世の中が何かおかしい”今”だから…
”前にも書きましたが、言葉は恐ろしいものです。それを語った人に責任を求めます。汚いことばを語る人には、汚い生き方をすることを。やさしいことばを語る人にはやさしくあることを。死を語る人には、死ぬことを。
今日、一人の教え子と会いました。赤ちゃんを抱っこして私に会いに来てくれました。彼女は、今から10年前、横浜のデパートの地下でお弁当を万引きしたところを、私が保護しました。彼女は当時、十数人の家族と六畳二間の家に住んでいました。お母さんは倒れ寝たきり、二人の姉が売春で生計をたてていました。幼い妹や弟のための万引きでした。「ばかやろう、うざってえんだよ。刑務所でも入ってやる。上等だ」ありとあらゆる罵声を私にぶつけてきました。私はすぐに手続きを取り、母親は病院、子供たちはそれぞれ施設に預けました。ところが、母親は入院先の病院で病状が急転して亡くなりました。
その後、彼女の姉たちは行方不明に。弟たちは施設で。彼女はしばらく我が家で生活しました。我が家でたくさんのやさしいことばを覚えてくれました。もじもじしながら「ありがと」ということばを、私に言った彼女の真っ赤な顔、すてきでした。「幸せ」「うれしい」「楽しい」「きれい」「明日…」「夢は…」、たくさんの美しいことばが彼女の口から出てきました。優しい美しいことばを出すごとに、彼女の目から険しさがとれやさしい顔になっていきました。
彼女は私が紹介した知り合いの中華料理店で、住みこみで働き始めました。そして一昨年、その店で調理師として働いていた青年と結婚。私はめずらしく結婚式に出ました。彼女の親として。花束贈呈での彼女の私への手紙の朗読では、泣きに泣きました。美しい多くのやさしい想いのこもったことばを私にくれました。
彼女は「よちよちよち、おじいちゃんですよ」と赤ちゃんを私に抱かせてくれました。彼女の輝く目に、私は幸せをもらいました。
子どもたち、ぜひ毎日たくさんのやさしい、美しいことばを話してみませんか。家族に友だちに見知らぬ人に。きっとみなさんの心をやさしくしてくれます。きっと君たちの周りがやさしくなります。
大人のみなさん、ぜひ子どもたちにたくさんのやさしい美しいことばをあげてください。子どもたちの明日のために。
『夜回り先生 こころの授業』 水谷 修 著より
美しく優しい想いや、言葉には、魂が宿っています。また、その人の想いや言葉が現実に返ってきます。
夜回り先生、水谷さんの、真剣であるが故に甘酸辛苦を味わった体験、そこから生まれる深い深い深い愛情のこもったメッセージだと思います。

昨今、様々な理解できないような事件が起きていますが、これらを私たちの心の内面を映す鏡として捉え、我が事と考え社会をみつめていくことが大事なのでしょう。
自分の周囲の近しい人でいいから”美しいことば””優しいことば”をかけていきましょう。そうすれば自分も相手も、周りの空気もすごく気持ちの良い、温かいものになっていくと思います。


二葉鍼灸療院 田中良和

”前にも書きましたが、言葉は恐ろしいものです。それを語った人に責任を求めます。汚いことばを語る人には、汚い生き方をすることを。やさしいことばを語る人にはやさしくあることを。死を語る人には、死ぬことを。
今日、一人の教え子と会いました。赤ちゃんを抱っこして私に会いに来てくれました。彼女は、今から10年前、横浜のデパートの地下でお弁当を万引きしたところを、私が保護しました。彼女は当時、十数人の家族と六畳二間の家に住んでいました。お母さんは倒れ寝たきり、二人の姉が売春で生計をたてていました。幼い妹や弟のための万引きでした。「ばかやろう、うざってえんだよ。刑務所でも入ってやる。上等だ」ありとあらゆる罵声を私にぶつけてきました。私はすぐに手続きを取り、母親は病院、子供たちはそれぞれ施設に預けました。ところが、母親は入院先の病院で病状が急転して亡くなりました。
その後、彼女の姉たちは行方不明に。弟たちは施設で。彼女はしばらく我が家で生活しました。我が家でたくさんのやさしいことばを覚えてくれました。もじもじしながら「ありがと」ということばを、私に言った彼女の真っ赤な顔、すてきでした。「幸せ」「うれしい」「楽しい」「きれい」「明日…」「夢は…」、たくさんの美しいことばが彼女の口から出てきました。優しい美しいことばを出すごとに、彼女の目から険しさがとれやさしい顔になっていきました。
彼女は私が紹介した知り合いの中華料理店で、住みこみで働き始めました。そして一昨年、その店で調理師として働いていた青年と結婚。私はめずらしく結婚式に出ました。彼女の親として。花束贈呈での彼女の私への手紙の朗読では、泣きに泣きました。美しい多くのやさしい想いのこもったことばを私にくれました。
彼女は「よちよちよち、おじいちゃんですよ」と赤ちゃんを私に抱かせてくれました。彼女の輝く目に、私は幸せをもらいました。
子どもたち、ぜひ毎日たくさんのやさしい、美しいことばを話してみませんか。家族に友だちに見知らぬ人に。きっとみなさんの心をやさしくしてくれます。きっと君たちの周りがやさしくなります。
大人のみなさん、ぜひ子どもたちにたくさんのやさしい美しいことばをあげてください。子どもたちの明日のために。
『夜回り先生 こころの授業』 水谷 修 著より
美しく優しい想いや、言葉には、魂が宿っています。また、その人の想いや言葉が現実に返ってきます。

夜回り先生、水谷さんの、真剣であるが故に甘酸辛苦を味わった体験、そこから生まれる深い深い深い愛情のこもったメッセージだと思います。


昨今、様々な理解できないような事件が起きていますが、これらを私たちの心の内面を映す鏡として捉え、我が事と考え社会をみつめていくことが大事なのでしょう。

自分の周囲の近しい人でいいから”美しいことば””優しいことば”をかけていきましょう。そうすれば自分も相手も、周りの空気もすごく気持ちの良い、温かいものになっていくと思います。



二葉鍼灸療院 田中良和