5月19日(水)、酔耀会の勉強会に行ってきました。
酔耀会も結成して確か3年が過ぎたと思います。徐々に若い先生方の出席が増えてきて嬉しいことです。また、業界活動や学術活動、何かを頼む時には、声がかけやすく、そして、気心の知れた仲間がいるということは有り難いことです。
しかし、勉強や臨床のことに関しては喧々諤々、皆で切磋琢磨しています。ただ仲が良いだけでは、進歩・成長していきませんからね。
☆内 容☆
・症例報告&表皮についての発表
【宮川先生】
来月の加賀・三策塾での発表のための症例報告でした。「閉塞性動脈硬化症に対する鍼灸治療」という表題でした。76歳 男性の症例でしたが、あまりにも治療期間が短いので鍼灸治療としての所見がとれないことがあり、過去の閉塞性動脈硬化症の症例が発表にはいいのではないか、ということで、過去にこの閉塞性動脈硬化症で鍼灸治療効果のあった症例を三策塾では発表することになりました。
「表皮について」。皮膚は人体を覆い、最大の臓器とも言われています。皮膚は脳や感覚器と同様、外胚葉由来です。その皮膚の損傷、修復を行う場合は皮膚の電位差が重要なカギを握ります。表皮の細胞自体が、光(色)や温度、圧力を感じ興奮と抑制の信号を発していることが明らかとなっています。その辺りの傳田光洋さん(『皮膚から考える、命、こころ、世界 第三の脳』の著者)の考えや研究を紹介してもらいました。鍼灸師はまず皮膚を診て、皮膚を擦っして、皮膚に鍼やお灸をするのです。その入力システムを理解することは大切なことです。
・経絡と骨格の相関関係について
【安井先生】
経絡とは、人体に14本流れる気の流れであり、太古の昔から今に受け継がれている、東洋医学独特の考え方です。現代科学が解明してきた神経、血管、リンパ管、筋肉、骨格などの解剖学や生理学などとは別に、臨床をやっていると気の流れというものも存在するのではと思う現象もしばしばあります。実証はされていませんが。安井先生は柔道整復師の免許を持っています。また、面白い観点で身体を捉えていますので、操体法、大東流合気柔術、経絡治療(鍼灸)、整体などを複合して考え、臨床での一つの引き出しとしての情報を、簡単な症例報告を交えながら紹介して頂きました。
・症例報告:「疼痛の原因が更年期障害と判断した1症例」
【豊島先生】
52歳 女性。仕事は学校で給食づくりを行っている。2月、3月、5月と前腕や下腿の痛みを訴えて来院。短期間のうちに誘因なく痛みを発症。整形外科でのレントゲンや血液検査異常なく基礎疾患は除外。疼痛、腫脹、熱感がある割に数回で治癒する。ホットフラッシュ、寒気など更年期症状が存在したことなどから、更年期障害に起因する痛みではないかと判断したようです。更年期障害は内分泌機能や自律神経機能のアンバランスにより、多種の精神的身体的愁訴を訴えるもので、その症状も個人差が大きいものです。更年期の女性が来院された時は、痛みなどの整形外科的疾患であれ、どんな状態であれ、その影響もしっかり考慮し、問診、治療を行うことは大切ですね。
・症例報告:脊柱管狭窄症に対する鍼灸施術の一症例
【藤田先生】
老人施設が隣接する鍼灸院で働き始めて、まだ臨床経験も浅い藤田先生。94歳 男性の脊柱管狭窄症から来ると思われる、左足のシビレと歩きづらいを主訴として来院。これまで7回の鍼灸治療を行い、腰も楽になり、治療後は歩くのも楽になるまで改善。しかしシビレだけがとれないので、どうしたらいいのか?という質問の意味も込めた症例報告でした。酔耀会メンバーからいろんな意見を聞き、参考になったと思います。脊柱管狭窄症からくる症状は鍼灸治療で良くなるものと、改善が難しいものがあります。その辺りの鑑別も大切です。
・症例報告:「後腹膜腫瘍」術後の体調管理としての鍼灸治療の症例
【田中良和】
8月に開催される生体調整機構制御学会と、9月に金沢市で開催される全日本鍼灸マッサージ師会の東洋療法推進大会in石川大会で発表する症例報告です。まだ未完成でしたが概要だけ少し発表させて頂きました。完成版は7月の酔耀会で練習も兼ねて発表予定です。
・実技:筋肉を触る!~僧帽筋中部線維・下部線維~
【粟 先生】
先月から行っている筋肉を正確に触るという実技です。今までしっかり触っていたようで、触っていなかった、という所、んん~抜け落ちていた点が意識できてたいへん臨床の参考になります。筋肉と筋肉との接点、ここを触るのが難しいのだけど、ここが重要なんですよね。患者さまの触診の仕方、意識の仕方が変わってきています。進化中!ってことですね。
いや~このブログを書き始めてから1週間が経ってしまった。他にやることがたくさんあり、ブログが更新でませ~ん
やることがたくさんある時ほど、患者さまも多くいらっしゃるし、気づきも多いんですよね
そして、勉強することもたくさん発見できるのでござ~る
”人間は、勉強量や読んだ本の冊数で賢くなるのではない。勉強法が自分の追求する目的に達しているか、一心不乱に勉強に取り組んでいるか、勉強が習慣となっているか―このような点こそ問題なのである。”
『自助論』より
来月もがんばろっと
二葉鍼灸療院 田中良和
酔耀会も結成して確か3年が過ぎたと思います。徐々に若い先生方の出席が増えてきて嬉しいことです。また、業界活動や学術活動、何かを頼む時には、声がかけやすく、そして、気心の知れた仲間がいるということは有り難いことです。
しかし、勉強や臨床のことに関しては喧々諤々、皆で切磋琢磨しています。ただ仲が良いだけでは、進歩・成長していきませんからね。
☆内 容☆
・症例報告&表皮についての発表
【宮川先生】
来月の加賀・三策塾での発表のための症例報告でした。「閉塞性動脈硬化症に対する鍼灸治療」という表題でした。76歳 男性の症例でしたが、あまりにも治療期間が短いので鍼灸治療としての所見がとれないことがあり、過去の閉塞性動脈硬化症の症例が発表にはいいのではないか、ということで、過去にこの閉塞性動脈硬化症で鍼灸治療効果のあった症例を三策塾では発表することになりました。
「表皮について」。皮膚は人体を覆い、最大の臓器とも言われています。皮膚は脳や感覚器と同様、外胚葉由来です。その皮膚の損傷、修復を行う場合は皮膚の電位差が重要なカギを握ります。表皮の細胞自体が、光(色)や温度、圧力を感じ興奮と抑制の信号を発していることが明らかとなっています。その辺りの傳田光洋さん(『皮膚から考える、命、こころ、世界 第三の脳』の著者)の考えや研究を紹介してもらいました。鍼灸師はまず皮膚を診て、皮膚を擦っして、皮膚に鍼やお灸をするのです。その入力システムを理解することは大切なことです。
・経絡と骨格の相関関係について
【安井先生】
経絡とは、人体に14本流れる気の流れであり、太古の昔から今に受け継がれている、東洋医学独特の考え方です。現代科学が解明してきた神経、血管、リンパ管、筋肉、骨格などの解剖学や生理学などとは別に、臨床をやっていると気の流れというものも存在するのではと思う現象もしばしばあります。実証はされていませんが。安井先生は柔道整復師の免許を持っています。また、面白い観点で身体を捉えていますので、操体法、大東流合気柔術、経絡治療(鍼灸)、整体などを複合して考え、臨床での一つの引き出しとしての情報を、簡単な症例報告を交えながら紹介して頂きました。
・症例報告:「疼痛の原因が更年期障害と判断した1症例」
【豊島先生】
52歳 女性。仕事は学校で給食づくりを行っている。2月、3月、5月と前腕や下腿の痛みを訴えて来院。短期間のうちに誘因なく痛みを発症。整形外科でのレントゲンや血液検査異常なく基礎疾患は除外。疼痛、腫脹、熱感がある割に数回で治癒する。ホットフラッシュ、寒気など更年期症状が存在したことなどから、更年期障害に起因する痛みではないかと判断したようです。更年期障害は内分泌機能や自律神経機能のアンバランスにより、多種の精神的身体的愁訴を訴えるもので、その症状も個人差が大きいものです。更年期の女性が来院された時は、痛みなどの整形外科的疾患であれ、どんな状態であれ、その影響もしっかり考慮し、問診、治療を行うことは大切ですね。
・症例報告:脊柱管狭窄症に対する鍼灸施術の一症例
【藤田先生】
老人施設が隣接する鍼灸院で働き始めて、まだ臨床経験も浅い藤田先生。94歳 男性の脊柱管狭窄症から来ると思われる、左足のシビレと歩きづらいを主訴として来院。これまで7回の鍼灸治療を行い、腰も楽になり、治療後は歩くのも楽になるまで改善。しかしシビレだけがとれないので、どうしたらいいのか?という質問の意味も込めた症例報告でした。酔耀会メンバーからいろんな意見を聞き、参考になったと思います。脊柱管狭窄症からくる症状は鍼灸治療で良くなるものと、改善が難しいものがあります。その辺りの鑑別も大切です。
・症例報告:「後腹膜腫瘍」術後の体調管理としての鍼灸治療の症例
【田中良和】
8月に開催される生体調整機構制御学会と、9月に金沢市で開催される全日本鍼灸マッサージ師会の東洋療法推進大会in石川大会で発表する症例報告です。まだ未完成でしたが概要だけ少し発表させて頂きました。完成版は7月の酔耀会で練習も兼ねて発表予定です。
・実技:筋肉を触る!~僧帽筋中部線維・下部線維~
【粟 先生】
先月から行っている筋肉を正確に触るという実技です。今までしっかり触っていたようで、触っていなかった、という所、んん~抜け落ちていた点が意識できてたいへん臨床の参考になります。筋肉と筋肉との接点、ここを触るのが難しいのだけど、ここが重要なんですよね。患者さまの触診の仕方、意識の仕方が変わってきています。進化中!ってことですね。
いや~このブログを書き始めてから1週間が経ってしまった。他にやることがたくさんあり、ブログが更新でませ~ん
やることがたくさんある時ほど、患者さまも多くいらっしゃるし、気づきも多いんですよね
そして、勉強することもたくさん発見できるのでござ~る
”人間は、勉強量や読んだ本の冊数で賢くなるのではない。勉強法が自分の追求する目的に達しているか、一心不乱に勉強に取り組んでいるか、勉強が習慣となっているか―このような点こそ問題なのである。”
『自助論』より
来月もがんばろっと
二葉鍼灸療院 田中良和