二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

なぜ知識を豊かにし、技術を磨かないといけないのか

2017年01月21日 | 鍼灸

さて大寒が過ぎ本格的な寒さが日本全国を覆っています

いつも鍼灸治療において、臨床をやっていると、患者さんの現在の症状や状態など病態把握が的確にでき、治療とカチッと絡み合った時、即効的に症状が改善したり、短期で健常な状態に戻ることはあります。

しかし、その逆もあります。

初診の問診から身体所見や現代医学的、東洋医学的検査法を行い「このような状態だから、こうしていこう」との病態把握から、患者さんへの説明を行い治療を行ったにも関わらず、うまく症状が改善しなかったり、経過が良くなかったりすることも多々あります。

そのような時は、どこに効果が出ない原因があるのか、もう少しこの方針で治療を継続すれば効果が出てくるのかなどを考察し、常に修正していくことが必要です。

そんな状況の連続が臨床なのかもしれません。

それが学びなのかもしれません。

私たちの仕事、鍼灸師というものは、とくに患者さまのカラダに直接触れ、そして、比較的長い時間患者さんのそばに寄り添える職業です。

ですから、患者さんの多彩な訴えに対応して、期待にこたえていくため、そこにには広く豊富な現代医学的、東洋医学的知識やその他、多くの要素が知識として必要となり、また、患者さんの訴えや人生を受け止め、包み込むような温かい人間性、人間力が必要となるのだと思います。

そして、大前提には症状を改善させ、治癒に導く確かな技術というものも必須です。

だから、知らないことが多いことを自覚し、常に知識を吸収し、自己の技術を練磨し、研ぎ澄ませていくことが必要です。

と、ここで、患者の心、術者の心の観点から、このことにについて考えていきたいと思います。

和田裕美さんの著書 『たくさん失敗をして気づいた 幸福のヒント36』(PHP文庫)という本を読んでいて、「そ~だよね~」と感じて、私たちの仕事に置き換えて考えてみた・・・というのが今回、ブログの神様が降臨してきたきっかけでした。

内容としましては、

和田さんが24歳の時に、英会話スクールの営業担当になりました。なかなか結果を出せずにいて、この仕事を辞めようとも考えていたある日、入会を希望する女性の担当になりました。

その女性は、入会はしたいが入会金や仕事のことについて不安があるようで、和田さんもその女性の不安に感情移入してしまったような形の会話が多くなり、結局、その方は入会されませんでした。

と、ある日、英会話サロンで、その方を見かけます。

会社の違う営業部の方で、成績優秀な方の話で入会することになったということでした。

そして、その優秀な営業の方と今回の件について話をすることになりまた・・・という流れで、本の中から、和田さんと優秀な営業の方の会話を抜粋します。

     ( 和=和田さん  優秀な営業マン=営 )

「質問させてくださいませんか?」

「あ、はい、どうぞ」

「あの、どうやって・・・どうして? 〇〇さんはお金も払えそうにないと言ったし、時間もなくて難しいって悩んでいたんです、それなのに・・・スタートする勇気を持てたのですか?」

「たぶん、〇〇さんと会ったとき、和田さんの心が後ろを向いていたんじゃないかと思うのです」

「へっ、うしろ?」

「うん、後ろというのは言い過ぎかもしれません。ただ、目の前の人が不安になったとき一緒に不安になってしまうのは、自分の軸足がぶれているからです。本気で動いたら相手の不安は解消されるはずなんです、というか相手の不安を取り除いてあげるべきだと思うのです。〇〇さんは前から英会話をやりたかったんです。けれど誰だって何かをスタートさせるときは不安です。 失敗しないかな? ちゃんと続くかな?って。 僕も経験があるのですが、自分自身がちょっと後ろ向きのときって、相手のその不安に自分も共鳴しちゃって、その不安を大きくしちゃうんです。

「・・・。そうかもしれません。私自身が迷っていました。実は結果が出なくて焦っていたし、落ち込んでいたし、何よりもやめたいなって思っていたんです」

「そうですか」

「はい、そ、そんな気持ちで人に会ってしまって、未来の見えてない私が誰かの背中を押して未来をワクワクと感じてもらうことができないのは、当たり前ですよね」

「・・・そういうときってありますよ。今回は、和田さんの不安な気持ちが彼女の中にある不安と共鳴しちゃったんです」

わたしは、おずおずと聞いてみました。

「あの、〇〇さんに・・・何と言ったのですか?」

「僕が〇〇さんに言ったのは、”未来は誰にも見えません。確実なのは、怖いと思った人には恐怖の未来がやってきて、逆に、なんとかなるだろうって明るく捉える人にはワクワクの未来が来るんです”、みたいな簡単なことです。それは僕がいつでも自分に言い聞かせていることです」

     ( 抜粋終了 )

治療院へ来院する患者さんは様々な方がおいでになります。

急性の痛みの症状、慢性疼痛、慢性症状、原因不明の症状、難病、それぞれの悩みを抱えて治療院の扉を叩かれます。

そして、患者さんの状態を聴くために問診はじめ多くの情報を収集するわけですが、特に慢性症状を持つ患者さんほど「心」に負の感情を抱いている方が多いのは、治療院に限らず医療機関であれば当然のところだと思います。

その負の感情とは、不安であり、怒りであり、恐怖であり、憂いであり、閉塞感であり、不満であり、苦しみであり、悲しみであり、いきつく所は絶望なのかもしれません。

症状と感情が入り混じったところで、現在の患者さんの「病気」が成立しているので、非常に症状改善や治癒の道に困難を要する場合も多いのです。

そのような時に、迷路のトンネルに入り込んで彷徨っている患者さんに、出口までの地図(病態把握と治療方針)を差し出し、僅かでも出口という希望を示していくこと、暗闇の中に幽かではあるけれど、光という希望や歓びを見い出してあげることが私たちの仕事なのだと思います。

そして、逆境にある患者さんの人生に寄り添い、出口という希望の光に一緒に伴走する(確かな治療技術)ことで、患者さんの人生をより豊かに、快適にしてあげることこそ、私たちの仕事の本分なのだと感じます。

光を得た患者さん、出口に到達した患者さんには、負の感情はなくなり、安心、笑顔、リラックス、感謝、満足、優越感、楽しみ、嬉しさ積極的な感情が放出され、そして到達した場所は幸福で溢れているのだと思います。

苦しんでいる患者さんの心をそこに導いていくには何が必要か・・・

それが豊富な知識であり、確かな治せる技術であり、寛容で、包容力があり、向上心のある人間性の探求にあるのだと思います。

治療院での臨床の場は、権藤、権藤、雨、権藤ではありませんが(ちょっと古すぎ~、プロ野球に興味ないとわからないし~)、反省、反省、気付き、反省の繰り返しで、患者さんから学び、修正し、常により良いものを提供していかなくてはいけません。

患者さんの笑顔と幸せのため、やはり努力を惜しんではいけないし、信念を持って手探りでもいいから進み続ける姿勢が、心が大切なのだと感じます。

日々、展開される治療院の現場の中で、当たり前のことなのですが、本を読んで何か新鮮にプチ感動し、再認識させていただきましたので書かせていただきました。

当たり前・・・ということで

 

COWCOW「あたりまえ体操#1」

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

    二葉鍼灸療院 田中良和

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第98回全国高校野球選手権大会(2016夏の甲子園大会)トレーナー活動回想録3

2017年01月05日 | 高校野球

皆様、新年あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします

さて、年を越してしまいましたが、第98回全国高校野球選手権大会(2016夏の甲子園大会)トレーナー活動回想録 ~練習・サポート編~に引き続き、~試合編~を書いておきたいと思います。

星稜高校は、組み合わせ抽選の結果、大会第4日目の第3試合で和歌山県代表 市立和歌山高校と決まりました。市立和歌山は、2016年は春夏と連続出場をしており、夏の和歌山県大会では、準々決勝では智辯和歌山高校、決勝では箕島高校を倒しての甲子園出場を果たしてました。投手力や守備力は互角で、打撃力は星稜がうえかなと試合前は感じていました。

 

8月10日は、早朝に宿舎を出発し、軽くカラダを動かして甲子園入りです。

練習では皆、朝ですが、明るく、いい動きをしていました

    今日もいい天気

ちなみに、この日の星稜市立和歌山以外の試合は・・・

 第1試合  関東第一(東東京)  広島新庄(広島)

 第2試合  京都翔英(京都)   樟  南(鹿児島)

 第4試合  花咲徳栄(埼玉)   大曲工業(秋田)

の3試合で、なかなかの好カードでした。

選手たちは、軽く汗を流し甲子園入り。

   

やはり阪神高速高架下に来ると気持ちが高まる~~

 

 

 第98回全国高校野球選手権大会 1回戦  平成28年8月10日(水)  
             
                    (大会第4日目 第3試合)

   星 稜(石川)   市立和歌山(和歌山)   観客数;38000人

    ( 試合開始 13:50   試合終了 15:30 )

 

                       一  二  三  四   五  六  七  八  九   合 計
   市和歌  1 3 0 0 0 0 1 3 0  8
 

  星 稜   1 1 0 0 0 0 0 0 0  2

 

試合が始まれば、どちらかが勝ち、どちらかが負けます。当たり前ですが、この負けを繰り返さないために、さらに次のステップのために何がどうなっていたのかを振り返っておくことも必要なのだと思います。

その振り返りはトレーナー活動の糧にもなります。チーム状況がどうだったか、甲子園大会にベストで試合に臨むためにはどうしなければならなかったか。いろいろ反省点も多い今夏の活動でした。

さて、試合は、星稜はピッチャー寺西君、和歌山は赤羽君で始まりました。

1回から試合が動きました。というより寺西君のリズムや調子があまり良くなく四球でランナーをため、1点を献上しましたが何とか1点で抑えました。しかし、2回に入っても復調する兆しがなくランナーをため1年生投手の竹谷君にスイッチしますが、相手のバントを絡めたタイムリーなどで3点を献上してしまいます。

しかし、序盤、和歌山の赤羽君も相手守備陣も私の目からみると浮足立っていたかなと思います。
星稜は1回裏すかさず、この日、両チーム合わせて唯一の長打となる畑中君のスリーベースヒットとキャプテン虎谷君のタイムリーで同点に追いつきます。

そして2回裏、星稜はヒットと相手エラーが重なり、1点を奪い、なお1アウト満塁という大チャンスを迎えました。初回の守備からの星稜の流れは悪かったですが、ここでビッグイニングにしておくことは、試合を大きく左右します。ここでチャンスに強い森田君。ここ最近、打撃の調子は落としてきていましたが、期待される場面でした・・・が、併殺打。
ここから、この試合、1試合5併殺という大会記録をつくってしまうのでした
本来チーム星稜なら、相手のチームからいただいたエラーやミス(失策;星稜1個、和歌山3個)は確実に加点していくのですが、今日は何か動きが硬く、勢いがありませんでした。

2番手を受け継いだ星稜の竹谷君はよく8回途中までリズムを作ってくれました。星稜はこの試合11安打を放ったものの、大事なところで併殺をくらい得点には結びつきませんでした。
逆に和歌山は短いヒットと送りバントを絡めて終盤追加点をあげていきました。

そして、竹谷君がつかまりだしたところで、3番手の2年生投手 小倉君にスイッチしましたが、ピリッとせず、さらにライトもヒット(ゴロ)をトンネルするなど、ここまで来ると、2014年来、逆転の星稜と言われてきたチームも気力が空回りしていきます。

8回、9回の星稜の攻撃も簡単に終わり、星稜の2016年夏の甲子園の戦いは終了、ゲームセットとなりました。

先ほども書きましたが安打数は星稜が11安打、和歌山が12安打と差はありません。犠打は星稜が0で、和歌山が5と、ここに試合の流れにもよりますが戦術の違いが出ているのでしょう。

また、相手ピッチャーの赤羽君は完投し投球数104球、星稜ピッチャー陣は、最終回、2年生エース清水君が出てMax 146kmのストレートを投げ込み相手打線を抑えますが、4人で140球を投げました。
おそらくボール球が多いのだと思いますが、ここにも波に乗り切れなかった要因があるのかなと感じました。

私はベンチ近くの内野席で観戦していましたが、振り返れば多くの星稜高校応援団の皆様が、最後まで諦めない、最後まで分からないんだという強い気持ちで応援していただいておりました。本当に、いつも甲子園に帯同するたびに感動、感激させていただいております。

星稜コンバットマーチが流れる機会は少なかったですが、あの曲が聞こえるたびに星稜高校野球部OBとしては鳥肌が立ちます。

本当に応援団の皆様、星稜高校を応援していただいた地元ファンの皆様に感謝です。

この敗戦は、おそらく次に繋がっていくだろうと思います。私もチームをベストなコンディショニングにもっていけなかった悔いもありますので、新チームではそうならないように対策を講じていくことが、私の役目だと肝に銘じて、甲子園球場をあとにしました・・・

2016年の試合を振り返りました。

星稜高校野球部選手の皆さん、保護者の皆さん、監督、部長などスタッフの皆さん、学校関係者の皆さん、お疲れ様でした。

来年もまた来ましょう

最後までお読みいただき、ありがとうございました。が、この~試合編~は最終ではなく、次に~番外編~を書いて回想録を終了したいと思います。

どうぞ最後までお付き合いくださいませ~

 

   二葉鍼灸療院 田中良和

コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする