 関東第一(東東京) 

 

 そーなんです。北陸三県が連続で試合をした日でもありました。

 こんなことはあまりないのではないかと思います。残念ながら富山、福井両校とも惜敗ではありましたが、両試合ともに好ゲームでした。

 

 選手の心と技と体が一つになり、それがチームに伝搬し、相手チームとも共鳴した時、素晴らしい試合(場)が創られるのではないでしょうか

 そんな場に立ち会うことが出来、心から感謝、感動した試合でした。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

お時間がある方は、こちらもご覧くださいね

2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 開会式編

2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 試合編~vs 旭川大高校(北北海道)~

2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 試合編~vs 立命館宇治高校(京都)~

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 試合編~vs 立命館宇治高校(京都)~

2021年07月12日 | 高校野球

 第103回全国高校野球選手権大会(夏の甲子園大会)の県予選が各地で開催されております。

 私は少しタイムスリップして第101回の夏の甲子園大会のトレーナー活動を振り返っております。

 

 まずは第103回の夏の甲子園大会が無事開催されることを祈っております。
 ワクチン接種率は徐々に上がっていますが・・・変異株も広がっています・・・プロ野球も観客を入れて開催されてますので、あまり心配しておりませんが、何とか夏の甲子園大会のあの風景を球児たちに体験させてあげたいと切に思います。

 福井商業高校のコロナ感染症による野球部出場辞退のニュースは、元球児としては残念で仕方ありません。
 3年生の頑張ってきた2年半に対して労いとともに、今後へのエールを送りたいと思います

 オリンピックも無観客とのことで、ここが少し心配要素です。私はできればオリンピックも観客を入れて欲しいというのが願いです。

 

 

 さて、すごく遅くなっておりますが第101回の夏の甲子園大会のトレーナー活動を振り返ってます。この大会は2年ほど経過しても記憶に鮮明に残っているほど貴重な大会でした。星稜関係者にとっては皆さんそうかもしれませんが、私にとってもいろんな意味で心に残る夏となりました。

 

 第101回全国高校野球選手権大会 ~2回戦~ 8月13日(大会第8日目)第2試合

 星 稜  立命館宇治高校(京都)

 星 稜 010 103 010 6

 立 宇 000 003 000 3

投手:(星稜)荻原  5回 投球数94 被安打1 四死球3 奪三振5 自責点0
       寺西 2/3回 投球数17 被安打2 四死球2 奪三振0 自責点3
       奥川 2・1/3回 投球数39 被安打2 四死球1 奪三振3 自責点0
       寺沢 1回 投球数19 被安打0 四死球1 奪三振1 自責点0 

   (宇治)高木  9回完投 投球数170 被安打14 四死球7 奪三振5 自責点6

攻撃:星稜 14安打(二塁打3)残塁13 併殺0

   宇治  5安打 残塁8 併殺1

守備:両チーム失策0(暴投 両チーム1)

試合時間:2時間17分 観衆:約44000人

 

 この試合の印象は、立命館宇治高校が本当に徹底して奥川投手の速球に振りまけない練習をしてきたんだと感じました。
 それは荻原投手から、力で押すタイプの寺西投手に交代した時の打撃で感じました。確かにボールが多く単調な配球だったのもありますが、それを差し引いても素晴らしい打撃をしていました。

 そして勝ちたい気持ちは試合をやっている以上、どちらのチームにもありまたが、特に奥川投手がマウンドに上がってからの立命館宇治の選手の顔がワクワクしていました。身体からも迸っていました

 これは、もしかしたら今大会出場選手は、誰もが奥川投手と対戦したかったのかもしれません。それほどの実力を兼ね揃えた投手でもありました。

 荻原投手は、少し荒れ気味でしたが要所、要所は厳しいところに決まり、相手打線に的を絞らせませんでした。5回1安打は素晴らしい
 奥川投手が騒がれた大会でしたが、彼のピッチングは素晴らしいものがありテンポといいますかリズムの良さ、球のキレでは奥川投手に引けをとらないほどの投手です。
 彼の少し荒れたところ、外角いっぱいに決まるキレのあるスライダー、時折みせるフォークやチェンジアップ、緩急付けた多彩な投球はこの試合も光りました

 寺西投手は、不完全燃焼だったことでしょう。球威自体は悪くはなかったと思いますし、奥川投手がキレなら彼は威力というくらい重い球を投げます。昨夏は彼も悔しい思いをしていたため頑張って欲しかった。短いイニングの投球となりまたが、ここで経験するのとしないのとでは今後、大きく違ってきます

 奥川投手は、代わり際の先頭バッターにヒットされましたが、落ち着いたピッチングでした。相手打者はストレートを空振りすることはほとんど無かったですが、変化球が決まりだしてからは相手打線もタイミングが合わず、安定したピッチングでした。やや投球時のバランスの悪い部分がありましたが、それを試合の中で修正していけるのが彼のスゴイところです

 寺沢投手は、2年半でジワジワジワジワ成長し、コンスタントに135kmの球速を投げられるようになりました。変化球のキレも出てきて、エース級となりました。安定したピッチングを1回という短いイニングではありましたが、その練習の成果きっちり出すことが出来たピッチングだったと思います。
 そう昨夏の記憶を更新し、新たな記憶に書き換えることができたイニングだったと感じました

       

 守備では二試合続けてエラー無し。急遽セカンドの守備につくことになった福本選手が軽快にその責任を全うしたのが素晴らしかった  
 山瀬捕手の強肩で最初Jの盗塁をアウトにしたのも良かった
 9回、本来のスタメン山本選手がセカンドの守備につき、ランナー1塁からのライトに抜けそうな当たりを好捕してセカンドアウトをとったプレーは心にビリビリきた~~~
 三塁キャンパス寄りの強い当たりを好捕、一度ボールは落とすが、落ち着いて一塁へ送球しアウトをとった知田選手には春の甲子園からの成長を感じた(少し状況は違うが習志野高校戦では、キャンパス寄りの当たりを捕球することができず得点に繋がった)

 守備はいい感じで仕上がったいるな~と感じました。

 攻撃では、今大会好調を保ち続けた下位打線が、この試合も大きな働きをしました。
 福本選手、岡田選手の好調
 相手投手からすると下位打線だからホッと息を抜けないところに、今回の星稜打線の強さがあるのかなと感じました。
 7回終了して2点差。追加点が欲しいところで2年生の3番 知田選手、4番 内山選手(現 ヤクルトスワローズが2アウトから二人で1点をとってきたことは大きな安心といいますか、余裕が生まれる1点となりました。
 細かい所を言えば、バントは一発で決めてリズムある攻撃に繋げて欲しいなと感じてました。

 今大会は、奥川投手は打者としては調子は出ませんでしたが、その分、他の選手がきっちり仕事をしている所にも、彼がピッチングに専念、集中できる要素があったのかもしれません

             

 

 対戦相手の立命館宇治高校(京都)、前の試合の履正社高校(大阪)、智辯和歌山高校(和歌山)、津田学園高校(三重)と、関西周辺の高校の出場が多かったため、この日は多くの観客で甲子園球場は埋め尽くされていました

    

 

 そして、3回戦は球史に残る試合を繰り広げることになるのでした

 

星稜高校以外のこの日の試合結果

 第1試合 津田学園(三重) 3-7 履正社(大阪)

 第3試合 智辯和歌山(和歌山)  7-1 明徳義塾(高知)

 第4試合 敦賀気比(福井)  19-3 國學院久我山(東東京)

 

お時間がある方は、こちらもご覧くださいね

2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 開会式編

2019 夏 第101回全国高校野球選手権大会 トレーナー活動記 試合編~vs 旭川大高校(北北海道)~

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢) 

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